住宅用地の特例とは|軽減率・計算例・特例が外れる条件を解説

住宅用地の特例とは|軽減率・計算例・特例が外れる条件を解説

毎年春、固定資産税の納税通知書が届くたびに「この金額は本当に正しいのだろうか」と感じたことはないでしょうか。

土地にかかる固定資産税は決して安くはなく、それだけに「損をしていないか」「特例はきちんと適用されているか」が気になるのは当然のことです。

住宅用地の特例とは、住宅が建っている土地の固定資産税を大幅に軽減してくれる制度です。

一定の条件を満たせば、土地の固定資産税の計算の基礎となる課税標準額(税額を計算するための金額)が、最大で固定資産税評価額の1/6にまで下がります。

多くの一戸建て所有者やアパートオーナーが、この特例のおかげで毎年相当額の節税を受けていますが、「なぜ安くなっているのか」「どんな仕組みなのか」まで正確に理解している方は多くありません。

そこで、今回の「固定資産税をパパっと解説」では、住宅用地の特例を解説します。この記事をお読みになれば、以下のことがわかります。

この記事を読むとわかること
  • 住宅用地の特例の仕組みと、小規模住宅用地・一般住宅用地それぞれの軽減率
  • 一戸建て・アパート・店舗兼住宅など、住宅の種類別の計算方法と具体的な税額例
  • 更地化・空き家の放置・建替え中など、特例が外れる・縮小されるケースと正確な税額の変化
  • 所有する土地に特例が正しく適用されているかを確認する方法

「更地にすると固定資産税が6倍になる」という話を耳にしたことがある方もいるかもしれませんが、これは正確ではありません。実際の仕組みや正しい数字についても、この記事でしっかり解説します。

住宅用地の特例は、正しく理解するだけで「知らなかった」による損失を防ぐことができます。

ぜひ最後まで読んで、ご自身の土地の状況に照らし合わせてみてください。

目次

1. 住宅用地の特例とは?固定資産税が大幅に安くなる仕組み

住宅用地の特例とは、住宅が建っている土地の固定資産税を大きく軽減してくれる制度です。

この特例が適用されると、税額の計算のもとになる「課税標準額(税額を計算するための基礎となる金額)」が、最大で固定資産税評価額の1/6にまで下がります。

まずは特例の基本的な仕組みと、計算に使われる「固定資産税評価額」という言葉の意味から確認しておきましょう。

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1-1. 住宅用地の特例をわかりやすく解説

住宅用地の特例とは、住宅が建っている土地の固定資産税を大幅に安くする制度です。

固定資産税とは、毎年1月1日の時点で土地や建物を所有している人に課せられる地方税です。不動産を所有すると、一部例外を除き毎年課税されます。

この固定資産税には、住宅が建っている土地に限り、特別に税負担を軽くする仕組みが設けられています。それが「住宅用地の特例」です。

具体的には、土地の固定資産税を計算するための基礎となる「課税標準額」が、通常よりも大幅に低く抑えられます。

つまり、同じ評価額の土地でも、住宅が建っているだけで土地の税額が大きく変わるのです。

住宅用地の特例あり・なしで固定資産税の課税標準額と税額がどれだけ変わるかを示した比較図

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1-2. 固定資産税評価額とは何か|課税標準算定の基礎となる価格

固定資産税評価額とは、市区町村が独自のルールで算定した、固定資産税の計算に使う土地・建物の評価額(評価上の価格)です。

「評価額」という言葉を聞くと、土地の売買価格(実際に売れる価格)と同じものだと思う人もいるかもしれません。しかし、固定資産税評価額は実際の売買価格とは異なります。

土地の固定資産税評価額は、国土交通省が公表する「地価公示価格(毎年1月1日時点の標準的な土地の価格として国が公表する価格)」のおおむね70%を目安に設定されています。

たとえば、地価公示価格が1,000万円の土地であれば、固定資産税評価額は700万円程度が目安です。

また、固定資産税評価額は3年に一度「評価替え」と呼ばれる見直しが行われます。地価の変動に合わせて価格が更新されるため、評価替えのたびに固定資産税が変わることがあります。

