ルーフバルコニー付きマンションの固定資産税に関するデメリット
マンションのルーフバルコニーは固定資産税がかからないといわれますが、残念ながらかかります。
そして、マンションによっては固定資産税が高くなるため注意が必要です。
ルーフバルコニー付きマンションの固定資産税に関するデメリットを解説し、ルーフバルコニー付きマンションの固定資産税をシミュレーションする方法をご紹介しましょう。
目次
- 1. マンションのルーフバルコニーは固定資産税がかかる
- 2. ルーフバルコニー付きマンションは固定資産税が高くなりがち
- 2-1. 戸数が少ないルーフバルコニー付きマンションは固定資産税が高い
- 2-2. 床面積が広いルーフバルコニー付きマンションは固定資産税が高い
- 2-3. ルーフバルコニー付きマンションの固定資産税はいくら?
- まとめ - 新築のマンションは固定資産税の軽減措置が適用される
マンションのルーフバルコニーは固定資産税がかかる
マンションのルーフバルコニーは固定資産税がかかりますが、ネットではかからないといわれます。
よって、はじめに、マンションのルーフバルコニーに固定資産税がかかる理由を解説しましょう。
マンションのルーフバルコニーに固定資産税がかかる理由は至って単純であり、マンションの建物には固定資産税がかからない箇所がないためです。
マンションのルーフバルコニーも建物の一部であり、否応なしに固定資産税がかかります。
さて、ここで皆さんに知っていただきたいのが、ルーフバルコニーの固定資産税は、各戸の所有者が少しずつ分け合って負担することです。
それは、ルーフバルコニーがない戸の所有者も変わりません。
驚いた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
各戸の所有者がルーフバルコニーの固定資産税を負担するのは、マンションの建物の固定資産税を計算する仕組みにあります。
順を追ってわかりやすく解説しましょう。
まずは、マンションの建物は、専有部分と共用部分に区分されることを知ってください。
マンションの専有部分とは、各戸の所有者のみが使用する部分であり、501号室の戸内、401号室の戸内など、各戸の戸内が専有部分です。
一方、共用部分とは、各戸の所有者が共同で使用する部分であり、エントランスや廊下、階段、エレベーターホール、バルコニー、ベランダ、ルーフバルコニーなどが共用部分となります。
バルコニーやベランダ、ルーフバルコニーが共用部分となるのは、それらは緊急時に全住民の避難路として活用される可能性があるためです。
マンションの専有部分と共用部分
| 区分 | 箇所 |
|---|---|
| 専有部分 | 各戸の戸内 |
| 共用部分 | エントランス、廊下、階段、エレベーターホール、バルコニー、ベランダ、ルーフバルコニーなど専有部分以外の部分 |
※ 共用部分は集会の決議で変更でき、マンションによっては箇所が異なる場合がある
つぎに、専有部分の固定資産税は、誰が負担するか知ってください。
専有部分の固定資産税は、当然ですが各戸の所有者が負担することとなります。
最後に、共用部分の固定資産税は、誰がどのように負担するか知ってください。
共用部分の固定資産税は、各戸の所有者が少しずつ分け合って負担することとなります。
共用部分は各戸の所有者が共同で使用する部分ですから、各戸の所有者が少しずつ分け合って固定資産税を負担するというわけです。
先述のとおり、ルーフバルコニーは共用部分であり、マンションの建物は固定資産税がかからない箇所はありません。
つまり、ルーフバルコニーにも固定資産税がかかり、その税額は各戸の所有者が少しずつ分け合って負担するというわけです。
これは、新築の分譲マンションも中古マンションも変わりません。
前置きが長くなりましたが、ルーフバルコニー付きマンションの固定資産税に関するデメリットをご紹介しましょう。
ルーフバルコニー付きマンションは固定資産税が高くなりがち
