全館空調の固定資産税は高い

全館空調の固定資産税は高い

全館空調の固定資産税は、対象床面積1㎡あたりにつき99円程度です。

であれば、さほど固定資産税は高くないと感じますが、他の設備と比べると大幅に高くなります。

全館空調の固定資産税がいくらになるか目安をご紹介し、新築を予定しつつ全館空調の導入を希望する方へ向けて、税額のシミュレーション方法を解説しましょう。

なお、本記事でご紹介する固定資産税の目安は、令和6年または7年に新築された、一戸建て住宅に設置したダクト式の全館空調に限り該当するため留意してください。

目次

全館空調の固定資産税は、対象床面積1㎡あたりにつき99円程度

全館空調の固定資産税は、対象床面積1㎡あたりにつき99円程度です。

したがって、「全館空調の対象床面積×99円」と計算すれば、全館空調にかかる固定資産税をシミュレーションできます。

対象床面積とは、全館空調により冷暖房の影響を受ける床面積を指し、壁やドアなどで区切られた範囲を指します。

たとえば、延べ床面積が100㎡の「戸建てA」があったとしましょう。

「戸建てA」の屋内は、30㎡のリビングダイニング、16㎡の寝室、10㎡の和室、10㎡の書斎、4㎡の浴室、8㎡の洗面室、4㎡のトイレ、18㎡の玄関や廊下で区切られているとします。

そのうち、全館空調により冷暖房の影響を受けるのは30㎡のリビングダイニング、16㎡の寝室、10㎡の和室、10㎡の書斎、8㎡の洗面室、18㎡の玄関や階段です。

であれば「30㎡+16㎡+10㎡+10㎡+8㎡+18㎡=92㎡」と計算し、全館空調の対象床面積は92㎡となります。

全館空調の対象床面積が92㎡であれば「92㎡×99円=9,108円」と計算し、全館空調にかかる固定資産税は9,108円程度が目安です。

全館空調の固定資産税は、対象床面積1㎡あたりにつき99円程度

また、市街地に位置する建物に設置した全館空調には、多くの場合は固定資産税に加えて都市計画税も課されます。

つづいて、全館空調の都市計画税の目安と、税額をシミュレーションする方法をご紹介しましょう。

なお、本記事の内容は「固定資産評価基準」に基づいています。

固定資産評価基準とは、市町村が建物や土地の時価を評価する方法が記された手引き書であり、総務大臣が内容を定めつつ総務省が告示しています。

固定資産税は市町村が課す地方税であり、その税額は、対象となる資産の時価を基に計算します。

よって、市町村は市町村内の建物や土地の時価を適正に評価しなければなりませんが、評価する際は、固定資産評価基準に記された方法を用います。

固定資産評価基準は「総務省:固定資産税の概要」の下部より確認することが可能です。

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市街地に設置された全館空調には、都市計画税もかかる

市街地に位置する建物に設置した全館空調には、多くの場合は固定資産税に加えて都市計画税も課されます。

都市計画税とは、公共施設を維持新設する「都市計画税」と、公共施設を移設や新設するために必要となる土地を調達する「土地区画整理事業」の費用を賄うために市町村が徴収する税金です。

全館空調の都市計画税は、全館空調の対象床面積1㎡あたりにつき21円程度です。

したがって、「全館空調の対象床面積×21円」と計算すれば、全館空調にかかる都市計画税をシミュレーションできます。

この記事の「全館空調の固定資産税は、対象床面積1㎡あたりにつき99円程度」にて、戸建てA(延べ床面積100㎡、全館空調の対象床面積92㎡)に設置された、全館空調の固定資産税を9,108円程度と試算しました。

その戸建てAの全館空調に都市計画税もかかるとすれば、「92㎡×21円=1,932円」と計算して税額の目安は1,932円程度です。

戸建てAの全館空調にかかる固定資産税は9,108円程度のため、「9,108円+1,932円=1万1,040円」と計算して、固定資産税と都市計画税の合計は1万1,040円程度となります。

市街地の全館空調には、固定資産税に加えて都市計画税もかかる

また、換気機能が付いた全館空調には、換気機能に対して別途固定資産税や都市計画税が課されます。

つづいて、全館空調の換気機能にかかる固定資産税と都市計画税の目安と、その税額のシミュレーション方法をご紹介しましょう。

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換気機能付きの全館空調は、換気機能にも固定資産税がかかる

ダクト式の全館空調には換気機能が付いているものがありますが、そのタイプには、多くの市町村では換気機能に対して別途固定資産税や都市計画税が課されます。

ダクト式の全館空調に付属する換気機能にかかる固定資産税は、建物の延べ床面積1㎡あたりにつき19円程度です。

ダクト式の全館空調に付属する換気機能にかかる都市計画税は、建物の延べ床面積1㎡あたりにつき4円程度となります。

したがって、換気機能にかかる固定資産税は「建物の延べ床面積×19円」、都市計画税は「建物の延べ床面積×4円」と計算すればシミュレーションすることが可能です。

全館空調は対象床面積を基に税額を計算しますが、換気機能は延べ床面積を基に税額を計算するため注意してください。

換気機能付きの全館空調は、換気機能にも固定資産税がかかる

本記事ではこれまでに、戸建てA(延べ床面積100㎡、全館空調の対象床面積92㎡)に設置された全館空調の固定資産税を9,108円程度、都市計画税を1,932円程度と試算しました。

