固定資産評価基準とは?
固定資産評価基準とは、市町村が固定資産税額を計算するために、固定資産を評価する方法が記された手引書です。
固定資産評価基準をわかりやすく簡単にご説明しましょう。
目次
1. まずは、固定資産税を理解する
それでは、固定資産評価基準をわかりやすく解説しましょう。
その前に、固定資産税と固定資産を簡単にご説明します。
固定資産税と固定資産の意味をご存知の方は、次の項目である「2. 固定資産評価基準とは、固定資産の評価方法の手引書」まで読み飛ばしていただいて構いません。
固定資産税とは、1月1日の時点で不動産や償却資産を所有する方に課せられる税金であり、その不動産や償却資産が所在する市町村に納める地方税となっています。
固定資産税が課せられる対象となる不動産とは、主に土地や家屋です。
また、固定資産税が課せられる対象となる償却資産とは、事業を営む方が所有する事業用の機器などであり、営む事業によって異なります。
たとえば、製造業を営む方は金属製品製造設備や食料品製造設備などが、印刷業を営む方は印刷機や断裁機などが、建築業を営む方はブルドーザーなどの土木建設車両が、飲食業を営む方は厨房用具やテーブルなどが償却資産です。
それ以外にも、事業を営む方が事業を行うために所有するパソコンやコピー機も償却資産であり、パソコンやコピー機は営む事業を問わず償却資産と見なされます。
このように固定資産税とは、不動産や償却資産を所有する方に課せられる税金であり、不動産や償却資産を所有する方は、持っているだけで市町村に固定資産税を納めなくてはなりません。
そして、固定資産税が課せられる対象となる不動産や償却資産を固定資産と呼びます。
以上が、固定資産税と固定資産の意味です。
つづいて、固定資産評価基準をわかりやすく簡単にご説明します。
余談ですが、固定資産の所有者から徴収された固定資産税の使い道は特に定められず、市政運営のために幅広く使用されるとのことです。
2. 固定資産評価基準とは、固定資産の評価方法の手引書
固定資産評価基準とは、市町村が不動産や固定資産の所有者に固定資産税を課す際に、その固定資産の価値を評価する方法が記された手引書です。
固定資産税とは固定資産の所有者に課せられる税金であり、その固定資産が所在する市町村に収める地方税です。
つまり、市町村は、固定資産の所有者に固定資産税を課すことができるというわけですが、固定資産税を課す対象となる固定資産の価値は千差万別です。
たとえば、土地の所有者には固定資産税が課せられますが、3,000万円で売買される価値が高い土地を所有する方がいらっしゃれば、売買価格が10万円の土地を所有する方もいらっしゃいます。
また、家屋の所有者にも固定資産税が課せられますが、建築費が3,000万円である価値が高い家屋を所有する方がいらっしゃれば、建築費が500万円の家屋を所有する方もいらっしゃいます。
加えて、事業のために使用するパソコンを所有する事業者にも固定資産税が課せられますが、高性能な機能を有する価値が高い50万円のパソコンを所有する事業者の方がいらっしゃれば、15万円のパソコンを所有する方もいらっしゃいます。
それらの価値が千差万別となる固定資産の所有者に、一律の固定資産税を課すことは公平ではありません。
固定資産税は、所有する固定資産の価値に応じて税額が決定されるべきです。
さらに、各市町村は固定資産の所有者に固定資産税を課すことができますが、市町村によって税額が大きく異なれば不公平です。
固定資産税は、所有する固定資産の価値に応じて税額が決定され、なおかつ日本全国の固定資産の所有者に公平に課税されなければなりません。
そのため、市町村が固定資産の所有者に固定資産税を課す際は、日本全国で統一された手引書を基に固定資産の価値を評価し、価値に応じた税額を課します。
日本全国で統一された手引書を基に各市町村が固定資産の価値を評価しつつ税額が決定されれば、手違いなどがない限り、固定資産税が公平に課税されます。
この日本全国で統一された手引書が、固定資産評価基準です。
固定資産評価基準とは、市町村が固定資産の所有者に固定資産税を課す際に、その固定資産の価値を評価する方法が記された手引書であり、市町村は固定資産評価基準を基に各固定資産の価値を評価し、税額を決定します。
そして、価値が高いと評価した固定資産を所有する者に課す固定資産税は高く、価値が低いと評価した固定資産を所有する者に課す固定資産税は安くします。
固定資産評価基準の内容は総務大臣が定め、以下が土地、家屋、償却資産の固定資産評価基準であり、それぞれには土地、家屋、償却資産の価値を評価する方法が記されています。
土地の固定資産評価基準
家屋の固定資産評価基準
償却資産の固定資産評価基準
※ 出典:総務省|固定資産税の概要
固定資産評価基準は総務省が告示し、その内容は総務省の公式サイト内に設けられたページ「総務省|固定資産税の概要」にて公開され、誰もが閲覧することが可能です。
まとめ - 固定資産評価基準の正式な意味は地方税法に記されている
固定資産評価基準をわかりやすく簡単にご説明しました。
固定資産評価基準とは、市町村が不動産や償却資産などの固定資産の所有者に固定資産税を課す際に、その固定資産の価値を評価する方法が記された手引書であり、その内容は総務大臣が定めています。
そして、固定資産評価基準は総務省が告示し、総務省のホームページから誰もが閲覧することが可能です。
固定資産評価基準の意味をお調べの方がいらっしゃいましたら、ぜひご参考になさってください。
なお、固定資産評価基準の正式な意味は、地方税法という法律の第三百八十八条に記されています。
地方税法とは固定資産税などの税金に関することを定めた法律であり、第三百八十八条をわかりやすく簡単にご紹介すると以下のとおりです。
地方税法 第三百八十八条
大臣は固定資産を評価する方法を定め、これを告示しなければならない。総務大臣が定めた固定資産を評価する方法をを固定資産評価基準という
ご紹介した内容が、固定資産評価基準をお調べになる皆様に役立てば幸いです。失礼いたします。
記事公開日:2021年10月
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