固定資産税が安くなるのは何年から?

固定資産税が安くなるのは何年から?

固定資産税は、築年数が何年目から安くなるというわけではなく、木造であれば15年から35年をかけて新築時の20%程度まで徐々に下がります。

また、マンションなどの鉄骨鉄筋コンクリート造の固定資産税は、60年をかけて新築時の20%程度までなだらかに下がることとなります。

一方、土地の固定資産税は、何年目から下がるなどの概念はなく、周辺の地価に応じて高くなったり安くなったりします。

家屋や土地など、不動産の固定資産税が何年で安くなるかご紹介しましょう。

目次

1. 木造は15年から35年で約20%まで固定資産税が安くなる

まずは、木造の家屋の固定資産税が何年で安くなるかご紹介しましょう。

木造の固定資産税は、新築時の建築費によって何年で安くなるか異なります。

新築時の建築費が安価であれば、固定資産税は15年で新築時の約20%まで安くなります。

新築時の建築費が高額であれば、固定資産税は35年などをかけて新築時の約20%まで徐々に安くなることとなります。

木造の家屋の固定資産税は、新築時の建築費によって何年で安くなるか異なり、建築費が安価であれば早く、建築費が高額であればゆっくりと安くなります。

木造は新築時の建築費によって固定資産税が何年で安くなるか異なる

具体的な下がり具合は、総務省の告示「固定資産評価基準 第二章 家屋」に掲載されている「別表第9 木造家屋経年減点補正率基準表」にて確認することが可能です。

注釈
固定資産評価基準とは、市町村が家屋や土地の固定資産税を計算するために、家屋や土地の適正な時価を評価する方法が記された手引書であり、総務大臣が内容を定め、総務省が告示しています。

家屋や土地を所有すると市町村から固定資産税が課されますが、その税額は、固定資産評価基準に記された手順を基に市町村によって評価された、家屋や土地の適正な時価を基に計算されます。

以下が「別表第9 木造家屋経年減点補正率基準表」です。

木造の固定資産税が何年で安くなるかわかる総務省の告示

画像をクリックすれば大きな表が表示されます

表は左の列から55,120点未満、55,120点以上86,320点未満、86,320点以上133,120点未満、133,120点以上に分かれています。

55,120点未満などと記されている点数は再建築費評点数と呼ばれる点数ですが、ここではひとまず、その点数を1点あたり1円に換算した額が、新築時における、延べ床面積1平方メートルあたりの建築費を表すと解釈してください。

表の一番左の列に記されている点数は「55,120点未満」ですが、その列は「新築時の1平方メートルあたりの建築費が55,120円未満など」の家屋の固定資産税が何年で安くなるか記されています。

また、各列には「経過年数」と「経年減点補正率」が記されていますが、経過年数が築年数を表し、経年減点補正率が築年数が経過することにより固定資産税がどの程度安くなるか表しています。

たとえば、表の一番左の列の「55,120点未満」は、経過年数が5の箇所の経年減点補正率は0.62ですが、それは新築時の1平方メートルあたりの建築費が55,120円未満などの家屋は、築5年で新築時の約62%まで固定資産税が安くなることを意味します。

加えて、表の一番左の列の「55,120点未満」の経過年数が10の箇所の経年減点補正率は0.41ですが、それは新築時の1平方メートルあたりの建築費が55,120円未満などの家屋は、築10年で新築時の約41%まで固定資産税が安くなることを表しています。

さらに、表の一番左の列の「55,120点未満」の経過年数が15以上の箇所の経年減点補正率は0.20ですが、それは新築時の1平方メートルあたりの建築費が55,120円未満などの家屋は、築15年で新築時の約20%まで固定資産税が安くなり、それよりは下がらないことを意味します。

表の左から二番目と三番目、四番目の列も同様にお考えください。

そして、それぞれの列をわかりやすく簡単にまとめると、以下のようになります。

新築時の1平方メートルあたりの建築費が55,120円未満などの家屋(表の一番左の列)
新築時の延べ床面積1平方メートルあたりの建築費が55,120円未満などの家屋の固定資産税は、築8年で新築時の約半分まで、築15年で2割程度まで安くなります。
新築時の1平方メートルあたりの建築費が55,120円以上86,320円未満などの家屋(表の左から二番目の列)
新築時の延べ床面積1平方メートルあたりの建築費が55,120円以上86,320円未満などの家屋の固定資産税は、築10年で新築時の約半分まで、築17年で3割を切る程度まで、築20年で2割程度まで安くなります。
新築時の1平方メートルあたりの建築費が86,320円以上133,120円未満などの家屋(表の左から三番目の列)
新築時の延べ床面積1平方メートルあたりの建築費が86,320円以上133,120円未満などの家屋は、築12年で新築時の約半分まで、築21年で3割を切る程度まで、築25年で2割程度まで固定資産税が安くなります。
新築時の1平方メートルあたりの再建築費が133,120円以上などの家屋(表の一番右の列)
新築時の延べ床面積1平方メートルあたりの建築費が133,120円以上などと高額な家屋は、築16年で新築時の約半分まで、築29年で3割を切る程度まで、築35年で2割程度まで固定資産税が安くなります。