戸数が少ないルーフバルコニー付きのマンションは、固定資産税が高くなる可能性があります。
また、戸数が少ないルーフバルコニー付きのマンションの中に位置する、他の戸より床面積が広い戸は、固定資産税が特に高くなる可能性があります。
この2つが、ルーフバルコニー付きのマンションの固定資産税に関するデメリットです。
ルーフバルコニー付きマンションの固定資産税に関するデメリット
- 戸数が少ないルーフバルコニー付きマンションは、固定資産税が高くなる可能性がある
- 戸数が少ないルーフバルコニー付きのマンションの中に位置する、他の戸より床面積が広い戸は、固定資産税が特に高くなる可能性がある
つづいて、デメリットの詳細を解説しましょう。
戸数が少ないルーフバルコニー付きマンションは固定資産税が高い
戸数が少ないルーフバルコニー付きのマンションは、固定資産税が高くなりがちです。
たとえば、戸数が50のルーフバルコニー付きマンションと、戸数が30のルーフバルコニー付きのマンションがあったとしましょう。
であれば、戸数が30のルーフバルコニー付きのマンションの方が固定資産税が高くなる可能性があるといった具合です。
これは、新築の分譲マンションも中古マンションも変わりません。
戸数が少ないルーフバルコニー付きマンションの固定資産税が高くなるのは、マンションの固定資産税を計算する仕組みにあります。
あまり知られていませんが、マンションの一戸を所有することにより課される固定資産税は、マンション全体の固定資産税の一部です。
マンションは、まずはマンション全体の固定資産税が計算され、その税額が各戸の所有者に割り振られます。
これを理由に、戸数が少ないマンションは各戸の所有者に割り振られる税額が多くなり、固定資産税が高くなりがちです。
ルーフバルコニーが付いたマンションは戸数が少ない傾向があるため、どの物件も固定資産税が高くなりがちといえるでしょう。
とはいうものの、ルーフバルコニーにはベランダでは味わえない開放感があります。
よって、ルーフバルコニー付きのマンションの購入を希望する場合は、多少の出費は仕方ないと割り切り、思い切って購入するのも悪くはありません。
ルーフバルコニー付きのマンションは売却時も高く売れるため、資産価値が高く良い買い物になります。
床面積が広いルーフバルコニー付きマンションは固定資産税が高い
戸数が少ないルーフバルコニー付きのマンションは固定資産税が高くなりがちですが、その物件の中に位置する、他の戸より床面積が広い戸は、特に固定資産税が高くなります。
たとえば、ルーフバルコニーが付いた、戸数が30の中古マンションがあったとしましょう。
その中古マンションのうち5つの戸は床面積が80㎡、残りの25の戸は床面積が60㎡です。
であれば、床面積が80㎡の戸の固定資産税は、床面積が60㎡の戸の固定資産税の1.33倍程度まで高くなるといった具合です。
戸数が少ないルーフバルコニー付きマンションの中に位置する、他の戸より床面積が広い戸の固定資産税が高くなるのは、やはりマンションの固定資産税を計算する仕組みにあります。
この記事の「戸数が少ないルーフバルコニー付きマンションは固定資産税が高い」にて、以下のようにご説明しました。
マンションは、まずはマンション全体の固定資産税が計算され、その税額が各戸の所有者に割り振られる
上記の説明に誤りはありませんが、実は割り振られる額は均等ではありません。
床面積が広い戸を所有するほど、割り振られる税額が多くなります。
これを理由に、戸数が少ないルーフバルコニー付きマンションの中に位置する床面積が広い戸の所有者は、特に割り振られる固定資産税が多くなるのです。
これは、ルーフバルコニー付きの中古マンションだけではなく、新築の分譲マンションも変わりません。
では、ルーフバルコニーが付いたマンションの固定資産税は、そもそもいくらでしょうか。
つづいて、ルーフバルコニー付きマンションの固定資産税をパパッと簡単にシミュレーションする方法をご紹介しましょう。
ルーフバルコニー付きマンションの固定資産税はいくら?