以下の表に、固定資産税評価額と混同しやすい価格の違いをまとめました。

土地の価格の種類と違い
価格の種類 算定機関 目的 水準の目安
地価公示価格 国土交通省 土地取引の指標 基準(100%)
都道府県地価調査価格 都道府県 土地取引の指標 地価公示価格と同水準
相続税評価額(路線価) 国税庁 相続税・贈与税の計算 地価公示価格の約80%
固定資産税評価額 市区町村 固定資産税の計算 地価公示価格の約70%
実勢価格(売買価格) 市場 実際の取引 地域・時期により異なる

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1-3. 固定資産税の課税標準額・税額との関係|3つの数字の違い

固定資産税の計算では「固定資産税評価額」「課税標準額」「税額」という3つの数字が登場しますが、それぞれ意味が異なります。

この3つを混同すると、自分の土地の税額を正確に理解することができません。順番に整理しておきましょう。

固定資産税評価額は、先ほど説明した「市区町村が算定した評価上の価格」です。

課税標準額とは、固定資産税評価額に一定の率を掛けて求める「税額計算の直接の基礎となる金額」のことです。住宅用地の特例が適用されると、この課税標準額が固定資産税評価額より大きく下がります。

税額は、課税標準額に税率を掛けて計算します。固定資産税の税率は原則1.4%です。

計算の流れをまとめると、次のようになります。

固定資産税評価額から課税標準額、税額を求めるまでの計算フロー図(住宅用地の特例あり・なし比較)

たとえば、固定資産税評価額が1,000万円の土地(200㎡の小規模住宅用地)であれば、次のように固定資産税を計算します。

  • 固定資産税評価額:1,000万円
  • 課税標準額:1,000万円 × 1/6 ≒ 167万円
  • 税額:約167万円 × 1.4% ≒ 2万3,300円

特例がなければ同じ土地でも課税標準額は1,000万円のままになるため、税額の差は歴然です。

ポイントは、住宅用地の特例は「税額を直接下げる」のではなく、「課税標準額を下げることで結果的に税額が大幅に安くなる」という仕組みだということです。

なお、実際の課税標準額は「負担調整措置(課税標準額が急激に変動しないよう、段階的に調整する仕組み)」の影響で、計算上の1/6とは異なる場合があります。

詳しくは、本記事の「6-5.特例は適用されているのに課税標準額が1/6より高い場合」で解説します。

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2. 住宅用地の特例が適用される土地の条件

住宅用地の特例が適用されるのは、「人が住むための建物(家屋)が建っている土地」です。

ただし、住宅の種類や土地の広さによって、特例が適用される面積の計算方法が変わります。

まずは「自分の土地は対象になるか」を確認するための基本的な条件を整理します。

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2-1. 住宅用地として認められる土地とは(専用住宅・併用住宅)

住宅用地として認められる土地とは、「人が住むための家屋が建っている土地の敷地」のことです。

住宅が建っている土地であれば、基本的に住宅用地の特例が適用されます。

ただし、住宅には「専用住宅」と「併用住宅」という2つの種類があり、それぞれで特例の計算の仕方が異なります。

専用住宅(全部が居住用として使われている家屋)の敷地は、土地全体が住宅用地として扱われます。一般的な一戸建てやアパート・マンションがこれに当たります。

併用住宅(一部に店舗・事務所などの居住以外の用途がある家屋)の敷地は、居住部分の割合に応じた面積だけが住宅用地として認められます。

たとえば、1階が店舗・2階が居住スペースという建物の場合、居住割合によって住宅用地として認められる面積が変わります。

詳しい計算方法は、本記事の「3-3. 併用住宅(店舗兼住宅など)の場合」で解説します。

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2-2. 「床面積の10倍上限」ルール|広い土地×小さな家の場合の注意

