玄関ポーチに固定資産税がかからない条件|固定資産税の判断基準
玄関ポーチは固定資産税がかからないといわれますが、一般的な仕様であれば固定資産税がかかります。
しかし、一般的な仕様にしないのであれば、玄関ポーチの固定資産税をかからないようにすることも可能です。
玄関ポーチに固定資産税がかかるか解説し、かかる場合の税額の目安、固定資産税がかからない玄関ポーチの条件、玄関ポーチを後付けすると固定資産税がかかるかご紹介しましょう。
目次
- 1. 玄関ポーチとは?
- 2. 固定資産税とは?課税の基本ルール
- 3. 玄関ポーチに固定資産税はかかる?
- 4. 玄関ポーチの固定資産税はいくら?
- 5. 固定資産税がかからない玄関ポーチの条件
- 6. 玄関ポーチを後付けするリフォームをすると固定資産税はどうなる?
- 7. 玄関ポーチの固定資産税を高くしないようにするためのポイント
- 8. 玄関ポーチの固定資産税に関するよくある質問
玄関ポーチとは?
玄関周りにはテラスやウッドデッキ、コンクリート打ちっぱなしの土間など様々な建築物が設置され、それらは意味が混同されることがあります。
よって、まずは玄関ポーチとはどのような建築物を指すか簡単に解説しましょう。
玄関ポーチとは、玄関の外側にグラウンドレベル(地面)より高く設置するスペースであり、軒や庇で覆われた部分を指します。
玄関ポーチがあれば雨や雪の日に室内に出入りしやすくなり、傘を置くなど便利に使用でき、植物を並べるなどして玄関先を飾ることもできます。
また、軒や庇で覆われた玄関ポーチがあれば玄関ドアに紫外線が当たりにくくなり、建物の寿命を延ばす効果も期待できます。
固定資産税とは?課税の基本ルール
ここからは、固定資産税とはどのような税金かわかりやすく簡単に解説しましょう。
固定資産税とは、年度を問わず1月1日の時点で固定資産を所有することにより課される税金であり、その資産が所在する市町村が徴収する地方税です。
固定資産税が課される対象となる固定資産とは、家屋と土地と償却資産です。
家屋とは、屋根と壁があって外気を遮断する性能があり、基礎が設けられるなどして地面に定着した建物を指します。
土地とは地面ですが大地そのものを指すのではなく、登記されるなどして区切られた地面の範囲を指すのが通例です。
償却資産とは、家屋と土地に該当しない事業のために使用する資産を指し、飲食店であれば調理器具、コンビニエンスストアであれば商品陳列棚などが償却資産となります。
固定資産税が課される対象となる固定資産とは?
| 種類 | 定義 |
|---|---|
| 家屋 | 屋根と壁があって外気を遮断する性能があり、基礎が設けられるなどして地面に定着した建物 |
| 土地 | 登記されるなどして区切られた地面の範囲 |
| 償却資産 | 家屋と土地に該当しない事業用の資産 |
※ 家屋、および土地は未登記であっても固定資産税がかかる
玄関ポーチに固定資産税はかかる?
固定資産税は、1月1日の時点で家屋や土地、償却資産を所有することにより課されます。
固定資産税が課される対象となる家屋とは、屋根と壁があって外気を遮断する性能があり、基礎があるなどして地面に定着する建物です。
であれば、玄関ポーチは家屋に該当せず、固定資産税がかからないと考えがちですが、玄関ポーチは家屋と一体化した付帯設備、すなわち家屋の一部として固定資産税がかかることとなります。
ポイント
玄関ポーチは、家屋の一部(家屋と一体化した付帯設備)として固定資産税がかかる
たとえば、エコキュートなどの給湯器は家屋とはいえず、さらに室外に設置されますが、家屋の一部(家屋と一体化した付帯設備)として固定資産税がかかります。
また、バルコニーも家屋とはいえませんが、やはり家屋の一部とみなされ固定資産税がかかることとなります。
ちなみに、当サイト「固定資産税をパパッと解説」では、エコキュートの固定資産税がいくらになるか目安を解説する記事「エコキュートの固定資産税はいくら?ガス給湯器との税額を比較」を公開中です。
新築を予定するなどしてエコキュートの設置を希望する方がいらっしゃいましたら、ぜひご覧ください。
玄関ポーチの固定資産税はいくら?
