固定資産税を安くする建て方とは?

固定資産税を安くする建て方とは?

新築をご予定で固定資産税を安くしたいなら、安くする建て方を知っておかなければなりません。

総務省の告示「固定資産評価基準」を基に、固定資産税を安くする建て方のセオリーをご紹介しましょう。

なお、ご紹介する固定資産税を安くする建て方は木造の一戸建て住宅に関する内容であり、鉄筋鉄骨コンクリート造や鉄骨造の住宅には該当しないため注意してください。

目次

固定資産税を安くする建て方の根拠

はじめに、この記事でご紹介する固定資産税を安くする建て方の根拠をご説明します。

この記事では固定資産税を安くする建て方をご紹介しますが、総務省の告示「固定資産評価基準」を基にご紹介します。

固定資産評価基準とは、土地や家屋、償却資産など、固定資産税が課せられる対象となる物件の固定資産税を計算する方法などが記された告示です。

以下が固定資産評価基準となっています。

固定資産税を安くする建て方は固定資産評価基準で確認できる

出典:総務省「固定資産税の概要

新築の木造住宅の固定資産税は、固定資産評価基準の12ページ「別表第8 木造家屋再建築費評点基準表 1 専用住宅用建物」に記されている標準評点数と補正係数を基に計算されます。

よって、一戸建て木造住宅の固定資産税が安くなる木造住宅の建て方は、固定資産評価基準の別表8を確認すれば把握することが可能です。

それでは、固定資産評価基準の別表8を基に、固定資産税が安くなる木造住宅の建て方をご紹介しましょう。

なお、この記事では、まずは固定資産税が安くなる屋根と外壁の建て方をご紹介し、順次、基礎や内壁などの建て方も追記するためご了承ください。

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1. 屋根は「腰折れ屋根」を避ける

固定資産税を安くするには、屋根材の種類、屋根の形状、勾配の大小、軒の大きさを考慮してください。

第一に、屋根材です。

固定資産税が最も高い屋根材は銅板であり、建材型ソーラーパネル、瓦、ステンレス鋼板、スレートボード、アスファルトシングルと続きます。

この中で一般的な住宅で使用されるのは瓦やアスファルトシングルですが、瓦の固定資産税を単純計算すると建て床面積1㎡あたりにつき239円程度など、アスファルトシングルは128円程度などです。

よって、固定資産税を安くする建て方として、瓦ではなくアスファルトシングルの屋根材を選ぶのが理想となります。

余談ですが、ソーラーパネルには屋根材と一体化された「建材型」と、屋根の上に乗せる「屋根置き型」がありますが、固定資産税が掛かるのは建材型のみです。

そのため、固定資産税を安くする建て方を模索しつつもソーラーパネルの設置を希望する場合は、屋根置き型をお選びになるのが良いでしょう。

ただし、屋根置き型のソーラーパネルは、雨漏りしやすいなどのデメリットがあるため注意してください。

第二に、屋根の形状です。

固定資産税が高くなる屋根の形状は、腰折れ屋根、マンサード、越屋根であり、固定資産税を安くしたいのであればそれらは避ける必要があります。

腰折れ屋根やマンサードとは北欧風の住宅などで見かける途中で角度が変わる屋根であり、広い小屋裏を設置できるなどのメリットがあります。

越屋根とは、天辺付近が飛び出す採光性に優れた屋根です。

固定資産税を安くする建て方として腰折れ屋根はタブー

腰折れ屋根、マンサード、越屋根は施工に手間が掛かると共に建築費が嵩み、建築費が嵩む屋根は固定資産税が高くなります。

ちなみに、片流れは最も建築費が安く済みますが、固定資産税が安くなるなどのメリットは特にありません。

片流れの固定資産税は、切妻や寄棟と同程度です。

第三に、勾配の大小です。

屋根は勾配が小さければ固定資産税が安くなり、勾配が大きければ固定資産税が高くなります。

具体的には、10分の5程度の勾配の屋根が標準的な税額となり、10分の7程度であればその1.1倍など、10分の3程度であれば0.9倍などとなります。

屋根は角度が急なほど建築費が高くなりますが、建築費が高くなる屋根は固定資産税も高くなるため、固定資産税を安くする建て方を模索するのであれば勾配は抑えなくてはなりません。

第四に、軒の大きさです。

固定資産税を安くするためには、軒の出っ張りを45cm程度に抑える必要があります。

軒出が45cmを超えれば、軒出が45cmの住宅と比べて屋根に掛かる固定資産税が1.2倍程度になることがあります。

よって、固定資産税が安くなるように建てたいのであれば、軒出は45cm程度に抑えるのが賢明です。

なお、最近は軒出がほとんどない片流れの住宅などを見かけますが、軒がない住宅は雨の日に窓を開けると雨水が吹き込みやすいことがあるため注意してください。

固定資産税を安くする屋根の建て方をまとめると以下のとおりです。

固定資産税を安くする建て方 - 屋根編 -
  • 瓦ではなくアスファルトシングルを選ぶ
  • 腰折れ屋根などの形状は避ける
  • 勾配を大きくしない
  • 軒出は45cm程度にする
  • ソーラーパネルは屋根置き型を選ぶ