住宅用地として特例が適用される面積には、「家屋の床面積の10倍まで」という上限があります。

ほとんどの一般的な一戸建ての場合、この上限を超えることはあまりありません。ただし、郊外の広い土地に小さな家が建っているようなケースでは、注意が必要です。

たとえば、床面積が80㎡の家が建つ1,500㎡の土地を所有しているとします。

この場合、住宅用地として認められるのは「80㎡ × 10 = 800㎡」までが上限です。

残りの700㎡(1,500㎡ − 800㎡)には住宅用地の特例が適用されず、更地と同じ扱いで課税されます。

ポイントは、「住宅が建っているから土地全体に特例が適用される」とは限らないということです。

土地が広い場合は、上限を超えた部分に特例が使えない可能性があります。

住宅用地として認められる面積は家屋床面積の10倍までという上限ルールを示した図解

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2-3. 住宅用地の特例が適用されない土地

住宅用地の特例は、あくまで「住宅が建っている土地」が対象です。以下のような土地には特例が適用されません。

  • 更地(家屋が何も建っていない土地)
  • 工場・倉庫・駐車場のみの敷地(居住用の家屋が建っていない土地)
  • 居住部分の割合が1/4未満の併用住宅の敷地(店舗・事務所の割合が圧倒的に多い建物)
  • 新たに住宅を建設予定だが、1月1日時点でまだ建設が始まっていない土地

特に注意が必要なのは、居住部分の割合が1/4未満の併用住宅の敷地です。

建物があっても住居として使っている割合が少なすぎる場合は、特例が一切受けられません。

たとえば、4階建ての建物のうち、1階から4階すべてが店舗・事務所で、どの階にも住居スペースがまったくない場合(居住割合ゼロ)、特例は受けられません。

また、建物の中にわずかに居住スペースがあっても、居住部分の割合が全体の1/4未満(25%未満)であれば、住宅用地の率はゼロとなり、特例は適用されません。

なお、住宅が建っていても、特定の事情によって特例が途中で外れるケースもあります。

この「特例が外れるケース」については、本記事の「6. 住宅用地の特例が外れる・縮小されるケース」で詳しく解説します。

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3. 住宅の種類別|住宅用地として認められる面積の計算方法

住宅用地として認められる面積の計算方法は、建物の種類によって異なります。

「一戸建て」「アパート・賃貸マンション」「店舗兼住宅」の3つのパターンで、それぞれ計算の仕方が変わるため、自分の建物がどのタイプに当たるかを確認することが大切です。

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3-1. 専用住宅(一戸建て)の場合

一戸建てのような「専用住宅(建物のすべてを居住用として使っている家屋)」の場合、敷地の全体が住宅用地として認められます(床面積の10倍まで)。

専用住宅の敷地は、多くの場合、土地全体が住宅用地の特例の対象になります。

たとえば、床面積100㎡の一戸建てが建つ250㎡の土地であれば、土地全体(250㎡)が住宅用地として認められるといった具合です。

また、住宅用地は、小規模住宅用地と一般住宅用地に区分されます。

小規模住宅用地とは、戸建てが建つ住宅用地であれば200㎡までの部分を指します。一般住宅用地とは、住宅用地のうち小規模住宅用地以外の部分です。

住宅用地が小規模住宅用地と一般住宅用地に区分されることを解説した図解

住宅用地が小規模住宅用地と一般住宅用地に区分されることの詳細は、本記事の「4. 小規模住宅用地とは・一般住宅用地とは|2区分の軽減率」にて解説します。

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3-2. アパート・賃貸マンション(集合住宅)の場合

アパートや賃貸マンションのような集合住宅では、「住戸の戸数 × 200㎡」が小規模住宅用地として認められる面積の上限になります。

一戸建ての場合は200㎡を超えると「一般住宅用地」扱いになりますが、集合住宅では戸数分だけ小規模住宅用地の上限が広がります。複数の住戸を持つ賃貸オーナーにとって、特に節税効果が大きい仕組みです。

たとえば、10戸のアパートが建つ600㎡の土地であれば、次のように計算します。

  • 小規模住宅用地の上限:10戸 × 200㎡ = 2,000㎡
  • 土地の面積(600㎡)が上限(2,000㎡)を下回るため、土地全体(600㎡)が小規模住宅用地として扱われます。
アパート10戸なら戸数×200㎡で2,000㎡まで小規模住宅用地になる計算例の図解

