固定資産税が高い!と感じるときの二つの対処法

固定資産税が高い!と感じるときの二つの対処法

土地や家屋の固定資産税が高いと感じるときは、二つの対処法があります。

固定資産税が不当に高いと感じるときにできる、二つの対処法をご紹介しましょう。

目次

1. 固定資産評価審査委員会への審査請求

固定資産税が高いと感じるときにできる一つめの対処法は、固定資産評価審査委員会への審査の請求です。

土地や家屋を所有すると、毎年4月ごろに市町村から納税通知書が届きます。

納税通知書を開くと課税明細書などの名目のページがあり、そのページには所有する不動産の一覧と、各不動産の価格が記されています( 価格の名目は市町村によって異なり、評価額や固定資産税評価額などの名目で記されている場合があるため注意してください)

固定資産税の課税明細書

課税明細書に記されている価格とは、その土地や家屋の適正な時価を意味します。

適正な時価とは、市町村が評価したその土地や家屋の価格であり、土地や家屋の固定資産税は、市町村が評価した適正な時価に税率を掛け算するなどして計算されます。

たとえば、市町村が適正な時価が2,000万円であると評価した土地であれば、2,000万円に固定資産税の税率である1.4%を掛け算した答えである28万円などが税額になるといった具合です。

また、市町村が適正な時価が1,500万円であると評価した家屋であれば、1,500万円に固定資産税の税率である1.4%を掛け算した答えである21万円などが税額となります。

このように土地や家屋の固定資産税は、市町村が評価したその土地や家屋の適正な時価を基に計算されますが、適正な時価の評価が誤っていることがあります。

市町村が評価を誤り、本来より適正な時価が高いと評価されていれば、適正な時価に税率を掛け算しつつ計算される固定資産税が本来より高くなります。

課税明細書に記されている所有する不動産の価格、すなわち市町村が評価したその不動産の適正な時価に誤りがあると感じるときにできる対処法が、固定資産評価審査委員会への審査の請求です。

固定資産評価審査委員会への審査の請求は、固定資産税が高いと感じる不動産が所在する市町村に申し出ることにより可能であり、審査の請求を受けた固定資産評価審査委員会は、市町村による適正な時価の評価に誤りがないか審査します。

審査の結果、適正な時価の評価に誤りがあると判断されれば、課税明細書に記されている価格が修正され、それに伴い固定資産税の額も修正されます。

固定資産税が高いときは固定資産評価審査委員会へ審査を請求する

ただし、固定資産評価審査委員会への審査の請求は、原則として納税通知書が自宅に届いた日から3ヵ月以内のため注意してください。

また、固定資産評価審査委員会への審査の請求は、年度によって請求できる内容が異なります。

令和3年や令和6年など3の倍数である年度であれば、適正な時価の評価が妥当であるかの審査の請求が可能です。

それ以外の年度は、増改築を行いつつ不当に固定資産税が高くなったと感じる場合や、所有する土地の地価が下落したにもかかわらず、固定資産税が不当に高いと感じる場合のみ審査の請求が可能となっています。

固定資産評価審査委員会への審査の請求内容

固定資産評価審査委員会の審査の請求先は、固定資産税が高いと感じる不動産が所在する市町村役場の公式サイト内に設けられている検索窓に、「固定資産評価審査委員会」などと入力しつつ検索することにより確認することが可能です。

なお、固定資産評価審査委員会への審査の請求は、固定資産税などに関することを定めた法律「地方税法」の第四百三十二条に基づく請求となっています。

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2. 行政不服審査制度を利用する

固定資産税が高いと感じるときにできる二つめの対処法は、行政不服審査制度の利用です。

行政不服審査制度とは、国や市町村などの行政庁が決定した処分に納得ができない場合に、処分を決定した行政庁に不服を申し立てできる制度です。( 「行政庁が決定した処分」とは、処罰ではなく行政事務を意味します)

