トイレの数が2つあると固定資産税は高くなる

トイレの数が2つあると固定資産税は高くなる

最近の多くの新築住宅にはトイレの数が2つありますが、2つあると固定資産税が高くなるのでしょうか。

その答えは「高くなる」ですが、さほど高くはならず、手洗い場を小さくするなどすれば税額は安くなります。

新築を予定する方へ向けて、トイレが2つあると固定資産税が高くなるか解説し、少しでも税額を安くする方法をご紹介しましょう。

目次

トイレの数が2つあると「トイレの固定資産税」が2倍になるが…

トイレの数が2つあると、トイレにかかる固定資産税が2倍になります。

2倍になると聞くと固定資産税が驚くほど高くなるのではと心配になりますが、大したことはありません。

一般的なトイレは便器と手洗い場で構成されますが、洋式便器1つあたりの標準的な固定資産税は721円程度、手洗い場1箇所あたりの標準的な固定資産税は523円程度、合計1,244円程度です。

すなわち、トイレ1つあたりの標準的な固定資産税は、1,244円程度というわけです。

トイレの数が2つあれば、この1,244円という固定資産税が2倍である2,488円程度となります。

また、市街地に位置する建物に設置されたトイレには、多くの場合は都市計画税も課されます。

都市計画税とは、公共施設を維持新設する「都市計画事業」と、公共施設を移設や新設するために必要となる「土地区画整理事業」の費用を賄うために市町村が徴収する税金です。

洋式便器1つあたりの標準的な都市計画税は154円程度、洗い場1箇所あたりの標準的な都市計画税は112円程度、合計266円程度です。

すなわち、トイレ1つあたりの標準的な都市計画税は、266円程度というわけです。

トイレの数が2つあれば、この266円という都市計画税が2倍である532円程度となります。

先述のとおり、トイレの数が2つあれば、その固定資産税は2,488円程度です。

よって、2つのトイレにそれぞれ固定資産税と都市計画税が課されるのであれば「2,488円+532円=3,020円」と計算し、税額の合計は3,020円程度となります。

このようにトイレの数を2つにしたとしても、固定資産税はさほど高くなりません。

トイレの数が2つあると、固定資産税と都市計画税の合計は3,020円程度になる

ただし、3,020円という額は標準的な税額であり、導入するために高額な費用を要するグレードの高いタンクレストイレなどが使用されていれば、それ以上の税額になるため注意してください。

つづいて、その詳細を解説しましょう。

なお、本記事でご紹介するのは、新築住宅に設置された便器と手洗い場の固定資産税や都市計画税の目安であり、中古住宅には該当しません。

中古住宅に設置された便器と手洗い場の固定資産税や都市計画税は、多くの場合は、本記事でご紹介する税額より安くなります。

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トイレは、便器のグレード次第で固定資産税が高くなる

トイレの数が2つあれば、その固定資産税は2,488円程度、都市計画税は532円程度、合計3,020円程度ですが、便器や洗面ボウルのグレードが高ければ税額はそれ以上となります。

