こんなカーポートバルコニーは固定資産税がかかる
多くのカーポートバルコニーは固定資産税がかかりませんが、カーポート部分にパネルが取り付けられている、一定以上の大きさがあるなどすれば課税されることがあります。
固定資産税がかかるカーポートバルコニーの具体例を解説し、課税される場合の税額の目安をご紹介しましょう。
目次
- 1. カーポートバルコニーとは?
- 2. 固定資産税とは?
- 3. 固定資産税がかかるカーポートバルコニーの例
- 3-1. 四方に壁があるカーポートバルコニーは固定資産税がかかる
- 3-2. 三方に壁があって、一定以上の大きさのカーポートバルコニーは固定資産税がかかる
- 3-3. カーポートバルコニーの固定資産税はいくら?
- まとめ - 柱で囲んだカーポートバルコニーも固定資産税がかかることがある
カーポートバルコニーとは?
はじめに、カーポートバルコニーとはどのようなものか簡単にご説明しましょう。
カーポートバルコニーとは、カーポートの上にバルコニーが設置された駐車場であり、バルコニー付きカーポートなどと呼ばれることもあります。
ちなみに、「カーポートバルコニー」の「カーポート」とは、屋根と柱だけで構成された簡易的な車庫を指します。
したがって、カーポートバルコニーにはシャッターは付いていませんが、プライバシーを保護するために側面に目隠し用のパネルを取り付けできる商品も販売されています。
カーポートバルコニーの価格は商品によって大きく異なり、駐車できる台数が1台であれば150万円から200万円程度など、2台であれば200万円から300万円程度などが相場です。
2. 固定資産税とは?
ここからは、固定資産税のあらましを簡単に解説しましょう。
固定資産税とは、年度を問わず1月1日の時点で固定資産を所有することにより課される税金であり、市町村が徴収する地方税です。
固定資産税が課される対象となる固定資産とは、建物と土地と償却資産(償却資産とは、建物と土地を除く事業用の資産を指します)です。
ここで知っていただきたいのが、固定資産税が課される対象となる「建物」の定義です。
固定資産税が課される対象となる建物の定義は、不動産登記規則の第百十一条に記され、以下のとおりです。
不動産登記規則 第百十一条
建物とは、屋根や壁があり土地に定着した建造物であって、その用途を成し遂げる状態にあるものをいう
さて、本記事の趣旨は、固定資産税がかかるカーポートバルコニーの例をご紹介することですが、上記の定義に該当するカーポートバルコニーは建物とみなされ、固定資産税がかかることとなります。
つづいて、固定資産税がかかるカーポートバルコニーの具体例をご紹介しましょう。
3. 固定資産税がかかるカーポートバルコニーの例
カーポートバルコニーは、カーポート部分にパネルが取り付けられるなどして、カーポート部分の四方や三方が壁に囲まれていれば固定資産税がかかります。
固定資産税がかかるカーポートバルコニーの具体例は、以下のとおりです。
固定資産税がかかるカーポートバルコニーの具体例
- カーポート部分にシャッターやパネルが取り付けられているなどして、カーポート部分の四方が壁に囲まれたカーポートバルコニー
- カーポート部分にパネルが取り付けられているなどして、カーポート部分の三方が壁に囲まれ、なおかつ一定以上の大きさがあるカーポートバルコニー
つづいて、上記の固定資産税がかかるカーポートバルコニーの詳細と、カーポートバルコニーに固定資産税がかかる場合の税額の目安をご紹介しましょう。
四方に壁があるカーポートバルコニーは固定資産税がかかる
カーポートバルコニーは、オプションでシャッターやパネルなどを取り付けるなどして、カーポート部分の四方を壁で囲めば固定資産税がかかります。
固定資産税は、建物などの固定資産を所有することにより課されます。
カーポートとは屋根と柱だけで構成された簡易的な車庫であり、その状態であるカーポートは建物とみなされず、上部にバルコニーがあったとしても固定資産税はかかりません。
しかし、オプションでシャッターや壁を取り付けるなどしてカーポート部分の四方を壁で囲んだのであれば、そのカーポートバルコニーは建物とみなされ固定資産税がかかることとなります。
三方に壁があって、一定以上の大きさのカーポートバルコニーは固定資産税がかかる
カーポートバルコニーは、オプションでパネルを取り付けるなどしてカーポート部分の三方を壁で囲み、なおかつ一定以上の大きさがあれば固定資産税がかかります。
一定以上の大きさは市町村によって異なりますが、奥行きが2.5m以上、天井の高さが1.5m以上、屋根の面積が10㎡以上などです。
固定資産税は、建物などの固定資産を所有することにより課されます。
そして、パネルを取り付けるなどしてカーポート部分の三方を壁で囲んだ、一定以上の大きさがあるカーポートバルコニーは、建物とみなされ固定資産税がかかることとなります。
カーポートバルコニーにパネルを取り付ければ、目隠しとして機能しプライバシー保護に役立ちます。
しかし、三方にパネルを取り付け、なおかつ一定以上の大きさがあれば、そのカーポートバルコニーは建物とみなされ固定資産税がかかるため注意が必要です。
なお、市町村によっては、カーポート部分の三方にパネルを取り付けても、側面に3分の1以上の開口があれば、そのカーポートバルコニーを建物とみなさず固定資産税を課さないため留意してください。
固定資産税は市町村が課す地方税であり、市町村によって多少ルールが異なり、三方をパネルで囲っても一定以上の大きさの開口があれば固定資産税がかからないことがあります。
三方にパネルなどを取り付けた、一定以上の大きさがあるカーポートバルコニーの設置を予定し、そのカーポートバルコニーに固定資産税がかかるか否か正確に確認したい場合は、市町村役場の資産税課に問い合わせる必要があります。
問い合わせる際は、設置を予定するカーポートバルコニーの大きさ、取り付けるパネルのサイズなどを正確に伝えてください。
カーポートバルコニーの固定資産税はいくら?
