固定資産税の家屋調査は拒否できる?

固定資産税の家屋調査は拒否できる?

固定資産税の家屋調査は、正当な理由があることを市町村役場の担当者に伝え、受理されれば拒否できる可能性があります。

固定資産税の家屋調査を拒否する流れをご紹介し、正当な理由がなく拒否した場合に科せられる可能性がある罰則と、家屋調査を拒否することにより固定資産税が安くなることがあるか解説しましょう。

目次

1. 固定資産税の家屋調査を拒否する流れ

固定資産税の家屋調査を拒否したい場合は、市町村役場に電話を入れ、その旨を伝えてください。

拒否することを伝える電話は、家屋調査を実施することのハガキが届いた直後が理想です。

新築の家屋を取得しつつ登記が完了すれば、早ければ2ヵ月から3ヵ月程度で市区町村役場から家屋調査を実施することを知らせるハガキが届き、日程の調整を要求されます。

このハガキが届いた直後に市区町村役場に電話を入れ、固定資産税の家屋調査を拒否することを担当者に伝えれば良いでしょう。

家屋調査を拒否することを伝える際は、嘘偽りない正当な理由を担当者に伝えてください。

たとえば、家屋調査で調査員と面会することにより新型コロナウイルスに感染することが心配であることや、仕事が忙しく日程を調整できないなどが正当な理由と考えられます。

承諾が得られない可能性がありますが、了承されれば家屋調査は実施されません。

家屋調査が実施されない場合は、おそらくは家屋調査の代替案として、取得した家屋の間取りや各箇所の寸法が記された平面図、家屋を横から見た図が記された立面図、家屋に使用されている建材や設備の一覧表、建築確認申請書や検査済証など、家屋の詳細が記された資料のコピーの提出を求められます。

それらの資料のコピーを市区町村役場に郵送すれば、担当者は受け取った資料を基に固定資産税を算定します。

固定資産税の家屋調査を拒否すれば資料の提出を求められる

このように固定資産税の家屋調査は、正当な理由があることにより拒否することを市町村役場の担当者に伝え、それが了承されれば実施されません。

しかし、資料を郵送したとしても市町村役場から固定資産評価員が訪れ、家屋の外観などを確認することがあるため注意してください。

とはいうものの、その際の立会いは不要であり、家屋内に固定資産評価員が立ち入ることはありません。

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2. 資料の提出を拒否することの罰則

市町村役場の担当者に正当な理由があることを伝えつつ家屋調査を拒否し、了承されれば固定資産税の家屋調査は実施されません。

そして、おそらくは代替案として、郵送による平面図や立面図、使用された建材や設備の一覧表、建築確認申請書や検査済証などの資料のコピーの提出を求められます。

これらの資料を受け取った市町村役場の担当者は、受け取った資料を基に固定資産税を算定します。

ここで皆さんに注意していただきたいのは、求められた資料を必ず提出することです。

固定資産税の家屋調査を拒否しつつ資料の提出を求められた場合は必ず提出する

その理由は、固定資産税に関することを定めた法律である「地方税法」の第三百五十三条と第三百五十四条にあります。

固定資産税は地方税法に則って市町村が徴収し、同法律の第三百五十三条により、固定資産税の調査員は、固定資産税が課せられる対象となる者に対して、物件を検査する権限が与えられています。

この権限を質問検査権と呼び、地方税法の第三百五十三条をわかりやすく簡単にご紹介すると以下のとおりです。

地方税法 第三百五十三条(徴税吏員等の固定資産税に関する調査に係る質問検査権)
市町村の固定資産税の調査員は、固定資産税を徴収することに関する調査の必要がある場合は、固定資産税の納税義務者に質問し、対象となる物件を検査できる

そして、地方税法の第三百五十四条では、第三百五十三条の規定により行われる固定資産税の調査員の検査を正当な理由がなく応じない者や、調査員が行う質問に答弁をしない者、または虚偽の答弁を行った者には一年以下の懲役、もしくは50万円以下の罰金を科すことを規定しています。

