5000万のマンションの固定資産税はいくら?

新築の5000万円のマンションの固定資産税は、一戸部分と土地の持分の価格の内訳によって異なるものの、18万円程度などです。
また、5000万円の中古マンションの固定資産税は、新築時の販売価格や築年数によって大きく異なるものの、35万円程度と考えられます。
5000万円のマンションの固定資産税の目安をパパっと簡単にご紹介しましょう。
目次
1. 新築の5000万円のマンションの固定資産税は18万円程度など
まずは、販売価格が5000万円である、新築のマンションの固定資産税の目安をご紹介しましょう。
5000万円の新築のマンションの固定資産税は、物件によって大きく異なり、いくらになると断言できません。
しかし、5000万円のうち一戸部分の価格が4000万円、土地の持分の価格が1000万円であると仮定すると、一戸部分の固定資産税は16万8000円程度、土地の持分の固定資産税は1万6333円程度、合計すると18万4300円程度と試算できます。
また、その物件が都市部に位置する場合は、都市計画税も課されますが、同じく5000万円のうち一戸部分の価格が4000万円、土地の持分の価格が1000万円であると仮定すれば、一戸部分の都市計画税は7万2000円程度、土地の持分の都市計画税は6900円程度、合計すると7万8900円程度と試算することが可能です。
固定資産税と都市計画税を合計すると、26万3200円程度です。

マンションの固定資産税の試算方法は複雑ですが、試算した方法を簡単にご紹介すると、以下のとおりです。
一戸部分の固定資産税の試算方法- 4000万円(販売価格)×60%(販売価格に占める固定資産税評価額の目安)=2400万円(課税標準額)
- 2400万円×1.4%(固定資産税の税率)=33万6000円(本来の固定資産税額)
- 33万6000円÷2=16万8000円(「新築された住宅に対する固定資産税の減額」適用後の固定資産税額)
- 1000万円(販売価格=公示地価)×70%(公示地価の7割)=700万円(本来の課税標準額)
- 700万円÷6(住宅用地の特例の適用)=116万6666円(住宅用地の特例適用後の課税標準額)
- 116万6666円×1.4%(固定資産税の税率)=1万6300円(100円未満切り捨て後の固定資産税額)
- 2400万円(課税標準額)×0.3%(都市計画税の税率)=7万2000円(都市計画税額)
- 1000万円(販売価格=公示地価)×70%(公示地価の7割)=700万円(本来の課税標準額)
- 700万円÷3(住宅用地の特例の適用)=233万3333円(住宅用地の特例適用後の課税標準額)
- 233万3333円×0.3%(都市計画税の税率)=6900円(100円未満切り捨て後の都市計画税額)
上記の試算方法には、販売価格に占める固定資産税評価額の目安、課税標準額、新築された住宅に対する固定資産税の減額、公示地価、公示地価の7割、住宅用地の特例など聞きなれない言葉が含まれますが、詳細は以下のとおりです。
- 販売価格に占める固定資産税評価額の目安
- マンションの一戸部分の固定資産税と都市計画税は、家屋の固定資産税評価額を基に計算されます。
家屋の固定資産税評価額とは、市町村によって評価された、その家屋の適正な時価です。
よって、5000万円の新築のマンションの一戸部分の固定資産税と都市計画税を試算するためには、一戸部分の固定資産税評価額を仮定しなければなりませんが、新築の家屋の固定資産税評価額は、正確な根拠はないものの、おおむね建築費の60%程度といわれます。
そのため、一戸部分の販売価格である4000万円が建築費であると仮定し、その60%である2400万円を固定資産税評価額として試算しました。
しかし、マンションの一戸部分の販売価格は、一戸部分の建築費と一致するとは限らないため注意してください。
新築のマンションは、建築費にディベロッパーが得る利益などが上乗せされた金額を販売価格として設定している物件があります。
それに該当するマンションの一戸部分の販売価格は、一戸部分の建築費より高額であり、ご紹介した固定資産税と都市計画税の目安は該当しません。
販売価格に建築費以外の金額が含まれている新築のマンションの一戸部分の販売価格は、一戸部分の建築費より高額であり、実際に課される固定資産税と都市計画税は、ご紹介した税額の目安よりもう少し安くなります。
