畳からフローリングにすると固定資産税は高くなる

畳からフローリングにすると固定資産税が高くなるか気になりますが、厳格にいえば高くなります。
ただし、畳からフローリングにするリフォームが小規模であれば、高くしないようにしても良いかもしれません。
畳からフローリングにすると固定資産税が高くなるか解説し、リフォーム後に市町村役場に届け出をする必要があるかご紹介しましょう。
目次
- 1. 畳からフローリングへのリフォームが大規模であれば、固定資産税は高くなる
- 1-1. 市町村への届出が必須の畳からフローリングへのリフォーム例
- 1-2. 畳からフローリングにすると固定資産税はどれくらい高くなる?
- まとめ - 和室を洋室にリフォームすると固定資産税はどうなる?
畳からフローリングへのリフォームが大規模であれば、固定資産税は高くなる
畳からフローリングにすると固定資産税が高くなるかは、リフォームの規模や市町村によって異なりますが、厳格にいえば高くなります。
畳からフローリングにリフォームをした場合は、市町村役場に届け出をするのが理想です。
届け出をすれば調査員が訪れ、畳からフローリングとなった部分の面積、使用されたフローリングのグレードなどが調査され、おそらくは固定資産税が多少高くなります。
しかし、その部屋の床を畳からフローリングにしただけであれば、市町村役場への届け出は省略しても良いかもしれません。
届け出を省略すれば調査員が訪れることもなく、固定資産税が高くなることもありません。
つまり、善良な市民でありたいと願うのであれば、リフォーム後に市町村役場に届け出をして調査を受け入れ、固定資産税が多少高くなることを了承するのが望ましいというわけです。
反対に、善良な市民であることに興味がないのであれば、リフォーム後の市町村役場への届け出を省略し、知らぬ顔をすれば良いかもしれません。

ただし、畳からフローリングにするリフォームの規模が大きく、100万円以上などの費用がかかったのであれば、市町村役場に必ず届け出をしなければなりません。
つづいて、畳からフローリングにすることにより市町村役場への届け出が必須となるリフォームの具体例をご紹介しましょう。
市町村への届出が必須の畳からフローリングへのリフォーム例
畳からフローリングにするリフォームを行い、市町村役場への届け出が必須となるのは、そのリフォームが固定資産税における改築に該当する場合です。
固定資産税における改築とは、資本的支出に該当する工事であり、行うことによって建物の価値や耐久性が増加する工事を指します。
具体的には、間仕切りを撤去しつつ大きな部屋を造り、その部屋を畳からグレードの高いフローリングに変更する工事などがこれに該当します。
また、床面積を変更する増築や減築と共に、和室を洋室にするために畳からフローリングにした工事などもこれに該当します。
改築を行った場合は、工事完了後の市町村役場への届け出は必須です。
届け出をすると市町村役場から調査員が訪れ、どのように改築されたか調査され、多くの場合は以前より固定資産税が高くなります。

