テラス囲いは固定資産税がかからない?答え「普通にかかります」
テラス囲いは固定資産税がかからないといわれますが、普通に固定資産税がかかります。
しかし、税額はさほど高くありません。
固定資産税がかかるテラス囲いの条件と、テラス囲いの固定資産税をパパっと簡単にシミュレーションする方法をご紹介しましょう。
目次
- 1. 本記事が指す「テラス囲い」とは?サンルームとの違い
- 2. テラス囲いは固定資産税がかからないということはない
- 2-1. 固定資産税がかからないテラス囲いの条件
- 2-2. バルコニーに後付けするテラス囲いも固定資産税がかかる
- 2-3. テラス囲いの固定資産税はいくら?
- 2-4. テラス囲いを設置後の固定資産税に関する申請手続き
- 2-5. テラス囲いを後付けしてバレると固定資産税はどうなる?
- まとめ - 固定資産税に関することは市町村役場に問い合わせを
本記事が指す「テラス囲い」とは?サンルームとの違い
テラス囲いは固定資産税がかからないといわれますが、残念ながらかかります。
しかし、テラス囲いの意味は曖昧であり、車輪付きで移動できるなど珍しいテラス囲いがあれば、固定資産税がかからない可能性があります。
よって、まずは本記事で取り上げるテラス囲いの定義をご紹介しましょう。
本記事で取り上げるテラス囲いとは、庭やバルコニーに設置する、アルミ製のフレームとポリカーボネート(強化プラスチック)などで造られた、屋根と壁、ドアや窓から成る覆いを指します。
具体的な商品名を挙げると、リクシルの「サニージュ」、YKK APの「ソラリア・テラス囲い・バルコニー囲い」、三協アルミの「晴れもようwith」などです。
本記事で取り上げる固定資産税がかかるテラス囲いのイメージ
テラス囲いと似た覆いにサンルームがありますが、一般には、サンルームはアルミ製のフレームとガラスで造られた覆いを指します。
テラス囲いの施工コストは30万円から80万円などであるのに対し、サンルームの施工コストは100万円から300万円程度などとなっています。
テラス囲いとサンルームの違い
| テラス囲い | サンルーム | |
|---|---|---|
| 使用資材 | アルミ、ポリカーボネート(強化プラスチック)など | アルミ、ガラスなど |
| 耐久性と気密性 | 必要十分の耐久性と気密性がある | 高い耐久性と気密性がある |
| 設置場所 | 庭、バルコニー | 庭 |
| 施工コスト | 30万円~80万円程度 | 100万円~300万円程度 |
前置きが長くなりましたが、テラス囲い付きの新築の取得や、お住まいの住宅をリフォームしつつテラス囲いを後付けすることを希望する方へ向けて、固定資産税の詳細を解説しましょう。
テラス囲いは固定資産税がかからないということはない
テラス囲いは固定資産税がかからないといわれますが、その商品がテラス囲いとしての機能を有するのであれば、普通に固定資産税がかかります。
テラス囲いなど建物に付随する建築物は、外気分断性(屋根や壁などがあるなどして外気を分断する性能)がある、建物と一体化している、人貨滞留性(人や物が滞留する空間)があれば固定資産税がかかります。
テラス囲いは屋根と壁があることにより外気分断性を有し、防水処理が行われるなどして建物と一体化し、人や物が滞留できる人貨滞留性があります。
よって、テラス囲いは、残念ながら固定資産税がかかることとなります。
- 外気分断性(屋根や壁などがあるなどして外気を分断する性能)がある
- 止水処理が行われるなどして建物と一体化している
- 人貨滞留性(人や物が滞留する空間)がある
「建物は土地への定着性があれば固定資産税がかかるが、テラス囲いは基礎がなく簡易的な造りで土地に定着していないため、固定資産税がかからない」という噂があるようです。
しかし、庭に設置するテラス囲いは、穴を掘って基礎を設けるなどして地面に定着させます。
また、バルコニーに後付けするテラス囲いは、バルコニーに取り付けつつ建物もろとも地面に定着させます。
すなわち、テラス囲いは「土地への定着性の有無」という観点からも固定資産税がかかる条件を満たしているというわけです。
もし、テラス囲いを後付けしつつ固定資産税が課されていないという方がいらっしゃるのであれば、おそらくは市町村役場が気づいていないのではないでしょうか。
しかし、一定の条件を満たすテラス囲いは、固定資産税がかかりません。
そのテラス囲いは、もはやテラス囲いとは呼べないかもしれませんが、引き続き詳細を解説しましょう。
テラス囲いが付いた新築の戸建てや建売、注文住宅の取得を希望する方や、お住まいの住宅をリフォームしつつテラス囲いの後付けを希望する方がいらっしゃいましたら、ぜひ参考になさってください。
