床暖房の固定資産税を計算する方法

床暖房の固定資産税は、床暖房の設置面積と、設置する給湯器のタイプがわかれば、税額の目安を簡単に計算できます。
床暖房の固定資産税をパパっと簡単に計算する方法をご紹介しましょう。
なお、本記事でご紹介するのは、新たに設置する床暖房の固定資産税を計算する方法であり、設置後年数が経過した床暖房には該当しないため注意してください。
目次
- 1. 床暖房の固定資産税は「1㎡あたりの税額×設置面積」で計算できる
- 1-1. 床暖房の上に敷く床材の固定資産税を計算する方法
- 1-2. 留意点 - 市町村によっては床暖房の固定資産税を計算しない
- まとめ - 電気ヒーター式の床暖房は固定資産税が安くなるが…
床暖房の固定資産税は「1㎡あたりの税額×設置面積」で計算できる
床暖房の固定資産税は「1㎡あたりの床暖房の固定資産税(172円程度)×床暖房の設置面積(㎡単位)+床暖房専用の給湯器の固定資産税」という式で税額の目安を計算できます。
また、市街地に位置する建物に床暖房を設置すると、多くの場合は都市計画税も課されます。
床暖房の都市計画税は「1㎡あたりの床暖房の都市計画税(37円程度)×床暖房の設置面積(㎡単位)+床暖房専用の給湯器の都市計画税」という式で税額の目安を計算することが可能です。
床暖房の固定資産税を計算する式
床暖房の1㎡あたりの固定資産税(172円程度)×床暖房の設置面積(㎡単位)+床暖房専用の給湯器の固定資産税=固定資産税
床暖房の都市計画税を計算する式
床暖房の1㎡あたりの都市計画税(37円程度)×床暖房の設置面積(㎡単位)+床暖房専用の給湯器の都市計画税=都市計画税
床暖房専用の給湯器の固定資産税や都市計画税は、ガス式とエコキュートなどの貯湯式によって異なります。
ガス式の給湯器の固定資産税は、24号は2,542円程度、20号は2,288円程度、16号は2,033円程度、12号は1,779円程度です。
貯湯式の給湯器の固定資産税は、370リットルは3,517円程度、300リットルは2,990円程度、200リットルは2,216円程度、150リットルは1,829円程度、90リットルは1,407円程度となります。
ガス式の給湯器の都市計画税は、24号は544円程度、20号は490円程度、16号は435円程度、12号は381円程度です。
貯湯式の給湯器の都市計画税は、370リットルは753円程度、300リットルは640円程度、200リットルは474円程度、150リットルは391円程度、90リットルは301円程度となります。
床暖房専用の給湯器の固定資産税の目安
固定資産税 | 都市計画税 | |
---|---|---|
ガス式 24号 | 2,542円程度 | 544円程度 |
〃 20号 | 2,288円程度 | 490円程度 |
〃 16号 | 2,033円程度 | 435円程度 |
〃 12号 | 1,779円程度 | 381円程度 |
貯湯式 370L | 3,517円程度 | 753円程度 |
〃 300L | 2,990円程度 | 640円程度 |
〃 200L | 2,216円程度 | 474円程度 |
〃 150L | 1,829円程度 | 391円程度 |
〃 90L | 1,407円程度 | 301円程度 |
※ いずれも新たに設置した給湯器の税額の目安
たとえば、床暖房の設置面積が25㎡(約14畳)、床暖房専用のガス式の20号の給湯器を設置した場合は以下のように計算し、固定資産税は6,842円程度、都市計画税は1,415円程度、合計8,257円程度となります。
床暖房の固定資産税の計算例
172円程度(床暖房の1㎡あたりの固定資産税)×25㎡(床暖房の設置面積)+2,288円程度(床暖房専用の給湯器の固定資産税)=6,842円程度
床暖房の都市計画税の計算例
37円程度(床暖房の1㎡あたりの都市計画税)×25㎡(床暖房の設置面積)+490円程度(床暖房専用の給湯器の都市計画税)=1,415円程度
