固定資産税は10年後にいくらまで下がる?

固定資産税は10年後にいくらまで下がる?

固定資産税が10年後にいくらまで下がるかは、木造と鉄骨鉄筋コンクリート造など、構造によって異なります。

住宅の固定資産税が10年後にいくらまで下がるかご紹介しましょう。

目次

1. 10年後の固定資産税は、64%程度から41%程度まで下がる

それでは、固定資産税が10年後にいくらまで下がるかご紹介しましょう。

新築から10年後の固定資産税は、一戸建てなどの木造と、マンションなどの鉄骨鉄筋コンクリート造によって下がる程度が異なります。

木造であれば、10年後の固定資産税は新築時の59%程度から41%程度まで下がり、鉄骨鉄筋コンクリート造であれば64%程度まで下がることとなります。

10年後の固定資産税の下がる程度を表でまとめると、以下のとおりです。

10年後の固定資産税はいくら?
構造 新築から10年後の固定資産税
木造 新築時の59%程度から41%程度
鉄骨鉄筋コンクリート造 新築時の64%程度

ただし、上記の10年後の固定資産税が下がる程度には、3つの留意点があるため注意してください。

3つの留意点は、以下のとおりです。

下がるのは家屋の固定資産税のみ
ご紹介した10年後の固定資産税は、家屋の固定資産税が下がる程度であり、土地部分の固定資産税は含まれません。

一部例外を除き、一戸建てを購入すると家屋と土地を、マンションを購入すると一戸部分と「敷地権」と呼ばれる土地の持分を取得します。

そして、その両方に固定資産税が課されますが、築年数が経過することにより税額が下がるのは、家屋、または一戸部分のみです。

一戸建てが建つ土地や、マンションの土地の持分の固定資産税は、10年が経過すれば下がるなどの概念はなく、周辺の地価によって変動します。

たとえば、近くに駅ができるなどして地価が上がれば、一戸建てが建つ土地や、マンションの土地の持分の固定資産税も上がります。

反対に、景気が悪化するなどにより地価が下がれば、一戸建てが建つ土地や、マンションの土地の持分の固定資産税も下がることとなります。
新築された住宅に対する固定資産税の減額を加味していない
固定資産税には、「新築された住宅に対する固定資産税の減額」という措置があります。

同減額措置は、適用条件が「床面積が50平方メートル以上280平方メートル以下の住宅を取得する」などと満たしやすいため、多くの新築の家屋は同減額措置が適用されています。

そして、同減額措置が適用されれば、新築から3年から5年などにわたり、家屋にかかる固定資産税が50%に減額されます。

しかし、ご紹介した木造と鉄骨鉄筋コンクリート造の10年後に固定資産税が下がる程度は、同減額措置を加味していないため留意してください。

ご紹介した10年後に固定資産税が下がる程度は、同減額措置が適用されていない状態である、本来の固定資産税を100%とする下がり具合です。

たとえば、本来は固定資産税が20万円であるものの、同減額措置が適用されることにより10万円に減額されている家屋であれば、ご紹介した10年後の固定資産税の下がり具合は、本来の税額である20万円に対する下がり具合です。
購入から10年ではなく新築から10年後の固定資産税
ご紹介した10年後の固定資産税は、新築から10年が経過した家屋の固定資産税が下がる程度であり、購入から10年後の固定資産税の下がり具合ではないため留意してください。

家屋には新築と中古住宅があり、どちらの固定資産税も取得から年数が経過するとことにより下がりますが、購入からではなく、新築から経過した年数によって下がります。

よって、「中古住宅は購入から10年が経てば固定資産税が50%まで安くなる」などと例えることはできず、ご紹介した10年後の固定資産税が下がる程度は、新築から10年後の固定資産税の下がり具合となっています。

以上が、ご紹介した新築から10年後に固定資産税が下がる程度の留意点です。

固定資産税の計算方法は複雑であり、留意点も難解ですが、ぜひご理解ください。

つづいて、木造と鉄骨鉄筋コンクリート造の家屋の固定資産税がどのようにして下がるか、もう少し詳しくご紹介しましょう。

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2. 木造の10年後の固定資産税はいくら?

