新築そっくりさんと建て替え、固定資産税が上がるのはどっち?
「新築そっくりさんをすると固定資産税が上がるのでは?…」「建て替えたほうが固定資産税が安く済むかな…」と迷いつつGoogleで情報を検索する方も少なくないようです。
結論からすると固定資産税が高くなるのは建て替えですが、スケルトン状態にするなど大規模な改修を要する新築そっくりさんも固定資産税が高くなります。
新築そっくりさんと建て替えはどちらが固定資産税が高くなるか解説し、固定資産税がガッツリ上がる新築そっくりさんの例をご紹介しましょう。
目次
- 1. 新築そっくりさんと建て替え、固定資産税が上がるのは建て替え!
- 2. 固定資産税とは?新築そっくりさんをすると税金は高くなる?
- 3. 新築そっくりさんとは?
- 4. 建て替えのほうが固定資産税が上がる理由
- 5. 新築そっくりさんで固定資産税が「ガッツリ」上がるケース
- 6. 固定資産税が「さほど」上がらない新築そっくりさんのケース
- 7. 新築そっくりさんで固定資産税が下がる?適用される軽減措置
- 8. 新築そっくりさんの固定資産税の軽減措置の申告手順
- 9. 固定資産税に関する新築そっくりさんの契約前チェックリスト
- まとめ
新築そっくりさんと建て替え、固定資産税が上がるのは建て替え!
新築そっくりさんと建て替えは、例外はあるものの、建て替えのほうが固定資産税が上がるといえるでしょう。
建て替えは「古い建物を解体して新しい建物を建てる」ため、新築として固定資産税が計算されることとなります。
そうなれば、固定資産税は新築並みに高くなります。
一方、新築そっくりさんは「古い建物の一部を残して建物を一新する」ため、大規模なリフォームが行われた建物として固定資産税が計算されることとなります。
そうなれば、固定資産税は新築よりは安くなります。
ただし、建て替えるより高額な費用を要する新築そっくりさんは、こじんまりとしたシンプルな戸建てに建て替えるより固定資産税が高くなる可能性があります。
たとえば、スケルトン状態まで戻しつつすべての建材を新調し、大きな部屋を増築して、太陽光パネル一体型の屋根材を使用する新築そっくりさんを行うとしましょう。
その新築そっくりさんの費用は、おそらくは15坪のシンプルな平屋を新築するより高くなります。
そうなれば、その新築そっくりさんの固定資産税は、15坪のシンプルな平屋の新築より税額が高くなります。
建物の固定資産税は、市町村が評価したその建物の時価をもとに税額を計算し、時価が高いと評価された建物ほど税額が高くなります。
建て替えより高額な費用を要する新築そっくりさんが行われた建物は、新築より時価が高いと評価され、それに伴い固定資産税も新築より高くなります。
固定資産税とは?新築そっくりさんをすると税金は高くなる?
固定資産税とは、年度を問わず1月1日の時点で建物や土地などを所有することにより課される税金であり、その資産が所在する市町村が徴収する地方税です。
新築そっくりさんを行うのは建物ですが、建物の固定資産税は以下のように計算します。
建物の固定資産税の計算方法
課税標準額(その建物の固定資産税評価額)×固定資産税の税率(市町村によって異なるものの主に1.4%)=固定資産税
式に含まれる課税標準額とは、なにかしらの税金が課される状況において税率を掛ける基となる額であり、課される税金によって意味が違うことがあれば、同じこともあります。
建物の固定資産税を計算する際の課税標準額は、式に記したように「その建物の固定資産税評価額」です。
建物の固定資産税評価額とは、市町村が評価したその建物の時価を指します。
新築そっくりさんを行うと建物が一新され、それまでより固定資産税評価額(市町村が評価したその建物の時価)が上がります。
固定資産税評価額が上がれば課税標準額も上がり、課税標準額に税率を掛け算して計算する建物の固定資産税も上がることとなります。
よって、新築そっくりさんを行うと、一部例外を除き、多かれ少なかれ以前より固定資産税が上がることとなります。
新築そっくりさんとは?