合計
6,842円程度(固定資産税)+1,415円程度(都市計画税)=8,257円程度
以上で床暖房の固定資産税を計算する方法の解説の完了です。
なお、床暖房専用の給湯器を設置しない場合は、床暖房専用の給湯器の固定資産税や都市計画税を含めつつ税額を計算する必要はありません。
つまり、床暖房の固定資産税は、専用の給湯器を設置せず、熱源をお風呂やシャワー、キッチンの給湯器と兼ねれば節税できるというわけです。

また、床暖房の固定資産税は、その上に敷く床材のグレードを下げることでも節税できます。
つづいて、床暖房の上に敷く床材の固定資産税を計算する方法をご紹介しましょう。
床暖房の上に敷く床材の固定資産税を計算する方法
床暖房の固定資産税は、専用の給湯器を設置しなければ節税できますが、その上に敷く床材のグレードを下げることでも節税できます。
ここからは、床暖房の上に敷く床材の固定資産税を計算する方法をご紹介しましょう。
床暖房の上に敷く床材の固定資産税は、「床材の1㎡あたりの固定資産税×床材の面積(㎡単位)」という式で税額の目安を計算することが可能です。
また、市街地に位置する建物に導入された床材には、多くの場合は都市計画税も課されますが、その税額は「床材の1㎡あたりの都市計画税×床材の面積(㎡単位)」という式で目安を計算できます。
床暖房の上に敷く床材の固定資産税を計算する式
床材の1㎡あたりの固定資産税×床材の面積(㎡単位)=固定資産税
床暖房の上に敷く床材の都市計画税を計算する式
床材の1㎡あたりの都市計画税×床材の面積(㎡単位)=都市計画税
床材の1㎡あたりの固定資産税と都市計画税は、床材のグレードによって異なり、以下が目安です。
床材1㎡あたりの固定資産税の目安
床材の種類 | 固定資産税 | 都市計画税 |
---|---|---|
無垢フローリング | 80円程度 | 17円程度 |
複合フローリング | 48円程度 | 10円程度 |
ラワン合板のフローリング | 17円程度 | 3円程度 |
高級カーペット | 96円程度 | 20円程度 |
一般的なカーペット | 27円程度 | 5円程度 |
クッションフロア | 33円程度 | 7円程度 |
2万円以上などの高級畳 | 82円程度 | 17円程度 |
一般的な畳 | 55円程度 | 11円程度 |
※ いずれも新たに設置した床材の税額の目安
たとえば、本記事の「床暖房の固定資産税は「1㎡あたりの税額×設置面積」で計算できる」にて、設置面積が25㎡(約14畳)の床暖房の固定資産税を6,842円程度、都市計画税を1,415円程度、合計8,257円程度と計算しました。
その床暖房を設置した部屋が36㎡(約20畳)であり、床暖房の上に無垢のフローリングを敷いた場合は、床材にかかる固定資産税は2,880円程度、都市計画税は612円程度、合計3,492円程度です。
床暖房の固定資産税と合計すると、1万1,749円程度となります。
一方、床暖房の上にラワン合板のフローリングを敷いた場合は、床にかかる固定資産税は612円程度、都市計画税は108円程度、合計720円程度です。
床暖房の固定資産税と合計すると8,977円程度であり、無垢のフローリングを敷いた場合より税額が安くなります。
税額の計算式を比較すると、以下のとおりです。
無垢フローリング&床暖房の固定資産税の計算例
80円(床材1㎡あたりの固定資産税)×36㎡(床材の面積)=2,880円(無垢のフローリングの固定資産税)+17円(床材の1㎡あたりの都市計画税)×36㎡(床材の面積)=612円(無垢のフローリングの都市計画税)+8,257円(床暖房の固定資産税と都市計画税)=1万1,749円程度
ラワン合板フローリング&床暖房の固定資産税の計算例
17円(床材1㎡あたりの都市計画税)×36㎡(床材の面積)=612円(ラワン合板のフローリングの固定資産税)+3円(床材1㎡あたりの都市計画税)×36㎡(床材の面積)=108円(ラワン合板のフローリングの都市計画税)+8,257円(床暖房の固定資産税と都市計画税)=8,977円程度