戸数が少ないルーフバルコニー付きのマンションは固定資産税が高くなりがちですが、税額の目安はいくらでしょうか。
ここからは、売りに出されているルーフバルコニー付きの新築の分譲マンションと、中古マンションの固定資産税をシミュレーションする方法をご紹介しましょう。
その前に、皆さんに留意していただきたいことが2つあります。
1つめは、ご紹介するシミュレーション方法から算出される税額には、都市計画税も含まれることです。
都市計画税とは、主に市街地に位置する建物や土地を所有することにより課される税金であり、多くのマンションには固定資産税と都市計画税の両方が課されます。
よって、都市計画税も含めた税額をシミュレーションする方法をご紹介します。
2つめは、ご紹介するのは固定資産税をシミュレーションする方法であり、正確に計算する方法ではないことです。
固定資産税は対象となる資産の時価を基に税額を計算し、税額は時価に応じた額となります。
そして、売り出し中のマンションの時価は、物件によって大きく異なります。
したがって、全ての売り出し中のマンションの固定資産税を正確にシミュレーションすることは残念ながらできません。
シミュレーション方法の留意点
- シミュレーション結果には都市計画税も含まれる
- あくまでシミュレーション方法であり、固定資産税を正確に計算する方法ではない
前置きが長くなりましたが、新築の分譲マンションと中古マンションの固定資産税をパパッと簡単にシミュレーションする方法をご紹介しましょう。
ルーフバルコニー付きの新築の分譲マンションの固定資産税はいくら?
ルーフバルコニーが付いた、売りに出されている新築の分譲マンションの固定資産税は、消費税額と消費税抜きの販売価格からシミュレーションできます。
シミュレーション方法は、以下のとおりです。
- 消費税額×10=建物(一戸部分)の販売価格
- 消費税抜きの販売価格-建物の販売価格=土地(敷地権)の販売価格
- 建物の販売価格×60%×60%×1.4%=A
- 建物の販売価格×60%×60%×0.3%=B
- 土地の販売価格×70%÷6×1.4%=C
- 土地の販売価格×70%÷3×0.3%=D
- A+B+C+D=ルーフバルコニー付きの新築の分譲マンションの固定資産税
たとえば、消費税額が450万円、消費税抜きの販売価格が5,000万円であるルーフバルコニー付きの新築の分譲マンションが売りに出されているとしましょう。
であれば以下のように計算し、そのマンションの固定資産税のシミュレーション結果は28万7,000円程度となります。
- 450万円(消費税額)×10=4,500万円(建物の販売価格)
- 5,000万円(消費税抜きの販売価格)-4,500万円(建物の販売価格)=500万円(土地の販売価格)
- 4,500万円(建物の販売価格)×60%×60%×1.4%=22万6,800円(A)
- 4,500万円(建物の販売価格)×60%×0.3%=4万8,600円(B)
- 500万円(土地の販売価格)×70%÷6×1.4%=8,166円(C)
- 500万円(土地の販売価格)×70%÷3×0.3%=3,500円(D)
- A+B+C+D=28万7,066円
なお、売り出し中の新築の分譲マンションの正確な固定資産税は、完成後1年程度が経過した物件であれば、おそらくは販売業者に問い合わせるなどすれば確認することが可能です。
一方、完成後間もない新築の分譲マンションの固定資産税は市町村が税額を計算中であり、正確な税額は未定となっています。
ルーフバルコニー付きの中古マンションの固定資産税はいくら?
