固定資産税に裏ワザはない

固定資産税に裏ワザはない

固定資産税には裏ワザと呼べるような抜け道はなく、市町村によって容赦なく徴収されます。

とはいうものの、注文住宅は建築費を抑える、マンションは狭い土地に建つ戸数が多い物件を購入するなどすれば、固定資産税を安くすることが可能です。

また、PayPayで固定資産税を支払い、PayPayポイントを貯めるという賢い払い方もあります。

裏ワザとはいえないものの、固定資産税を安くする方法を解説しましょう。

目次

注文住宅の固定資産税を安くする裏ワザ

裏ワザとは呼べませんが、注文住宅である建物の固定資産税を安くする方法に建築費を抑えるという技があります。

固定資産税は、対象となる資産の時価を基に税額を計算するという概念があり、時価が高い資産ほど税額が高くなります。

新築の建物の時価とは、その建築費です。

すなわち、注文住宅である建物は、建築費を抑えれば固定資産税が安くなるというわけです。

注文住宅の建築費を抑える方法は数多くありますが、手本とすべきはローコスト住宅であり、ローコスト住宅を真似れば固定資産税を安くできます。

ローコスト住宅の特徴は以下のとおりであり、書店でローコスト住宅の本を探せばより多くの情報が手に入るでしょう。

固定資産税を安くできるローコスト住宅の特徴

  • 床面積が狭く総二階
  • 片流れなど屋根の形状が単純
  • 部屋数が少なく間取りが単純
  • ユニットバスやシステムキッチンのサイズが小さい
  • アスファルトシングルなど安価な屋根材が使用されている
  • サイディングなど一般的な外壁材が使用されている
  • 複合フローリングなど安価な床材が使用されている

ちなみに「総務省:固定資産税の概要」では、固定資産税のあらましをご確認いただけます。

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マンションの固定資産税を安くする裏ワザ

裏ワザとはいえませんが、マンションを購入する際に、敷地面積が小さい土地に建つ戸数が多い物件を選んで固定資産税を安くするという技があります。

マンションの一戸を購入すると、地上権などである場合は除き、建物である「一戸部分」と、土地である「土地の持ち分」を所有することとなり、それぞれに固定資産税が課されます。

マンションを購入すると建物と土地を所有することとなり、それぞれに固定資産税が課される

一戸部分と土地の持ち分の固定資産税ですが、実は、マンション全体の税額を基に計算されます。

一戸部分の固定資産税は、まずは一棟全体の税額が計算され、その税額が各戸の所有者に割り振られます。

たとえば、一棟全体の固定資産税が500万円、戸数が100のマンションであれば「500万円÷100戸=5万円」と計算し、各戸の所有者に一戸部分の固定資産税として5万円が課されるといった具合です。

土地の持ち分の固定資産税も同様であり、まずはマンションが建つ土地全体の税額が計算され、その税額が各戸の所有者に割り振られます。

例を挙げると、土地全体の固定資産税が300万円、戸数が100のマンションであれば「300万円÷100戸=3万円」と計算し、各戸の所有者に土地の持ち分の固定資産税として3万円が課されるといった具合です。

土地の固定資産税は、立地条件が同じであれば、面積が狭いほど安くなります。

よって、マンションの固定資産税は、狭い土地に建つ戸数が多い物件ほど税額が安くなります。

マンションの固定資産税を安くする裏ワザに、狭い土地に建つ戸数が多い物件を購入するという技がある

なお、各戸の所有者に割り振られる固定資産税は、実際には均等ではないため注意してください。

実際には、床面積が広い戸を所有するほど割り振られる税額が多くなります。

つまり、マンションの一戸を購入しつつ固定資産税をとことん安くしたい場合は、狭い土地に建つ戸数が多い物件の中に位置する、床面積が狭い戸を購入するのが良いというわけです。