このように床暖房の固定資産税は、その上に敷く床材のグレードを下げることで節税できます。
なお、これまでに床暖房の固定資産税を計算する方法などをご紹介しましたが、大きな留意点があります。
それは、一部の市町村では床暖房に固定資産税がかからず、税額が計算されることがないという点です。
つづいて、その詳細を解説しましょう。
留意点 - 市町村によっては床暖房の固定資産税を計算しない
これまでにご紹介したとおり、床暖房の固定資産税は「床暖房の1㎡あたりの固定資産税×床暖房の設置面積+床暖房専用の給湯器の固定資産税」と計算すれば大まかな税額を把握できます。
また、床暖房の都市計画税は「床暖房の1㎡あたりの都市計画税×床暖房の設置面積+床暖房専用の給湯器の都市計画税」と計算すれば大まかな税額を把握することが可能です。
しかし、一部の市町村では、床暖房、および床暖房専用の給湯器に固定資産税や都市計画税がかからず、税額が計算されることがないため留意してください。

固定資産税は、市町村が徴収する地方税であり、市町村によってルールが多少異なります。
そして、一部の市町村では、床暖房、および床暖房専用の給湯器に固定資産税や都市計画税を課しません。
床暖房を導入した住宅の新築を予定し、その建物が所在する市町村が床暖房に固定資産税や都市計画税を課すか否かは、市町村役場に問い合わせれば確認できます。
なお、床暖房、および床暖房専用の給湯器に固定資産税や都市計画税がかからない市町村であっても、床暖房の上に敷く床材には必ず課税されることとなります。
まとめ - 電気ヒーター式の床暖房は固定資産税が安くなるが…
床暖房の固定資産税を計算する方法をご紹介しました。
床暖房の固定資産税は「床暖房の1㎡あたりの固定資産税(172円程度)×床暖房の設置面積(㎡単位)+床暖房専用の給湯器の固定資産税」と計算すれば、大まかな税額を把握できます。
都市計画税も課される場合は、その税額は「床暖房の1㎡あたりの都市計画税(37円程度)×床暖房の設置面積(㎡単位)+床暖房専用の給湯器の都市計画税」と計算すれば、大まかな税額を把握することが可能です。
また、床暖房の固定資産税は、床暖房設備の上に敷く床材のグレードを下げることで節税できます。
住宅の新築を予定し、床暖房の固定資産税がいくらになるか計算する方法を調べる方がいらっしゃいましたら、ぜひ参考になさってください。
ちなみに、本記事でご紹介したとおり、床暖房は専用の給湯器を設置しなければ固定資産税が安くなりますが、専用の給湯器を必要としない床暖房に「電気ヒーター式」があります。
電気ヒーター式の床暖房とは、床材の下に電熱線を敷く床暖房であり、電気を熱源とするため給湯器を必要としません。
であれば、電気ヒーター式を選べば節税できそうなものですが、電気代が高くなれば結局は支払いが多くなるため注意してください。

なお、本記事でご紹介した床暖房の固定資産税を計算する方法は、「固定資産評価基準 第二章 家屋」に基づいています。
固定資産評価基準とは、市町村が建物や土地の時価を評価する方法が記された手引き書であり、総務大臣が内容を定めつつ総務省が告示しています。
市町村は市町村内の建物や土地の所有者に固定資産税を課しますが、その税額は、対象となる資産の時価を基に計算します。
したがって、市町村は市町村内の建物や土地の時価を適正に評価しなければなりませんが、評価する際は固定資産評価基準に記された方法を用います。
「固定資産評価基準 第二章 家屋」は、「総務省:固定資産税の概要」の下部より確認することが可能です。
本記事の内容が、皆様に役立てば幸いです。失礼いたします。
記事公開日:2025年6月
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