新築そっくりさんとは、住友不動産が商品化する大規模リフォームであり、見た目や間取りはもちろんのこと、設備を大きく入れ替えるなど「新築そっくり」に改修するリフォームです。
新築そっくりさんを行うと、一部例外を除き建物の時価が上がり、それに伴い固定資産税も上がることとなります。
新築そっくりさんを行うことで固定資産税がどれくらい上がるかは、新築そっくりさんの規模によって異なります。
スケルトン状態に戻して建材を一新し、なおかつ増築するなど大規模な新築そっくりさんは固定資産税が大きく上がります。
一方、内装のみを一新し、設備を新調するだけの新築そっくりさんであれば、さほど固定資産税は上がりません。
建て替えのほうが固定資産税が上がる理由
一部例外を除き、新築そっくりさんより建て替えの方が固定資産税が上がるのは、建て替えは新築であり、新築そっくりさん完了後の建物より時価が高くなるためです。
建物の固定資産税は、市町村が評価したその建物の時価をもとに税額を計算し、税額は時価に応じた額となります。
建て替えは建物を解体して新築するため、時価は新築並みに高くなり、課される固定資産税も高くなります。
一方、新築そっくりさんは規模にもよりますが、基礎や柱はリフォーム開始前のものを引き継ぐため、新築ほどは時価が高くなりません。
したがって、建て替えのほうが固定資産税が上がりやすくなります。
新築そっくりさんで固定資産税が「ガッツリ」上がるケース
新築そっくりさんをすると、一部例外を除き固定資産税が上がりますが、これからご紹介する3つのケースに該当する場合は、税額がガッツリ上がる可能性があるため注意が必要です。
1つめのケースは、大きな増築を伴う新築そっくりさんです。
建物の固定資産税は、屋根材から基礎まであらゆる箇所に課されますが、多くの箇所は、床面積が広いほど税額が高くなります。
よって、大きな増築を伴う新築そっくりさんをすると、床面積が大きく増えるとともに固定資産税がガッツリ上がる可能性があります。
2つめのケースは、すべての外壁材や内壁材、屋根材、床材などを撤去し、スケルトン状態に戻して行う新築そっくりさんです。
外壁材や内壁材、屋根材や床材などにかかる固定資産税は、物価水準が安定している期間に限られますが、築年数が経過するとともに徐々に下がります。
つまり、新築そっくりさんを開始する前の外壁材や内壁材、屋根材、床材などにかかる固定資産税は、おそらくは新築時より大幅に下がっています。
しかし、スケルトン状態に戻す新築そっくりさんを行うと、新たな外壁材や内壁材、屋根材、床材などが施されることとなり、それに伴い各箇所にかかる固定資産税が新築並みに高くなります。
そうなれば、その建物の固定資産税は以前よりガッツリ上がる可能性があります。
3つめのケースは、住宅から店舗など建物の用途を変更する新築そっくりさんです。
住宅が建つ土地には「住宅用地に対する固定資産税の課税標準の特例(通称:住宅用地の特例)」という軽減措置が適用され、土地にかかる固定資産税が安くなっています。
しかし、住宅以外に建物の用途を変更する新築そっくりさんを行うと同軽減措置の適用が外れ、土地にかかる固定資産税がガッツリ上がります。
- 大きな増築を伴う新築そっくりさん
- すべての外壁材や内壁材、屋根材や床材などを撤去し、スケルトン状態に戻して行う新築そっくりさん
- 住宅から店舗など建物の用途を変更する新築そっくりさん
固定資産税が「さほど」上がらない新築そっくりさんのケース
新築そっくりさんを行うと一部例外を除き固定資産税が上がりますが、これからご紹介する3つのケースに該当するのであれば税額はさほど上がりません。
1つめのケースは、キッチンや浴室、トイレなど設備のみを新調する新築そっくりさんです。
2つめのケースは、壁紙や床材、建具などのみを新調する新築そっくりさんとなります。
3つめのケースは、外壁材の張り替えと葺き替えなどのみを行う新築そっくりさんです。
それらの新築そっくりさんは固定資産税がさほど上がらず、同程度のグレードの設備や建材を使用するのであれば税額はまったく上がりません。
同程度のグレードの設備や建材を使用すれば固定資産税がまったく上がらないのは、その新築そっくりさんは「修繕」とみなされるためです。
固定資産税における修繕とは、建物の性能を維持するための工事であり、修繕を行っても税額は上がりません。
- キッチンや浴室、トイレなど設備のみを新調する新築そっくりさん
- 壁紙や床材、建具などのみを新調する新築そっくりさん
- 外壁材の張り替えと葺き替えなどのみを行う新築そっくりさん
新築そっくりさんで固定資産税が下がる?適用される軽減措置
新築そっくりさんを行うと一部例外を除き固定資産税が上がりますが、固定資産税が下がる軽減措置も設けられています。
その軽減措置の名称は「リフォーム促進税制」であり、一定の条件を満たした新築そっくりさんを行うことにより適用されます。