木造家屋の10年後の固定資産税は、新築時の59%程度から41%程度まで下がることとなります。

59%程度から41%程度というと開きがありますが、高額な費用をかけて新築された家屋であれば59%程度まで、安価な費用で新築された家屋であれば41%程度まで下がるとお考えください。

木造は、高額な費用をかけて新築された家屋ほど固定資産税が下がりにくく、ゆっくりと下がります。

反対に、安価な費用で新築された木造家屋は固定資産税が早く下がり、10年後に固定資産税が下がる程度が大きくなります。

木造の10年後の固定資産税はいくらまで下がる?

正確には、1平方メートルあたりの再建築費によって固定資産税が10年後に下がる程度が決定します。

再建築費とは、その家屋と同一の家屋を同一の場所に新築するために必要となる材料費と労務費、その家屋を新築する建築業者が得る利益などの合計です。

であれば、再建築費は建築費であると考えがちですが、再建築費は建築費や販売価格ではないため注意してください。

正確な根拠はありませんが、再建築費は、建築費の6割程度になるといわれます。

たとえば、建築費が3,000万円の家屋であれば、再建築費はその6割程度である1,800万円程度になるといった具合です。

そして、木造家屋の固定資産税が10年後に下がる具体的な程度は、以下のとおりです。

木造家屋の10年後の固定資産税はいくら?
再建築費 10年後の固定資産税
1㎡あたりの再建築費が55,120円程度未満 新築時の41%程度
1㎡あたりの再建築費が55,120円程度以上86,320円程度未満 新築時の49%程度
1㎡あたりの再建築費が86,320円程度以上133,120円程度未満 新築時の54%程度
1㎡あたりの再建築費が133,120円程度以上 新築時の59%程度

以上が、木造家屋の固定資産税が10年後に下がる程度です。

木造家屋の固定資産税の正確な下がり具合は、総務省の告示「固定資産評価基準 第二章 家屋」に掲載されている、「別表第9 木造家屋経年減点補正率基準表」にて確認することができます。

以下が、別表第9です。

総務省告示の別表第9の木造家屋経年減点補正率基準表

画像をクリックすれば拡大します

表は左の列から「55,120点未満」「55,120点以上86,320点未満」「86,320点以上133,120点未満」「133,120点以上」と記されていますが、それらの点数を1点あたり1円に換算した程度の額が、1平方メートルあたりの再建築費を表すとお考えください。

そして、各列には経過年数、経年減点補正率という数値が記されています。

経過年数が新築から経過した年数、経年減点補正率は固定資産税が下がる程度を表します。

たとえば、1平方メートルあたりの再建築費が55,120点未満の列の経過年数が10の箇所の経年減点補正率は、0.41です。

その場合は、1平方メートルあたりの再建築費が55,120円程度未満の木造家屋は、新築から10年後に、新築時の41%程度まで固定資産税が下がることを意味します。

また、1平方メートルあたりの再建築費が55,120点以上86,320点未満の列の経過年数が20以上の箇所の経年減点補正率は、0.20です。

その場合は、1平方メートルあたりの再建築費が55,120円程度から86,320円程度の木造家屋は、新築から20年後に、新築時の20%程度まで固定資産税が下がり、それよりは下がらないことを意味します。

他の列も、同じようにお考えください。

木造の家屋の10年後の固定資産税がいくらまで下がるかは、1平方メートルあたりの再建築費によって異なり、1平方メートルあたりの再建築費が高額であれば59%程度まで、安価であれば41%程度まで下がることとなります。

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3. 鉄骨鉄筋コンクリート造の10年後の固定資産税はいくら?

鉄骨鉄筋コンクリート造の家屋の10年後の固定資産税は、新築時の64%程度まで下がります。

木造の家屋は、建築費が高額なほど固定資産税が下がりにくいという特徴がありますが、鉄骨鉄筋コンクリート造は建築費を問わず、10年後の固定資産税は新築時の64%程度です。

また、固定資産税の下がる程度は、鉄骨鉄筋コンクリート造であれば、マンションも一戸建ても同じとなっています。

鉄骨鉄筋コンクリート造の家屋の固定資産税の下がる程度は、以下のとおりです。

鉄骨鉄筋コンクリート造の10年後の固定資産税はいくら?
新築からの経過年数 固定資産税の下がる程度
5年後 新築時の68%程度
10年後 新築時の64%程度
15年後 新築時の59%程度
20年後 新築時の55%程度
25年後 新築時の51%程度
30年後 新築時の46%程度
35年後 新築時の42%程度
40年後 新築時の38%程度
45年後 新築時の33%程度
50年後 新築時の29%程度
55年後 新築時の24%程度
60年後 新築時の20%程度

