固定資産税が高い理由と今すぐできる5つの対処法【令和8年度版】

固定資産税が高い理由と今すぐできる5つの対処法【令和8年度版】

毎年4〜6月になると固定資産税の納税通知書が届き、「今年もこんなに高いのか」「去年より上がっているのはなぜだろう」と、モヤモヤした気持ちになっている方は少なくありません。

そこで、今回の「固定資産税をパパっと解説」では、固定資産税が高い・急に高くなった原因として考えられる8つのケース、固定資産税が高いときの5つの対処法など、次のことをわかりやすく解説します。

この記事でわかること
  • 固定資産税の「評価額(価格)」がどのように決まるのか
  • 固定資産税が高い・急に高くなった原因として考えられる8つのケース
  • 戸建て・マンション・土地(更地)の物件タイプ別に、自分の原因を特定する方法
  • 課税ミスの確認から審査請求・減免申請まで、今すぐできる5つの対処法
  • 令和8年度の税制改正で固定資産税はどう変わったか

本記事では、「税金のことはよくわからない」という方でも理解できるよう、専門用語はそのつど解説しながら進めます。

納税通知書と課税明細書(課税標準額や評価額が記載された書類)を手元に置いて読んでいただくと、より自分ごととして読み進めることができます。

なお、本記事では、建物のことを法律上の正式な呼び方にならい「家屋(かおく)」と表記しますので、ご留意ください。

目次

1. 固定資産税が高いと感じたら、まず課税明細書で3つの数字を確認する

はじめに、固定資産税の納税通知書に同封されている「課税明細書」の読み方を解説します。

課税明細書には「評価額(価格)」「課税標準額」「税額」など主に3つの額が記され、それらの意味を知れば「固定資産税が高い原因」を絞り込めるようになります。

ぜひ、手元に固定資産税の納税通知書と課税明細書を用意し、読み進めてください。

▲ 目次に戻る

1-1. 課税明細書の「評価額」「課税標準額」「税額」の3欄に注目する

課税明細書には、固定資産税の算出根拠となる情報が網羅されています。

なかでも重要となるのが「評価額(価格)」「課税標準額」「税額」の3項目です。これら各項目の意味と役割を把握すれば、税負担が決まるプロセスが明確になり、適切な対策を講じやすくなります。

課税明細書は、例年4〜6月頃に届く納税通知書に同封されています。書式は市区町村によって異なりますが、主な記載事項は以下のとおりです。

  • 土地:所在・地番・地目・地積・価格(評価額)・課税標準額・軽減税額
  • 家屋:所在・家屋番号・種類・構造・床面積・価格(評価額)・課税標準額・軽減税額

たとえば、一戸建てを所有している方の課税明細書には「土地」の行と「家屋(建物)」の行が別々に記載されており、それぞれに評価額・課税標準額・税額が示されています。

「今年の固定資産税が高い」と感じたとき、まず土地の行と家屋の行を分けて見るだけで、原因がどちらにあるかの見当がつきます。以下は、固定資産税の課税明細書の読み方チェックリストです。

課税明細書の読み方チェックリスト
確認欄 記載内容 確認ポイント 異常の判断基準
評価額(価格) 市区町村が評価した不動産の適正な時価。土地・家屋それぞれに記載 前年度と比べて大きく増減していないか 評価替え(3年ごと)の年でないのに大幅に増加している場合は要確認
課税標準額 実際に税率をかける基礎となる金額。土地は住宅用地特例・負担調整措置により評価額より低くなる場合がある 評価額と比べて著しく乖離していないか 土地の課税標準額が評価額の1/6を大幅に上回っている場合は住宅用地の特例が外れている可能性あり
税額 課税標準額×税率(標準1.4%)で算出した金額 前年度より増えている場合はその理由を確認 前年比で2倍近く増加しているときは新築軽減措置終了の可能性大
軽減税額 新築軽減措置等により減額された金額 前年まであった軽減税額が消えていないか 「0円」または記載なしになった年は軽減措置が終了している可能性あり
都市計画税額 市街化区域内等の不動産に課される税額(税率上限0.3%) 固定資産税とは別の税であることを確認 課税対象外の区域の不動産に課されている場合は課税ミスの可能性

固定資産税が高いと感じる状況において、課税明細書で最も注目すべきは「評価額と課税標準額が一致しているかどうか」です。

家屋(建物)であれば原則として両者は一致しますが、土地であれば大きく異なるのが正常です。この違いの理由は後述します。

なお、先にご紹介した表「課税明細書の読み方チェックリスト」には、「都市計画税」が含まれていました。都市計画税とは、道路や公園、下水道といった公共施設の整備費用に充てられる「目的税」を指します。

市街化区域内に不動産を所有している場合、固定資産税と併せて「都市計画税」が課税され、同じ明細書に記載されるのが一般的です。

標準税率1.4%の固定資産税に対し、都市計画税の税率は最高0.3%と定められています。これらは本来別個の税金ですが、納付は一括して行われるため、合算された納税額を見て「負担が重い」と感じる一因となっています。

都市計画税の詳細は、当サイト「固定資産税をパパっと解説」にて公開中の記事「都市計画税とは?使い道や各市町村の税率などわかりやすく解説」にてわかりやすく解説中です。ぜひご覧ください。

注意
  • 都市計画税は原則として市街化区域内の不動産に課されますが、市区町村の条例により、市街化調整区域のうち特別の事情がある区域や、区域区分が定められていない都市計画区域の一部が課税対象となる場合もあります。

    ご自身が所有する不動産が課税対象となる区域かどうか不明な場合は、市区町村の窓口または都市計画図でご確認ください。

▲ 目次に戻る

1-2. 「課税標準額 ≠ 評価額」になる仕組みを押さえておく

課税明細書を見て「評価額と課税標準額の数字が違う。どちらが実際の税額計算に使われるの?」と戸惑う方が少なからずいらっしゃるのではないでしょうか。

結論として、税額の計算に使われるのは「課税標準額」であり、評価額ではありません。

そして土地と家屋では、評価額と課税標準額の関係がまったく異なります。この違いを理解することで、「なぜ評価額が下がっても税額が上がることがあるのか」という疑問への答えが明確になります。

固定資産税の基本計算式は、以下のとおりです。

固定資産税の計算方法
課税標準額 × 税率(標準1.4%)= 固定資産税

家屋(建物)の場合、課税標準額は原則として評価額と一致します。特例や軽減措置による圧縮はありません。すなわち「家屋の評価額が高ければ、そのまま税額に直結する」という構造です。

土地の場合は事情が異なります。「住宅用地の特例」という制度により、住宅の敷地として使われている土地は課税標準額が大幅に圧縮されます。

住宅用地の特例とは、居住用の建物が建っている土地について、その課税標準額を評価額より引き下げる制度を指します。

具体的には、以下のように引き下げられます。

  • 小規模住宅用地(住宅用地のうち200㎡以下の部分):課税標準額 = 評価額 × 1/6
  • 一般住宅用地(200㎡を超える部分):課税標準額 = 評価額 × 1/3

たとえば、土地の評価額が3,000万円の小規模住宅用地(200㎡以下)であれば、課税標準額は3,000万円 × 1/6 = 500万円になります。税率1.4%をかけると固定資産税額は7万円です。

一方、もしこの住宅用地の特例が外れて更地(さらち)扱いになると、一切の特例や軽減措置が適用されなければ課税標準額は3,000万円のままとなり、固定資産税額は42万円と約6倍に跳ね上がります。

「家屋を取り壊したら土地の税額が跳ね上がった」という話を聞いたことがある方も多いかと思いますが、これがその理由です。

また、土地には「負担調整措置」という仕組みもあります。

負担調整措置とは、前年度の課税標準額が本来の課税標準額(評価額×特例率)に対してまだ低い状態(負担水準が低い状態)にある場合、毎年少しずつ課税標準額を引き上げる制度を指します。