ルーフバルコニーの有無を問わず、中古マンションの固定資産税は物件によって大きく異なります。
よって、固定資産税を試算するのは困難ですが、売買価格と築年数から大まかな税額をシミュレーションすることは可能です。
シミュレーション方法は、以下のとおりです。
- 売買価格×10%=土地(敷地権)の売買価格
- 売買価格-土地の売買価格=建物(一戸部分)の売買価格
- 建物の売買価格×50%~30%×1.4%=A
- 建物の売買価格×50%~30%×0.3%=B
- 土地の売買価格×70%÷6×1.4%=C
- 土地の売買価格×70%÷3×0.3%=D
- A+B+C+D=ルーフバルコニー付きの中古マンションの固定資産税
上記には「50%~30%」というあいまいな数値が含まれますが、築10年などの築浅であれば50%、築20年であれば40%、築30年以上であれば30%などとお考えください。
たとえば、ルーフバルコニーが付いた築10年の中古マンションが3,500万円で売りに出されているとしましょう。
であれば以下のように計算し、その中古マンションの固定資産税のシミュレーション結果は27万5,900円程度となります。
- 3,500万円(販売価格)×10%=350万円(土地の売買価格)
- 3,500万円(販売価格)-350万円(土地の売買価格)=3,150万円(建物の売買価格)
- 3,150万円(建物の売買価格)×50%×1.4%=22万500円(A)
- 3,150万円(建物の売買価格)×50%×0.3%=4万7,250円(B)
- 350万円(土地の売買価格)×70%÷6×1.4%=5,716円(C)
- 350万円(土地の売買価格)×70%÷3×0.3%=2,450円(D)
- A+B+C+D=27万5,916円
余談ですが、最近は築年数が経過しても建物の固定資産税が下がらないという状況が発生しています。
その理由は、固定資産税の概念と物価高による建築費の高騰にあります。
固定資産税は対象となる資産の時価を基に税額を計算し、税額は時価に応じた額となります。
そして、以前は物価水準が低く建築費も安定していたため、築年数が経過すると共に建物の時価が徐々に下がり、それに伴い固定資産税も徐々に下がりました。
しかし、最近は物価水準が高くなり建築費も高騰し、築年数が経過しても建物の時価が下がりにくくなり、それに伴い固定資産税も下がりにくくなっています。
その詳細は、当サイト「固定資産税をパパッと解説」にて公開中の記事「固定資産税に何年で下がるという概念はなく、下がる時に下がる」にてわかりやすく解説中です。
中古マンションの固定資産税が気になる方がいらっしゃいましたら、ぜひご覧ください。
なお、売りに出されているルーフバルコニー付きの中古マンションの正確な固定資産税は、その物件を取り扱う不動産業者に問い合わせれば確認できます。
まとめ - 新築のマンションは固定資産税の軽減措置が適用される
ルーフバルコニー付きマンションの固定資産税に関するデメリットを解説しました。
ルーフバルコニーが付いたマンションは、戸数が少なければ固定資産税が高くなる可能性があります。
また、ルーフバルコニーが付いた戸数が少ないマンションの中に位置する、他の戸より床面積が広い戸は、特に固定資産税が高くなりがちです。
とはいうものの、ルーフバルコニーには他にはない開放感があるため、思い切って購入するのも悪くはありません。
ルーフバルコニー付きのマンションは高く売却できる可能性があり、失敗してもリスクは小さいといえるでしょう。
ルーフバルコニー付きの新築の分譲マンションや中古マンションの購入を希望する方がいらっしゃいましたら、ぜひ参考になさってください。
なお、本記事では、ルーフバルコニーが付いた新築の分譲マンションの固定資産税をシミュレーションする方法をご紹介しましたが、戸内の床面積が50㎡以上250㎡程度以下の物件を購入すれば軽減措置が適用されます。
適用される軽減措置の名称は、「新築された住宅に対する固定資産税の減額」です。
同軽減措置は、新築のマンションを購入した場合は、一部例外を除き申告不要で適用されます。
適用されれば、建物の床面積の120㎡程度までの部分にかかる固定資産税が5年などにわたり2分の1に減額されます。
たとえば、ルーフバルコニーが付いた、戸内の床面積が100㎡である新築の分譲マンションを購入したとしましょう。
その新築の分譲マンションの建物の固定資産税は、本来であれば25万円です。
であれば、はじめて固定資産税が課されることとなった年から5年などにわたり、建物にかかる固定資産税が12万5,000円などまで減額されるといった具合です。
本記事の内容が、ルーフバルコニー付きのマンションの購入を希望する皆様に役立てば幸いです。失礼いたします。
記事公開日:2025年11月
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