こんなバルコニーは固定資産税が高い!

こんなバルコニーは固定資産税が高い!

面積が広い跳ね出しバルコニーや軒出が大きいバルコニー、大きな腰壁や袖壁で囲まれたインナーバルコニーは、固定資産税が高くなります。

新築の取得を予定しつつバルコニーの固定資産税がいくらになるか気になる方へ向けて、固定資産税が高くなるバルコニーをご紹介しましょう。

なお、本記事でご紹介するのは、固定資産税が高くなる新築の戸建てのバルコニーであり、中古住宅やマンションのバルコニーには該当しないため留意してください。

目次

固定資産税が高くなるバルコニー5選

固定資産税が高くなるのは、跳ね出しバルコニー、広い跳ね出しバルコニー、複数設置された跳ね出しバルコニーです。

また、軒出が大きいバルコニーや、大きな腰壁や袖壁で囲まれたインナーバルコニーなども固定資産税が高くなります。

固定資産税が高くなるバルコニー5選

  1. 跳ね出しバルコニー
  2. 面積が広い跳ね出しバルコニー
  3. 複数設置された跳ね出しバルコニー
  4. 軒出が大きいバルコニー
  5. 大きな腰壁や袖壁で囲まれたインナーバルコニー

つづいて、固定資産税が高くなるバルコニーの詳細を解説しましょう。

なお、本記事では、バルコニーの固定資産税の目安をご紹介しますが、都市計画税の目安もご紹介します。

都市計画税とは、主に市街地に位置する建物や土地の所有者に課される税金であり、市街地の建物にバルコニーを設置すると、多くの場合は固定資産税に加えて都市計画税も課されます。

市街地に位置する戸建ての取得を予定する方がいらっしゃいましたら、ぜひ都市計画税も参考になさってください。

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跳ね出しバルコニーは、インナーバルコニーより固定資産税が高い

バルコニーは、跳ね出しバルコニーとインナーバルコニーに大きく分類されますが、固定資産税が高くなるバルコニーとして跳ね出しバルコニーが挙げられます。

跳ね出しバルコニーとは梁を伸ばしつつ建物の外に設置されたバルコニーであり、インナーバルコニーとは建物の中に設置されたバルコニーです。

バルコニーは跳ね出しバルコニーとインナーバルコニーに分類される

跳ね出しバルコニーの固定資産税は、木造、または軽量鉄骨の戸建てに設置したのであれば、バルコニーの面積1㎡あたりにつき590円程度です。

また、跳ね出しバルコニーの都市計画税は、同じく木造、もしくは軽量鉄骨の戸建てに設置したのであれば、バルコニーの面積1㎡あたりにつき126円程度となります。

跳ね出しバルコニーは建物の外に設置されるため、建物の固定資産税に追加する形で計算されます。

よって、跳ね出しバルコニーを設置すると、跳ね出しバルコニーがない状態より必ず固定資産税や都市計画税が高くなります。

たとえば、面積が10㎡の跳ね出しバルコニーを設置すると「590円×10㎡=5,900円」と計算して固定資産税は5,900円程度高くなり、「126円×10㎡=1,260円」と計算して都市計画税は1,260円程度高くなるといった具合です。

一方、インナーバルコニーの固定資産税や都市計画税も設置面積に応じた額となりますが、インナーバルコニーは建物の中に設置します。

これを理由に、インナーバルコニーを設置すると、居室の面積が減ると共に、居室の床材などにかかる固定資産税や都市計画税が安くなります。

つまり、インナーバルコニーも固定資産税や都市計画税がかかるものの、その税額は居室の固定資産税や都市計画税と相殺され、税額はさほど変わらなくなるというわけです。

跳ね出しバルコニーはインナーバルコニーより固定資産税が高い

したがって、バルコニーの設置を希望しつつ固定資産税を安く抑えたい場合は、インナーバルコニーを設置するのが良いでしょう。

ただし、面積が広いインナーバルコニーを設置し、そのインナーバルコニーを囲む袖壁に大きな窓を複数設置すると、窓にかかる固定資産税や都市計画税が高くなるため注意してください。

