床材の固定資産税ランキング

一般的な住宅に用いられる床材として最も固定資産税が高いのはウィルトン織りなどの高級カーペットであり、高級畳、無垢のフローリングと続きます。
また、一般的な住宅に使用されることはありませんが、大理石や御影石の床材も固定資産税が高くなります。
令和七年度の床材の固定資産税ランキングをご紹介しましょう。
目次
- 1. 固定資産税が高い床材は高級カーペットや無垢フローリング
- 1-1. 石材系床材やタイルの室内用床材はさらに固定資産税が高い
- 1-2. 床暖房を入れると床の固定資産税は跳ね上がる
- 1-3. 床材の固定資産税は最後は25%程度まで下がる
- まとめ - 一部の市町村では床材のグレードで固定資産税が変わらない
固定資産税が高い床材は高級カーペットや無垢フローリング
一般的な住宅に使用される床材として固定資産税が最も高いのはウィトン織りなどの高級カーペットであり、ついで一畳あたり2万円以上などの高級畳、無垢のフローリングと続きます。
高級カーペットの1㎡あたりの固定資産税は96円程度、高級畳は1㎡あたり82円程度、無垢のフローリングは80円程度です。
最近の住宅の床材といえば主に複合フローリングですが、その固定資産税は1㎡あたり48円程度となっています。
その他、住宅の床材として使用されることが多い一般的な畳の固定資産税は1㎡あたり55円程度、クッションフロアは1㎡あたり33円程度です。
いずれも、その床材が新たに設置された時点の税額となっています。
床材固定資産税ランキング1位のウィルトン織りの高級カーペット

また、市街地に位置する建物に導入された床材には、多くの場合は固定資産税に加えて都市計画税も課されます。
都市計画税とは、公共施設を維持新設する都市計画事業、および公共施設を新設するために必要な土地を調達する土地区画整理事業の費用を賄うために市町村が徴収する目的税です。
一般的な住宅に使用される床材の固定資産税と都市計画税のランキング、および税額は以下のとおりです。
一般的な住宅に使用される床材の固定資産税ランキング
順位 | 床材 | 固定資産税 | 都市計画税 |
---|---|---|---|
1 | ウィルトン織りなどの高級カーペット | 96円程度 | 20円程度 |
2 | 一畳あたり2万円以上などの高級畳 | 82円程度 | 17円程度 |
3 | 無垢のフローリング | 80円程度 | 17円程度 |
4 | 一般的な畳 | 55円程度 | 11円程度 |
5 | 複合フローリング | 48円程度 | 10円程度 |
6 | クッションフロア | 33円程度 | 7円程度 |
7 | 一般的なカーペット | 27円程度 | 5円程度 |
8 | ビニル床タイル | 18円程度 | 3円程度 |
9 | ラワン合板のフローリング | 17円程度 | 3円程度 |
※ いずれも新たに設置された時点の1㎡あたりの税額
ちなみに、一般的な住宅には使用されることがない床材に大理石や御影石などの石材系床材、タイルの室内用床材がありますが、それらの固定資産税は高級カーペットを遥かに上回ります。
つづいて、石材系床材やタイルの室内用床材の固定資産税をご紹介しましょう。
石材系床材やタイルの室内用床材はさらに固定資産税が高い
一般的な住宅に使用されることがない床材に石材系床材やタイルの室内用床材があります。
それらの床材の固定資産税は、ウィルトン織りなどの高級カーペットや無垢のフローリングの税額を大きく上回ります。
石材系の床材の固定資産税は、天然の大理石や御影石などであれば1㎡あたり560円程度、他の石材にセメントや樹脂を混ぜて作る人造大理石であれば1㎡あたり395円程度、樹脂を固めて作る人工大理石であれば1㎡あたり202円程度です。
タイルの室内用床材の固定資産税は、タイルの大きさによって税額が異なり、300mm角相当であれば1㎡あたり144円程度、200mm角相当であれば1㎡あたり120円程度、100mm角相当であれば1㎡あたり104円程度となっています。
また、市街地に位置する建物に導入された床材の多くには都市計画税も課されることとなり、石材系床材とタイルの室内用床材の税額をまとめると以下のとおりです。
石材系床材、タイルの室内用床材の固定資産税
床材 | 固定資産税 | 都市計画税 |
---|---|---|
天然の大理石や御影石 | 560円程度 | 120円程度 |
人造大理石 | 395円程度 | 84円程度 |
人工大理石 | 202円程度 | 43円程度 |
タイル300mm角相当 | 144円程度 | 30円程度 |
タイル200mm角相当 | 120円程度 | 25円程度 |
タイル100mm角相当 | 104円程度 | 22円程度 |
※ いずれも新たに設置された時点の1㎡あたりの税額
なお、床材の固定資産税はこれまでにご紹介したとおりの税額ですが、床暖房を入れると床にかかる固定資産税が跳ね上がります。
つづいて、床暖房を入れるとどれくらい固定資産税が高くなるかご紹介しましょう。
床暖房を入れると床の固定資産税は跳ね上がる
一般的な住宅に使用される床材として固定資産税が高いのは高級カーペットや高級畳、無垢のフローリングですが、併せて床暖房を導入すると税額は跳ね上がります。
床暖房にかかる固定資産税は施工面積1㎡あたりにつき172円程度、都市計画税は1㎡あたりにつき37円程度です。