一方、畳からフローリングにするリフォームを行ったものの、それが固定資産税における修繕に該当するのであれば、市町村役場への届け出は不要であり、固定資産税が高くなることはありません。
固定資産税における修繕とは、資本的支出に該当しない工事であり、その建物の機能の維持を図る工事を指します。
具体的には、屋根の防水工事を行った、外壁の塗装を行った、壁紙を貼り替えた、畳を入れ替えた、以前から設置されていたシステムキッチンを同程度のグレードのものに入れ替えた場合などがこれに該当します。
固定資産税における改築と修繕の違い
具体例 | 市町村役場への届出の必要性 | |
---|---|---|
改築 | 増築や減築をした、基礎や柱を入れ替えた、畳からフローリングにするなど躯体の各部分の資材の種類を変更したなど | 必要 |
修繕 | 屋根に防水加工を行った、外壁を塗り替えた、クロスを張り替えた、畳を張り替えたなど | 不要 |
畳からフローリングに変更するリフォームを行い、その工事が改築か修繕に該当するかわからない場合は、市町村役場に問い合わせるのが良いでしょう。
固定資産税における改築と修繕の定義は、資産評価システム研究センターが公開する資料「改築等が行われた家屋の評価について(一般財団法人日本不動産研究所公共部資産評価第2室)」や、「改築等が行われた家屋の評価について(一般財団法人日本不動産研究所)」などにて確認することが可能です。
畳からフローリングにすると固定資産税はどれくらい高くなる?
畳からフローリングにするリフォームを行い、それが改築に該当するのであれば、市町村役場への届け出が必須です。
届け出をすれば市町村役場から調査員が訪れ、どのように改築されたか調査され、多くの場合は以前より固定資産税が高くなります。
ここで気になるのが、どれくらい高くなるかという点ですが、改築の規模によって異なります。
改築の規模が小さく、費用が百万円以下などであれば、固定資産税が高くなるのは、おそらくは一割程度以下です。
一方、改築の規模が大きく、費用が数百万円以上などであれば、固定資産税は一割から二割程度高くなる可能性があります。

ちなみに、畳とフローリングの固定資産税は、一部の市町村を除きグレードによって税額が異なります。
グレードの高い畳やフローリングほど固定資産税が高くなり、新たに設置されたものであれば、以下が1㎡あたりの税額の目安です。
畳とフローリングの固定資産税の目安
固定資産税 | 都市計画税 | |
---|---|---|
1畳につき2万円以上などの高級畳 | 82円程度 | 17円程度 |
一般的な畳 | 55円程度 | 11円程度 |
無垢のフローリング | 80円程度 | 17円程度 |
複合フローリング | 48円程度 | 10円程度 |
ラワン合板のフローリング | 17円程度 | 3円程度 |
※ いずれも新たに設置された畳やフローリングの1㎡あたりの税額の目安
まとめ - 和室を洋室にリフォームすると固定資産税はどうなる?
畳からフローリングにすると固定資産税が高くなるか解説し、リフォーム後の市町村役場への届け出の必要性もご紹介しました。
畳からフローリングへのリフォームは、その部屋を畳からフローリングにする程度の規模であれば、固定資産税はほとんど高くなりません。
市町村役場にリフォームをしたことを届け出なければ、固定資産税は全く高くならないといえるでしょう。
しかし、間取りを変更しつつ大きな部屋を造り、床を畳からフローリングにするなどの改築を行った場合は、市町村役場への届け出が必須となります。
届け出をすると市町村役場から調査員が訪れ、どのように改築されたか調査され、多くの場合は以前より固定資産税が高くなります。
畳からフローリングにすると固定資産税が高くなるか調べる方がいらっしゃいましたら、ぜひ参考になさってください。
ところで、本記事をご覧の皆さんには、和室を洋室にする改築を検討しつつも固定資産税が高くなるのではと案ずる方がいらっしゃるのではないでしょうか。
その答えはズバリ!本記事の内容のとおり「多くの場合は固定資産税が高くなる」です。
ただし、特定の状況においては、以前より固定資産税が安くなる可能性があります。
その状況とは、築5年程度の築浅の建物に含まれる高級畳や無垢の板張りの天井、床の間などが設置された豪華な和室を、グレードの低い資材を用いて殺風景な洋室にリフォームした場合などです。
たとえると、三日前に釣った多少鮮度の落ちた鯛を、今釣れたピチピチのイワシと交換するような状況でしょうか。

固定資産税は対象となる資産の時価を基に税額を計算し、時価が高ければ税額は高くなり、時価が低ければ税額は安くなります。
したがって、ほんの少し老朽化したものの依然として価値が高い豪華な和室を、極めてグレードの低い資材を用いて洋室にリフォームすれば、固定資産税は安くなる可能性があります。
ご紹介した内容が、皆様に役立てば幸いです。失礼いたします。
記事公開日:2025年5月
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