玄関ポーチは家屋の一部(家屋と一体化した附帯設備)として固定資産税がかかりますが、税額はいくらでしょうか。
玄関ポーチは床部分の面積や使用されている資材のグレードなどによって固定資産税が大きく異なりますが、その玄関ポーチを設置するために要した純粋な建築費の60%の1.4%程度が税額の目安です。
純粋な建築費とは、その玄関ポーチを設置するために要した資材費、労務費、建築会社が得るべきと考えられる一般的な利益の額の合計とお考えください。
既存の玄関ポーチを解体して新たな玄関ポーチを設置する際に要した解体費用などは純粋な建築費に含まれません。
また、市街地に位置する家屋に玄関ポーチを設置すると、多くの場合は固定資産税に加えて都市計画税も課されます。
都市計画税とは、公共施設を維持・新設する公共事業などの費用を賄うために市町村が徴収する目的税です。
玄関ポーチの都市計画税も床部分の面積や使用されている資材のグレードなどによって大きく異なりますが、その玄関ポーチを設置するために要した純粋な建築費の60%の0.3%程度が税額の目安となります。
玄関ポーチの固定資産税はいくら?税額の目安
玄関ポーチを設置するために要した純粋な建築費×60%×1.4%=玄関ポーチの固定資産税
玄関ポーチの都市計画税はいくら?税額の目安
玄関ポーチを設置するために要した純粋な建築費×60%×0.3%=玄関ポーチの都市計画税
たとえば、建築費が3,000万円である、玄関ポーチが設置された新築の戸建てがあったとしましょう。
その新築の戸建ての玄関ポーチを設置するために要した純粋な建築費は30万円です。
であれば「30万円×60%×1.4%=2,520円」と計算して玄関ポーチの固定資産税は2,520円程度、「30万円×60%×0.3%=540円」と計算して都市計画税は540円程度、税額の合計は3,060円程度となります。
固定資産税がかからない玄関ポーチの条件
玄関ポーチは家屋の一部(家屋と一体化した附帯設備)として固定資産税がかかりますが、固定資産税をかからないようにする方法はあるのでしょうか。
その答えは「固定資産税がかからないようにする方法はあるが、その方法で設置した玄関ポーチは、もはや玄関ポーチとは呼べない可能性がある」となります。
玄関ポーチは家屋の一部として固定資産税がかかるため、家屋の一部としないように設置すれば固定資産税はかかりません。
すなわち、家屋と数センチほど離して玄関ポーチを設置すれば、固定資産税がかからないというわけです。
しかし、玄関ポーチが家屋と分離していれば玄関への出入りが不便になり、隙間に足を挟んで怪我をするおそれがあるなど危険なため、あまり推奨はできません。
なお、家屋と数センチほど離して設置した玄関ポーチには固定資産税がかかりませんが、もしその条件に該当する玄関ポーチを設置した場合は、家屋調査の際にその旨を調査員に必ず伝えてください。
伝えなければ調査員が気づかず、その玄関ポーチは家屋の一部とみなされ固定資産税がかかる可能性があります。
玄関ポーチを後付けするリフォームをすると固定資産税はどうなる?