詳しくは本記事の「3-8.地価が下がっても税額が上がる「負担調整措置」の仕組み」にて解説しますが、もし「地価が下がっているのに土地の固定資産税が上がっている」という方がいらっしゃいましたら、この仕組みが原因であることがほとんどです。

くわえて、固定資産税には「免税点」という制度もあります。免税点とは、課税標準額がこの金額を下回る場合には課税が免除される基準を指します。

市区町村内で同一人が所有するすべての土地・家屋の課税標準額合計が次の金額を下回る場合は、固定資産税は課税されません。

  • 土地:課税標準額の合計が30万円未満
  • 家屋:課税標準額の合計が20万円未満

説明が長くなりましたが、固定資産税の税額を決める数字は「課税標準額」であり、評価額ではないという点に留意してください。

土地は住宅用地の特例や負担調整措置によって課税標準額が変動し、家屋は評価額がそのまま課税標準額になります。

この構造を頭に入れたうえで課税明細書を見ると、「固定資産税が高い原因」に見当を付けやすくなります。

固定資産税の評価額と課税標準額の違いを土地と家屋別に示すフロー図

ちなみに、当サイト「固定資産税をパパっと解説」では、固定資産税の免税点の詳細を解説する記事「固定資産税の免税点とは?」を公開中です。免税点がよくわからないという方がいらっしゃいましたら、ぜひご覧ください。

▲ 目次に戻る

2. 固定資産税の「評価額(価格)」はどうやって決まるか

ここからは、固定資産税算出の基準となる「評価額(価格)」が、どのように決定されるのかを解説します。

土地と家屋では評価の仕組みが大きく異なるため、この違いを正しく知ることが「自分の不動産がなぜこの金額なのか」という疑問を解く鍵となります。

この基本を押さえておくことで、本記事の「3.固定資産税が高い・急に高くなった8つの原因」で解説する内容も、より論理的に、かつスムーズに理解できるようになるはずです。

▲ 目次に戻る

2-1. 固定資産税の評価額(価格)とは「適正な時価」を指す

固定資産税の評価額(価格)とは、市区町村が「地方税法」という法律に基づいて評価した不動産の「適正な時価」を指します。

適正な時価とは、売り急ぎや買い急ぎのない正常な取引条件のもとで成立すると認められる売買価格のことです。

なお、「固定資産税の評価額は、実際の売買価格(実勢価格)と同じなのか?」と疑問に思う方も多いのですが、固定資産税の評価額は実勢価格とは異なります。

また、土地の評価額に関しては、相続税の計算に使う相続税評価額とも、地価公示価格とも、それぞれ目的・評価機関・水準が異なる独自のものです。

相続税評価額(路線価)とは、相続税・贈与税の計算に使う国税庁が定めた土地の評価額を指し、地価公示価格等の約80%を水準の目途としています。

一方、地価公示価格とは、国土交通省が毎年公示する、全国に点在する約2万6,000の標準地と呼ばれる地点の正常な取引価格です。

これらはいずれも「土地取引の指標」や「相続税課税」という異なる目的のもとに設定されており、固定資産税評価額とは用途がまったく異なり、評価水準などをまとめると以下のとおりです。

公的土地評価の種類・評価機関・水準の比較
評価の種類 評価機関 目的 評価水準の目安 価格の基準日
地価公示価格 国土交通省(土地鑑定委員会) 適正な地価の形成・土地取引の指標 正常な価格 毎年1月1日
都道府県地価調査 都道府県知事 土地取引の規制・指標 標準価格 毎年7月1日
相続税評価額(路線価) 国税庁 相続税・贈与税の課税 地価公示価格水準の約80% 毎年1月1日
固定資産税評価額 市区町村長 固定資産税・都市計画税の課税 地価公示価格等の約70%を目途 基準年度の前年1月1日

上記のとおり、土地の固定資産税の評価額は地価公示価格等の7割を目途として算出されるため、実勢価格よりも低くなるのが一般的です。

さらに、固定資産税の評価額は原則として3年ごとの評価替え(基準年度)に見直されます。評価替えとは、固定資産税の評価額を3年に一度見直す作業です。

評価替えを行う年度を「基準年度」、基準年度に決定した評価額をそのまま使う残りの2年間を「据置年度(第二年度・第三年度)」と呼びます。

直近の基準年度は令和6年度であり、令和7年度・令和8年度は据置年度にあたります。

すなわち、令和8年度の課税に使われている評価額は、原則として令和6年1月1日時点の地価等をもとに評価されたものです。

なお、据置年度であっても、地価が著しく下落した場合は評価額が修正されることがあります。次の基準年度は令和9年度です。

▲ 目次に戻る

2-2. 土地の評価額は地価公示価格等の「7割」を目途に算出される

土地の評価額は、勝手な推測で決まるものではありません。国が定めた「固定資産評価基準」というルールに従い、近隣の売買実例などを参考にしながら、土地の種類に合わせて算出されます。

自治体が独自の判断で評価するのではなく、日本全国で統一された計算方法が使われているのが特徴です。

たとえば宅地の場合、地価公示価格の約7割になるよう調整されており、市場価格よりも低めに設定されるのが一般的です。

注意したいのは、土地の種類(地目)の判断基準です。これは登記簿の内容よりも、1月1日時点の「実際の使われ方(現況)」が優先されます。

「書類上は農地だから税金が安いはず」と思っていても、現実に家が建っていれば「宅地」として評価される点に注意が必要です。

宅地の評価方法は、地域の状況に応じて次の2種類に分かれます。

① 市街地宅地評価法(路線価方式)

市街地宅地評価法とは、街路(道路)ごとに1㎡当たりの価格(路線価)を付設し、各筆の土地の奥行・間口・形状等の違いを画地計算法で補正して評価額を算出する方法を指します。

市街地宅地評価法は市街地的形態を形成する地域に適用され、概要は以下のとおりです。

  • 地価公示価格等を活用し、その7割を目途に路線価を付設
  • 各筆の評価額は付設された路線価を基礎に、奥行・間口・角地等の補正を加えて算出
  • 路線価等は一般財団法人資産評価システム研究センターの「全国地価マップ」で公開されている
宅地の評価額が決まるまでの流れ(市街地宅地評価法の概念図)

② 標準地比準方式(その他の宅地評価法)

標準地比準方式とは、状況が類似する地区ごとに「標準宅地」を選定し、個々の土地(各筆)との条件差を比較して評価額を算出する手法です。具体的には、標準宅地に対する奥行・間口・形状などの違いから「比準割合」を求め、各土地の価値を判定します。

この方式は、主に市街地としての形態が十分に形成されていない地域に適用されます。

当サイト「固定資産税をパパっと解説」では、土地や家屋の評価額が決まる仕組みをさらに詳しく解説した記事「固定資産税評価額の計算方法とは?建物と土地の計算方法を解説」も公開しています。

計算方法の細かなステップまで深く理解したい方は、ぜひあわせてご覧ください。

▲ 目次に戻る

2-3. 家屋の評価額は「再建築費評点方式」で建材・設備を積み上げて算出される

家屋の評価額の計算式は、以下のとおりです。

家屋の評価額の計算方法
評価額 = 評点数 × 評点1点当たりの価額

式に含まれる評点数は、次の式で求められます。

評点数の計算方法
評点数 = 再建築費評点数 × 経年減点補正率(損耗の状況による減点補正率)

各式に含まれる「再建築費評点数」「経年減点補正率」「評点1点当たりの価額」を順を追って解説します。

再建築費評点数

再建築費評点数とは、評価対象の家屋と「同一のものを、評価時点でその場所に新築した場合に必要となる建築費(再建築価格)」を、部分ごとに数値化して積み上げた合計値です。

