固定資産税が高い外壁はコレだ!税金が高い外壁材ランキング
住宅を新築する際はオシャレな外壁を選びがちですが、ひょっとすると固定資産税が高く、「こんなはずじゃなかった…」と後悔することになるかもしれません。
後悔を防ぐためには、固定資産税が高くなる外壁材を知っておくのがベストです。
固定資産税が高い外壁のランキングをご紹介しましょう。
目次
1. 一戸建て木造住宅の固定資産税が高い外壁ベスト5
まずは、固定資産税が高い一戸建て木造住宅の外壁材をご紹介しましょう。
固定資産税が高い一戸建て木造住宅の外壁は、タイルと漆喰です。
新築時のタイルの固定資産税を単純計算すると、その一戸建ての延べ床面積1㎡あたりにつき166円などとなります。
また、新築時の漆喰の固定資産税を単純に計算すると、その一戸建ての延べ床面積1㎡あたりにつき162円などです。
固定資産税が高い一戸建て木造住宅の外壁は、総務省の告示「固定資産評価基準」の12ページに記されている「別表第8 木造家屋再建築費評点基準表 1 専用住宅用建物」にて確認できます。
注文住宅を新築したり建売住宅を購入すると間もなく市町村役場から固定資産評価員が訪れ、使用されている建材の種類やグレードなどを調査します。
そして、使用されている各建材に点数を付け、全ての点数を合計し、1点あたり1円などに換算します。
例を挙げると、その一戸建て木造住宅の採点結果の合計が1,000万点であれば、1,000万円などに換算されるといった具合です。
その1,000万円に固定資産税の税率である1.4%などを掛け算した額が、その木造住宅の新築時における固定資産税となります。
この際に重要となるのが、固定資産評価員による採点基準です。
採点基準が曖昧であれば、固定資産税が公平に課税されません。
たとえば、同じ住宅を固定資産評価員Aと固定資産評価員Bが採点しつつ点数が異なれば、評価員によって固定資産税が変わることとなります。
よって、固定資産評価員が調査の際に各建材に点数を付ける際は、先にご紹介した固定資産評価基準の「別表第8 木造家屋再建築費評点基準表」を参照します。
別表第8には、固定資産評価員が一戸建ての木造住宅を調査しつつ採点する際の基準となる、各外壁材の標準となる点数である「標準評点数」が記されています。
つまり、別表第8に記されている各外壁材の標準評点数を確認すれば、固定資産税が高くなる外壁を把握できるというわけです。
以下が、別表第8に記されている各外壁材の標準評点数です。
出典:総務省:固定資産評価基準
ここから、別表第8に記されている各外壁材の標準評点数を基に、一戸建て木造住宅の固定資産税が高い外壁ランキングベスト5をご紹介しましょう。
固定資産税が高い一戸建て木造住宅の外壁ベスト5- 1位 タイル
- 一戸建て木造住宅で固定資産税が最も高い外壁はタイルです。タイルの標準評点数は11,890点であり、単純に固定資産税を計算すると、その木造住宅の延べ床面積1㎡あたりにつき166円などになります。
- 2位 漆喰壁
- 一戸建て木造住宅で固定資産税が2番目に高い外壁は漆喰です。漆喰壁の標準評点数は11,640点であり、固定資産税を単純計算すると、その木造住宅の延べ床面積1㎡あたりにつき162円などとなります。
- 3位 サイディング
- 3番目に固定資産税が高い外壁はサイディングです。サイディングの標準評点数は7,530点であり、固定資産税を単純に計算すると、その一戸建て木造住宅の延べ床面積1㎡あたり105円などになります。
- 4位 薄型気泡コンクリートパネル薄付外装仕上
- 4番目に固定資産税が高い外壁は薄型気泡コンクリートパネル薄付外装仕上です。同外壁材の標準評点数は7,100点であり、固定資産税を単純計算すると、その一戸建て木造住宅の延べ床面積1㎡あたりにつき99円などとなります。
- 5位 鋼板、または平板の外壁
- 一戸建て木造住宅で固定資産税が5番目に高い外壁は、鋼板、または平板の外壁です。鋼板、または平板の外壁の標準評点数は6,610点であり、その一戸建て木造住宅の延べ床面積1㎡あたりの固定資産税を単純計算すると92円などになります。
以上が、一戸建てなどの木造住宅における外壁の固定資産税ランキングベスト5です。
なお、ご紹介した各外壁材の標準評点数は令和3年時点の点数であり、標準評点数は定期的に見直されるため留意してください。
また、各順位に単純計算した固定資産税の目安を記載しましたが、記載した額に、その一戸建て木造住宅の延べ床面積を掛け算した額が、その一戸建て木造住宅の外壁の固定資産税額となります。
外壁の固定資産税は外壁の面積ではなく、標準評点数にその木造住宅の延べ床面積を乗算しつつ計算します。