固定資産税がかからないテラス囲いの条件
テラス囲いは外気分断性と人貨滞留性があり、建物と一体化しているため固定資産税がかかりますが、側面にパネルがないなどすれば固定資産税がかかりません。
それはもはやテラス囲いとは呼べませんが、具体的には、テラス屋根やストックヤードなどは固定資産税がかからないこととなります。
テラス屋根とはテラスを覆う屋根であり、側面にパネルがないことにより外気分断性が皆無で固定資産税がかかりません。
ストックヤードとは勝手口などを覆うように設置する屋根であり、やはり側面にパネルがなく固定資産税がかからないこととなります。
固定資産税がかからないストックヤードのイメージ
なお、ストックヤードの代表的な商品といえばリクシルの「スピーネストックヤード」ですが、同商品は両側面にパネルやドアを取り付けるオプションがあります。
そして、両側面にパネルやドアを取り付けると、外気分断性が発生しつつ固定資産税がかかるため注意してください。
固定資産税がかからないのは、両側面にパネルやドアがなく外気分断性がないストックヤードです。
バルコニーに後付けするテラス囲いも固定資産税がかかる
テラス囲いは外気分断性と人貨滞留性があり、建物と一体化しているため固定資産税がかかりますが、それはバルコニーに後付けしたテラス囲いも同様です。
バルコニーに後付けしたテラス囲いにも外気分断性と人貨滞留性があり、止水処理が行われるなどして建物と一体化しているため固定資産税がかかります。
テラスとは、盛り土が行われるなどして周辺よりも一段高くなった屋外スペースを指します。
よって、テラス囲いとは、本来であれば庭の一部に設置されたものを指しますが、以下のようにバルコニーを覆うように設置する商品も多数販売されています。
バルコニーに後付けするテラス囲いのイメージ
しかし、テラス囲いの固定資産税は、実はさほど高くありません。
よって、テラス囲いを後付けするリフォームを希望し、固定資産税が高くなるのではと案ずる場合は、思い切って実施するのが良いでしょう。
つづいて、テラス囲いの固定資産税がいくらになるかシミュレーションする方法をご紹介しましょう。
ちなみに「総務省:固定資産税」では、固定資産税のあらましをご確認いただけます。
テラス囲いの固定資産税はいくら?
テラス囲いは固定資産税がかからないといわれますが、固定資産税がかかります。
ここで気になるのが、テラス囲いの固定資産税はいくらかという点です。
実は、テラス囲いの固定資産税はさほど高くなく、税額も簡単にシミュレーションできます。
テラス囲いの固定資産税は、「テラス囲いを設置するために要した費用の総額(消費税別)×60%×1.4%」と計算すればシミュレーションできます。
また、市街地に位置する建物にテラス囲いを設置すると、多くの場合は固定資産税に加えて都市計画税もかかります。
都市計画税とは、公共施設を維持新設する都市計画事業などの費用を賄うために市町村が徴収する目的税です。
テラス囲いの都市計画税は、「テラス囲いを設置するために要した費用の総額(消費税別)×60%×0.3%」と計算すればシミュレーションできます。
テラス囲いの固定資産税のシミュレーション式
テラス囲いを設置するために要した費用の総額(消費税別)×60%×1.4%=固定資産税
テラス囲いの都市計画税のシミュレーション式
テラス囲いを設置するために要した費用の総額(消費税別)×60%×0.3%=都市計画税
固定資産税や都市計画税は、建物や土地などを所有することにより課されますが、その税額は、市町村が評価した対象となる建物、または土地の時価に税率を掛け算して計算します。
そして、正確な根拠はないものの、市町村が評価した建物、もしくはその建物に付随するものの時価は、市場価格の60%程度になるといわれます。
また、固定資産税の税率は市町村によって異なるものの主に1.4%、都市計画税の税率は市町村によって異なるものの最高で0.3%です。
したがって、先述のように「テラス囲いを設置するために要した費用の総額(消費税別)×60%×1.4%」と計算すれば、テラス囲いの固定資産税をシミュレーションできます。
くわえて、先述のように「テラス囲いを設置するために要した費用の総額(消費税別)×60%×0.3%」と計算すれば、テラス囲いの都市計画税をシミュレーションすることが可能です。
たとえば、50万円の費用をかけてテラス囲いを設置したとしましょう。
であれば「50万円×60%×1.4%=4,200円」と計算して固定資産税は4,200円程度、「50万円×60%×0.3%=900円」と計算して都市計画税は900円程度、税額の合計は5,100円程度です。
この5,100円という税額が高いか安いかは個人差があると思いますが、これまでに様々な建物や設備の固定資産税を試算した私からすると、さほど高くないと感じます。