評価は、構造部をはじめ、外壁、内壁、床、天井、屋根の仕上げ、建具、建築設備など、細かな部位ごとに行われます。たとえば、間口300cmを超える大型システムキッチンや、1624サイズのユニットバスといった高価な設備には、標準的なものよりも高い評点が付与されます。

このように、使用された建材や設備の一つひとつが「点数」として加算され、評価額を構成する仕組みになっています。「高価な設備を導入すると固定資産税が上がる」といわれるのは、まさにこれが理由です。

詳細は、本記事の「3-6.高価な設備・建材が家屋評価額を高くしている」にて解説します。

経年減点補正率

経年減点補正率とは、家屋の建築後の年数の経過によって生じる損耗(価値の減少)をあらわした割合を指します。築年数が長いほど小さい数値になりますが、最低値(下限)が定められており、ゼロにはなりません。

  • 木造家屋:最低値は20%(区分によって最短15〜35年で下限に達する)
  • 鉄筋コンクリート造(RC造)・鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造):最低値は20%(住宅用途は最短60年で下限に達する)

この下限があるため、どれだけ古い建物でも評価額がゼロになることはありません。また木造に比べてRC造・SRC造は経年減点の進み方が遅く、下限に達するまでに最長60年程度かかります。

これが、「固定資産税は永遠に払う」「マンションは固定資産税が下がりにくい」といわれる理由です。

固定資産税を永遠に払うことの詳細は、当サイト「固定資産税をパパっと解説」にて公開中の記事「固定資産税は永遠に支払う!?」にて解説中です。ぜひご覧ください。

評点1点当たりの価額

評点1点当たりの価額は、以下の式で求められます。

評点1点当たりの価額の計算方法
評点1点当たりの価額 = 1円 × 物価水準による補正率 × 設計管理費等による補正率

式に含まれる「物価水準による補正率」は、木造家屋については都道府県庁所在市(指定市)ごとに0.90・0.95・1.00の3段階で定められており(非木造家屋は全国一律1.00)、設計管理費等による補正率は木造家屋1.05・非木造家屋1.10とされています(床面積がおおむね10㎡以下の簡易な構造を有する家屋は1.00)。

固定資産税の家屋評価額が再建築費評点方式で決まる仕組みを示すフロー図

▲ 目次に戻る

在来分家屋の評価替えの仕組み——建築費が上がると、なぜ古い家屋の評価額が下がらないのか

最近は「築年数が経っているのに家屋の評価額がなかなか下がらない」とよくいわれます。それは紛れもない事実であり、理由は在来分家屋(既存の家屋)の評価替えの仕組みにあります。

在来分家屋の再建築費評点数は、以下の式で算出されます。

既存の家屋の再建築費評点数の計算方法
在来分家屋の再建築費評点数 = 基準年度の前年度における再建築費評点数 × 再建築費評点補正率

ここで登場する「再建築費評点補正率」とは、新旧の基準年度の間(3年間)における建築物価の変動状況を反映した補正率を指します。

具体的には、基準年度の2年前の7月現在の東京都の物価水準により算定した工事原価の変動割合を基礎として定められます。

令和6年度評価替えでは、この補正率が次のとおりとなりました。

  • 木造家屋:1.11(3年間で約11%の建築費上昇を反映)
  • 非木造家屋:1.07(3年間で約7%の建築費上昇を反映)

令和6〜8年度の評価替えでは、木材・鉄鋼に係る一部資材における異例かつ急激な価格変動を考慮した特別補正も設けられています。

ここで重要なのが、評価額の「据置き措置」です。評価替えにより算出された新しい評価額と前年度評価額を比較し、新しい評価額が前年度評価額を下回る場合は新しい評価額を採用し、上回る場合は前年度評価額に据え置かれます。

たとえば、令和6年度評価替えのように補正率が1.11(木造)と高い場合、計算上の再建築費評点数は増加します。

しかし、増加した計算結果が前年度評価額を上回るときは、評価額は前年度の額に据え置かれるため、固定資産税の計算に使われる評価額は引き上げられません。

すなわち、正確には「建築費高騰で評価額が上がる」のではなく、「建築費高騰があっても据置き措置により評価額が下がらない(下がりにくい)」という表現が制度の実態に合っています。

資産評価システム研究センターが公開する資料「令和8年度固定資産税のしおり」のQ&Aでも、築年数の古い家屋の評価額が下がらない理由として次のように説明されています。

建築年次の古い家屋の一部については、建築後の建築費の上昇が続く中、このしくみによって評価額が据置かれてきていることもあって、経年減点補正率を加味した評価額であっても、以前から据え置かれている評価額を下回るまでには至らず、評価額が下がらないといったことがあります。

整理すると、建築費の変動と家屋評価額の関係は次の3パターンになります。

建築費の変動パターンと家屋評価額の動き
建築費の変動 再建築費評点数の動き 評価額の動き 読者への影響
大幅に上昇(例:補正率1.11) 前回評点数×1.11で増加 計算上は増加するが、前年度評価額が上限となり据え置かれる 「評価額は上がらないが下がりもしない」状態
小幅上昇または物価安定 前回評点数×補正率で計算 経年減点が建築費上昇を上回れば下がる。下回れば据え置かれる 築年数・建築費次第で結果が変わる
下落 前回評点数×補正率で減少 前年度評価額を下回るため新評価額を採用→下がる 建築費が下がった年は評価額も下がる

在来分家屋の評価替えは「据置き措置」という非対称な仕組みを持っています。評価額は前年度より下がることはあっても、上がることはありません。

しかし、建築費の高騰が続く時期には、経年減点による減価が建築費上昇分を上回るまでに長い年数がかかるため、「築年数が経っているのに評価額が下がらない」という状況が生まれます。

▲ 目次に戻る

3. 固定資産税が高い・急に高くなった8つの原因

ここからは、固定資産税が高い・急に高くなった場合に考えられる「8つの原因」を解説します。

原因によって取るべき対処法が異なるため、まずは「ご自身の状況がどれに該当するか」を正しく見極めることが重要です。

以下の表をご覧になり、所有する不動産のタイプから可能性の高い原因をあらかじめ絞り込んでおくと、よりスムーズに解決策を特定できます。

固定資産税が高くなる8つの原因と物件タイプ別の該当可能性
原因 戸建て マンション 土地(更地) 土地(建物あり)
新築住宅の軽減措置が終了した
評価替えで土地の評価額が上がった
建築費高騰で家屋の評価額が下がらない
更地・空き地にして住宅用地の特例が外れた
大規模リフォーム・増築で家屋が再評価された
高価な設備・建材が家屋評価額を高くしている
特定空家・管理不全空家に指定された
負担調整措置で土地の課税標準額が引き上げられた

つづいて、固定資産税が高くなる8つの原因の詳細を順に解説します。

▲ 目次に戻る

3-1. 新築住宅の軽減措置が終了した(最多ケース)

「固定資産税が急に2倍になった」という相談において、最も多い原因は「新築住宅の軽減措置の終了」です。

新築の住宅用家屋には、一定期間、固定資産税が2分の1に減額される特例が適用されます。

しかし、この措置には期限があり、適用期間が終わると本来の税額に戻るため、納税者にとっては前年より大幅に増税されたように感じられます。

国土交通省の推計によれば、2,500万円の住宅の場合、本来は年間約18.2万円の固定資産税がかかります。

軽減期間中はこれが約9.1万円に抑えられるため、3年間で約27万円もの負担軽減効果がありますが、期間終了とともに本来の「18.2万円」に戻る点に注意が必要です。

軽減措置の概要は次のとおりです。

  • 対象:新築された住宅用の家屋(専用住宅・一定の併用住宅)
  • 床面積要件:40㎡以上240㎡以下(令和8年度改正により下限を50㎡から40㎡に緩和)
  • 減額の範囲:居住部分に相当する税額の1/2。居住部分が120㎡を超える場合は120㎡相当分が上限