これまでにご紹介したとおり、無垢のフローリングの床材の固定資産税は1㎡あたり80円程度、都市計画税は1㎡あたり17円程度です。
その無垢のフローリングの床材に床暖房を導入すると、床にかかる固定資産税は1㎡あたり252円程度、都市計画税は54円程度まで跳ね上がることとなります。
また、一般的な住宅に使用されることが多い複合フローリングの床材の固定資産税は1㎡あたり48円程度、都市計画税は1㎡あたり10円程度です。
その複合フローリングの床材に床暖房を導入すると、床にかかる固定資産税は1㎡あたり220円程度、都市計画税は47円程度まで跳ね上がることとなります。
床暖房を入れると冬は足元が暖かくて幸せですが、財布の中は寒くなる可能性があるため注意してください。
とはいうものの、床材を含め、建物の固定資産税は最後は新築時の25%程度まで下がるため、思い切って床暖房を導入するのも悪くはありません。
つづいて、建物の固定資産税が何年で下がるかご紹介しましょう。
床材の固定資産税は最後は25%程度まで下がる
ウィトン織りなどの高級カーペットや高級畳、無垢のフローリングなどの床材は固定資産税が高くなり、併せて床暖房を導入すると税額は跳ね上がります。
よって、「高級カーペットや床暖房はやめておこう」などと考える方もいらっしゃるかも知れませんが、思い切って導入したほうが良いかもしれません。
それは、床材や床暖房を含め、建物の固定資産税は徐々に下がり、最後は新築時の25%程度になることが理由です。
25%程度まで下がる年数は構造や建築費によって異なり、木造のローコスト住宅であれば最短で25年など、一般的な木造住宅であれば最短で35年などです。
軽量鉄骨造であれば最短で30年など、鉄筋コンクリート造や鉄骨鉄筋コンクリート造は最短で60年となっています。
建物の固定資産税が25%程度まで下がる年数
構造 | 年数 |
---|---|
木造のローコスト住宅 | 最短で25年など |
一般的な木造住宅 | 最短で35年など |
軽量鉄骨造 | 最短で30年など |
RC造、SRC造 | 最短で60年 |
ただし、建物の固定資産税は、物価高の最中は下がらないため注意してください。
その理由は、当サイト「固定資産税をパパッと解説」にて公開中の記事にてわかりやすく解説中です。
気になる方がいらっしゃいましたら、ぜひご覧ください。
お役立ち記事
固定資産税が下がるタイミングはいつ? - 物価高で下がりません
まとめ - 一部の市町村では床材のグレードで固定資産税が変わらない
令和七年度版の床材の固定資産税ランキングをご紹介しました。
一般の住宅に使用される床材として最も固定資産税が高いのはウィルトン織りなどの高級カーペットであり、ついで高級畳、無垢のフローリング、一般的な畳、複合フローリング、クッションフロア、一般的なカーペット、ビニル床タイル、ラワン合板のフローリングと続きます。
床材の固定資産税を調べる方がいらっしゃいましたら、ぜひ参考になさってください。
なお、本記事には大きな留意点があります。
それは、一部の市町村では、床材のグレードによる固定資産税の差がないという点です。
たとえば、本記事でご紹介したように、畳は高級畳であれば1㎡あたりの固定資産税は82円程度、一般的な畳であれば1㎡あたり55円程度です。
また、フローリングの固定資産税は無垢であれば1㎡あたり80円程度、複合フローリングであれば1㎡あたり48円程度、ラワン合板であれば1㎡あたり17円程度となっています。
しかし、一部の市町村では、畳であればグレードを問わず1㎡あたりの固定資産税は55円程度となり、税額に差がありません。
同じく、一部の市町村ではフローリングであればグレードを問わず1㎡あたりの固定資産税は48円程度となり、税額に差がないこととなります。
このように床材のグレードによる固定資産税に差がない現象は、地方の市町村で見受けられます。
床材のグレードによる固定資産税に差がない市町村では、グレードが高い畳やフローリングを選んでも税額が高くなることがなく、納税義務者にとっては支払いが楽になります。
これは喜ばしいことですが、グレードが低い畳やフローリングを選んでも固定資産税が安くならないということも意味するため注意が必要です。
その市町村が床材のグレードによって固定資産税に差が出るか否かは、市町村役場の資産税課に問い合わせるなどすれば確認できます。
本記事の内容が、皆様に役立てば幸いです。失礼いたします。
記事公開日:2025年6月
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