新築を希望しつつ固定資産税や都市計画税を安く抑えたい場合は、欲張らず豪華すぎない仕様にすることが大切です。

ちなみに、当サイト「固定資産税をパパッと解説」では、固定資産税が高くなる設備をご紹介する記事を公開中です。

同記事では、システムキッチンやユニットバスなど、様々な設備の固定資産税の目安をご紹介しています。ぜひご覧ください。

お役立ち記事
固定資産税が高くなる設備とは?コレがあると支払いがツラい

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広いバルコニーほど固定資産税が高くなる

固定資産税が高くなるバルコニーとして、面積が広いバルコニーが挙げられます。

これは、跳ね出しバルコニー、インナーバルコニーを問いません。

跳ね出しバルコニーの固定資産税は、木造、または軽量鉄骨の戸建てに設置したのであれば、バルコニーの面積1㎡あたりにつき590円程度です。

都市計画税も課される場合は、その税額はバルコニーの面積1㎡あたりつき126円程度となります。

このように跳ね出しバルコニーの固定資産税や都市計画税は、1㎡あたり590円程度や126円程度となるため、面積が広いほど税額が高くなります。

たとえば、面積が5㎡の跳ね出しバルコニーを設置したとしましょう。

であれば「590円×5㎡=2,950円」と計算して固定資産税は2,950円程度、「126円×5㎡=630円」と計算して都市計画税は630円程度、税額の合計は3,580円程度です。

一方、面積が10㎡の跳ね出しバルコニーを設置すると固定資産税と都市計画税は倍になり、税額の合計は7,160円程度まで高くなります。

また、多くのインナーバルコニーは床がFRP防水で仕上げられていますが、木造の戸建てに施されたFRP防水の固定資産税は床面積1㎡あたりにつき128円程度、都市計画税は1㎡あたりにつき27円程度です。

よって、やはりインナーバルコニーも面積が広いほど固定資産税や都市計画税が高くなります。 ただし、インナーバルコニーは建物の中に設置するため居室の面積が減り、居室にかかる固定資産税や都市計画税が安くなり、トータルの税額はさほど変わらなくなります。

したがって、広いバルコニーの設置を希望しつつ固定資産税や都市計画税を抑えたい場合は、跳ね出しバルコニーよりインナーバルコニーをお選びになるのが良いでしょう。

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広いバルコニーを複数設置すると、固定資産税が跳ね上がる

固定資産税が高くなるバルコニーとして、いくつも設置された広い跳ね出しバルコニーが挙げられます。

木造、または軽量鉄骨の戸建てに設置した跳ね出しバルコニーの固定資産税は1㎡あたりにつき590円程度、都市計画税は1㎡あたりにつき126円程度です。

よって、大きな跳ね出しバルコニーは固定資産税が高くなりますが、大きな跳ね出しバルコニーを複数設置すると、税額が跳ね上がります。

たとえば、10㎡の跳ね出しバルコニーを1つ設置したのであれば、固定資産税は5,900円程度、都市計画税は1,260円程度、合計7,160円程度です。

一方、10㎡の跳ね出しバルコニーを2つ設置したのであれば、固定資産税や都市計画税はそれぞれ倍となり、税額の合計は1万4,320円程度まで高くなります。

広いバルコニーを複数設置すると固定資産税が高くなる

なお、インナーバルコニーも複数設置すると固定資産税や都市計画税が高くなりますが、代わりに居室にかかる固定資産税や都市計画税が安くなり、税額は相殺されます。

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軒出が大きいバルコニーは、屋根の固定資産税が高くなる

固定資産税が高くなるバルコニーとして、軒出が大きいバルコニーが挙げられます。

軒出とは軒の大きさを指し、軒が大きいバルコニーを設置すると、屋根にかかる固定資産税や都市計画税が高くなります。

屋根の固定資産税や都市計画税は、建物の構造、屋根の形状、屋根材の種類、屋根の勾配、軒出の大きさなどによって税額が決定します。

木造で切妻、屋根材がアスファルトシングル、またはガルバリウム鋼板、もしくは釉薬瓦であり、勾配が10分の5(5寸)、軒出が45cmであれば、屋根の固定資産税は建床面積1㎡あたりにつき以下のようになります。

屋根の固定資産税の目安

屋根材 固定資産税 都市計画税
アスファルトシングル 38円程度 8円程度
ガルバリウム鋼板 59円程度 12円程度
釉薬瓦 103円程度 22円程度

いずれも建床面積1㎡あたりの税額の目安

しかし、バルコニーを設置し、バルコニーに雨が吹き込まないように軒を大きくすると、屋根の固定資産税や都市計画税は軒の大きさに応じて高くなるように補正されます。

具体的には、軒出が60cmであれば屋根にかかる固定資産税や都市計画税は1.2倍程度まで、90cmであれば1.25程度まで税額が高くなります。

たとえば、建床面積が50㎡の木造の戸建てにバルコニーを設置し、軒出を45cmとしたとしましょう。

その戸建ての屋根の形状は切妻、屋根材はガルバリウム鋼板、屋根の勾配は10分の5です。

であれば「59円×50㎡=2,950円」と計算して屋根にかかる固定資産税は2,950円程度、「12円×50㎡=600円」と計算して屋根にかかる都市計画税は600円程度、税額の合計は3,550円程度となります。