軽減措置の適用期間は住宅の種類によって異なり、期間と「令和8年度課税分から軽減措置の適用が完了する住宅の新築時期」をまとめると以下のとおりです。

新築軽減措置の適用期間・令和8年度で終了する住宅
住宅の種別 軽減期間 令和8年度課税から終了となる新築時期
一般住宅(戸建てなど) 新築後3年度分 令和4年1月2日〜令和5年1月1日に新築されたもの
3階建以上の中高層耐火住宅等(マンション等) 新築後5年度分 令和2年1月2日〜令和3年1月1日に新築されたもの
認定長期優良住宅(一般住宅) 新築後5年度分 令和2年1月2日〜令和3年1月1日に新築されたもの
認定長期優良住宅(3階建以上の中高層耐火住宅等) 新築後7年度分 平成30年1月2日〜令和元年1月1日に新築されたもの

▲ 目次に戻る

3-2. 3年ごとの評価替えで土地の評価額が上がった

本記事の「2. 固定資産税の「評価額(価格)」はどうやって決まるか」で解説したとおり、固定資産税の評価額は原則として3年に一度の「評価替え(基準年度)」で見直されます。

直近の基準年度は令和6年度(2024年度)でした。評価替えのタイミングで地価が上昇していた地域では、評価額の引き上げに伴い、課税標準額、ならびに固定資産税も上昇する傾向にあります。

評価替えの翌年および翌々年(据置年度)は、特例を除き令和6年度の評価額がそのまま適用されるため、上昇による影響は令和6年度から令和8年度(2026年度)までの3年間にわたって継続します。

なお、令和6年度の評価替えでは大都市圏の地価上昇が顕著であった一方、地方では下落が見られるなど二極化が進みました。

地価上昇エリアでは課税標準額が段階的に調整されるため、現在の令和8年度においてもその影響が残っています。

▲ 目次に戻る

3-3. 建築費高騰で家屋の評価額が下がらない(近年増加している原因)

「建物は古くなるのに、なぜ固定資産税が下がらないのか」――その大きな要因が、家屋特有の「据置措置」にあります。

家屋の評価額には、計算結果が前年より高くなった場合、「前年の額を据え置く」というルールがあります。

近年のように建築費が上がり続けている時期は、建物の老朽化による評価額の下がり分が、建築費のアップ分で帳消しになってしまいます。そのため、家屋の固定資産税は安くならないのです。

特にマンションに多いRC造などは、木造よりも価値が下がりにくく設定されており、評価額が底(20%)を打つまでに最長60年もかかります。「古くなっても税額が変わらない」と感じる背景には、こうした計算上の仕組みが関係しています。

▲ 目次に戻る

3-4. 更地・空地にして住宅用地の特例が外れた

住宅が建っている土地には「住宅用地の特例」が適用され、課税標準額が大幅に軽減されています(小規模住宅用地なら評価額の6分の1)。

しかし、建物を解体して更地や空き地にするとこの特例から外れ、土地の固定資産税が最大6倍に跳ね上がります。

「建物がなくなれば、その分の税金が減って安くなるはず」と思われがちですが、実際には土地の増税分が建物の減税分を大きく上回るため、合計の納税額が増えてしまうケースがほとんどです。

例として、評価額3,000万円の土地(200㎡以下)で比較してみましょう。

  • 住宅がある場合:課税標準額 500万円(3,000万円 × 1/6) → 固定資産税 7万円
  • 更地にした場合:課税標準額 3,000万円(一切の軽減・特例の適用なし) → 固定資産税 42万円

このように、更地にするだけで土地の税負担は最大で35万円も増加します。

▲ 目次に戻る

3-5. 大規模リフォーム・増築で家屋が再評価された

増築や大規模な改修工事を行うと、市区町村が家屋調査を実施し、家屋の評価額が見直される場合があります。

増築した場合は、増築した部分について新増分家屋として再建築費評点数が付設され、在来分と合算して評価額が計算されます。

改築(改造・模様替え)を行った場合は、改築された部分について撤去等に相当する評点数が控除され、新たに取り付けられた部分の評点数が加算されます。

古い設備を撤去して高グレードの設備に置き換えた場合、差し引きで評点数が増加し、それに伴い固定資産税が高くなるケースがあるのです。

▲ 目次に戻る

3-6. 高価な設備・建材が家屋評価額を高くしている

本記事の「2-3.家屋の評価額は「再建築費評点方式」で建材・設備を積み上げて算出される」で解説した再建築費評点方式により、家屋の評価額は使用した建材・設備の一つひとつが評点として積み上がって決まります。

すなわち、高価な設備や建材を使用した家屋は、それが評価額にそのまま反映されます。反映されれば、固定資産税も高くなります。

「高い設備を入れたつもりはないのに評価額が高い」と感じる方は、以下の表を参照して、自宅に該当する設備がないかをご確認ください。

固定資産税の評価額を高くする設備・建材チェックリスト
部位 設備・建材 評点への影響 補足
屋根 建材型ソーラーパネル 増点(加算評点項目として別途付設) 屋根材として施工されたものが対象。後付け架台型は家屋と一体でなければ評価対象外
衛生設備 ユニットバス(1624等の大型) 増点(標準より大きいと最大1.5倍) 標準(120×75×60cm程度)より大きいと補正率が上がる。標準評点数362,840点
衛生設備 システムキッチン(間口300cm超) 増点(標準180cmより大で1.4倍) 標準評点数約319,200点
給湯設備 貯湯式給湯器460L以上(エコキュート等) 増点(標準370Lより大で1.1倍) 300L未満は0.85倍の減点
冷暖房 ビルトイン方式空調設備(天井・壁埋め込み型) 増点(家屋と構造上一体のもの) 通常の壁掛け式ルームエアコンは「取り外しが容易」なため評価対象外
冷暖房 床暖房設備 増点(施工面積1.0㎡当たりで付設) 施工面積が広いほど評点が高くなる
外壁・内壁 高グレード外壁材・タイル張り 増点(「程度の良いもの」区分) 仕上材のグレードが「程度の良いもの」に分類されると増点補正
天然石・無垢材等の高価な床材 増点(「程度の良いもの」区分) グレード判定は家屋調査員の目視が基本
構造 RC造・SRC造 評点が高く・下がりにくい 木造より評価額が高い傾向。経年減点補正率の下限(20%)到達まで最長60年

なお、壁掛け式のルームエアコンのように「取り外しが容易で、別の場所にも移動できるもの」は、原則として評価対象外です。

「ルームエアコンまで固定資産税が課されているのでは」と心配している方は、ご安心ください。

▲ 目次に戻る

3-7. 特定空家・管理不全空家に指定された(令和5年改正の新区分)

「空家等対策の推進に関する特別措置法(空家法)」に基づき「特定空家等」に指定され、必要な措置を講ずるよう勧告を受けた建物の敷地については、住宅用地の特例の対象から除外されます。

特定空家等とは、放置すると倒壊の恐れや衛生上の問題、景観悪化を招くと市町村が判断した空き家のことです。

所有する空き家が特定空家等となれば、その家屋が建つ土地は更地と同様の扱いとなり、一切の軽減措置や特例が適用されなければ、土地の固定資産税が最大6倍になります。

さらに、令和5年12月施行の改正空家法では「管理不全空家等」という新区分が追加されました。管理不全空家等とは、そのまま放置すれば特定空家等に認定されるおそれのある状態にある空家のことです。

