固定資産税とは?税額の目安や計算方法など解説
固定資産税とは、土地や建物などの不動産を所有する方に課せられる税金です。
固定資産税の意味や税額を計算する方法をご紹介しましょう。
なお、ご紹介する内容は不動産を所有することにより課せられる固定資産税であり、償却資産には該当しないためご注意ください。
目次
- 1. 固定資産税とは?
- 2. 固定資産税の目安
- 2-1. 固定資産税の試算例
- まとめ - 市街地の不動産には都市計画税もかかる
1. 固定資産税とは?
固定資産税とは、不動産を所有する方に課せられる地方税です。
不動産とは建物や土地などであり、地方税とは市町村などに支払う税金を意味します。
つまり、固定資産税とは、建物や土地などを所有する方に課せられる、その不動産が所在する市町村に支払う税金というわけです。
固定資産税は、その年の1月1日の時点で不動産を所有する方に課せられるため、不動産を所有する限り毎年支払い続けなければなりません。
そして、一戸建てを所有する方の多くは、建物とその建物が建つ土地を所有していますが、それに該当する場合は建物と土地の両方に固定資産税が課せられます。
また、マンションを所有する方の多くは、一戸部分とそのマンションが建つ敷地を戸数などで割った面積の土地を所有していますが、それに該当する場合はその両方に固定資産税が課せられます。
固定資産税は、所有する一つの不動産につき一つずつ課せられます。
固定資産税は地方税のため、その不動産が所在する市町村によって納税時期が異なりますが、毎年4~6月ごろにご自宅に納税通知書と納付書が届き、銀行やコンビニ、クレジットカードなどで納税します。
固定資産税は一括、または4回に分けて納税することが可能であり、一括で納税する場合における期限は納税通知書が届いた月の月末などです。
分納する場合における納税期限は、以下のとおりとなっています。
期 | 納付期限 |
---|---|
第1期 | 4~6月末日など |
第2期 | 7~9月末日など |
第3期 | 12月末日など |
第4期 | 翌年の2月の末日など |
2. 固定資産税の目安
固定資産税とは、1月1日の時点で不動産を所有する方に課せられる地方税です。
そこで気になるのが固定資産税の額ですが、その不動産の価値によって異なるため、いくらになるなど断言できませんが、売買価格に応じて増減するのが通例です。
たとえば、高く売買される不動産は固定資産税が高く、安く売買される不動産は固定資産税が安くなる傾向があります。
固定資産税は、以下の式で計算します。
固定資産税の計算式
課税標準額×税率=固定資産税
上記の式で固定資産税は計算し、式に含まれる課税標準額とは主に固定資産税評価額です。
固定資産税評価額とは、固定資産税額を計算するために市町村が評価した不動産の価額(価値から鑑みた価格)であり、売買価格とは異なるものの売買価格に応じて増減します。
例を挙げると、高く売買される不動産は固定資産税評価額が高くなり、安く売買される不動産は固定資産税評価額が安くなるといった具体です。
よって、高く売買される不動産は固定資産税評価額が高くなり、その結果、固定資産税も高くなります。
反対に、安く売買される不動産は固定資産税評価額が低くなり、その結果、固定資産税も安くなります。
そして、式に含まれる税率はその不動産が所在する市町村によって異なりますが、おおむね1.4%です。
なお、固定資産税評価額は、不動産の売買価格に応じて増減するとご説明しましたが、一般的に土地の固定資産税評価額は売買価格の70%程度になります。
一方、建物の固定資産税評価額は新築であれば建築費の60%程度、中古住宅であれば売買価格の70%から40%などです。
2-1. 固定資産税の試算例
ここから、固定資産税の計算例をご紹介しましょう。
先に、固定資産税は課税標準額に1.4%などの税率を掛け算しつつ計算するとご紹介しました。
課税標準額とは主に固定資産税評価額であり、固定資産税評価額とは固定資産税額を計算するために都道府県などが評価したその不動産の価額です。
固定資産税評価額は不動産の売買価格に応じて増減するものの、土地の固定資産税評価額は売買価格の70%程度になります。