そこまで固定資産税を安くすることにこだわりつつマンションを購入すれば、裏ワザを出したといえるかもしれません。

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土地を雑種地にして固定資産税を安くする裏ワザ

裏ワザとは呼べませんが、所有する宅地を雑種地にして固定資産税を安くするという技があります。

固定資産税における宅地とは、現時点で建物が建つ土地、またはいつでも建物を建てることができる状態の土地を指します。

一方、固定資産税における雑種地とは、現時点で宅地や田、畑、山林、原野などに該当しない土地です。

一般に土地の固定資産税は、現時点で宅地である土地より、現時点で雑種地である土地の方が安い傾向があります。

よって、宅地を所有しつつその固定資産税が高いのであれば、雑種地にすれば多くの場合は税額が安くなります。

ただし、宅地を雑種地にするためには、多くの手間がかかるのが難点です。

具体的には、建物があれば撤去し、森のように木を生い茂るなどさせなければなりません。

土地の固定資産税を安くする裏ワザとして雑種地にするという技がある

なお、駐車場や資材置き場も登記簿上の地目は雑種地ですが、その状況の雑種地は、固定資産税が宅地並みとなることが多いため注意してください。

固定資産税が安くなる雑種地とは、宅地や田、畑、山林、原野などに該当しない荒れ地を指します。

ちなみに、当サイト「固定資産税をパパッと解説」では、固定資産税における地目の考え方などを解説する記事を公開中です。

興味のある方がいらっしゃいましたら、ぜひご覧ください。

お役立ちリンク
固定資産税の地目に高い順や安い順はある?

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固定資産税を払ってPayPayポイントを貯める裏ワザ

裏ワザとはいえませんが、PayPayクレジットで固定資産税を納付してPayPayポイントを貯めるという技があります。

貯まったPayPayポイントはコンビニやスーパー、ドラッグストア、飲食店、家電量販などで使用することが可能です。

ただし、この技を繰り出すためには、多くの体力を要します。

固定資産税の払い方の裏ワザにPayPayで納付するという技がある

ここから、PayPayクレジットで固定資産税を納付してPayPayポイントを貯める手順の一例をご紹介しましょう。

まずは、審査を受けつつ「PayPayカード」という名称のクレジットカードを作ります。

クレジットカードを作るだけに信用情報が調査され、場合によっては勤務先に電話があるかもしれません。

つぎに、審査に通ればお使いのスマートフォンにPayPayアプリをインストールし、PayPayの利用代金の支払い方法にPayPayカードを登録します。

これにより、PayPayアプリを利用して買い物などをすると、利用代金がPayPayカードから支払われるようになります。

最後に、PayPayアプリで固定資産税の納付書に印刷されているQRコードをスキャンし、PayPayクレジットで固定資産税を納付します。

PayPayクレジットとは、PayPayアプリの支払い手段の一つであり、PayPayクレジットで固定資産税を支払えばPayPayポイントが貯まります。

固定資産税を支払いつつPayPayポイントを貯める裏技の手順

  1. 審査を受けつつPayPayカードを作る
  2. スマホにPayPayアプリをインストールする
  3. PayPayアプリの支払い方法にPayPayカードを登録する
  4. PayPayアプリで固定資産税の納付書に印刷されているQRコードをスキャンし、PayPayクレジットで納付する

なお、PayPayクレジットは、PayPayカードから「PayPay残高」にチャージしつつ使用することもできますが、その方法でチャージしたPayPay残高から固定資産税を納付した場合は、ポイントは付与されないため注意してください。

また、市町村によっては、残念ながらPayPayクレジットでの固定資産税の納付に対応していません。

日本には約1,700の市町村が存在しますが、私がこの記事を作成する2025年5月の時点では、約1,200の市町村のみがPayPayクレジットでの固定資産税の納付に対応しています。

加えて、PayPayは、頻繁にポイントの付与条件が見直されます。

よって、PayPayクレジットでの固定資産税の納付を希望する場合は、まずは、その市町村がPayPayクレジットに対応しているか確認してください。

市町村のホームページに設置されている検索窓に「固定資産税 PayPay」などと入力しつつ検索すれば確認できます。

対応していれば、PayPayの公式サイトでその時点の最新のポイントの付与条件を確認し、条件を満たすのであればPayPayクレジットで固定資産税をお支払いください。

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まとめ - 固定資産税が払えないときの裏ワザに減免申請がある

固定資産税の裏ワザをご紹介しました。

固定資産税には裏ワザと呼べるような抜け道はありませんが、注文住宅は建築費を安くする、マンションは狭い土地に建つ戸数が多い物件を購入する、宅地は雑種地にするなどすれば税額を安くできます。

また、PayPayで固定資産税を納付してPayPayポイントを貯めるという賢い払い方もあります。

固定資産税の裏ワザを探す方がいらっしゃいましたら、ぜひご参考になさってください。

なお、こちらも裏ワザとはいえませんが、貧困などを理由に固定資産税を払えないときの対処法に市町村役場に減免申請をするという技があります。

固定資産税の減免申請とは、固定資産税を納付できない状況であることを理由に減免を希望することを申請することです。

申請を行えば申請者の現状が調査され、市町村長が妥当であると判断すれば固定資産税が減免されます。

本記事の内容が、皆様に役立てば幸いです。失礼いたします。

記事公開日:2025年5月

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