管理不全空家等であっても、市区町村から必要な措置をとるよう勧告を受けた場合は、住宅用地の特例の対象から除外されることとされています。

▲ 目次に戻る

3-8. 地価が下がっても税額が上がる「負担調整措置」の仕組み

「地価(評価額)は下がっているはずなのに、固定資産税の通知書を見ると税額が上がっている」……。このような状況に疑問を感じる方は少なくありません。

結論からいうと、これは「負担調整措置」という制度によるものです。負担調整措置とは、税負担の公平性を保つための仕組みであり、その背景を詳しく解説します。

なぜ「地価」と「固定資産税」が連動しないのか

固定資産税の計算には、大きく分けて2つの指標が使われます。

  • 評価額(価格):その土地の時価(適正な時価)に基づく評価。
  • 課税標準額:実際に税率(主に1.4%)をかける対象となる金額。

一般に、固定資産税は「評価額」に直接かかると思われがちですが、実際には「課税標準額」に基づいて算出されます。この両者の差異を調整するのが「負担調整措置」です。

「負担調整措置」とは何か

負担調整措置とは、地価が急騰するなどして土地の評価額が急激に上昇した際に固定資産税が跳ね上がることがないように、あるいは過去の経緯で税負担が低すぎた土地を「適正な水準」へ戻すために、毎年少しずつ課税標準額を調整する制度です。

「適正な水準」に対して、現在の税負担がどの程度の水準か示す指標を「負担水準」と呼びます。負担水準は、以下のように計算します。

負担水準(%)の計算方法
負担水準(%)=前年度の課税標準額÷当年度の本来の課税標準額×100

地価が下がっても税額が上がるカラクリ

地価が下落しているにもかかわらず固定資産税が上がるのは、その土地の負担水準(税負担)が本来より低い状態にあるからです。その理由を順を追って解説すると、以下のとおりです。

  1. その土地は、かつて地価が急騰した際、納税者の負担を抑えるために課税標準額が低く据え置かれました。
  2. その結果、「本来払うべき固定資産税(評価額ベース)」よりも「実際の税額」が大幅に低い状態が続いています。
  3. 制度上、この格差を埋めるために、評価額が下がっていても、課税標準額が本来の水準に達するまで段階的に引き上げられるため、結果として税額が上昇しています。

住宅用地における具体的な計算ルール

住宅用地の場合、負担水準が低い土地(本来の課税標準額の100%に達していない土地)については、以下などの計算式で当年度の課税標準額を求めます。

負担水準が低い住宅用地の当年度課税標準額の計算方法
当年度の課税標準額 = 前年度課税標準額 +(本来の課税標準額 × 5%)

地価(評価額)は下がっているはずなのに固定資産税が上がっている土地は、「地価の下落」よりも「過去の低い税負担からの引き上げ幅」が上回っています。

上回っている間は、計算上、固定資産税が上がることになります。

負担調整措置の詳細は、当サイト「固定資産税をパパっと解説」にて公開中の記事「固定資産税の負担調整措置とは?(図解でわかりやすい!)」にてわかりやすく解説中です。

より深い負担調整措置の理解を求める方がいらっしゃいましたら、ぜひご覧ください。

▲ 目次に戻る

4. 物件タイプ別・固定資産税が高い理由の診断

ここからは、「一戸建て」「マンション」「土地(更地・駐車場)」のタイプ別に、固定資産税が高くなりやすい主な要因を解説します。

まず、一戸建てでは、新築時の軽減措置が終了したケースのほか、RC造(鉄筋コンクリート造)や高品質な木造住宅であること、ハイグレードな設備・建材の使用などが挙げられます。

マンションも同様に、軽減措置の期間満了やRC造といった構造に加え、総戸数の少なさ、あるいはタワーマンションの高層階であることなどが税額に影響します。

一方、土地(更地・駐車場)については、住宅用地の特例から外れたことが主な要因となる場合がほとんどです。

それでは、それぞれの詳細を解説します。

▲ 目次に戻る

4-1. 一戸建ての固定資産税が高い・急に高くなった主な原因

一戸建てで「固定資産税が突然2倍近くになった」という相談の多くは、「新築住宅に対する減額措置」の終了が原因です。

一般住宅(木造など)は新築後3年間、認定長期優良住宅は5年間(3階建以上の中高層耐火住宅に該当する場合は7年間)にわたって家屋にかかる固定資産税が1/2に減額されますが、期限が切れるとその翌年から本来の税額に戻ります。

課税明細書の「軽減税額」欄を確認し、前年まで記載があった金額が今年から消えていれば、これが原因で間違いありません。

急に固定資産税が高くなったのではなく、以前からずっと高い場合に考えられる要因は、主に以下の3点です。

  • 資産価値の下がりにくい構造:RC造(鉄筋コンクリート造)や高品質な木造住宅は、経年による評価額の下落が緩やかで固定資産税が下がるのに年数がかかります。
  • ハイグレードな設備・建材:床暖房・間口の広いシステムキッチン・こだわりの外壁材などは再建築費評点数を押し上げる要因となり、固定資産税が高くなります。
  • 増改築・大規模リフォーム:工事後に市区町村の家屋調査が行われ、家屋が再評価され、それに伴い固定資産税が高くなった可能性があります。

▲ 目次に戻る

4-2. マンションの固定資産税が高い理由

マンションの固定資産税が高くなりやすい背景には、集合住宅特有の3つの構造的な理由があります。

① 耐久性の高い構造(RC造・SRC造)

マンションの多くはRC造(鉄筋コンクリート造)やSRC造(鉄骨鉄筋コンクリート造)です。

これらは木造に比べて評価額が高くなるだけではなく、耐久性があるため評価額が下がりきるまでの期間(耐用年数)が非常に長く設定されています。

木造が最短15年(区分によって最長35年)で評価額が下限に達するのに対し、マンションは最短でも60年かかるため、評価額、ならびに固定資産税が高止まりの状態が長く続きます。

② 新築軽減措置の期間と終了の影響

マンションなど、3階建て以上の中高層耐火住宅は、新築後5年度分にわたり固定資産税が減額されます。一戸建て(3年)より減額される期間が長いため、終了して本来の税額に戻った際の「増えた感」がより強くなる傾向があります。

③ 土地の持ち分比率(総戸数の影響)

マンションの土地部分にかかる固定資産税は、敷地全体の税額を各住戸の「持分(所有割合)」に応じて按分して算出されます。

そのため、総戸数が少ないマンションほど一戸あたりの土地持分が大きくなり、税額が高くなる傾向にあります。特に、地価の高い広大な敷地に少数の住戸が建っているようなケースでは、その傾向がより顕著に現れます。

▲ 目次に戻る

タワーマンションは「高層階ほど税金が高い」仕組み

地上20階以上(高さ60m超)のタワーマンションには、独自の固定資産税を計算するルールがあります。

具体的には、平成30年度(2018年度)以降に固定資産税が課されることとなった物件では、「高層階ほど市場取引価格が高い」という実態を反映し、上の階ほど税負担が重くなるよう調整されます。

そのイメージを50階建てタワーマンションに当てはめると、以下のとおりです。

  • 1階:約188,000円
  • 18階(中層階):約200,000円
  • 50階(最上階):約212,000円

この制度は、実勢価格と税負担を公平にするための制度であり、高層階は税額が増える分、低層階は従来よりも安くなるように調整されます。

なお、この制度が適用されるのは、平成30年度以降に新たに固定資産税が課されることとなったタワーマンションに限られます。

▲ 目次に戻る

4-3. 土地(更地・駐車場)の固定資産税が高い理由

更地や駐車場として利用している土地の税額が高いと感じる理由は明確です。

住宅が建っている土地に適用される「住宅用地の特例」が、更地には適用されないためです。

住宅用地の特例とは、小規模住宅用地(200㎡以下の住宅用地)の場合、課税標準額を評価額(価格)の1/6に圧縮する強力な減税制度です。

更地はこの特例から外れるため、固定資産税が高くなります。評価額が3,000万円・面積が200㎡の土地で税額をシミュレーションすると、以下のようになります。

  • 住宅用地:約7万円
  • 更地・駐車場:約42万円(一切の特例・軽減措置の適用がない場合の税額)
重要:建物の解体を検討中の方へ
  • 「古い家を壊せば税金が安くなる」という誤解には注意が必要です。