まずは、便器1つあたりと、手洗い場1箇所あたりの標準的な固定資産税をおさらいしましょう。

便器と手洗い場の標準的な固定資産税

固定資産税 都市計画税
便器(洋式) 721円程度 154円程度
手洗い場 523円程度 112円程度

いずれも便器、または手洗い場1つあたりの税額の目安

以上が標準的な固定資産税ですが、便器は高額なタンクレスなどが、手洗い場は高額な洗面ボウルなどが使用されていれば、以下のように税額が高くなります。

高価な資材が使用された便器と手洗い場の固定資産税

固定資産税 都市計画税
便器(洋式) 1,081円程度 231円程度
手洗い場 784円程度 168円程度

いずれも便器、または手洗い場1つあたりの税額の目安

先述のとおり、トイレの数が2つあれば、その固定資産税は2,488円程度、都市計画税は532円程度、合計3,020円程度です。

しかし、その2つのトイレに高額な便器や洗面ボウルが使用されていれば、以下のように計算して固定資産税と都市計画税の合計は4,528円程度まで高くなります。

計算例
(便器の固税1,081円+手洗い場の固税784円+便器の都税231円+手洗い場の都税168円)×2=4,528円

4,528円程度という税額は、決して安くはありません。

よって、トイレの数を2つとする場合は、便器と洗面ボウルのグレードを高くしすぎないように注意してください。

なお、トイレ内の手洗い場の固定資産税や都市計画税は、洗面ボウルを小さくして手動水洗にするなどすれば多少安くなります。

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トイレの洗い場は、洗面ボウル次第で固定資産税が安くなる

これまでにご紹介したとおり、トイレ内の手洗い場1箇所あたりの標準的な固定資産税は523円程度、1箇所あたりの標準的な都市計画税は112円程度です。

その手洗い場ですが、洗面ボウルを小さくして手動水洗にすれば固定資産税は366円程度、都市計画税は78円程度まで安くなります。

よって、トイレの数を2つにすることを希望しつつ固定資産税を少しでも安く抑えたい場合は、手洗い場の洗面ボウルを小さくして手動水洗にするのが良いでしょう。

また、そもそもトイレ内に手洗い場を設けなければ、手洗い場の固定資産税はかかりません。

したがって、トイレの数を2つにすることを希望しつつ固定資産税を安く抑えたい場合は、手洗い場を設けないという方法も有効となります。

トイレの数を2つにして固定資産税を安く抑える方法
  • 手洗い場の洗面ボウルを小さくして手動水洗にする
  • そもそも手洗い場を設けない

なお、一部の市町村では、洗面ボウルを小さくして手動水洗にしたとしても、手洗い場の固定資産税や都市計画税が安くならないため注意してください。

トイレ内の手洗い場の固定資産税の詳細は、当サイト「固定資産税をパパッと解説」にて公開中の記事にてわかりやすく解説中です。

気になる方がいらっしゃいましたら、ぜひご覧ください。

お役立ち記事
トイレの手洗いの固定資産税はいくら?より安くする秘訣を解説

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2つめのトイレを小便器にすれば、固定資産税が安くなる

トイレを数を2つにする際は、2つめのトイレを小便器のみにすれば固定資産税が多少安くなります。

これまでにご紹介したとおり、洋式便器1つあたりの標準的な固定資産税は721円程度、標準的な都市計画税は154円程度、合計875円程度です。

これに対して、小便器1つあたりの標準的な固定資産税は442円程度、都市計画税は94円程度、合計536円程度となります。

よって、トイレの数を2つにすることを希望しつつ固定資産税を少しでも安く抑えたい場合は、状況が許すのであれば2つめのトイレを小便器のみとするのが良いでしょう。

2つめのトイレを小便器だけにすれば、固定資産税が安くなる

ただし、自動水洗タイプなど導入するために高額な費用を要する小便器を設置すると、固定資産税や都市計画税が高くなる可能性があるため注意してください。

具体的には、固定資産税は663円程度、都市計画税は142円程度、合計805円程度まで税額が高くなります。

先述のとおり洋式便器1つあたりの標準的な固定資産税と都市計画税の合計は875円程度のため、ほとんど税額が変わらなくなってしまいます。

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まとめ - トイレの数が2つでも、ドアや換気扇の固定資産税は高くならない

新築を予定する方へ向けて、トイレが2つあると固定資産税が高くなるか解説しました。

トイレの数が2つあると固定資産税は高くなりますが、高くなるのは少額でさほど気にする必要はありません。

洋式の便器と手洗い場で構成されるトイレの標準的な固定資産税は1,244円、都市計画税は266円、合計1,510円程度です。

トイレの数を2つにすると、この倍の税額が課されることとなりますが、それでも3,020円程度となります。

よって、トイレを2つ設置したとしても、固定資産税はさほど高くならないといえるでしょう。

ただし、グレードの高い便器や洗面ボウルを導入すると、固定資産税と都市計画税の合計が4,528円程度まで高くなるため注意してください。

なお、一般的なトイレには換気扇が設置されドアで仕切られていますが、換気扇とドアも固定資産税や都市計画税の課税対象となります。

したがって、トイレの数を2つにすると換気扇やドアの数が増え、固定資産税や都市計画税が高くなるのではと心配になりますが、その虞はありません。

換気扇とドアの固定資産税や都市計画税は、その建物の床面積に応じた額となり、数によって税額が変わることはありません。

しかし、トイレの換気扇のみを高価な熱交換器タイプにしたり、トイレのドアのみを自動ドアにするなどすれば、固定資産税や都市計画税が高くなるため留意してください。

本記事の内容が、新築を予定する皆様に役立てば幸いです。失礼いたします。

記事公開日:2025年7月

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