その戸建てAに設置された全館空調が換気機能付きであれば以下のように計算し、換気機能に対する固定資産税は1,900円程度、都市計画税は400円程度、全館空調にかかる固定資産税と都市計画税と合計すると1万3,340円となります。

換気機能の固定資産税の計算例
100㎡(戸建てAの延べ床面積)19円(延べ床面積1㎡あたりの換気機能の固定資産税の目安)=1,900円

換気機能の都市計画税の計算例
100㎡(戸建てAの延べ床面積)4円(延べ床面積1㎡あたりの換気機能の都市計画税の目安)=400円

戸建てAの全館空調と換気機能の固定資産税と都市計画税の合計
9,108円(全館空調の固定資産税)+1,932円(全館空調の都市計画税)+1,900円(換気機能の固定資産税)+400円(換気機能の都市計画税)=1万3,340円

さて、この1万3,340円という税額が高いか安いかという点ですが、設備にかかる固定資産税としては高い部類に入るといえます。

つづいて、全館空調と他の設備の固定資産税を比較しましょう。

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全館空調と他の設備の固定資産税の比較

全館空調は、固定資産税が高い設備といえます。

ここからは、全館空調と他の設備の固定資産税や都市計画税を比較しましょう。

まずは、全館空調の固定資産税と都市計画税をおさらいします。

延べ床面積が100㎡の戸建てに、対象床面積を92㎡として換気機能付きの全館空調を設置すると、その固定資産税と都市計画税の合計は1万3,340円程度です。

つぎに、固定資産税が高くなる設備の一例をご紹介します。

固定資産税が高くなる設備として、ユニットバスやエコキュートが挙げられます。

1616サイズのユニットバスの固定資産税と都市計画税の合計は4,933円程度、容量が370Lのエコキュートの固定資産税と都市計画税の合計は4,270円程度です。

ユニットバスもエコキュートも固定資産税や都市計画税が高くなりますが、全館空調には及びません。

また、建材一体型ソーラーパネルや床暖房設備なども固定資産税や都市計画税が高くなる設備です。

建材一体型ソーラーパネルを建床面積が50㎡の部分に設置すると、その固定資産税と都市計画税の合計は1万2,500円程度となります。

床暖房設備を床面積が30㎡の部分に設置すると、その固定資産税と都市計画税の合計は6,270円程度です。

建材一体型ソーラーパネルと床暖房設備は、全館空調と同じく設置面積などによって固定資産税や都市計画税が異なるため、税額を単純に比較することはできません。

とはいうものの、やはり全館空調の固定資産税や都市計画税は安くはないといえるでしょう。

各設備の固定資産税の比較

設置面積/条件 固税と都税の合計
全館空調(換気機能付き) 延べ床面積100㎡、対象床面積92㎡ 1万3,340円程度
建材一体型ソーラーパネル 建床面積50㎡ 1万2,500円程度
床暖房設備 床面積30㎡ 6,270円程度
ユニットバス 1616サイズ 4,933円程度
エコキュート 容量370L 4,270円程度

ちなみに、当サイト「固定資産税をパパッと解説」では、固定資産税が高くなる設備と、各設備の税額の目安をご紹介する記事を公開中です。

同記事では、システムキッチンやガス給湯器の固定資産税の目安もご紹介しています。ぜひご覧ください。

お役立ち記事
固定資産税が高くなる設備とは?コレがあると支払いがツラい

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まとめ - 全館空調のためのエアコンには固定資産税はかからない

全館空調の固定資産税がいくらになるか目安をご紹介し、税額のシミュレーション方法を解説しました。

全館空調の固定資産税は対象床面積1㎡あたりにつき99円程度、都市計画税は対象面積1㎡あたりにつき21円程度です。

また、換気機能付きの全館空調には、多くの市町村では換気機能に対して別途固定資産税や都市計画税が課されます。

全館空調の換気機能の固定資産税は延べ床面積1㎡あたりにつき19円程度、都市計画税は延べ床面積1㎡あたりにつき4円程度です。

全館空調、および全館空調の換気機能の固定資産税と都市計画税の目安

設備 固定資産税 都市計画税
全館空調 対象床面積1㎡あたりつき99円程度 対象床面積1㎡あたりつき21円程度
全館空調の換気機能 延べ床面積1㎡あたりにつき19円程度 延べ床面積1㎡あたりにつき4円程度

いずれの税額もダクト式の全館空調に限り該当する

よって、以下のように計算すれば、全館空調、および全館空調の換気機能の固定資産税と都市計画税をシミュレーションできます。

全館空調の固定資産税のシミュレーション式
対象床面積×99円=全館空調の固定資産税

全館空調の都市計画税のシミュレーション式
対象床面積×21円=全館空調の都市計画税

全館空調の換気機能の固定資産税のシミュレーション式
延べ床面積×19円=全館空調の換気機能の固定資産税

全館空調の換気機能の都市計画税のシミュレーション式
延べ床面積×4円=全館空調の換気機能の都市計画税

新築を予定し、全館空調の固定資産税がいくらになるか調べる方がいらっしゃいましたら、ぜひ参考になさってください。

なお、ダクト式の全館空調は、空調室を設けるなどしてエアコンを設置しますが、そのエアコンには固定資産税も都市計画税もかかりません。

ただし、そのエアコンが天井に埋め込むビルトインタイプであれば、空調室も全館空調の対象床面積となるため注意してください。

本記事の内容が、皆様に役立てば幸いです。失礼いたします。

記事公開日:2025年8月

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