▲ 目次に戻る

5. 固定資産税が高いときの5つの対処法

「固定資産税が高すぎる」と感じた際、ただ受け入れるのではなく、自ら動くことで税額を下げられる可能性があります。

ここからは、手軽に始められる「確認」から、法的な「不服申し立て」まで、5つの対処法をステップ順に解説します。

ご自身の状況(手間をかけられるか、どれほどの効果を期待するか)に合わせて、最適な方法をお選びください。

固定資産税が高いときの5つの対処法を手軽さと効果で整理したマトリクス図

▲ 目次に戻る

5-1. 自治体の窓口で「課税ミス」がないか確認する

固定資産税の計算には、稀に自治体側の入力ミスや現況確認漏れが含まれることがあります。

まずは、固定資産税の「納税通知書」と「課税明細書」を手元に用意し、電話一本から確認を始めましょう。

問い合わせ先は、市区町村の「資産税課」(東京23区の場合は「都税事務所」)であり、電話番号は納税通知書や課税明細書に記されています。

発生しやすい「課税ミス」チェックリスト
ミスの内容 起こりやすいケース 自分で確認するポイント
取り壊し済みの家屋 建物を解体したが、滅失登記を忘れている 明細書に「存在しない建物」の行がないか
住宅用地特例の漏れ 駐車場や更地として誤認されている 土地の課税標準額が評価額の約1/6になっているか
新築軽減の適用誤り 軽減期間の計算ミスや面積の誤認 軽減税額欄の有無と、新築からの経過年数を照合
面積の相違 登記簿と市町村の課税台帳の数値が違う 登記事項証明書と明細書の「床面積・地積」を比較
地目の認定ミス 農地のはずが宅地として課税されている 明細書の「現況地目」が実際の利用状況と合っているか

▲ 目次に戻る

5-2. 「縦覧制度」で近隣の評価額と比較する

「近隣と比べて自分の評価額だけが高いのでは?」と疑問に思った際に有効なのが、縦覧(じゅうらん)制度です。同じ市区町村内にある他の土地や建物の評価額を確認し、自分の物件が適正に評価されているかを比較できます。

縦覧制度の詳細は、以下のとおりです。

  1. 期間:毎年4月1日〜最初の納期限(多くは4月20日頃)まで。
  2. わかること:近隣物件の所在、地目、面積、評価額(氏名や住所などの個人情報は伏せられます)。
  3. 利用できる人:その自治体の固定資産税の納税者。
[補足] 「縦覧」と「閲覧」の違い
  • 縦覧:他人の物件と比較して、自分の評価額の妥当性を探るためのもの
  • 閲覧:自分の物件の詳細な課税内容(台帳)を確認するためのもの

▲ 目次に戻る

5-3. 軽減措置の「申請漏れ」をチェックする

特定のリフォームを行った場合、翌年度の固定資産税が減額される制度があります。その制度を「リフォーム促進税制」などと呼びます。

同制度は自己申告制のため、申請を忘れるとそのまま高い税金を払い続けることになります。

リフォーム促進税制(令和8年度版)
種類 主な要件(抜粋) 減額割合 申請期限 適用期限
耐震改修 昭和57年1月1日以前の家屋・工事費50万円超 翌年度の税額が1/2 工事完了日から3か月以内 令和13年3月31日まで
バリアフリー改修 65歳以上等が居住・新築後10年以上・工事費50万円超 翌年度の税額が2/3(つまり1/3減額) 工事完了日から3か月以内 令和13年3月31日まで
省エネ改修 平成26年4月1日以前の家屋・工事費60万円超 翌年度の税額が2/3(つまり1/3減額) 工事完了日から3か月以内 令和13年3月31日まで
長期優良住宅化改修 耐震または省エネ工事後に長期優良住宅の認定取得 翌年度の税額が1/3 工事完了日から3か月以内 令和13年3月31日まで

たとえば、年間固定資産税が12万円の家屋で耐震改修を行った場合、翌年度の税額は6万円になります。

3か月という申請期限は短いため、リフォーム工事が完了したらすぐに市区町村の窓口に申告することをお勧めします。

注意
  • リフォーム促進税制には詳細な要件があります。表の内容はあくまで概要です。申請前に、必ずお住まいの市区町村の窓口で要件をご確認ください。

▲ 目次に戻る

5-4. 「固定資産評価審査委員会」へ審査を申し出る

窓口での相談で解決せず、「評価額の設定そのものが不当に高い」と判断した場合は、第三者機関である固定資産評価審査委員会へ審査の申出を行うことができます。

固定資産評価審査委員会への審査申出ポイント

  • 対象: 「評価額(価格)」に対する不服のみ(税額や軽減措置適用の可否は別制度)
  • 期限:納税通知書を受け取った翌日から3か月以内
  • タイミング:原則として3年に一度の「評価替えの年(基準年度)」に限定(令和6年度、9年度が直近)
  • 審査申出先:各市区町村の審査委員会事務局。
  • 準備:申出書のほか、反論の根拠となる資料(近隣の売買事例や不動産鑑定評価書など)が必要です。
  • その後:決定に不服がある場合は、裁判所へ「決定取消の訴え」を提起する流れとなります。この段階では税理士や弁護士などの専門家への依頼が一般的です。

▲ 目次に戻る

5-5. 「減免申請」を行う(特別な事情がある場合)

「税額が高い」ではなく「税額が払えない」という状況の方向けに、固定資産税を減免(=減らす・免除する)できる制度があります。

減免制度とは、一定の事情がある場合に市区町村の判断で税額を減らす・または免除できる制度のことです(地方税法第367条に基づく)。

適用事由の例は、次のとおりです。

  • 生活保護を受けている、または生活が著しく困窮している
  • 天災・火災により不動産が被害を受けた
  • 相続等で不動産を取得したが使い道がなく生活費を圧迫している

減免の対象・要件・手続きは、市区町村ごとの条例によって異なります。まずは、お住まいの市区町村の資産税課に「減免の申請はできますか?」と問い合わせることから始めてください。

申請の期限が設けられている場合が多いため、早めに動くことが重要です。

減免制度の詳細は、当サイト「固定資産税をパパっと解説」で公開中の記事「固定資産税が老後に払えないときの対処法(心配いりません)」にてわかりやすく解説中です。ぜひご覧ください。

▲ 目次に戻る

6. 評価調書を確認して評点の誤りを自分で発見する

所有する家屋の評価額(価格)が高いときの対処法として、「評価調書(ひょうかちょうしょ)」という書類を取り寄せて確認する方法があります。

評価調書を取り寄せれば、ご自身が所有する家屋の評点の内訳を確認できます。

「高価な設備を入れた覚えがないのに評価額が高い」「評価員の調査に誤りが含まれているのでは」と思っている方は、ぜひご検討ください。

▲ 目次に戻る

6-1. 評価調書(部分別評点表)の開示請求で評点の内訳を確認できる

「評価調書(部分別評点表)」とは、家屋の評価額を算出するために使われた、部分ごとの評点の内訳を記録した書類のことです。イメージとしては、「家屋のどの部分に、どれだけの評点が付けられたか」を一覧にした計算書です。

この書類は、市区町村の情報公開条例(=行政が持つ情報を住民が確認できるよう定めた条例のこと)に基づいて、開示請求(=行政に対して文書の公開を求めること)することで取り寄せられます。取り寄せる方法は次のとおりです。

  • 開示請求先:家屋が所在する市区町村の「情報公開窓口」または「資産税課」
  • 請求方法:「固定資産課税台帳に登録された家屋評価調書(部分別評点表)の開示を求めます」と申し出る
  • 費用:市区町村によって異なるが、複写費用として数十円程度が一般的