玄関ポーチには固定資産税がかかりますが、玄関ポーチを新調や後付け、増築するなどのリフォームを行った場合はどうでしょうか。
既存の玄関ポーチを、同等の面積や性能を有する玄関ポーチに新調するリフォームを行った場合は、それまでと固定資産税は変わりません。
一方、これまで玄関ポーチがなく新たに玄関ポーチを設置した場合、および既存の玄関ポーチを広くするなどのリフォームを行った場合は、それまでより固定資産税が高くなります。
玄関ポーチのリフォーム後に固定資産税が高くなるかは、そのリフォームが固定資産税における修繕に該当するか、改築に該当するかによって決定します。
固定資産税における修繕とは、その建物の性能を維持するために行う工事であり、修繕に該当するリフォームを行った場合は、固定資産税が高くなることはありません。
既存の玄関ポーチを同等の面積や性能を有する玄関ポーチに新調するリフォームは、固定資産税における修繕に該当します。
よって、既存の玄関ポーチを同等の面積や性能を有する玄関ポーチに新調するリフォームを行っても固定資産税が高くなることはありません。
これに対して、固定資産税における改築とは、その建物の価値が高まることとなる資本的支出に該当する工事であり、改築に該当するリフォームを行った場合は、以前より固定資産税が高くなります。
玄関ポーチを新設したり、既存の玄関ポーチを広くするなどのリフォームは、固定資産税における改築に該当します。
したがって、玄関ポーチを新設したり、既存の玄関ポーチを広くするなどのリフォームを行うとそれまでより固定資産税が高くなります。
玄関ポーチをリフォーム後の固定資産税
| 状況 | リフォーム後の市町村役場への連絡の必要性 | リフォーム後の固定資産税 |
|---|---|---|
| 既存の玄関ポーチを解体し、同等の広さや性能の玄関ポーチに新調した(修繕) | 不要 | 以前と変わらない |
| これまで玄関ポーチがなく、新たに玄関ポーチを設置した(改築) | 必要 | 以前より高くなる |
| 既存の玄関ポーチを広くするリフォームを行った(改築) | 〃 | 〃 |
固定資産税における改築に該当するリフォーム、すなわち、この状況においては玄関ポーチを新設、または広くするなどのリフォームを行った場合は、市町村役場に連絡をする必要があります。
連絡をすれば市町村役場から担当者が訪れ、どのような玄関ポーチが設置されたか調査が行われます。
そして、玄関ポーチのリフォームが完了した日が属する年の翌年から固定資産税が上がることとなります。
固定資産税がどの程度上がるかは、本記事の「玄関ポーチの固定資産税はいくら?」にてご確認いただけます。
玄関ポーチの固定資産税を高くしないようにするためのポイント
玄関ポーチは固定資産税がかかりますが、できれば税額を安く抑えたいものです。
玄関ポーチの固定資産税を高くしないようにするためのポイントは、大きく3つです。
1つめは、広すぎない玄関ポーチを設置することです。
玄関ポーチの固定資産税は、その玄関ポーチを設置するために要した建築費が高額なほど税額も高くなります。
広い玄関ポーチは建築費が高く、それに伴い固定資産税も高くなります。
2つめは、玄関ポーチを覆うために軒出を大きくしすぎないことです。
軒出とは、建物の外壁から外側に向けて飛び出した屋根の部分であり、軒出が大きくなっても玄関ポーチにかかる固定資産税が高くなることはありませんが、屋根にかかる固定資産税が高くなる可能性があります。
3つめのポイントは、玄関ポーチを覆うために大きな庇を付けないことです。
庇には固定資産税がかかり、その税額は、一部例外を除き庇が大きいほど高くなります。
したがって、玄関ポーチを覆うために大きな庇を付けると、庇にかかる固定資産税が高くなり、それに伴い家屋全体の固定資産税が高くなります。
3つめのポイントは、玄関ポーチを覆うために大きな庇を付けないことです。
庇には固定資産税がかかり、その税額は、一部例外を除き庇が大きいほど高くなります。
したがって、玄関ポーチを覆うために大きな庇を付けると、庇にかかる固定資産税が高くなり、それに伴い家屋全体の固定資産税が高くなります。
玄関ポーチの固定資産税を高くしないようにするための3つのポイント
- 床部分の面積が広すぎない玄関ポーチを設置する
- 玄関ポーチを覆うために軒出を大きくしすぎない
- 玄関ポーチを覆うために大きすぎる庇を付けない
玄関ポーチの固定資産税に関するよくある質問
ここからは、玄関ポーチの設置やリフォームを希望する方へ向けて、玄関ポーチの固定資産税に関するよくある質問と、その答えをご紹介しましょう。
- 玄関ポーチは床面積に入らず固定資産税がかからないと聞くけど、本当に課税されるの?
