固定資産税の税率はいくら?地域によって異なるものの概ね1.4%
固定資産税の税率は1.4%です。
しかし、それは標準税率(基礎的な税率)であり、地域によっては1.5%や1.6%、高い場合は1.7%などと違う場合もあります。
固定資産税の税率をご紹介し、税率の変遷や一人当たりの納税額が最も多い都道府県などをご紹介しましょう。
なお、ご紹介するのは不動産の固定資産税に関することであり、償却資産には該当しないためご注意ください。
目次
- 1. 標準税率は1.4%
- 2. 地域によって違う
- まとめ - 福井県民は納税額が多い
1. 標準税率は1.4%
固定資産税の税率は1.4%であり、不動産の固定資産税は以下の式で計算します。
不動産の固定資産税を計算する式
課税標準額(主に固定資産税評価額)×固定資産税の税率=固定資産税
上記の式で不動産の固定資産税は計算し、式に含まれる固定資産税の税率は1.4%です。
この1.4%という税率は多くの人が高いと感じていますが、総務省が公開する資料によれば、固定資産税の制度が開始された昭和25年の時点における税率は1.6%であり、その後昭和29年に1.5%に下がり、現在に至るまで1.4%とのことです。
参考:総務省「固定資産税制度について」の12ページ
なお、この記事の冒頭でご紹介したとおり、固定資産税の1.4%という税率は標準税率です。
標準税率とは、固定資産税のような地方税(市町村に支払う税金)における基礎的な税率であり、各市町村が財政状況によって税率を変更できます。
よって、固定資産税の税率は、地域によっては1.5%や1.6%、高ければ1.7%などと違うことがあります。
つづいて、固定資産税の税率は地域によって違うことをご紹介しましょう。
2. 地域によって違う
固定資産税の税率は1.4%ですが、それは標準税率であり地域によって違う場合があります。
総務省の資料によれば多くの地域が1.4%であるものの、人口が少ない市町村では1.5%や1.6%、高い場合は1.7%とのことです。
具体的な固定資産税の税率と、人口の傾向は以下のとおりとなっています。
市町村数 | 税率 | |
---|---|---|
人口50万以上の市 | 28 | その全てが1.4% |
人口5万以上50万未満の市 | 490 | うち455が1.4%、うち34が1.5%%または1.6%、うち1が1.7% |
人口5万未満の市 | 275 | うち224が1.4%、うち48が1.5%または1.6%、うち1が1.7% |
町や村 | 926 | うち860が1.4%、うち51が1.5%または1.6%、うち15が1.7% |
参考:総務省「令和2年度 地方税に関する参考計数資料」の「13 市町村民税及び固定資産税の税率等別市町村数調(令和元年度)」
このように固定資産税の税率は地域によって違い、人口が少ない市町村ほど1.5%や1.6%、1.7%と高くなる傾向があります。
これは、人口が少ない地域ほど税収が少なく、それを補うために固定資産税の税率が高くなるのが理由と考えられます。
なお、筆者がこの記事を作成する2021年5月現在、三重県名張市など以下の地域が1.7%の税率となっています。
固定資産税の税率が1.7%の地域
三重県名張市、岐阜県加茂郡七宗町、岐阜県大野郡白川村、宮崎県東臼杵郡美郷町、長野県木曽郡王滝村
また、ネットで固定資産税の税率に関することを調べると「東京都の実質の固定資産税の税率は1.7%」などの表現を見かけますが、それは固定資産税と都市計画税の税率を合計しています。
東京都の都市部に不動産を所有する方には、固定資産税に加え都市計画税も課せられます。
都市計画税とは、都市部の道路や区画を整備する財源を賄うための税金であり、その税率は0.3%です。
東京都の固定資産税の税率は1.4%であり、都市計画税の税率である0.3%を合計すると1.7%となります。
このように固定資産税の税率が1.4%であり尚且つ都市計画税が課せられる地域では、固定資産税の税率が実質1.7%などと表現されることがあるため留意してください。
まとめ - 福井県民は納税額が多い
固定資産税の税率やその変遷、税率が地域によって違うこと、税率が1.7%の市町村などをご紹介しました。
固定資産税の税率は1.4%です。
ただし、それは標準税率であり、一部の地域では100分の1.5や1.6、1.7など税率が高くなることがあり、税率が高くなれば固定資産税も高くなります。
つまり、固定資産税は人口が少ない地域では税率が高くなり、それに伴い高額になる傾向があるというわけです。
なお、法務省が公開する資料「固定資産税の現状と課題 平成30年8月7日 総務省自治税務局 固定資産税課」の7ページには、平成28年度における全国平均を100とする各都道府県の人口一人当たりの固定資産税の税収が記されています。
そのデータによれば、最も多いのが156.8の東京都、次いで117.1の愛知県と続き、上位10の都道府県は以下のとおりです。
このデータには不動産と償却資産の区分けがないため、不動産の固定資産税をどの都道府県民が一番納めているか判明しませんが、東京都民の方が最も多くの固定資産税を納めていることがわかります。
そして、意外なのが3位の福井県です。
固定資産税は高額な資産を有する方ほど納税額が多くなるため、福井県の方はお金持ちであることが窺い知れます。
福井県といえば、2020年47都道府県幸福度ランキングで1位であることなどが有名ですが、それは県民の方が納める固定資産税額にも反映されているのかもしれません。
ご紹介した内容が、固定資産税の税率をお調べになる皆様に役立てば幸いです。失礼いたします。
記事公開日:2021年5月
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