地方税法の第三百五十四条をわかりやすく簡単にご紹介すると以下のとおりです。

地方税法 第三百五十四条(固定資産税に係る検査拒否等に関する罪)
第三百五十三条の規定により行われる固定資産税の調査員の検査を拒んだ者や正当な理由がなく応じない者、偽りの記載がある資料を提出した者、調査員の質問に答弁しない者、虚偽の答弁を行った者には、一年以下の懲役、または50万円以下の罰金を科す

つまり、正当な理由がなく固定資産税の家屋調査を拒否し、なおかつ調査員から求められた資料の提出を拒めば、一年以下の懲役や50万円以下の罰金が科せられる可能性があるというわけです。

よって、固定資産税の家屋調査を拒否し、それが受諾され代替案として資料の提出を求められた場合は必ず応じるように注意してください。

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まとめ - 家屋調査を拒否すると、本来の税額が課せられない

固定資産税の家屋調査を拒否する流れを解説し、正当な理由がなく資料の提出を拒んだ場合に科せられる可能性がある罰則をご紹介しました。

固定資産税の家屋調査は、正当な理由があることにより拒否することを市町村役場の担当者に伝え、受諾されれば実施されません。

家屋調査が実施されない場合は、おそらくは代替案として取得した家屋の資料の提出を求められ、その資料を以て固定資産税が算定されます。

ただし、偽りの記載がある資料を提出するなどすると、一年以下の懲役や50万円以下の罰金が科せられる可能性があるため注意してください。

そもそも固定資産税の家屋調査は、多くの市町村で実施されますが、一部の市町村では実施されないことがあります。

たとえば、私がこの記事を作成する2021年10月時点において東京都では、以下の2つのいずれかの方法により新築の家屋の固定資産税を算定することが公式サイトに記されています。

  • 1. 新築の家屋を取得した者が東京都主税局に必要資料を郵送し、固定資産税の調査員が資料と家屋の外観を確認しつつ固定資産税を算定する。調査員が家屋内に立ち入る家屋調査と、家屋の取得者の立会いは不要
  • 2. 新築の家屋の取得者の立会いのもと、固定資産税の調査員が家屋調査を実施する

つまり、東京都では資料を郵送すれば、家屋調査は実施されないというわけです。

また、私がこの記事を作成する2021年10月現在、兵庫県三田市では新型コロナウイルスの感染拡大を予防するために、固定資産税の家屋調査を実施せず、新築の家屋の取得者から郵送にて提出される資料を基に固定資産税額を算定するとことです。

これらの実情を踏まえれば、正当な理由があれば、東京都や三田市以外でも固定資産税の家屋調査を拒否できる可能性があるといえるでしょう。

ただし、固定資産税の家屋調査は市町村によって取り決めが異なり、市町村によって拒否できる場合とできない場合があるため留意してください。

なお、固定資産税の家屋調査を拒否し、資料を提出しつつ税額が算定されることにより固定資産税が安くなるかですが、提出した資料の正確性によって異なります。

固定資産税の家屋調査は、市町村役場から調査員が訪れ、新築された家屋に使用されている建材や設備の種類やグレード、床面積などを調査しつつ各箇所に点数を付けます。

グレードが高い建材や設備が使用され床面積が広いほど高く採点され、採点結果が高いほど固定資産税も高くなります。

よって、家屋調査を拒否しつつ資料を提出し、その資料を以て固定資産税が算定される場合において、提出した資料と現場が一致するのであれば特に税額は変わりません。

反対に、提出した資料が現場と一致しない場合は、本来より固定資産税が高くなったり安くなったりする可能性があります。

たとえば、資料に記されている建材より現場で使用されている建材のグレードが低い場合は、本来より固定資産税が高くなってしまいます。

一方、資料に記されている建材より現場で使用されている建材のグレードが高い場合は、本来より固定資産税が安くなります。

つまり、固定資産税の家屋調査を拒否しつつ資料により税額が算定されれば、現状と一致しない税額が課せられる可能性があるというわけです。

固定資産税の家屋調査を拒否すると本来の税額が課せられない可能性がある

本来より固定資産税が安くなれば良いですが、高くなれば支払いが大変です。

よって、可能であれば、固定資産税の家屋調査は実施した方が無難といえます。

ご紹介した内容が、固定資産税の家屋調査に関することをお調べになる皆様に役立てば幸いです。失礼いたします。

記事公開日:2021年10月

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