一方、バルコニーに雨が吹き込まないように軒出を90cmにすると、「2,950円×1.2=3,540円」と計算して屋根にかかる固定資産税は3,540円程度まで高くなります。

また、「600円×1.2=720円」と計算して屋根にかかる都市計画税は720円程度まで高くなり、税額の合計は4,260円程度まで高くなります。

バルコニーの設置を希望し、固定資産税や都市計画税を抑えたい場合は、軒出を程よい大きさにしてください。

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腰壁が大きいインナーバルコニーは、外壁の固定資産税が高くなる

固定資産税が高くなるバルコニーとして、大きな腰壁や袖壁に囲まれたインナーバルコニーが挙げられます。

インナーバルコニーの腰壁や袖壁とは、外からバルコニーの中が見えないようにするなどの効果がある壁を指し、大きいほどプライバシーを守ることができます。

しかし、腰壁や袖壁には、多くの場合は外壁材が施されます。

これを理由に、大きな腰壁や袖壁を設けると、使用する外壁材の量が増えます。

使用する外壁材の量が増えれば、外壁にかかる固定資産税や都市計画税が高くなります。

どの程度高くなるかは、腰壁や袖壁に施された外壁材の量によって異なりますが、1.1倍などまで高くなる可能性があります。

外壁にかかる固定資産税や都市計画税は、建物の構造、使用されている外壁材の種類、外壁に占める窓やドアの面積などによって決定します。

木造の戸建てにサイディング、またはガルバリウム鋼板、タイルの外壁材が施されているのであれば、外壁にかかる固定資産税や都市計画税は延床面積1㎡あたりにつき以下のようになります。

外壁材の固定資産税の目安

種類 固定資産税 都市計画税
サイディング 109円程度 23円程度
ガルバリウム鋼板 91円程度 19円程度
タイル 162円程度 34円程度

いずれも延床面積1㎡あたりの税額の目安

たとえば、サイディングの外壁材が施され、適度に窓が設置された、延床面積が90㎡の木造の戸建てがあったとしましょう。

その戸建ての外壁にかかる固定資産税は「109円×90㎡=9,810円」と計算して9,810円程度ですが、大きな腰壁や袖壁で囲まれたインナーバルコニーが設けられていれば、その税額は1.1倍である1万791円程度などまで高くなります。

また、その戸建ての外壁にかかる都市計画税は「23円×90㎡=2,070円」と計算して2,070円程度ですが、大きな腰壁や袖壁で囲まれたインナーバルコニーが設けられていれば、その税額は1.1倍である2,277円程度まで高くなります。

大きな腰壁や袖壁で囲まれたインナーバルコニーはプライバシー保護に役立ちますが、外壁にかかる固定資産税や都市計画税が高くなるため注意が必要です。

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まとめ - 後付けのバルコニーは、固定資産税がかからない

固定資産税が高くなるバルコニーをご紹介しました。

固定資産税が高くなるのは、跳ね出しバルコニー、広い跳ね出しバルコニー、複数設置された跳ね出しバルコニー、軒出が大きいバルコニー、大きな腰壁や袖壁で囲まれたインナーバルコニーなどです。

広い跳ね出しバルコニーを複数設置したり、窓が複数設置された大きな袖壁や腰壁に囲まれたインナーバルコニーを設置すると、特に固定資産税が高くなるため注意してください。

ちなみに、バルコニーには、固定資産税がかからないタイプがあります。

それは、建物と一体化していないバルコニーであり、後付けの金属製のバルコニーなどが挙げられます。

跳ね出しバルコニーは梁を伸ばしつつその上に設置され、建物と一体化しているため固定資産税がかかります。

建物の中に設置されているインナーバルコニーは、否が応でも建物と一体化しているため、固定資産税がかかります。

これに対して、金具などで取り付けた後付けのバルコニーは、建物と一体化していないため固定資産税がかかりません。

よって、バルコニーの設置を希望しつつ固定資産税をとことん安く抑えたい場合は、築年数が経過してから後付けのバルコニーを取り付けるという裏技があります。

後付けの金属製のバルコニーは、建物と一体化していないため固定資産税がかからない

本記事の内容が、新築を予定しつつバルコニーの固定資産税がいくらになるか案ずる皆様に役立てば幸いです。失礼いたします。

記事公開日:2025年9月

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