ただし、固定資産税が下がるのはごくわずかであり、詳細は以下のとおりです。
- 耐震改修
- 昭和57年1月1日以前から所在する住宅に、現行の耐震基準を満たすことを含む新築そっくりさんを行えば、耐震改修によるリフォーム促進税制が適用されます。
適用されれば、新築そっくりさんが完了した年の翌年にかかる建物の固定資産税が3分の2に減額されます。 - バリアフリー改修
- 65歳以上の方や要介護認定などを受ける方が居住する築10年が経過した住宅に、玄関周りや浴室、トイレなどを改良するバリアフリーリフォームを含めた新築そっくりさんを行えば、バリアフリー改修によるリフォーム促進税制が適用されます。
適用されれば、新築そっくりさんが完了した年の翌年にかかる建物の固定資産税が3分の2に減額されます。 - 省エネ改修
- 平成26年4月1日以前から所在する建物に、既存の窓を断熱性が高い窓に新調する、天井や壁、床の断熱性を高めることを含めた新築そっくりさんを行えば、省エネ改修によるリフォーム促進税制が適用されます。
適用されれば、新築そっくりさんが完了した年の翌年にかかる建物の固定資産税が3分の2に減額されます。 - 長期優良住宅化改修
- 昭和57年1月1日以前から所在する住宅に、長期優良住宅化することを含めた新築そっくりさんを行えば、長期優良住宅化改修によるリフォーム促進税制が適用されます。
適用されれば、新築そっくりさんが完了した年の翌年の建物にかかる固定資産税が3分の1に減額されます。
長期優良住宅とは、市町村役場などの所管行政庁から一般の住宅より高品質で長持ちすると認定された住宅です。
なお、私がこの記事を作成する2026年1月の時点において、リフォーム促進税制の適用を受けつつ固定資産税を減額させるためには、2026年3月31日までに耐震改修、バリアフリー改修、省エネ改修、長期優良住宅化改修のいずれかを含めた新築そっくりさんを行う必要があります。
しかし、その2026年3月31日という期限は毎年延長され、リフォーム促進税制の詳細は「一般社団法人 住宅リフォーム推進協議会」にてご確認いただけます。
また、リフォーム促進税制の適用を受けるためには、新築そっくりさんの工事完了後に市町村役場に申告をする必要があるため注意が必要です。
つづいて、申告手順をご紹介しましょう。
新築そっくりさんの固定資産税の軽減措置の申告手順
一定の条件を満たした耐震改修、バリアフリー改修、省エネ改修、長期優良住宅化改修のいずれかを含めた新築そっくりさんを行えばリフォーム促進税制が適用されます。
適用されれば多少なりとも固定資産税が安くなりますが、リフォーム促進税制の適用を受けるためには、新築そっくりさんの工事完了後3ヵ月以内などに市町村役場に申告をしなければなりません。
新築そっくりさんからリフォーム促進税制の申告までの主な手順は、以下のとおりです。
リフォーム促進税制の申告までの主な手順
- 1. 新築そっくりさんの契約前に、住友不動産にリフォーム促進税制の適用条件を満たすか確認する
- リフォーム促進税制は一定の条件を満たした改修工事を行うことにより適用されますが、適用条件が複雑です。
また、リフォーム促進税制の申告をする際は、増改築等工事証明書など特定の機関のみが発行できる書面を提出しなければなりません。
よって、住友不動産と新築そっくりさんの工事請負契約を結ぶ前に、住友不動産にリフォーム促進税制の適用条件を満たす工事が行われるか、申告に必要となる書面を入手できるか確認します。 - 2. 新築そっくりさん完了後に必要書類を入手する
- 先述のとおり、リフォーム促進税制の申告をする際は、増改築等工事証明書など特定の機関のみが発行できる書面を添付する必要があります。
したがって、新築そっくりさんの工事が完了すれば、それらの書面を住友不動産から確実に入手します。 - 3. 新築そっくりさん完了後に市町村役場に申告をする
- 新築そっくりさんの工事完了後に必要書類が入手できれば、市町村役場のホームページから「固定資産税減額申告書」などの名称の申告書をダウンロードします。
そして、その申告書に必要事項を記載し、市町村役場に出向きリフォーム促進税制の適用を受けるための申告をします。
申告には工事完了日から3ヵ月以内などという期限があり、いざ申告をすると必要書類が足りないこともあります。
よって、申告は工事完了後速やかに行うのが理想です。
申告が受理されれば、新築そっくりさんが完了した日が属する年の翌年にかかる建物の固定資産税が3分の2や3分の1に減額されます。
固定資産税に関する新築そっくりさん契約前のチェックリスト
新築そっくりさんを希望するものの固定資産税が上がるのではと案ずる場合は、住友不動産と工事請負契約を結ぶ前に、以下のことをチェックするのがおすすめです。
新築そっくりさんの固定資産税に関する工事請負契約前チェックリスト
- 増築を含めた新築そっくりさんをする?
