バルコニーに屋根を後付けすると固定資産税はかかる?

バルコニーに屋根を後付けすると固定資産税がかかる?

バルコニーやベランダをリフォームして屋根を後付けしても、一部の市町村を除き固定資産税はかかりません。

バルコニーに屋根を後付けしても固定資産税がかからない理由と、固定資産税がかかる場合の税額の目安をご紹介しましょう。

目次

バルコニーに屋根を後付けしても固定資産税はかからない

Yahoo!知恵袋を見ると、「バルコニーに屋根を後付けすると固定資産税がかかるか?」「ベランダをリフォームして屋根を後付けしたいが、固定資産税はどれくらい高くなるか?」などの質問が投稿されています。

バルコニーやベランダをリフォームしつつ屋根を後付けしても、一部の市町村を除き固定資産税はかかりません。

後付けしたバルコニーの屋根に固定資産税がかかるか否かは、その屋根が建物と一体化しているかによって決定します。

建物と一体化していれば固定資産税がかかり、一体化していなければ固定資産税はかかりません。

バルコニーに屋根を後付けする際は、多くの場合は外壁やバルコニーの腰壁などにネジを打ち込みつつ固定します。

その状況は、建物と一体化しておらず取り付けたに過ぎません。

建物と一体化している後付けのバルコニーの屋根とは、既存の屋根を葺き替えつつ軒を伸ばした屋根などが挙げられます。

よって、バルコニーに屋根を後付けしても、固定資産税はかかりません。

バルコニーに屋根を後付けしても固定資産税はかからない

ただし、留意点があります。

それは、建物と一体化しているかの判断が、一部の市町村では異なるという点です。

多くの市町村は、後付けしたバルコニーの屋根は、建物と一体化していないとみなし固定資産税を課しません。

しかし、極一部の市町村では、後付けしたバルコニーの屋根も建物と一体化しているとみなし、固定資産税を課します。

これは、ネジを打ち込みつつ固定したに過ぎない後付けの屋根であっても変わりません。

固定資産税は市町村が徴収する地方税であり、市町村によって多少ルールが異なるのです。

よって、バルコニーやベランダをリフォームしつつ屋根を後付けすることを希望し、固定資産税がかかるか否か案ずる場合は、事前に市町村役場に問い合わせるのが良いでしょう。

ちなみに、後付けしたバルコニーの屋根に固定資産税がかかるとしても、税額はさほど高くありません。

つづいて、バルコニーに屋根を後付けしつつ固定資産税がかかる状況において、その税額がいくらになるか目安をご紹介しましょう。

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バルコニーに後付けした屋根の固定資産税はいくら?

一部の市町村では、バルコニーやベランダに後付けした屋根に固定資産税がかかります。

ここからは、バルコニーに屋根を後付けしつつ固定資産税がかかる状況において、その税額がいくらになるか目安をご紹介しましょう。

バルコニーに後付けした屋根の固定資産税は、「(屋根の本体価格+取り付け費用)×80%×固定資産税の税率(主に1.4%)」などと計算すれば試算できます。

また、都市部に位置する建物のバルコニーに屋根を後付けして固定資産税がかかるのであれば、多くの場合は都市計画税もかかります。

都市計画税とは、公共施設を維持新設する「都市計画事業」と、公共施設を移設や新設するために必要となる土地を調達する「土地区画整理事業」の費用を賄うために市町村が徴収する税金です。

バルコニーに後付けした屋根の都市計画税は、「(屋根の本体価格+取り付け費用)×80%×都市計画税の税率(最高で0.3%)」などと計算すれば試算できます。

バルコニーの後付け屋根の固定資産税の試算式
(バルコニーの本体価格+バルコニーの屋根を後付けするために要した費用)×80%×固定資産税の税率(市町村によって異なるものの主に1.4%)=固定資産税

バルコニーの後付け屋根の都市計画税の試算式
(バルコニーの本体価格+バルコニーの屋根を後付けするために要した費用)×80%×都市計画税の税率(市町村によって異なるものの最高で0.3%)=都市計画税

「バルコニーの本体価格」と「バルコニーの屋根を後付けするために要した費用」には消費税を含まない

たとえば、消費税抜きの本体価格が13万円のバルコニーの屋根を、消費税抜きで2万円の費用をかけつつ後付けしたとしましょう。

であれば以下のように計算し、その後付けの屋根の固定資産税は1,680円程度、都市計画税は360円程度、合計2,040円程度です。

バルコニーの後付け屋根の固定資産税の計算例
(13万円+2万円=15万円)×80%×1.4%=1,680円

バルコニーの後付け屋根の都市計画税の計算例
(13万円+2万円=15万円)×80%×0.3%=360円

固定資産税と都市計画税の合計
1,680円+360円=2,040円

バルコニーやベランダをリフォームしつつ屋根を後付けすることを希望する方がいらっしゃいましたら、ぜひ参考になさってください。

なお、バルコニーに後付けした屋根に固定資産税がかかる場合は、リフォーム完了後に市町村役場に届け出をする必要があります。

つづいて、その詳細を解説しましょう。

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バルコニーに後付けした屋根に固定資産税がかかる場合の手続き

