固定資産税と不動産取得税の違い

固定資産税と不動産取得税の違いとは?

固定資産税は不動産を所有することにより課せられる税金であり、不動産取得税は不動産を取得した際に課せられる税金です。

課せられる理由や税率、税収、どちらが高いなど、固定資産税と不動産取得税の違いをご説明しましょう。

なお、ご紹介する固定資産税の詳細は不動産にかかる固定資産税であり、償却資産の固定資産税には該当しないため注意してください。

目次

1. 課せられる理由の違い

固定資産税と不動産取得税の大きな違いは、課せられる理由と回数です。

固定資産税は1月1日の時点で土地や建物などの不動産を所有する方に課せられる税金であり、その不動産を1月1日の時点で所有する限り課税され続けることとなります。

これに対して不動産取得税は、不動産を取得した際に1度だけ課せられ、その支払いが済めば課税されません。

この課税される理由や回数が、固定資産税と不動産取得税の大きな違いです。

固定資産税と不動産取得税の違い

また、固定資産税はその不動産が所在する地域を管轄する市町村に納付するのに対し、不動産取得税はその不動産が所在する都道府県に納めることとなり、これも違いのひとつです。

さらに、固定資産税は4回に分納することが可能ですが、不動産取得税は原則として分納できず、これも違いとなります。

ただし、固定資産税も不動産取得税どちらも使い道が定められず、福祉や公共サービスなど幅広い分野に使用される普通税であるという点は同じです。

なお、総務省の資料によれば、平成30年度決済における固定資産税の税収は8兆9,958億円です。

一方、不動産取得税の税収は4,035億円であり、固定資産税の税収が大幅に高くなっています。

総務省が公開する固定資産税の資料

総務省が公開する固定資産税の資料

出典:総務省 地方税の概要

総務省が公開する不動産取得税の資料

総務省が公開する不動産取得税の資料

出典:総務省 地方税の概要

このように固定資産税と不動産取得税は、税収にも大きな違いがあります。

▲ 目次に戻る

2. 税率の違い

固定資産税と不動産取得税の主な違いは課せられる理由と回数ですが、税率にも違いがあります。

皆さんがお馴染みの消費税の税率は10%ですが、固定資産税の税率は主に1.4%であり、不動産取得税の税率は原則として4%です。

そして、固定資産税と不動産取得税の計算式は以下のとおりとなっています。

固定資産税の計算式
課税標準×固定資産税の税率(1.4%)=固定資産税

不動産取得税の計算式
課税標準×不動産取得税の税率(4%)=不動産取得税

以上が固定資産税と不動産取得税を計算する式であり、式には課税標準という言葉が含まれますが、課税標準とは主に固定資産税評価額です。

固定資産税評価額とは、その不動産の固定資産税額を計算するために市町村が評価した、その不動産の価額です。

価額はかがくと読み、価額とは価値から鑑みた価格という意味であり、固定資産税評価額は売買価格より低くなるのが通例となっています。

たとえば、売買価格が1,000万円の土地の固定資産税評価額は、その70%程度である700万円などです。

これを基に売買価格が1,000万円の土地の固定資産税を試算すると以下のようになり、その税額は9万8,000円などとなります。

売買価格が1,000万円の土地の固定資産税の試算例
700万円(課税標準)×1.4%(固定資産税の税率)=98,000円

これに対して売買価格が1,000万円の土地の不動産取得税を試算すると以下のようになり、その税額は28万円などです。

売買価格が1,000万円の土地の不動産取得税の試算例
700万円(課税標準)×4%(不動産取得税の税率)=280,000円

このように税額に差があるのも固定資産税と不動産取得税の違いです。

なお、固定資産税と不動産取得税は税金だけに、どちらが高いか気になりますが、先にご紹介した試算例のとおり不動産取得税の方が税率が高いだけに高額になりがちです。

ただし、不動産取得税は1回だけ課せられるのに対し、固定資産税はその不動産を1月1日の時点で所有する限り毎年課せられることとなるため、どちらが高いと断言するのは難しいといえます。

ちなみに、私が運営するもうひとつのサイト「誰でもわかる不動産売買」では、不動産取得税をわかりやすく解説するコンテンツを公開中です。

固定資産税と不動産取得税の違いをより深く理解されたい方がいらっしゃいましたら、ぜひご覧ください。

関連コンテンツ
不動産取得税とは?わかりやすく解説

▲ 目次に戻る

まとめ - 特例措置の数も大きく違う

固定資産税と不動産取得税の違いをご紹介しました。

固定資産税は1月1日の時点で不動産を所有する方に課せられる税金であり、その不動産を所有する限り毎年納税し続けなくてはなりません。

一方、不動産取得税は、不動産を購入するなどして取得した際に1度だけ課せられる税金であり、1回納税するだけで済みます。

これが、固定資産税と不動産取得税の大きな違いです。

また、固定資産税の税率は主に1.4%、不動産取得税の税率は原則として4%であり、税率にも違いがあります。

固定資産税と不動産取得税の違いを表でまとめると以下のとおりです。

固定資産税と不動産取得税の違い

固定資産税 不動産取得税
課せられる理由 1月1日の時点で不動産を所有することを理由に課税される 不動産を取得したことを理由に課税される
課せられる回数 その不動産を所有する限り毎年課税される 不動産を取得した際に1度だけ課税される
税率 1.40% 4%
分納できるか 4回に分納できる 原則としてできない

なお、固定資産税と不動産取得税には、それぞれ税額が減額されるいくつかの特例が設けられています。

たとえば、固定資産税には、住宅が建つ土地にかかる固定資産税が6分の1などに減額される「住宅用地の特例」や、新築住宅の固定資産税が一定期間にわたり軽減される「新築された住宅に対する固定資産税の減額」などが設けられています。

また、不動産取得税には、新築住宅を取得することにより税額が軽減される「新築住宅を取得したときの課税標準の特例」や、中古住宅を取得した際に税額が軽減される「中古住宅を取得したときの課税標準の特例」などが設けられています。

このように、固定資産税と不動産取得税にはいくつかの特例が設けられていますが、不動産取得税の方が特例の数が圧倒的に多いのが特徴です。

これにより、国や地方自治体は、その後に納税者から支払われる固定資産税を目当てに不動産を取得することを推奨していると考えることができます。

固定資産税と不動産取得税は特例の数が違う

ご紹介した内容が、固定資産税と不動産取得税の違いをお調べになる皆様に役立てば幸いです。失礼いたします。

記事公開日:2021年7月

▲ 目次に戻る

こちらの記事もオススメです