そして、新築の建物部分の固定資産税評価額は建築費の60%程度に、中古住宅の建物部分の固定資産税評価額は売買価格の70%から40%程度になるのが通例です。
これをもとに販売価格が1,000万円の土地の固定資産税を試算すると以下のようになり、その税額は98,000円などとなります。
販売価格が1,000万円の土地の固定資産税の試算例
1,000万円(販売価格)×70%=700万円(固定資産税評価額)×1.4%(固定資産税の税率)=98,000円(固定資産税)
また、建築費が3,000万円の新築の家屋の固定資産税を計算すると以下のようになり、税額は252,000円などです。
建築費が3,000万円の新築家屋の固定資産税の試算例
3,000万円(建築費)×60%=1,800万円(固定資産税評価額)×1.4%(固定資産税の税率)=252,000円(固定資産税)
以上が固定資産税の試算例です。
なお、先に販売価格が1,000万円の土地の固定資産税は98,000円程度とご紹介しましたが、その土地に住宅が建っている場合は、その土地の200㎡までの部分の課税標準額が6分の1に減額されます。
これを住宅用地の特例と呼び、具体的には以下のように固定資産税を計算します。
住宅用地の特例が適用された場合における、200㎡までの土地の固定資産税の計算式
課税標準額(固定資産税評価額)×6分の1×税率(おおむね1.4%)=固定資産税
上記の式で販売価格が1,000万円、敷地面積が200㎡以下の土地の固定資産税を試算すると以下のようになり、その税額は16,333円となります。
住宅用地の特例が適用された場合における販売価格が1,000万円、敷地面積が200㎡以下の土地の固定資産税の試算例
1,000万円(販売価格)×70%=700万円(固定資産税評価額)×6分の1×1.4%(固定資産税の税率)=16,333円(固定資産税)
つまり、土地の固定資産税は、更地より住宅が建っている方が安くなるというわけです。
ちなみに、住宅用地の特例が適用された場合における、200㎡を超える部分の土地の固定資産税は以下のように計算します。
住宅用地の特例が適用された場合における、200㎡を超える部分の固定資産税の計算式
課税標準額(固定資産税評価額)×3分の1×税率(おおむね1.4%)=固定資産税
住宅用地の特例の詳細は「東京都主税局:固定資産税・都市計画税 住宅用地とは何ですか。また、住宅用地に対する特例措置とは何ですか」にてご確認いただけます。
まとめ - 市街地の不動産には都市計画税もかかる
固定資産税の意味や税額を計算する方法、試算例などをご紹介しました。
固定資産税とは、1月1日の時点で不動産を所有する方に課せられる、その不動産が所在する市町村などに支払う地方税です。
固定資産税は、固定資産税評価額に1.4%などの税率を掛け算するなどして計算し、いくらになるか断言することはできませんが、高値で売買される不動産は高く、安値で売買される不動産は安くなるのが通例となっています。
固定資産税の納税通知書は、その不動産が所在する市町村によって異なるものの毎年4~6月ごろにご自宅に届き、同封されている振込用紙を用いて一括、または4回に分けて納税します。
なお、都市部に不動産を所有する場合は、固定資産税に加えて都市計画税も課せられるため留意してください。
都市計画税とは道路や区画を整備するなどの都市計画事業の費用に充てられる税金であり、以下の式で計算します。
都市計画税の計算式
課税標準額×税率=都市計画税
上記の式に含まれる課税標準額とは、主に固定資産税評価額です。
そして、この記事でご紹介したように固定資産税の税率は1.4%ですが、都市計画税の税率はその約5分の1の0.3%となっています。
つまり、都市部に不動産を所有する方は、その固定資産税の5分の1の額の都市計画税も支払わなくてはならないというわけです。
不動産を所有するとたくさんの税金が掛かり、納税が大変です。
ご紹介した内容が、固定資産税をお調べになる皆様に役立てば幸いです。失礼いたします。
記事公開日:2021年5月
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