固定資産税や都市計画税は、販売価格ではなく建築費、すなわち、その家屋の価額を基に計算されます。 - 課税標準額
- 課税標準額とは、何かしらの税金が課される状況において、税率を掛け算する基となる額であり、課される税金によって意味が異なります。
固定資産税や都市計画税を計算する場合における課税標準額は、原則として一戸部分、または土地の持分の固定資産税評価額ですが、軽減措置が適用される場合は、固定資産税評価額の6分の1、または3分の1などが課税標準額になることもあります。 - 新築された住宅に対する固定資産税の減額
- 新築された住宅に対する固定資産税の減額とは、床面積が50平方メートル以上280平方メートル以下などの新築の住宅を取得することにより適用される減額措置です。
多くの5000万円の新築のマンションには同減額措置が適用され、固定資産税が課されることとなった年から5年(長期優良住宅に該当するマンションは7年)にわたり、一戸部分にかかる固定資産税が2分の1に減額されます。
なお、同減額措置の適用が外れた一戸部分の6年目の固定資産税は、5年目の一戸部分の固定資産税の197%程度に上がります。
マンションの一戸部分にかかる5年目の固定資産税は、はじめて固定資産税が課されることとなった年の固定資産税の68%程度です。 - 販売価格=公示地価
- 公示地価とは、毎年3月ごろに国土交通省が公示する、日本全国各地に点在する約2万6000箇所の標準地と呼ばれる地点の1平方メートルあたりの正常な価格です。
地価公示法により、都市部に位置する土地を売買する者は、標準地の公示地価を指標として取引するように努めなければならないと規定されているため、1000万円と仮定した、5000万円の新築のマンションの土地の持分の販売価格は、公示地価と同額と考えることができます。 - 公示地価の7割
- マンションの土地の持分の固定資産税と都市計画税は、土地の持分の固定資産税評価額を基に計算されます。
よって、土地の持分の固定資産税と都市計画税を試算するためには、土地の持分の固定資産税評価額を仮定しなければなりませんが、土地の持分の固定資産税評価額は、公示地価の7割程度です。
土地の持分の販売価格は、公示地価と同額と考えることができます。
であれば、土地の持分の固定資産税評価額は、土地の持分の販売価格の7割と考えることが可能です。 - 住宅用地の特例
- 住宅用地の特例とは、住宅が建つ土地にかかる固定資産税が、更地より減額される特例です。
5000万円の新築のマンションが建つ土地にも同特例が適用され、同特例が適用された場合、土地の持分の固定資産税を計算する基となる課税標準額は6分の1などに、土地の持分の都市計画税を計算する基となる課税標準額は3分の1などに減額されます。
以上が、5000万円の新築のマンションの固定資産税と都市計画税を試算するために用いた言葉の意味です。
どれも難解ですが、ようするに一戸部分の販売価格が4000万円、土地の持分の販売価格が1000万円である5000万円の新築のマンションは、固定資産税が18万円程度、都市計画税は8万円程度、合計すると26万円程度であるとお考えください。
ただし、一戸部分の販売価格が4000万円、土地の持分の販売価格が1000万円に該当しない5000万円の新築のマンションは、26万円より高くなったり安くなったりすることがあります。
また、一般的な5000万円の新築のマンションであれば、6年目からは「新築された住宅に対する固定資産税の減額」の適用が外れ、一戸部分にかかる固定資産税が5年目の197%程度に上がるため留意してください。
長期優良住宅に該当する5000万円の新築のマンションであれば、8年目から「新築された住宅に対する固定資産税の減額」の適用が外れ、一戸部分にかかる固定資産税が7年目の200%程度に上がります。
つづいて、5000万円の中古マンションの固定資産税の目安をご紹介しましょう。
2. 5000万円の中古マンションの固定資産税は35万円程度など
ここからは、5000万円の中古マンションの固定資産税と都市計画税の目安をご紹介しましょう。
5000万円の中古マンションの固定資産税と都市計画税は、新築時の販売価格と築年数によって大きく異なります。