よって、テラス囲い付きの新築の戸建てや建売、注文住宅の取得、または住宅をリフォームしつつテラス囲いの後付けを希望し、固定資産税が高くなるのではと案ずる場合は、思い切って設置するのが良いでしょう。
テラス囲いがあれば花粉や黄砂の季節も洗濯物を乾かしやすくなり、子供やペットの遊び場、ガーデニングスペースなどとして利用でき、住環境が充実します。
テラス囲いを設置後の固定資産税に関する申請手続き
テラス囲いは固定資産税がかからないといわれますが、残念ながら固定資産税がかかります。
では、申請の必要性はあるのでしょうか。
また、どのような流れで固定資産税がかかるのでしょうか。
それは、テラス囲い付きの新築を取得した場合と、お住まいの住宅をリフォームしつつテラス囲いを後付けした場合によって異なり、詳細は以下のとおりです。
テラス囲い付きの新築を取得した場合の固定資産税に関する申請手続き
テラス囲いが付いた新築を取得した場合は、更地に住宅を新築した場合を除き、固定資産税に関する申請の手続きは不要です。
新築を取得後まもなくすると、市町村役場から「家屋調査の協力へのお願い」などのはがきが届きます。
内容は、「新築の住宅を取得したとの連絡を法務局から受けました。つきましては、どのような住宅を取得したのか家屋調査を行いますので、日程の調整にご協力ください」などというものです。
はがきを受け取った後に、こちらから市町村役場に電話で連絡をするなどして日程を調整しつつ家屋調査に立ち会います。
家屋調査では、担当者によって床面積、使用されている資材の種類やグレード、数量などが調査されます。
そして、建物を取得した日が属する年の翌年から、テラス囲いを含めた建物の固定資産税を払うこととなります。
たとえば、令和8年にテラス囲い付きの新築を取得したのであれば、令和9年から固定資産税を払うといった具合です。
テラス囲い付きの新築の取得から固定資産税を払うまでの流れ
- テラス囲いが付いた新築を取得し、取得したことを法務局で登記する
- 登記が完了すれば、その情報が市町村役場に伝わる
- 市町村役場から家屋調査を実施することが記されたはがきなどが届く
- 日程を調整しつつ家屋調査が行われる
- テラス囲い付きの新築を取得した日が属する年の翌年から固定資産税を払う
ちなみに、当サイト「固定資産税をパパッと解説」では、家屋調査で市町村役場の担当者がチェックする箇所をご紹介する記事「家屋調査はどこまで見る?」を公開中です。
テラス囲い付きの新築の取得を予定し、家屋調査でチェックされる箇所が気になる方がいらっしゃいましたら、ぜひご覧ください。
なお、先行して土地を取得するなどし、更地に住宅を新築した場合は、テラス囲いの有無を問わず速やかに市町村役場に「更地に住宅を新築したこと」を届け出てください。
そうすれば、「住宅用地に対する固定資産税の課税標準の特例(通称:住宅用地の特例)」という軽減措置がスムーズに適用されます。
住宅用地の特例とは、住宅が建つ土地の固定資産税が軽減される措置であり、更地に新築をした場合は、市町村役場に届け出をすることにより遅延なく適用されます。
届け出を忘れると、住宅用地の特例の適用が遅くなることがあるため注意してください。
住宅をリフォームしてテラス囲いを後付けした場合の固定資産税に関する申請手続き
お住まいの住宅をリフォームしつつテラス囲いを後付けした場合は、市町村役場に改築を行ったことの連絡をします。
連絡は申請という大げさなものではなく、電話やメールなどでかまいません。
連絡をすれば、市町村役場の担当者によって家屋調査が行われます。
家屋調査では、後付けしたテラス囲いの寸法、使用されている資材のグレードなどが調査されます。
そして、テラス囲いを後付けするリフォームが完了した日が属する年の翌年から固定資産税が上がることとなります。
たとえば、令和8年中にテラス囲いを後付けするリフォームを行いつつ完了したのであれば、令和9年から固定資産税が上がるといった具合です。
テラス囲いの後付けから固定資産税が上がるまでの流れ
- テラス囲いを後付けするリフォームを行う
- リフォーム完了後に市町村役場に改築を行ったことを連絡する
- 市町村役場から担当者が訪れ、どのようなテラス囲いを後付けしたか家屋調査が行われる
- テラス囲いの後付けが完了した日が属する年の翌年から固定資産税が上がる
なお、多忙である、気が滅入っているなどの理由で家屋調査を拒否したい場合は、その旨を市町村役場に伝えてください。
市町村役場が了承すれば家屋調査は実施されず、おそらくは、リフォームしつつ後付けしたテラス囲いの資料などの提出を以て家屋調査の代わりとなります。
テラス囲いを後付けしてバレると固定資産税はどうなる?