行政不服審査制度で不服を申し立てできる内容は多岐にわたり、税金が不当に高い、国や市町村が決定した処分により自己の権利や利益が侵害されたなど様々です。

固定資産税が高いと感じる場合も行政不服審査制度を利用することが可能であり、具体的には、納税通知書が届いた日から3ヵ月以内に、納税通所を発行した市町村に審査請求書を提出します。

審査請求書に記載すべき事項は市町村によって多少異なりますが、固定資産税が高いと感じる場合は、主に以下のように記入します。

固定資産税が高いと感じる場合の審査請求書の記載例
審査請求人の住所氏名
「○○市○○町1-1-1に所有する土地の令和3年度における固定資産税」など、不服を申し立てる起因となった行政処分の内容を記載します。
審査請求に関する処分の内容
「○○市○○町1-1-1に所有する土地の令和3年度における固定資産税」など、不服を申し立てる起因となった行政処分の内容を記載します。
審査請求に係る処分を知った日
固定資産税の納税通知書が届いた日を記載します。
審査を請求する理由
「所有する○○市○○町1-1-1の土地の固定資産税が、近隣の土地の固定資産税より不当に高い。不服を申し立てる」など、審査を請求する理由を記載します。
処分庁の教示の有無及び教示の内容
既に市町村に口頭などで異議申し立てをしたものの受け付けられなかった場合は、「固定資産税が高いと市町村役場に伝えたが、その額が妥当であるとの教示を受けた」など、その際の担当者の返答を記載します。
審査を請求する日
審査を請求する日を記載します。審査は、固定資産税の納税通知書が届いた日から3ヵ月以内に限り請求できるため注意してください。

以上が審査請求書の記載例であり、不服の申し立てを受けた市町村は第三者を交えつつ内容を審査します。

その結果、不服の申し立てが正当であると判断されれば、固定資産税が本来の税額に修正されることとなります。

この記事の「1. 固定資産評価審査委員会への審査請求」にてご紹介した固定資産評価審査委員会への審査の請求は、年度によって請求できる内容が異なりますが、行政不服審査制度は年度を問わず固定資産税が高いことに対して不服を申し立てることが可能です。

なお、行政不服審査制度は行政不服審査法という法律に則った制度であり、詳細は「政府広報オンライン 行政不服審査制度をご利用ください」にてご確認いただけます。

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まとめ - 固定資産税には0.2%程度の課税誤りがある

固定資産税が高いと感じるときの2つの対処法をご紹介しました。

一つめの対処法は、固定資産評価審査委員会への審査請求であり、審査を請求すれば、市町村による適正な時価の評価に誤りがないか審査されます。

2つめの対処法は、行政不服審査制度の利用であり、行政不服審査制度を利用すれば、固定資産税額が妥当であるか審査されることとなります。

固定資産税が不当に高い、おかしいと感じる方がいらっしゃいましたら、ぜひご参考になさってください。

なお、総務省が平成24年に公開した報道資料「固定資産税及び都市計画税に係る税額修正の状況調査結果」には、平成21年度から平成23年度における、市町村による固定資産税の課税誤りの件数が記されています。

同資料には、平成23年度において、1,544の市町村にて固定資産税の課税誤りがあったと記されています。

また、同資料によれば、平成23年度において、土地の固定資産税は29,307,753人の納税義務者に対して44,749人(全体の0.2%)に、家屋の固定資産税は33,222,534人の納税義務者に対して44,636人(全体の0.1%)に課税誤りがあったとのことです。

つまり、土地や家屋の固定資産税の額は必ずしも妥当ではなく、税額が間違っていることがあるというわけです。

よって、土地や家屋を所有しつつ固定資産税が高いと感じる場合は、ご紹介した二つの制度を活用し、その税額に誤りがないか審査を請求するのが良いでしょう。

ご紹介した内容が、固定資産税が高いと感じる皆様に役立てば幸いです。失礼いたします。

記事公開日:2021年12月

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