固定資産税の免税点とは?

固定資産税の免税点とは

固定資産税の免税点とは、固定資産税が課せられない課税標準の合計額です。

しかし、これではわかりにくいため、固定資産税の免税点を図解でわかりやすくご説明しましょう。

なお、ご紹介する内容は不動産の固定資産税の免税点に関することであり、償却資産に課せられる固定資産税の免税点には該当しないため注意してください。

目次

1. 固定資産税の免税点とは

それでは、固定資産税の免税点をわかりやすくご説明しましょう。

さて、皆さんは、土地や建物などの不動産を所有すると固定資産税が課せられることをご存じでしょうか。

固定資産税とは、土地や建物などの不動産を所有することにより課せられる税金であり、その不動産が所在する市町村に納付する地方税です。

そして、固定資産税は、所有するひとつの不動産につきひとつずつ課税されます。

たとえば、土地を1筆所有する場合はその1筆に対して、2筆所有する場合はその2筆に対して個別に課税されます。

建物を所有する場合も同じであり、1軒所有する場合はその1軒に、2軒所有する場合は2軒の両方に個別に課税されることとなります。

固定資産税は課税標準に税率を乗算しつつ税額が決定され、固定資産税を計算する具体的な式は以下のとおりです。

固定資産税の計算式
課税標準×税率=固定資産税

以上が固定資産税を計算する式であり、式に含まれる税率は市町村によって異なるものの概ね1.4%です。

また、式に含まれる課税標準とは、主にその不動産の固定資産税評価額となっています。

固定資産税評価額とは、その不動産の固定資産税を計算するために市町村が評価した、その不動産の価額です。

価額とは価値から鑑みた価格という意味であり、固定資産税評価額は売買価格や実勢価格より安くなるのが通例となっています。

たとえば、1,000万円で売買される土地の固定資産税評価額は、その70%である700万円などです。

それから、建築費が2,000万円である新築の建物の固定資産税評価額は、その60%である1,200万円といった具合です。

ところで、固定資産税は、同一の人物が同一の市町村内に所有する土地の課税標準の合計が30万円未満、建物の課税標準の合計が20万円未満であれば課せられないこととなっています。

この固定資産税が課せられない課税標準の合計である30万円未満、または20万円未満が固定資産税の免税点です。

先にご紹介したとおり、固定資産税を計算する式に含まれる課税標準とは、主にその不動産の固定資産税評価額です。

ようするに、同一の市町村内で所有する土地の固定資産税評価額の合計が30万円未満など、同一の市町村内で所有する建物の固定資産税評価額の合計が20万円未満であれば、免税点により固定資産税が課せられないというわけです。

固定資産税の免税点とは、固定資産税が課せられない課税標準の合計額

ちなみに固定資産税をパパッと解説では、固定資産税評価額をわかりやすく解説するコンテンツも公開中です。お時間のある方は、ぜひご覧ください。

関連コンテンツ
固定資産税評価額とは?評価額の出し方など解説

▲ 目次に戻る

2. 免税点未満の土地や家屋とは

固定資産税の免税点とは、固定資産税が課せられない課税標準の合計額です。

同一の人物が同一の市町村内で所有する土地の課税標準の合計が30万円未満であれば免税点未満となり、固定資産税は課せられません。

また、同一の人物が同一の市町村内で所有する建物の課税標準の合計が20万円未満であれば免税点未満となり、同じく固定資産税は課せられないこととなります。

そこで気になるのが、課税標準が30万円未満の土地や20万円未満の建物の具体例です。

課税標準が30万円未満の土地とは主に42万円未満などで売買される土地であり、課税標準が20万円未満の建物とは建築費が160万円未満などである築15年以上の建物となります。

売買価格が42万円未満の土地といえば山奥などの土地であり、建築費が160万円未満である建物といえば手作りの建物、または立派な物置くらいでしょうか。

つまり、それくらい価値が低い不動産でなければ固定資産税の免税点未満とはならず、固定資産税が課せられるというわけです。

固定資産税の免税点未満の土地や家屋とは

なお、この記事の「1. 固定資産税の免税点とは」でご紹介しましたが、固定資産税は所有する不動産が所在する市町村から課せられる地方税です。

そのため、複数の市町村で不動産を所有する場合は、それぞれの市町村から固定資産税が課せられることとなりますが、免税点は各市町村で適用されるため留意してください。

固定資産税の免税点は、同一の人物が同一の市町村内に所有する土地の課税標準の合計が30万円未満、建物の課税標準の合計が20万円未満です。

よって、複数の市町村で不動産を所有する場合は各市町村で課税標準の合計を計算しつつ免税点未満であるか確認し、免税点を超える市町村では固定資産税が課せられることとなり、免税点未満である市町村では固定資産税が課せられないこととなります。

固定資産税の免税点は各市町村で適用される

▲ 目次に戻る

まとめ - 市町村によって免税点が異なる場合がある

固定資産税の免税点をわかりやすくご説明しました。

固定資産税の免税点とは、固定資産税が課せられない課税標準の合計額であり、土地の免税点は30万円未満、建物の免税点は20万円未満です。

固定資産税の免税点をお調べの方がいらっしゃいましたら、ぜひご参考になさってください。

なお、土地は30万円未満、家屋は20万円未満が固定資産税の免税点ですが、これは原則として30万円未満や20万円未満であり、市町村によってはそれ以下の場合もあるため注意してください。

固定資産税の免税点は地方税法法という法律の第三百五十一条により規定され、同法律の同条には条例によって市町村は免税点を変えることができると記されています。

地方税法の第三百五十一条をわかりやすくご紹介すると以下のとおりです。

地方税法第三百五十条(固定資産税の免税点)
地方税法第三百五十条(固定資産税の免税点) 市町村は、同一の者がその市町村の区域内において所有する土地、建物、償却資産に課する固定資産税の課税標準となる額の合計が土地は30万円、家屋は20万円、償却資産は150万円に満たない場合は固定資産税を課することができない

ただし、その市町村の条例によって、それらの額に満たない場合であっても固定資産税を課することができる

ご紹介した内容が、固定資産税の免税点をお調べになる皆様に役立てば幸いです。失礼いたします。

記事公開日:2021年7月

▲ 目次に戻る

こちらの記事もオススメです