以上が、鉄骨鉄筋コンクリート造の家屋の固定資産税が下がる程度です。

鉄骨鉄筋コンクリート造の家屋の固定資産税の下がり具合は、総務省の告示「固定資産評価基準 第二章 家屋」の「別表第13 非木造家屋経年減点補正率基準表 2 住宅、アパート用建物」にて確認できます。

固定資産評価基準とは、総務大臣が内容を定めた、土地や家屋、償却資産の適正な時価を評価する方法が記された手引書です。

土地や家屋、償却資産を固定資産と呼び、固定資産を所有すると市町村から固定資産税が課されます。

そして、その税額は、市町村が固定資産評価基準に記された方法を用いて評価した、各固定資産の適正な時価を基に計算されます。

市町村が固定資産評価基準に記された方法を用いて評価した、各固定資産の適正な時価は、固定資産税評価額などと呼ばれます。

以下が「固定資産評価基準 第二章 家屋」の「別表第13 非木造家屋経年減点補正率基準表 2 住宅、アパート用建物」です。

総務省告示の別表第13の非木造家屋経年減点補正率基準表

画像をクリックすれば拡大します

表の中の赤い線で囲まれた箇所にご注目ください。

赤い線で囲まれた箇所には、鉄骨鉄筋コンクリート造の固定資産税が下がる程度が記されています。

赤い線の中に記されている経過年数という箇所は新築からの経過年数を表し、経年減点補正率という箇所は、固定資産税がどれくらい下がるかを表しています。

たとえば、経過年数が10の箇所の経年減点補正率は「0.6386」ですが、それは、鉄骨鉄筋コンクリート造の家屋の10年後の固定資産税は、新築時の64%程度まで下がることを意味します。

また、経過年数が60以上の箇所の経年減点補正率は0.2000ですが、それは、鉄骨鉄筋コンクリート造の家屋の60年後の固定資産税は、新築時の20%程度まで下がり、それよりは下がらないことを意味します。

なお、この記事の「1. 10年後の固定資産税は、64%程度から41%程度まで下がる」でご紹介したとおり、10年後などに下がるのは家屋の固定資産税のみであり、土地の固定資産税は下がらないため留意してください。

鉄骨鉄筋コンクリート造の10年後の固定資産税は、新築時の64%程度まで下がることとなりますが、それは家屋の固定資産税のみであり、土地部分の固定資産税は含まれません。

土地部分の固定資産税は、その土地に建つ家屋が老朽化しても下がることはなく、地価に応じて変動します。

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まとめ - 家屋の固定資産税は、20%よりは下がらない

固定資産税が10年後にいくらまで下がるか、ご紹介しました。

10年後の固定資産税がいくらまで下がるかは、家屋であれば木造と鉄骨鉄筋コンクリート造によって異なります。

木造家屋の10年後の固定資産税は、新築時の59%程度から41%程度です。

59%程度から41%程度というと開きがありますが、建築費が高額なほど下がりにくいとお考えください。

一方、鉄骨鉄筋コンクリート造の家屋の10年後の固定資産税は、建築費を問わず新築時の63%程度まで下がります。

これは、鉄骨鉄筋コンクリート造であれば、一戸建てもマンションも同じです。

また、10年後など、築年数が経過することにより下がるのは、家屋の固定資産税のみです。

家屋が建つ土地の固定資産税は、その土地に建つ家屋の築年数が経過することにより下がることはなく、周辺の地価によって変動します。

10年後の固定資産税がいくらまで下がるかお調べの方がいらっしゃいましたら、ぜひご参考になさってください。

なお、記事の本文中でもご紹介しましたが、木造の家屋の固定資産税は早ければ15年後に、鉄骨鉄筋コンクリート造の家屋の固定資産税は60年後に20%程度まで下がりますが、それよりは下がりません。

家屋は老朽化すれば、いつかは固定資産税がかからなくなると考えがちですが、家屋が建物として機能する限り、いつまでも新築時の20%の固定資産税を払うこととなります。

ご紹介した内容が、10年後に固定資産税がいくらまで下がるか、お調べになる皆様に役立てば幸いです。失礼いたします。

記事公開日:2022年4月

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