よって、いくらになると断言できませんが、新築時の価格が1億円(うち一戸部分の価格が8500万円、土地の持分の価格が1500万円)であり、築30年、現時点の販売価格が5000万円の中古マンションであれば、固定資産税は35万円程度、都市計画税は8万円程度、合計43万円程度と試算できます。
また、新築時の価格が7000万円(うち一戸部分の価格が6000万円、土地の持分の価格が1000万円)であり、築10年、現時点の販売価格が5000万円の中古マンションであれば、固定資産税は33万9000円程度、都市計画税は7万6000円程度、合計41万5000円程度と試算することが可能です。

つづいて、ご紹介した2つの5000万円の中古マンションの固定資産税と都市計画税を試算した方法をご紹介しましょう。
試算方法は複雑であり、固定資産税にご興味のない方には難解ですが、5000万円の中古マンションの固定資産税と都市計画税が気になる方がいらっしゃいましたら、ぜひご覧ください。
新築時の価格が1億円、築30年の中古マンションの固定資産税を試算した方法
新築時の販売価格が1億円、そのうち、一戸部分の販売価格が8500万円、土地の持分の販売価格が1500万円、築30年、現時点における販売価格が5000万円の中古マンションの固定資産税は、以下のように試算しました。
一戸部分の固定資産税の試算方法- 8500万円(新築時の一戸部分の販売価格)×60%(一戸部分の販売価格に占める固定資産税評価額の目安)=5100万円(新築時の固定資産税評価額)
- 5100万円×46%(経年減点補正率)=2346万円(現時点の固定資産税評価額)
- 2346万円×1.4%(固定資産税の税率)=35万2940円(現時点の固定資産税額)
- 1500万円(新築時の土地の持分の販売価格=公示地価)×70%(公示地価の7割)=1050万円(現時点の土地の持分の固定資産税評価額)
- 1050万円÷6(住宅用地の特例の適用)=175万円(住宅用地の特例適用後の課税標準額)
- 175万円×1.4%(固定資産税の税率)=2万4500円(現時点の土地の持分の固定資産税)
- 参考:土地の持分の固定資産税評価額は、新築時と変わらないと仮定しつつ試算
- 2346万円(現時点の固定資産税評価額)×0.3%(都市計画税の税率)=7万0380円(現時点の都市計画税額)
- 1050万円(現時点の土地の持分の固定資産税評価額)÷3(住宅用地の特例の適用)=350万円(住宅用地の特例適用後の課税標準額)
- 350万円×0.3%(都市計画税の税率)=1万500円(現時点の土地の持分の都市計画税)
以上のように試算し、5000万円の中古マンションの一戸部分の固定資産税は32万8440円、土地の持分の固定資産税は2万4500円であり、合計すると35万2900円(100円未満切り捨て)です。
一戸部分の都市計画税は7万380円、土地の持分の都市計画税は1万500円であり、合計すると8万800円(100円未満切り捨て)となります。
固定資産税と都市計画税を合計すると、43万3800円(100円未満切り捨て)です。
なお、一戸部分の固定資産税の試算方法の中に、経年減点補正率という言葉が含まれました。
経年減点補正率とは、築年数が経過した家屋の固定資産税評価額を算定する際に用いる割合であり、築10年のマンションの経年減点補正率は約46%です。
難解ですが、新築から10年が経過した中古マンションの一戸部分の固定資産税評価額は、新築時の固定資産税評価額の46%程度であるとお考えください。
新築時の価格が7000万円、築10年の中古マンションの固定資産税を試算した方法
新築時の販売価格が7000万円、そのうち、一戸部分の販売価格が6000万円、土地の持分の販売価格が1000万円、築10年、現時点における販売価格が5000万円の中古マンションの固定資産税は、以下のように試算しました。
一戸部分の固定資産税の試算方法- 6000万円(新築時の一戸部分の販売価格)×60%(一戸部分の販売価格に占める固定資産税評価額の目安)=3600万円(新築時の固定資産税評価額)
- 3600万円×64%(経年減点補正率)=2304万円(現時点の固定資産税評価額)
- 2304万円×1.4%(固定資産税の税率)=32万2560円(現時点の固定資産税額)