- 玄関ポーチは家屋の床面積に含まれませんが、含まれないからといって固定資産税がかからないという訳ではありません。
含まれなくとも家屋と一体化した附帯設備とみなされ、固定資産税がかかります。
たとえば、屋外に設置した給湯器も床面積に含まれませんが、家屋と一体化した設備とみなされ固定資産税がかかります。
また、屋上に設置した手すりも床面積に含まれませんが、家屋と一体化した設備とみなされ固定資産税がかかることとなります。 - 玄関ポーチの固定資産税は市町村によってはかからない?
- 玄関ポーチは、おそらく全ての市町村で固定資産税がかかります。
「おそらく」という前提が付くのは、固定資産税は市町村が徴収する地方税であり、市町村によって課税される・されないのルールが多少異なるためです。
日本には、約1,700もの市町村が存在します。
すなわち、固定資産税には約1,700もの課税ルールがあるというわけですが、残念ながら私はその全てを把握していません。
よって、全ての市町村で玄関ポーチが課税対象になると断言できませんが、玄関ポーチはどうみても家屋と一体化した設備であり、固定資産税がかかると考えられます。
玄関ポーチの設置やリフォームを希望し、その玄関ポーチに固定資産税がかかるか否かは、市町村役場の資産税課に問い合わせることにより正確な情報を把握できます。 - 玄関ポーチに屋根を後付けすると固定資産税はかかる?
- 玄関ポーチに後付けした屋根に固定資産税がかかるか否かは、その屋根が家屋と一体化しているかによって異なります。
外壁を剥がしつつ躯体に取り付けて綿密な防水処理を行いつつ後付けした屋根は家屋と一体化していると考えられ、おそらくは固定資産税がかかります。
一方、外壁にネジを打ち込むだけなど安易に取り付けた屋根は家屋と一体化していないと考えられ、おそらくは固定資産税がかかりません。
「おそらくは」という前提が付くのは、先述のように固定資産税は市町村によって課税される・されないのルールが多少異なるためです。
玄関ポーチに屋根を後付けすることを希望し、その屋根に固定資産税がかかるか否かは、市町村役場の資産税課に問い合わせることにより正確な情報を確認できます。
まとめ
玄関ポーチに固定資産税がかかるか解説し、かかる場合の税額の目安、固定資産税がかからない玄関ポーチの条件、玄関ポーチを後付けすると固定資産税がかかるかご紹介しました。
玄関ポーチは家屋と一体化した附帯設備であり、家屋の一部とみなされ固定資産税がかかります。
玄関ポーチの固定資産税は、「玄関ポーチの純粋な建築費×60%×1.4%」が目安です。
また、市街地に位置する家屋に玄関ポーチを設置した場合は、固定資産税に加えて都市計画税も課されます。
玄関ポーチの都市計画税は、「玄関ポーチの純粋な建築費×60%×0.3%」が目安となります。
玄関ポーチは、家屋から数センチほど離して設置すれば固定資産税がかかりませんが、それでは玄関ポーチの性能が十分に発揮されず、隙間に足を挟むなどして怪我をする可能性があるため注意してください。
後付けした玄関ポーチに固定資産税がかかるか否かは、リフォームの内容によって異なります。
既存の玄関ポーチを同程度の広さや性能を有する玄関ポーチに新調した場合は、固定資産税における修繕を行ったこととなり、それまでより固定資産税が高くなることはありません。
一方、玄関ポーチを新調や拡張するリフォームを行った場合は、固定資産税における改築を行ったこととなり、それまでより固定資産税が高くなります。
新築やリフォームを予定するなどして玄関ポーチの固定資産税に関することを調べる方がいらっしゃいましたら、ぜひ参考になさってください。失礼いたします。
記事公開日:2025年12月
こちらの記事もオススメです