お住まいの住宅をリフォームしつつテラス囲いを後付けした場合は、リフォーム完了後に市町村役場に改築したことを連絡します。
連絡をすれば家屋調査が行われ、テラス囲いの後付けが完了した日が属する年の翌年から固定資産税が上がることとなります。
ここで気になるのが、連絡をしなければテラス囲いの固定資産税はどうなるかという点です。
連絡をしなければ、固定資産税は上がらないのではとお考えになる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
テラス囲いを後付けするリフォームを行いつつも連絡をしなければ、ひとまずは固定資産税は上がりません。
しかし、バレると、テラス囲いを後付けするリフォームが完了した日が属する年の翌年に遡って固定資産税が徴収されることとなります。
たとえば、令和8年にテラス囲いを後付けするリフォームを行いつつも市町村役場に届け出ず、令和12年に後付けしたことがバレたとしましょう。
であれば、令和12年に、令和9年度分、10年度分、11年度分、12年度分のテラス囲いの固定資産税が徴収されるといった具合です。
ちなみに、テラス囲いを後付けするリフォームの完了後に市町村役場に届け出をしなくとも特に罰則はありません。
これは、固定資産税は申請や申告をせずとも課税される「賦課課税方式」であることが理由です。
まとめ - 固定資産税に関することは市町村役場に問い合わせを
テラス囲いに固定資産税がかかることや、テラス囲いの固定資産税をシミュレーションする方法などご紹介しました。
テラス囲いは固定資産税がかからないといわれますが、外気分断性と人貨滞留性があり、止水処理が行われるなどして建物と一体化しているため固定資産税がかかります。
また、テラス囲いは簡易的な造りで外気分断性が弱く固定資産税がかからないなどともいわれますが、市町村役場による外気分断性の有無の判断は、納税義務者にとって非常に厳しいものとなるのが通例です。
たとえば、屋外にカーポート(屋根だけのガレージ)を設置したとしましょう。
さすがにカーポートは外気分断性がないとみなされ固定資産税がかかりませんが、側面となる部分に複数の柱を建てつつ壁のように機能させたとします。
柱を並べているだけですから、外気分断性はないはずですが、これも市町村によっては外気分断性があるとみなします。
そして、そのカーポートには固定資産税がかかることとなります。
つまり、テラス囲いは外気分断性がないため固定資産税がかからないだろうという考えは、淡い期待の可能性があるというわけです。
テラス囲い付きの新築の戸建てや注文住宅の取得を希望する方や、居住する住宅をリフォームしつつテラス囲いの設置を予定する方がいらっしゃいましたら、ぜひ参考になさってください。
なお、テラス囲いの設置を希望しつつ固定資産税に関することを案ずる場合は、設置する前に市町村役場に詳細を問い合わせるのがおすすめです。
建築業者やリフォーム業者に聞くなどせず、ぜひ市町村役場にお問い合わせください。
建築業者やリフォーム業者は建築に関するエキスパートですが、税金は専門外です。
固定資産税に関することは、その税を課す市町村の役場に問い合わせるのが最も有効です。
本記事の内容が、テラス囲いに固定資産税がかかるか否か調べる皆様に役立てば幸いです。失礼いたします。
記事公開日:2025年11月
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