開示された評価調書では、「構造部・外壁仕上・内壁仕上・床仕上・天井仕上・屋根仕上・建具・建築設備」などの部分ごとに、どの評点項目が採用されているかを確認できます。

確認すべきポイントは、次の3つです。

  1. 実際には施工していない設備が評点として計上されていないか
  2. 設備のグレード区分(上・中・並など)が実態と合っているか
  3. 床面積などの計算単位(=評点を求めるための面積や数量のこと)に誤りがないか

たとえば、「床暖房を施工していないのに床暖房の評点が付いている」「間口180cmのキッチンなのに300cm超の補正係数が使われている」といった誤りが見つかることがあります。

こうした誤りが確認できれば、市区町村の資産税課に申し出て是正を求めることができます。

注意
  • 開示請求できるのは、自分が所有する家屋の評価調書のみです。他の人の家屋の評価調書は請求できません。

▲ 目次に戻る

6-2. 新築時の家屋調査に立ち会うことで評点誤りを防ぐ

家屋の評価額(価格)は、新築時に行われる「家屋調査(かおくちょうさ)」の結果によって決まります。

家屋調査とは、市区町村の評価員が実際に家屋を訪問し、使用された建材・設備を目視や図面で確認して評点を付ける調査のことです。

ポイントは、この新築時の評点が、その後3年ごとの評価替えの基礎になり続けるという点です。

つまり、最初の調査で誤りがあると、その後も誤った評価が続くことになります。立ち会いの際に特に確認したいことは、次のとおりです。

  • 使用した建材・設備のグレード(品等)が正確に記録されているか
  • 床暖房・ビルトイン型空調など特殊な設備の有無が正しく確認されているか
  • 取り外し可能なルームエアコンなど評価対象外のものが評点に含まれていないか

疑問に思った点は、調査員にその場で確認してかまいません。「この設備はどのグレードで評価されますか?」と質問するといった具合です。

また、施工した設備の仕様書(=設備の型番・寸法・機能などが記載されたメーカーの書類のこと)や納品書を保管しておくことを強くお勧めします。後から「設備のグレードが違う」と申し出る際の証拠になるためです。

たとえば、ユニットバスの型番が記載された仕様書があれば、「標準(120×75cm)なのに1624サイズとして評価されている」といった誤りを客観的に証明できます。

▲ 目次に戻る

7. 令和8年度の固定資産税に関する最新情報

固定資産税を理解するために欠かせないのが、最新情報です。

ここからは、令和8年度から変わった固定資産税の制度と、令和8年度課税に影響している評価替えの継続的な影響を解説しましょう。

▲ 目次に戻る

7-1. 令和8年度から適用される主な改正ポイント

令和8年度(2026年度)の税制改正では、固定資産税に関していくつかの重要な変更がありました。ご自身に関係する改正がないか、ご確認ください。

令和8年度の主な税制改正と施行日一覧
改正の内容 施行日 読者への影響
新築住宅の軽減措置を5年間延長 令和8年4月1日〜令和13年3月31日 令和8年4月以降に新築した住宅も引き続き軽減を受けられる
新築住宅の軽減・床面積要件の下限を50㎡→40㎡に緩和 同上 40〜50㎡未満の小さな住宅も軽減を受けられるようになった
一定のハザードエリア内の新築住宅を軽減の対象外に 同上(令和11年4月1日以後に新築のものから適用) 土砂災害特別警戒区域等の一部の住宅は軽減対象外になる
リフォーム減税(耐震・バリアフリー・省エネ・長期優良住宅化)を5年間延長 令和8年4月1日〜令和13年3月31日 令和13年3月31日まで工事を完了させれば減税を受けられる
リフォーム減税の床面積要件の下限を50㎡→40㎡に緩和 同上 40〜50㎡未満の住宅もリフォーム減税を受けられるようになった

① 新築住宅の軽減措置が5年延長されました

新築住宅の固定資産税を1/2に減額する制度が、令和8年4月1日から令和13年3月31日まで5年間延長されました。これから住宅を新築する予定がある方は、引き続きこの制度を活用できます。

たとえば、2,500万円の住宅を新築した場合、本来の税額は年間約18.2万円です。しかし、軽減措置が適用される期間中は年間約9.1万円になり、3年間で約27万円の軽減効果があります。

② 床面積40㎡以上の住宅にも軽減が適用されるようになりました

これまで新築住宅の軽減措置は、床面積50㎡以上240㎡以下の住宅が対象でした。令和8年4月以降に新築した住宅から、下限が40㎡に緩和されました。一人暮らし向けのコンパクトな住宅や、都市部の小さな住宅も対象になります。

ただし、東京都特別区内の一定の地域については、下限が50㎡のまま据え置かれます。詳しくはお住まいの市区町村窓口でご確認ください。

③ 一定のハザードエリア内の新築住宅は軽減の対象外になります

土砂災害特別警戒区域などの一定のハザードエリア(=水害・土砂災害等の危険性が高いと指定された区域のこと)内に新築した住宅については、令和11年4月1日以後に新築されたものから軽減措置の対象外となります。

令和8年4月1日から令和11年3月31日の間に新築した住宅は、従来どおり軽減を受けられます。

▲ 目次に戻る

7-2. 令和6年度評価替えと建築費高騰の影響が令和8年度も継続している

令和8年度は評価替えの第3年度(据置年度)にあたります。

すなわち令和8年度の課税には、令和6年1月1日時点の地価や建築費をもとに決定した評価額がそのまま使われています。

令和6年度の評価替えでは、2つの大きな変化が評価額に影響しました。

  1. 地価の上昇:大都市圏を中心に地価が上昇した地域では、土地の評価額が引き上げられた
  2. 建築費の高騰:再建築費評点補正率が木造1.11・非木造1.07と高く設定され、既存家屋の評価額が下がりにくくなった

これらの影響は令和6〜8年度の3年間継続します。「令和8年度も税額が高い」と感じている方の多くは、この評価替えの影響を受けています。

また、土地の負担調整措置(=課税標準額を段階的に引き上げる仕組みのこと)も令和6〜8年度の3年間を通じて継続されています。

地価が下落している地域でも、負担水準が本来の課税標準額に達するまでは毎年税額が少しずつ上がるケースがあります。

次の評価替えは令和9年度(基準年度)です。令和9年1月1日時点の地価・建築費をもとに評価が見直されます。

地価が下落している地域では、令和9年度以降に評価額が下がる可能性があります。

▲ 目次に戻る

まとめ - 固定資産税が高いと感じたときの確認ステップ

固定資産税が高い原因は「評価額が高い」「軽減措置が外れた・未適用」「課税ミス」の3つのどれかに当てはまります。

まずは、課税明細書を手元に置き、ここで紹介した5つのステップを順番に確認してみてください。

ステップ1:課税明細書で「評価額」「課税標準額」「税額」の3欄を確認する

固定資産税の課税明細書は、毎年4〜6月に届く納税通知書に同封されています。土地と家屋の行をそれぞれ確認しましょう。

前年度の課税明細書と比べて税額が増えていれば、どの欄の数字が変わったかを確認してください。

「税額」だけが増えている場合は軽減措置の終了が原因のことが多く、「評価額」から変わっている場合は評価替えや建築費高騰の影響が考えられます。

ステップ2:4章の診断フローチャートで自分の物件に当てはまる原因を特定する

本記事の「4.物件タイプ別・固定資産税が高い理由の診断」でご紹介した「戸建て」「マンション」「土地のみ」という物件タイプ別のフローチャートを使って、自分の状況に当てはまる原因を絞り込んでください。

「今年から急に高くなった」場合と「以前からずっと高い」場合では、確認すべき原因が変わります。たとえば戸建てで今年から急に高くなった場合は、まず新築軽減措置の終了を疑うとよいでしょう。