一部の市町村では、バルコニーやベランダをリフォームしつつ屋根を後付けすると固定資産税がかかります。

ここからは、後付けしたバルコニーの屋根に固定資産税がかかる市町村において、どのような手続きを行うべきかご説明しましょう。

はじめに、バルコニーに屋根を後付けする前に市町村役場に問い合わせをして、後付けした屋根に固定資産税がかかるか確認します。

固定資産税がかかる場合は、リフォーム完了後に速やかに市町村役場に完了したことを届け出ます。

届け出れば、まもなく市町村役場から担当者が訪れ、後付けした屋根の寸法を測るなどの家屋調査を実施します。

そして、屋根の後付けリフォームが完了した日が属する年の翌年から固定資産税が上がることとなります。

たとえば、令和7年中に屋根の後付けリフォームが完了したのであれば、令和8年から固定資産税が上がるといった具合です。

バルコニーに後付けした屋根に固定資産税がかかる流れ

  1. バルコニーに屋根を後付けするリフォームを開始する前に、後付けすると固定資産税がかかるか市町村役場に問い合わせる(固定資産税がかからない場合はここで完了)
  2. 屋根の後付けリフォームが完了すれば、そのことを速やかに市町村役場に届け出る
  3. まもなく市町村役場から担当者が訪れ、後付けした屋根の寸法を測るなどの家屋調査が行われる
  4. 屋根の後付けリフォームが完了した日が属する年の翌年から固定資産税が上がる

なお、仕事が忙しい、日程を調整できないなどの理由で家屋調査を拒否したい場合は、その旨を市町村役場に伝えてください。

市町村役場が了承すれば家屋調査は行われず、書類の提出などを以て家屋調査の代わりとなります。

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バルコニーに屋根を後付けしたことがバレるとどうなる?

一部の市町村では、バルコニーやベランダをリフォームしつつ屋根を後付けすると固定資産税がかかります。

固定資産税がかかる場合は、リフォーム完了後に市町村役場に届け出をして家屋調査を依頼する必要がありますが、放置してバレるとどうなるのでしょうか。

ここからは、バルコニーに屋根を後付けしつつ固定資産税が課される状況において、届け出を放置しつつバレるとどうなるかご紹介しましょう。

バルコニーに屋根を後付けしてバレると、市町村役場から家屋調査を実施することの連絡が届きます。

家屋調査では、後付けした屋根の寸法などが測られると共に、いつ後付けリフォームが完了したかの確認が行われます。

確認されれば、後付けリフォームが完了した年の翌年に遡って固定資産税が徴収されることとなります。

たとえば、令和3年中にバルコニーに屋根を後付けし、令和8年に市町村役場にバレたとしましょう。

であれば、遡って令和4年分、5年分、6年分、7年分、8年分の固定資産税が徴収されるといった具合です。

バルコニーに屋根を後付けしたことがバレると、後付けした年の翌年に遡って固定資産税が徴収される

ちなみに、バルコニーに屋根を後付けしつつ固定資産税が課される市町村において、後付け完了後の届け出を忘れたとしても特に罰則はありません。

税金には、申告をしつつ納税する「申告納税方式」と、申告や届け出をせずとも課税される「賦課課税方式」があり、固定資産税は賦課課税方式です。

よって、届け出を忘れたとしても特に罰則はないのです。

ただし、一部の市町村では、罰則のようなものが設けられているかもしれないため注意してください。

固定資産税は市町村が課す地方税であり、市町村によって多少ルールが異なり、日本には約1,700もの市町村が存在します。

つまり、固定資産税には、約1,700とおりものルールがあるというわけです。

そのため、市町村によっては、届け出を忘れると罰則のようなものがあるかもしれません。

しかし、先述のとおり、固定資産税は申告をせずとも課税される賦課課税方式であり、届け出を忘れたとしてもおそらくは罰則はないと考えられます。

罰則が設けられているか否かは、その市町村の税条例を見るなどすれば確認することが可能です。

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まとめ - 後付けの太陽光パネルも固定資産税がかからない

バルコニーやベランダに屋根を後付けすると固定資産税がかかるか解説しました。

後付けのバルコニーの屋根に固定資産税がかかるか否かは、その屋根が建物と一体化しているかによって決定します。

一体化している場合は固定資産税がかかり、一体化していない場合は固定資産税はかかりません。

バルコニーに後付けする屋根の多くは、外壁などにネジを打ち込みつつ固定するに過ぎず、建物と一体化していません。

したがって、バルコニーに後付けした屋根には、固定資産税がかからないといえるでしょう。

ただし、市町村によって「建物と一体化している」の判断が異なり、固定資産税がかかる場合があるため注意してください。

なお、建物と一体化していないものに固定資産税がかからない例として、屋根の上に設置する太陽光パネルがあります。

屋根の上に設置する太陽光パネルは、屋根の上に乗せつつネジなどで固定するタイプと、屋根材と一体化しているタイプに大きく分類されます。

屋根の上に乗せつつネジなどで固定するタイプの太陽光パネルは、建物と一体化していないとみなされ固定資産税がかかりません。

一方、屋根材と一体化しているタイプの太陽光パネルは、建物と一体化しているとみなされ固定資産税がかかります。

これは、バルコニーに後付けする屋根と同じ理論です。

屋根に後付けした太陽光パネルも建物と一体化していないため、固定資産税がかからない

本記事の内容が、バルコニーに屋根を後付けするリフォームを検討する皆様に役立てば幸いです。失礼いたします。

記事公開日:2025年9月

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