以上のように木造家屋の固定資産税は、新築時の建築費によって何年で安くなるか異なり、建築費が安価であれば早く、建築費が高額であればゆっくりと安くなります。

なお、築年数が経過することにより安くなるのは、家屋の部分の固定資産税に限られるため留意してください。

一戸建てを購入すると、多くの場合は家屋と土地の両方を取得しますが、築年数が経過することにより安くなるのは、家屋の固定資産税のみとなっています。

家屋が建つ土地の固定資産税は、購入から何年目で安くなるなどの概念はなく、周辺の地価によって変動し、地価が上がれば税額も上がり、地価が下がれば税額も下がります。

つづいて、マンションなど、鉄骨鉄筋コンクリート造の家屋の固定資産税が何年で安くなるかご紹介しましょう。

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2. 鉄骨鉄筋コンクリート造は60年で約20%まで固定資産税が安くなる

ここからは、鉄骨鉄筋コンクリート造の家屋の固定資産税が何年で安くなるかご紹介しましょう。

鉄骨鉄筋コンクリート造の家屋の固定資産税は、新築から15年で6割を切る程度まで、26年で約半分まで、49年で約3割弱まで、60年で約2割まで安くなります。

60年が経過すれば、それより安くなることはなく、建物として機能する限り固定資産税が永遠に課されます。

これは、鉄骨鉄筋コンクリート造のマンションも一戸建ても同じです。

鉄骨鉄筋コンクリート造の固定資産税は60年で安くなる

鉄骨鉄筋コンクリート造の家屋の固定資産税が何年目から安くなるかは、総務省の告示「固定資産評価基準 第二章 家屋」に記されている表「別表第13 非木造家屋経年減点補正率基準表」にて確認することが可能です。

以下が同表であり、一番左の赤い線で囲まれた列にて、鉄骨鉄筋コンクリート造の固定資産税が何年で安くなるかご確認いただけます。

鉄骨鉄筋コンクリート造の固定資産税が何年で安くなるかわかる総務省の告示

画像をクリックすれば大きな表が表示されます

たとえば、経過年数が15の箇所の経年減点補正率は0.5947ですが、それは15年をかけて新築時の約6割まで固定資産税が下がることを意味します。

加えて、経過年数が26の箇所の経年減点補正率は0.4982ですが、それは26年をかけて新築時の約5割まで固定資産税が安くなることを表します。

さらに、経過年数が60以上の箇所は経年減点補正率が0.2000ですが、それは築60年で固定資産税が新築時の約2割まで安くなり、それよりは下がらないことを意味します。

鉄骨鉄筋コンクリート造の家屋は木造より長持ちしますが、固定資産税も木造より下がりにくく、長い年月をかけてゆっくり安くなります。

ちなみに、表の左から二列目の「煉瓦造、コンクリートブロック造及び石造」の箇所には、煉瓦造、コンクリートブロック造、石造の家屋の固定資産税が何年で安くなるか記され、表の見方は鉄骨鉄筋コンクリート造と同じです。

また、表の左から三列目以降は、鉄骨造の固定資産税が何年目で安くなるか記され、表の見方は同じとなっています。

なお、鉄骨鉄筋コンクリート造のマンションを購入すると、多くの場合は一戸部分と土地の持分を取得し、その両方に固定資産税が課されますが、ご紹介したように築年数が経過することにより固定資産税が安くなるのは、一戸部分の固定資産税のみのため留意してください。