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2. 外壁は建物の凹凸を減らす

固定資産税を安くする建て方として、外壁材の種類と建物の形状、建物の外周に占めるドアや窓の面積、階高に考慮する必要があります。

第一に、外壁材の種類です。

固定資産税が最も高い外壁材はタイルであり、漆喰、サイディングと続きます。

タイルの固定資産税を単純に計算すると、その一戸建て住宅の延べ床面積1㎡あたり166円程度など、漆喰は162円程度など、サイディングは105円程度などです。

よって、固定資産税を安くしたいのであれば、外壁材はサイディングを選ぶ必要があります。

第二に、建物の形状です。

外壁に掛かる固定資産税は、建物の平面の形状が正方形に近く凹凸が少なければ安くなり、長方形に近く凹凸が多ければ高くなります。

これは、平面の形状が正方形に近く凹凸が少ない建物は施工量が少ないと判断されるためであり、施工量が少ない家屋は固定資産税が安くなります。

固定資産税を安くする建て方を模索するのであれば、平面の形状が正方形に近く凹凸が少ない住宅を建てる必要があります。

固定資産税を安くするには建物の凹凸を減らす

第三に、建物の外周に占めるドアや窓の面積です。

外周に占めるドアや窓の面積は、小さければ固定資産税が高くなり、大きければ固定資産税は安くなります。

よって、固定資産税を安くしたいのであれば、窓がない家を建てることなどは避けなければなりません。

第四に、階高です。

階高とは各階の高さであり、1階と2階、または2階と3階など、各階の床面から床面までの高さを意味します。

住宅の標準的な階高は2.7m程度ですが、階高が3m程度であれば外壁部分に掛かる固定資産税は標準的な階高の住宅の1.1倍程度に、階高が2.4mであれば0.9倍程度となります。

そのため、固定資産税を安くする建て方として、 階高が高い住宅を建てることなどは避け、標準的な階高の住宅を建てる必要があります。

イレギュラーな住宅は、固定資産税が高くなりがちです。

ちなみに、固定資産税が最も安い外壁材は、繊維強化セメント板、またはスレートボードとなっています。

これから新築を建てる状況において繊維強化セメント板やスレートボードの外壁を選ぶことは稀ですが、ぜひご参考になさってください。

固定資産税が安くなる外壁の建て方をまとめると以下のとおりです。

固定資産税を安くする建て方 - 外壁編 -

  • タイルや漆喰ではなくサイディングの外壁材を選ぶ
  • 建物の平面の凹凸を少なくし、できるだけ正方形に近い家を建てる
  • 適度に窓やドアを配置し、窓がない家などは避ける
  • 階高は2.7m程度など標準にする

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まとめ - 固定資産税と耐久性のバランスを鑑みつつ新築する

固定資産税を安くする建て方をご紹介しました。

木造の一戸建て住宅は、屋根材はアスファルトシングルを選ぶ、腰折れ屋根などは避け勾配を大きくしない、軒出を45cm程度に抑える、ソーラーパネルは屋根置き型を選ぶことなどで固定資産税を安くすることができます。

また、建物の外周の凹凸を減らす、外壁材はサイディングを選ぶ、適度にドアや窓を設置する、階高を2.7m程度などに抑えることでも固定資産税を安くすることが可能です。

この他にも、基礎や設備など様々な箇所を考慮することにより固定資産税を安く抑えることができますが、順次追記します。

なお、この記事でご紹介したとおり、固定資産税はグレードが低い建材を使用するほど安くなります。

たとえば、屋根材であれば、瓦よりアスファルトシングルの方が固定資産税が安くなるといった具合です。

また、外壁材であれば、タイルよりサイディングの方が固定資産税が安くなります。

しかし、メンテナンス費用という側面から鑑みると、アスファルトシングルやサイディングは耐久性が低く、瓦やタイルよりランニングコストが掛かります。

ランニングコストが高くなれば、固定資産税が安いというメリットが薄れてしまいます。

よって、住宅を新築する際は、固定資産税が安くなるだけの理由で屋根材や外壁材を選ばないように注意してください。

住宅を新築する際は耐久性と固定資産税のバランスを慎重に検討することが大切であり、固定資産税が安く済む建て方が必ず正解とは限りません。

ご紹介した内容が、固定資産税が安くなる住宅の建て方をお調べになる皆様に役立てば幸いです。失礼いたします。

記事公開日:2021年9月

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