2. マンションの固定資産税が高い外壁ベスト5
つぎに、非木造住宅の固定資産税が高い外壁をご紹介しましょう。
非木造住宅とは鉄筋鉄骨コンクリート造のマンションなどであり、固定資産税が最も高い外壁はカーテンウォールです。
カーテンウォールとはタワーマンションや高層ビルなどに採用されている取り付け式の外壁材であり、形状が複雑で尚且つサッシが組み込まれたカーテンウォールであれば、固定資産税はそのマンションの延べ床面積1㎡あたりにつき831円などにもなります。
また、石材系仕上げの外壁も固定資産税が高く、グレードが高い石材が使用されていれば、固定資産税はそのマンションの延べ床面積1㎡あたりにつき795円などです。
固定資産税が高いマンションの外壁は、総務省の告示「固定資産評価基準」の127ページ「別表第12 非木造家屋再建築費評点基準表 2 事務所、店舗、百貨店用建物以外の建物 (1) 住宅、アパート用建物」に記されている各外壁材の標準評点数で確認できます。
マンションの外壁の固定資産税は、別表第12に記されている各外壁材の標準評点数を基に税額が計算され、標準評点数が高い外壁材ほど固定資産税が高くなります。
ここから、別表第12に記されている標準評点数を基に、固定資産税が高いマンションの外壁材のランキングベスト5をご紹介しましょう。
- 1位 カーテンウォール
- 固定資産税が最も高いマンションの外壁はカーテンウォールです。複雑な形状でサッシが組み込まれたカーテンウォールであれば標準評点数は59,910点にもなり、固定資産税を単純に計算すると、そのマンションの延べ床面積1㎡あたりにつき838円などと高額です。
- 2位 石材系仕上
- 固定資産税が2番目に高いマンションの外壁は石材系仕上の外壁材です。石材系仕上の外壁材の標準評点数は39,790点などであり、固定資産税を単純計算すると、そのマンションの延べ床面積1㎡あたりにつき557円などになります。
- 3位 ステンレス板
- マンションの外壁で固定資産税が3番目に高いのは、ステンレス鋼板で作られた外壁材です。ステンレス鋼板の外壁材が使われたマンションは決して多くありませんが、その標準評点数は36,720点であり、固定資産税を単純に計算すると、そのマンションの延べ床面積1㎡あたりにつき514円などとなります。
- 4位 ホーロー鋼板
- マンションの外壁で4番目に固定資産税が高いのは、ホーロー鋼板で作られた外壁材です。ホーロー鋼板の外壁材の標準評点数は34,580点であり、固定資産税を単純計算すると、そのマンションの延べ床面積1㎡あたり484円などになります。
- 5位 結晶化ガラス
- 固定資産税が5番目に高いマンションの外壁は、結晶化ガラスで作られた外壁材です。結晶化ガラスの外壁材はエントランス部分などに採用されていることが多く、標準評点数は34,480点であり、単純に固定資産税を計算すると、そのマンションの延べ床面積1㎡あたりにつき482円などとなります。
以上が、固定資産税が高いマンションの外壁ランキングベスト5です。
なお、マンションの固定資産税は、まずはマンション一棟丸ごとの固定資産税を計算し、その税額が各戸の所有者に按分されます。
よって、カーテンウォールなどの外壁材が使われていたとしても、戸数が多ければ各戸の所有者が負担する固定資産税額が低くなることがあるため留意してください。
また、ご紹介した各外壁材の標準評点数は令和3年の点数であり、定期的に見直されます。
まとめ - 固定資産税が最も安い外壁は繊維強化セメント板
固定資産税が高い外壁をご紹介しました。
一戸建てなどの木造住宅において固定資産税が最も高い外壁はタイルであり、漆喰、サイディングと続きます。
マンションなどの非木造住宅で固定資産税が高い外壁はカーテンウォールであり、石材系仕上、ステンレス鋼板と続きます。
ちなみに、一戸建てなどの木造住宅で固定資産税が最も安い外壁は繊維強化セメント板やスレートボードの外壁材であり、標準評点数は4,750点、固定資産税を単純計算すると延べ床面積1㎡あたりにつき66円などです。
また、コンクリート打ちっぱなしのマンションはスタイリッシュに見えますが、同外壁材の標準評点数は12,480点などであり、固定資産税を単純に計算すると延べ床面積1㎡あたりにつき174円と比較的安価です。
ご紹介した内容が、固定資産税が高い外壁をお調べになる皆様に役立てば幸いです。失礼いたします。
記事公開日:2021年9月
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