- 1000万円(新築時の土地の持分の販売価格=公示地価)×70%(公示地価の7割)=700万円(現時点の土地の持分の固定資産税評価額)
- 700万円÷6(住宅用地の特例の適用)=116万6666円(住宅用地の特例適用後の課税標準額)
- 116万6666円×1.4%(固定資産税の税率)=1万6333円(現時点の土地の持分の固定資産税)
- 参考:土地の持分の固定資産税評価額は、新築時と変わらないと仮定しつつ試算
- 2304万円(現時点の固定資産税評価額)×0.3%(都市計画税の税率)=6万9120円(現時点の都市計画税額)
- 700万円(現時点の土地の持分の固定資産税評価額)÷3(住宅用地の特例の適用)=233万3333円(住宅用地の特例適用後の課税標準額)
- 233万3333円×0.3%(都市計画税の税率)=6999円(現時点の土地の持分の都市計画税)
以上のように、新築時の販売価格が7000万円(そのうち一戸部分の価格が6000万円、土地の持分の価格は1000万円)、築10年、現時点の販売価格が5000万円の中古マンションの固定資産税と都市計画税を試算しました。
一戸部分の固定資産税の試算結果は32万2560円、土地の持分の固定資産税は1万6333円であり、合計すると33万8800円(100円未満切り捨て)です。
一戸部分の都市計画税の試算結果は6万9120円、土地の持分の都市計画税は6999円であり、合計すると7万6100円(100円未満切り捨て)となります。
固定資産税と都市計画税を合計すると、41万4900円(100円未満切り捨て)です。
5000万円の中古マンションの固定資産税は、新築時の販売価格や築年数によって大きく異なるため、いくらになると断言できません。
ただし、築年数が新しく、新築時の販売価格が高額であった物件ほど、固定資産税と都市計画税は高くなるのが通例です。
まとめ - マンションは、固定資産税を計算する仕組みが複雑
5000万円のマンションの固定資産税がいくらか、目安をご紹介しました。
5000万円の新築のマンションの固定資産税は、物件によって大きく異なり、いくらになるか断言できませんが、一戸部分の販売価格が4000万円、土地の持分の販売価格が1000万円であれば、18万4300円程度と試算できます。
都市計画税も課される場合は、都市計画税額は7万8900円程度であり、固定資産税と都市計画税を合計すると26万3200円程度です。
5000万円の中古マンションの固定資産税は、新築時の販売価格と築年数によって大きく異なり、新築時の販売価格が1億円、築30年であれば固定資産税は35万2900円程度、都市計画税は8万800円程度、合計43万3800円程度と試算できます。
新築時の販売価格が7000万円、築10年の中古マンションの固定資産税を試算すると33万8800円程度、都市計画税の試算結果は7万6100円程度であり、合計41万4900円程度です。
5000万円のマンションの固定資産税がいくらになるかお調べの方がいらっしゃいましたら、ぜひご参考になさってください。
なお、この記事では、5000万円のマンションの一戸部分と土地の持分の固定資産税を試算する方法として、一戸部分と土地の持分の固定資産税評価額をもとに税額を試算しましたが、正確な税額の計算方法は異なるため留意してください。
マンションの一戸部分の固定資産税は、まずはマンション1棟全体の固定資産税が計算され、その税額が各戸の所有者に按分されることとなります。
按分される税額は、床面積が広い戸を所有する方ほど多くなります。
土地の持分の固定資産税も同じであり、まずはマンションが建つ土地全体の固定資産税が計算され、その税額が各戸の所有者に按分されます。
同じく按分される税額は、床面積が広い戸を所有する方ほど多くなります。
本記事では、5000万円のマンションの固定資産税の目安を簡単にご紹介することを目標に、一戸部分と土地の持分の固定資産税評価額をもとに税額を試算しましたが、正確には異なります。
ご紹介した内容が、5000万円のマンションの固定資産税をお調べになる皆様に役立てば幸いです。失礼いたします。
記事公開日:2022年6月
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