カーポートバルコニーは、シャッターやパネルを取り付けるなどして四方や三方を壁で囲むなどすれば固定資産税がかかります。
ここで気になるのが、固定資産税がかかる場合は、その税額はいくらになるかという点です。
ここからは、固定資産税がかかるカーポートバルコニーの税額をシミュレーションする方法をご紹介しましょう。
固定資産税がかかるバルコニーカーポートの税額の目安は、「カーポートバルコニーの本体価格と設置費用の合計×60%×80%×1.4%」などと計算すればシミュレーションできます。
また、市街地に固定資産税がかかるカーポートバルコニーを設置すると、多くの場合は都市計画税もかかります。
都市計画税とは、公共施設を維持新設する「都市計画事業」と、公共施設を移設や新設するために必要となる土地を調達する「土地区画整理事業」の費用を賄うために市町村が徴収する税金です。
都市計画税がかかるカーポートバルコニーの税額の目安は、「カーポートバルコニーの本体価格と設置費用の合計×60%×80%×0.3%」などと計算すればシミュレーションできます。
カーポートバルコニーの固定資産税の試算式
カーポートバルコニーの本体価格と設置費用の合計×60%×80%×1.4%=固定資産税
カーポートバルコニーの都市計画税の試算式
カーポートバルコニーの本体価格と設置費用の合計×60%×80%×0.3%=都市計画税
※ 「カーポートバルコニーの本体価格と設置費用」には消費税を含まない
たとえば、本体価格が200万円(消費税別)のカーポートバルコニーを、20万円(消費税別)の費用をかけつつ設置したとしましょう。
であれば以下のように計算し、そのカーポートバルコニーの固定資産税は1万4,784円程度、都市計画税は3,168円程度、税額の合計は1万7,952円程度です。
カーポートバルコニーの固定資産税の試算例
220万円(カーポートバルコニーの本体価格と設置費用の合計)×60%×80%×1.4%=1万4,784円
カーポートバルコニーの都市計画税の試算例
220万円(カーポートバルコニーの本体価格と設置費用の合計)×60%×80%×0.3%=3,168円
固定資産税と都市計画税の合計
1万4,784円(固定資産税)+3,168円(都市計画税)=1万7,952円
まとめ - 柱で囲んだカーポートバルコニーも固定資産税がかかることがある
固定資産税がかかるカーポートバルコニーの例をご紹介しました。
固定資産税は、建物などの固定資産を所有することにより課されます。
よって、市町村が建物とみなすカーポートバルコニーは、固定資産税がかかります。
市町村が建物とみなすカーポートバルコニーとは、シャッターやパネルを取り付けるなどしてカーポート部分の四方を壁で囲んだカーポートバルコニーです。
また、パネルを取り付けるなどして三方のみを壁で囲んだカーポートバルコニーも、一定以上の大きさがあれば市町村は建物とみなします。
カーポートとは、屋根と柱だけで構成された簡易的な車庫であり、本来であれば建物とはいえず、上部にバルコニーがあったとしても固定資産税はかかりません。
しかし、なにかしらの方法を用いて四方や三方を壁で囲むと、そのカーポートバルコニーは建物であるとみなされ固定資産税がかかることとなります。
極端な例を挙げると、市町村によっては、カーポート部分の側面に幾本もの柱を立てるなどして壁のように機能させると、そのカーポートバルコニーは建物であるとみなし固定資産税を課します。
本記事の内容が、カーポートバルコニーの設置を希望する皆様に役立てば幸いです。失礼いたします。
記事公開日:2025年9月
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