固定資産税の調査でコンセントを隠すと節税になるって本当?

固定資産税の調査でコンセントを隠すと節税になるって本当?

新築を取得すると1年以内などに家屋調査が行われ、調査結果によって新築時の固定資産税が決定されます。

この家屋調査でコンセントを隠すと、固定資産税が安くなるなどのメリットはあるのでしょうか。

固定資産税の家屋調査でコンセントを隠すことにより固定資産税が安くなる額や、隠すことによって科せられる可能性がある罰則をご紹介しましょう。

目次

1. コンセントを隠すと固定資産税が77円程度安くなるが…

家屋調査でコンセントを隠すことにより固定資産税が安くなる額は、コンセント1個あたりにつき77円程度と考えられます。

つまり、コンセントの固定資産税は、1個あたり77円程度と考えられるというわけですが、ここからその根拠をパパっと簡単にご説明しましょう。

住宅が新築されると1年以内などに市町村役場から固定資産評価員が訪れ、住宅の各箇所を調査し、使用されている建材の種類やグレードなどをチェックします。

調査が終われば、固定資産評価員は各箇所に個別に点数を付け、それらを合計します。

付けられる点数はグレードが高い建材が使用されている箇所ほど高くなり、合計点数は1点あたり1円などに換算されます。

たとえば、その木造住宅の採点結果の合計点数が1,500万点であれば、1,500万円などに換算するといった具合です。

この換算された1,500万円は、その住宅が新築された時点における固定資産税評価額となります。

住宅の固定資産税評価額とは、住宅の固定資産税を計算する基となる額であり、家屋の固定資産税は、その家屋の固定資産税評価額に固定資産税の税率である1.4%などを掛け算しつつ計算されます。

家屋の固定資産税を計算する式を簡単にご説明すると、以下のとおりです。

家屋の固定資産税を計算する式(簡単バージョン)
家屋の固定資産税評価額×固定資産税の税率(主に1.4%)=家屋の固定資産税

以上が家屋の固定資産税を計算する式であり、ここまでを図解でまとめると以下のとおりです。

新築住宅の固定資産税が決定される流れ

さて、ここで重要となるのが、固定資産評価員による採点基準です。

採点基準は、統一されている必要があります。

採点基準が異なれば固定資産評価員によって合計点数に差が出てしまい、固定資産税が公平に課税されません。

よって、固定資産評価員が住宅の各箇所に点数を付ける際は、総務省が告示する固定資産評価基準に記されている標準評点数を基に採点します。

標準評点数とは固定資産評価員が住宅の各箇所を採点する際の基準となる点数であり、コンセントを含め、固定資産評価基準には屋根材や外壁材、内壁材など、様々な建材の標準評点数が記されています。

そして、固定資産評価基準に記されているコンセントの標準評点数は、以下のように1個あたりにつき5,570点です。

コンセントの固定資産税の標準評点数は5,570点

出典:総務省 固定資産評価基準

この標準評点数は、二個口であっても三個口であっても変わらず、コンセント1個あたりにつき5,570点です。

この点数は1点あたり1円などと換算され、その1.4%などが固定資産税となります。

よって、コンセントの固定資産税は5,570円の1.4%である77円などと考えることが可能であり、コンセントを隠すことにより1個あたりにつき77円の固定資産税が安くなると考えられるというわけです。

固定資産税の調査でコンセントを隠すと税金が77円安くなる

ただし、コンセントを隠すと、場合によっては一年以下の懲役、または50万円以下の罰金が科せられることがあるため注意が必要です。

つづいて、コンセントを隠すことにより科せられる可能性がある罰則をご紹介します。

なお、先に固定資産評価員による採点結果は1点あたり1円などに換算されるとご紹介しましたが、1.1円や0.9円などに換算されることもあるため留意してください。

換算される額は、市町村やその時々の物価水準などによって変わります。

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2. 虚偽の答弁には50万円以下の罰金が科せられる

住宅が新築されると1年以内などに市町村役場から固定資産評価員が訪れ、固定資産税を算定するための調査を行います。

この調査を家屋調査などと呼びますが、この調査において固定資産評価員は、地方税法の第三百五十三条により納税義務者に対象となる物件の詳細を質問したり、対象となる物件の詳細の確認を請求する権利が与えられています。