土地は劣化することがないため、築年数が経過することによりその土地に建つ家屋が劣化しても、土地の持分の固定資産税は下がらないこととなります。

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3. 土地のみの固定資産税は、地価に応じて変動する

最後に、家屋などの建物が建てられていない、土地のみの固定資産税が何年で安くなるかご紹介しましょう。

土地のみの固定資産税は、購入から何年後に安くなるなどの概念はなく、周辺の地価に応じて変動します。

具体的には、周辺の地価が上昇すれば固定資産税も高くなり、周辺の地価が下がれば固定資産税も下がります。

地価は周辺の景気、立地条件などによって変動するため、土地の固定資産税は、景気や立地条件によって変動すると考えることが可能です。

土地の固定資産税は、何年目から安くなるなどの概念はない

また、土地の固定資産税は、現状に応じた額が課されます。

たとえば、登記簿に記されている地目が宅地であっても、そのままでは建物を建てることができない状態であれば雑種地などとみなされ、固定資産税が安くなります。

反対に、地目が雑種地であっても、いつでも建物を建てることができるように整地されていれば、宅地並みの固定資産税が課されることととなります。

これを理由に、整地されていない土地を所有しつつ固定資産税を安く抑えたい場合は、整地を先送りするのが良いでしょう。

なお、固定資産税には、住宅用地の特例などと呼ばれる課税標準の特例が設けられています。

住宅用地の特例とは、住宅が建つ土地の固定資産税が、更地より安くなる特例です。

よって、更地を所有しつつ固定資産税を安くしたい場合は、住宅を建てることもご検討ください。

ちなみに、固定資産税をパパッと解説では、土地のみの固定資産税を安くする方法をご紹介するコンテンツを公開中です。

土地のみを所有し、固定資産税を安くする方法をお調べの方がいらっしゃいましたら、ぜひご覧ください。

関連コンテンツ
土地の固定資産税を減税する方法

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まとめ - 本記事の注意点(新築された住宅に対する固定資産税の減額)

家屋や土地など、不動産の固定資産税が何年で安くなるかご紹介しました。

家屋は、木造と鉄骨鉄筋コンクリート造によって固定資産税が安くなる年数が異なります。

木造の家屋は、新築時の1平方メートルあたりの建築費が安価であれば15年をかけて、高額であれば35年をかけて固定資産税が約20%まで安くなります。

一方、鉄骨鉄筋コンクリート造の家屋は、1平方メートルあたりの建築費を問わず、60年をかけて新築時の固定資産税の約20%まで固定資産税が下がります。

約20%まで固定資産税が安くなれば、その家屋が建物として機能する限り、永遠に固定資産税が課されます。

また、木造、鉄骨鉄筋コンクリート造を問わず、築年数が経過することにより安くなるのは建物部分の固定資産税のみであり、土地部分の固定資産税は安くなりません。

家屋が建つ土地の固定資産税は、何年目から安くなるなどの概念はなく、その周辺の地価に応じて変動し、地価が上昇すれば税額も上がり、地価が下降すれば税額も下がります。

家屋が建てられていない土地のみの固定資産税も同じであり、周辺の地価によって変動します。

不動産の固定資産税が何年で安くなるかお調べの方がいらっしゃいましたら、ぜひご参考になさってください。

なお、固定資産税には「新築された住宅に対する固定資産税の減額」という措置が設けられています。

新築された住宅に対する固定資産税の減額とは、一定の条件を満たす新築を購入することにより、木造であれば3年間など、鉄骨鉄筋コンクリート造であれば5年間などにわたり、固定資産税が2分の1に減額される措置です。

同措置は、床面積が50平方メートル以上280平方メートル以下の住宅を購入するなどの条件を満たせば適用されるため、多くの新築は同措置が適用されています。

つまり、多くの新築住宅は、3年間や5年間などに渡り、固定資産税が本来の税額の50%に減額されているというわけです。

市町村役場のホームページで「固定資産税のよくある質問」を見ると、「4年前に新築を購入したのですが、今年から突然固定資産税が高くなりました。なぜですか?」などの質問が記されていますが、それは、同措置の適用期間が終了したことが理由です。

そして、本記事では、木造の家屋であれば15年から35年をかけて、鉄骨鉄筋コンクリート造であれば60年をかけて、固定資産税が新築時の約20%まで安くなるとご紹介しましたが、「新築された住宅に対する固定資産税の減額」は考慮していないため留意してください。

本記事では、新築時の固定資産税額を同措置が適用されてない状態である100%とみなし、木造の家屋であれば15年から35年をかけて、鉄骨鉄筋コンクリート造であれば60年をかけて、固定資産税が新築時の本来の税額の約20%まで安くなるとご紹介させていただきました。

都市計画税の計算式
課税標準額×税率=都市計画税

本記事の注意点

ご紹介した内容が、不動産の固定資産税が何年で安くなるかお調べの皆様に役立てば幸いです。失礼いたします。

記事公開日:2022年3月

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