- 増築を含めた新築そっくりさんを行うと、増築がない新築そっくりさんを行うより固定資産税が高くなる可能性があります。
- いったんスケルトンにする?
- 屋根や壁、床などをすべて撤去し、スケルトン状態から行う新築そっくりさんは、固定資産税が大幅に上がる可能性があります。
- 建築確認は必要?
- 市街地で大規模な改修を伴う新築そっくりさんを行う場合や、市街地以外で二階建ての戸建てに大規模な改築を伴う新築そっくりさんを行う場合は、建築確認が必要となります。
建築確認が必要となる規模の新築そっくりさんは、以前より大幅に固定資産税が高くなる可能性があります。 - リフォーム促進税制の対象になりそう?
- 一定の条件を満たす耐震改修、バリアフリー改修、省エネ改修、長期優良住宅化改修のいずれかを含めた新築そっくりさんを行えば、リフォーム促進税制が適用され固定資産税が減額されます。
減額される固定資産税はごくわずかですが、可能であればリフォーム促進税制の適用条件を満たす新築そっくりさんを行うのが良いでしょう。 - リフォーム促進税制の申告に必要な書類は手に入る?
- リフォーム促進税制の適用を受けるためには、必要書類を添付した申告書を市町村役場に提出しなければなりません。
必要書類には増改築等工事証明書など特定の機関のみが発行できる書類が含まれるため、住友不動産と新築そっくりさんの工事請負契約を結ぶ前に、それらの書類が入手できるか住友不動産に確認してください。 - リフォーム促進税制の申告をする気概はある?
- リフォーム促進税制の適用を受けるためには、必要書類を添付した申告書を市町村役場に提出しなければなりませんが、多くの市町村では施主自らが申告をしなければなりません。
申告自体はさほど難しくはありませんが、やはり面倒です。
よって、リフォーム促進税制の適用を希望するのであれば、新築そっくりさんの工事請負契約を結ぶ前に気合を入れておきましょう。
まとめ
新築そっくりさんと建て替えを比較すると、固定資産税が高くなりやすいのは建て替えです。
建て替えは古い建物を解体して新築するため、新築として時価(固定資産税評価額)が評価されることとなり、税額も新築並みに上がることとなります。
一方、新築そっくりさんは大規模リフォームとして扱われ、建て替えより固定資産税が安くなります。
ただし、大規模な増築をする、スケルトン状態まで戻す、住宅以外に用途を変更するなどの新築そっくりさんは、建て替えより固定資産税が高くなる可能性があるため注意してください。
また、一定の条件を満たす耐震改修、バリアフリー改修、省エネ改修、長期優良住宅化改修を含めた新築そっくりさんを行えば、リフォーム促進税制が適用されます。
リフォーム促進税制が適用されれば少額ながら固定資産税が減額されますが、適用を受けるためには市町村役場への申告が必要です。
申告するためには、新築そっくりさんの工事完了後3ヵ月以内などに、特定の機関のみが発行できる書類を添付した申告書を市町村役場に提出しなければなりません。
よって、リフォーム促進税制の適用を希望しつつ新築そっくりさんを行う場合は、事前に住友不動産と相談し、増改築等工事証明書などの書類が手に入るか確認しておくと安心です。
固定資産税は「新築そっくりさん or 建て替え」だけで決まるわけではなく、最終的には工事内容や規模、および工事完了後の建物の時価で決定します。
固定資産税に関することで新築そっくりさんか建て替えか迷う場合は、本記事のチェックリスト(増築の有無・スケルトンの有無・建築確認の要否・軽減措置の対象・書類入手・申告の準備)をもとに、契約前に論点をつぶしておきましょう。
本記事が新築そっくりさんをご検討中の方のお役に立てば幸いです。
記事公開日:2026年1月
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