地方税法の第三百五十三条をパパっと簡単にご紹介すると以下のとおりです。

地方税法 第三百五十三条 徴税吏員等の固定資産税に関する調査に係る質問検査権
市町村の固定資産評価員は、固定資産税を徴収するために必要があれば、固定資産税の納税義務者や納税義務があると認められる者に対して質問し、対象となる物件の提示を求めることができる

そして、家屋調査の際にコンセントを隠す方法として、コンセントの前にタンスを置くなどの方法が考えられますが、タンスを置くなどすると、おそらくは固定資産評価員に「このタンスの後ろにコンセントはありませんか?」などと質問されることとなります。

この質問の答えに対して、コンセントがあるにもかかわらずないなどの虚偽の答弁を行うと、地方税法の第三百五十四条により一年以下の懲役、または50万円以下の罰金が科せられる可能性があるため注意してください。

地方税法の第三百五十四条をパパっと簡単にご紹介すると以下のとおりです。

地方税法 第三百五十四条 固定資産税に係る検査拒否等に関する罪
地方税法の第三百五十三条により行われた固定資産評価員の質問に答弁をしない者や、虚偽の答弁をした者には、一年以下の懲役、または50万円以下の罰金を科す

コンセントを隠したとしても、固定資産税が安くなるのは1個あたりにつき77円程度です。

また、この77円という額は新築時の税額であり、住宅の固定資産税は15年から65年などをかけて新築時の20%まで下がります。

よって、固定資産税を節税するためにコンセントを隠すのは、あまり好ましくないといえるでしょう。

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まとめ - スイッチの固定資産税は78円程度など

コンセントを隠すと固定資産税がどれくらい安くなるか、家屋調査でコンセントを隠し、虚偽の答弁をすることにより科せられる可能性がある罰則をご紹介しました。

コンセントの固定資産税は、77円程度などと考えられます。

この77円という額は1個あたりの税額であり、大抵の住宅は複数のコンセントが設けられているため、コンセントの数に77円程度などを掛け算した額がコンセントの固定資産税額となります。

また、家屋調査でコンセントを隠し、固定資産評価員の質問に「コンセントはない」などの虚偽の答弁を行えば、1年以下の懲役、または50万円以下の罰金が科せられる可能性があるため注意してください。

なお、長期不在などにより家屋調査に立ち会えない場合は、代替案として図面などを郵送で提出しつ家屋調査の代わりとする方法があります。

この場合において図面にコンセントの位置や数が記されていない場合は、延べ床面積に4,410点などを掛け算し、その答えを基にコンセントなどの電気設備の固定資産税が計算されます。

このように延べ床面積から固定資産税を計算する方法を総合評点方式と呼び、総合評点方式で固定資産税が計算されると、家屋調査で固定資産税が計算されるより税額が高くなってしまうことがあります。

そのため、固定資産税の家屋調査には、可能な限り協力するのが理想です。

余談ですが、総務省が告示する固定資産評価基準には、スイッチ1個あたりの標準評点数や、引っ掛けシーリングなどの照明設備の1個あたりの標準評点数も記されています。

スイッチ1個あたりの標準評点数は5,640点であり、固定資産税はその1.4%である78円程度など、引っ掛けシーリングなどの照明設備の1個あたりの標準評点数は8,810点であり、固定資産税はその1.4%である123円程度などと考えられます。

ご紹介した内容が、家屋調査でコンセントを隠すことにより固定資産税が安くなる額をお調べの皆様に役立てば幸いです。失礼いたします。

記事公開日:2021年9月

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