ステップ3:5章の軽減措置チェックリストで申請漏れがないか確認する

本記事の「5-3.軽減措置の「申請漏れ」をチェックする」でご紹介した耐震改修・バリアフリー改修・省エネ改修・長期優良住宅化改修を行っていて、まだ申請をしていない場合は申請できる可能性があります。

いずれも工事完了日から3か月以内に申告が必要です。「リフォームしたけれど何も申請していない」という方は、まず市区町村の資産税担当窓口に問い合わせてみましょう。

ステップ4:評価額や課税内容に疑問があれば市区町村の窓口に問い合わせる

「課税ミスがあるのでは」と感じたら、市区町村の資産税課(東京23区は都税事務所)に電話で問い合わせてください。

取り壊した建物への課税継続・住宅用地特例の適用漏れ・床面積の測定誤りなど、課税ミスが見つかれば税額が修正されます。

電話の前に固定資産税の課税明細書と納税通知書を手元に用意しておくとスムーズに話が進みます。

ステップ5:評価額そのものに不服があれば、3か月以内に審査の申出を検討する

評価額(価格)が不当に高いと判断した場合は、固定資産評価審査委員会(各市区町村に設置された、評価額の適否を審査する機関)への審査の申出ができます。

申出の期限は「納税通知書を受け取った日の翌日から3か月以内」です。期限を過ぎると申出ができなくなるため、早めに判断してください。

わからないことがあれば、不動産鑑定士などの専門家に相談することをお勧めします。

本記事の内容が、固定資産税が高いと感じる皆様に役立てば幸いです。最後に、よくある質問と答えをまとめます。

固定資産税が高い主な理由は何ですか?
固定資産税が高い主な理由は8つあります。①新築住宅の軽減措置が終了した、②評価替えで土地の評価額が上がった、③建築費高騰により家屋の評価額が下がらなかった、④更地にして住宅用地の特例が外れた、⑤大規模リフォーム・増築で家屋が再評価された、⑥高価な設備・建材が家屋の評価額を押し上げている、⑦特定空家や管理不全空家に指定された、⑧負担調整措置により土地の課税標準額が段階的に引き上げられている、です。原因によって対処法が異なります。
固定資産税が急に高くなった理由として最も多いのは何ですか?
最も多いのは「新築住宅の軽減措置の終了」です。一般住宅は新築後3年間、3階建以上の中高層耐火建築物は5年間、居住部分120㎡相当分の税額が1/2に軽減されます。この期間が終了すると税額が約2倍になります。令和8年度課税分では、令和4年1月2日〜令和5年1月1日に新築された一般住宅の軽減措置が終了します。納税通知書に同封された課税明細書の新築年月日でご確認ください。
固定資産税の評価額(価格)はどのように決まりますか?
土地と家屋で決まり方が異なります。土地の評価額は地方税法に基づく「適正な時価」であり、宅地は地価公示価格等の7割を目途として地域の状況に応じた評価方法で算出されます。家屋の評価額は「再建築費評点方式」で算出され、再建築費評点数×経年減点補正率×評点1点当たりの価額が基本の計算式です。再建築費評点数は構造部・外壁・床・建築設備などの部分別に評点を積み上げた合計値であり、使用した建材・設備一つひとつが評価額に反映されます。
固定資産税が高いと感じたらまず何をすればよいですか?
まず納税通知書に同封されている課税明細書を確認してください。「評価額」「課税標準額」「税額」の3欄を土地と家屋に分けて確認し、疑問がある場合は市区町村の資産税担当窓口(東京23区は都税事務所)に問い合わせましょう。課税ミスが発見されれば税額が是正される可能性があります。問い合わせ時は納税通知書と課税明細書を手元に用意し、物件の所在地・地番と疑問点を伝えてください。
地価が下がっているのに固定資産税が上がるのはなぜですか?
「負担調整措置」という仕組みがあるためです。前年度課税標準額が本来の課税標準額(評価額×住宅用地特例率)に対して低い土地は、毎年その5%分ずつ課税標準額が引き上げられます。そのため地価が下落しても、課税標準額が評価額に追いつく過程で税額が上がることがあります。この仕組みは地方税法に基づくものであり、令和6〜8年度も継続して適用されています。
家屋(建物)の固定資産税が高い理由として、設備は関係しますか?
関係します。家屋の評価額は再建築費評点方式で算出され、設備・建材の一つひとつが評点として積み上がります。固定資産評価基準によると、大型ユニットバス・間口300cm超のシステムキッチン・460L以上の貯湯式給湯器・床暖房・建材型ソーラーパネルなどは評点を増点補正する設備です。天井・壁への埋め込み型など家屋と構造上一体となった空調設備も評価対象になります。なお壁掛け式ルームエアコンは取り外しが容易なため評価対象外です。
更地にすると固定資産税はどうなりますか?
更地にすると建物にかかる固定資産税はなくなりますが、一切の特例や軽減措置が適用されなければ、土地の固定資産税が最大6倍(都市計画税は最大3倍)になります。建物が建っていた土地に適用されていた「住宅用地の特例」(小規模住宅用地は課税標準額が1/6に軽減)が適用されなくなるためです。ペナルティではなく、特例がなくなって本来の税額に戻るということです。建物を解体する前に更地後の税額を試算しておくことをお勧めします。
固定資産税の評価額に不服がある場合はどうすればよいですか?
固定資産評価審査委員会への審査の申出が有効な手段です。対象は「評価額(価格)」のみで、税率や軽減措置の適用漏れは対象外です。申出の期限は「納税通知書の交付を受けた日後3か月を経過する日まで」(地方税法第432条)です。また原則として評価替え年度(直近は令和6年度)以外の年度では新規の申出はできません。不動産鑑定士や税理士に相談した上で根拠資料を準備することをお勧めします。
固定資産税を減額できるリフォームにはどのようなものがありますか?
令和8年度時点の主なリフォーム減税は4種類です。①耐震改修(昭和57年1月1日以前の建物・工事費50万円超、翌年度税額1/2)、②バリアフリー改修(65歳以上等の居住者・築10年以上・工事費50万円超、翌年度税額2/3)、③省エネ改修(平成26年4月1日以前の建物・工事費60万円超、翌年度税額2/3)、④長期優良住宅化改修(翌年度税額1/3)。1戸につき1回のみの適用で、工事完了日から3か月以内に申告が必要です。バリアフリーと省エネ改修のみ併用できます。
令和8年度の固定資産税で変わったことはありますか?
主な改正点は3つです。①新築住宅の軽減措置が5年間延長(令和8年4月〜令和13年3月)され、床面積下限が50㎡から40㎡に緩和されました(一定のハザードエリア内は対象外)。②耐震・省エネ等のリフォーム減税も5年間延長(同期間)。③令和4年1月2日〜令和5年1月1日に新築された一般住宅および令和2年1月2日〜令和3年1月1日に新築された中高層耐火住宅等は、令和8年度から軽減措置が終了し税額が約2倍になります。認定長期優良住宅は適用期間が異なるため市区町村窓口でご確認ください。
著者・監修情報
固定資産税をパパっと解説(koteishisanzei-papatto.com)編集部。固定資産税に関する情報を図解を交えてわかりやすく解説することを心がけて記事を作成しています。作成にあたっては、総務省 固定資産評価基準、一般社団法人 資産評価システム研究センター、国土交通省などの公的機関の情報、および信頼性が極めて高い専門サイトの情報を参照しています。
参考資料
e-Gov・地方税法総務省:固定資産評価基準 第一章 土地総務省:固定資産評価基準 第二章 家屋資産評価システム研究センター:令和8年度固定資産税のしおり国土交通省:令和8年度税制改正概要
注意点
本記事の内容は令和8年4月時点のものです。最新の情報は市町村役場のホームページや窓口、総務省、国土交通省の公式サイトなどにてご確認ください。

▲ 目次に戻る

こちらの記事もオススメです