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3-3. 併用住宅(店舗兼住宅など)の場合

併用住宅の場合は、「居住部分の割合」によって住宅用地として認められる面積が変わります。

併用住宅(同じ建物の中に住居と店舗・事務所などが混在している建物)では、居住に使っている割合が低いほど、住宅用地として認められる面積が小さくなります。

「住宅用地の率(敷地面積に掛けることで住宅用地として扱われる面積を求めるための数値)」が0.5や1.0に変わることで、特例の対象面積が決まります。

筆者自身も店舗兼住宅を所有しており、最初にこの仕組みを調べたときは「居住部分の割合によってこれほど計算が変わるのか」と驚きました。

実際に市区町村の窓口で確認するまで、自分の土地にどの区分が適用されているかを把握できずにいたほどです。

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居住割合による住宅用地の率(一般の併用住宅)

一般の併用住宅(地上4階以下、または非耐火建築物の店舗兼住宅など)では、居住部分の割合に応じて住宅用地の率が決まります。

一般の併用住宅における居住割合と住宅用地の率
居住部分の割合 住宅用地の率
1/4未満(25%未満) 0(住宅用地として認められない)
1/4以上1/2未満(25%以上50%未満) 0.5
1/2以上(50%以上) 1.0

たとえば、1階が店舗・2階が住居という2階建ての店舗兼住宅で、居住部分が全体の1/2以上であれば、住宅用地の率は1.0となり、敷地全体が住宅用地として認められます。

一方、居住部分が全体の1/2未満(たとえば店舗部分が建物の半分以上)であれば、住宅用地の率は0.5となり、敷地面積の半分しか住宅用地として扱われません。

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地上5階以上の耐火建築物である併用住宅の特例率

地上5階以上の耐火建築物(コンクリートや鉄骨鉄筋造など、火災に強い構造の建物)として建てられた併用住宅は、一般の併用住宅より細かく4段階で住宅用地の率が区分されています。

地上5階以上の耐火建築物の併用住宅における居住割合と住宅用地の率
居住部分の割合 住宅用地の率
1/4未満(25%未満) 0(住宅用地として認められない)
1/4以上1/2未満(25%以上50%未満) 0.5
1/2以上3/4未満(50%以上75%未満) 0.75
3/4以上(75%以上) 1.0

一般の併用住宅と異なるのは、「1/2以上3/4未満」という中間の区分が追加されている点です。

この場合、住宅用地の率は0.75となり、敷地面積の3/4が住宅用地として扱われます。

低層階が商業テナント・上層階が住居という複合ビルを所有している場合は、この区分に当たる可能性があります。

ご自身が所有する建物がどの区分に該当するかは、市区町村の固定資産税担当窓口に確認することをおすすめします。

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4. 小規模住宅用地とは・一般住宅用地とは|2区分の軽減率

住宅用地として認められた土地は、さらに「小規模住宅用地」と「一般住宅用地」の2つに区分され、それぞれ異なる特例率が適用されます。

どちらの区分になるかは、住宅用地として認められた面積が200㎡を超えるかどうかで決まります。

固定資産税と都市計画税(市街化区域内にある土地・建物にかかる目的税)のそれぞれに特例率が設けられているため、2つあわせて確認しておきましょう。

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4-1. 小規模住宅用地とは|200㎡以下の部分に適用される1/6減額

小規模住宅用地とは、住宅用地のうち1戸あたり200㎡以下の部分のことです。固定資産税の課税標準額が固定資産税評価額の1/6に軽減されます。

1/6というのは、特例がない場合と比べると課税標準額が大幅に低くなることを意味します。

たとえば、固定資産税評価額が1,500万円の小規模住宅用地(200㎡以下)であれば、課税標準額は次のように計算します。

  • 課税標準額:1,500万円 × 1/6 = 250万円
  • 固定資産税(年間):250万円 × 1.4% = 3万5,000円

住宅用地の特例が適用されない場合の課税標準額は1,500万円のままのため、固定資産税は21万円になります。特例が適用されることで年間17万5,000円もの差が生まれます。

ポイントは、「1/6」という特例率が作用するのは「課税標準額」であり、税額そのものを直接1/6に割るわけではないという点です。

課税標準額が1/6になった上で、そこに税率(1.4%)を掛けて税額が計算されます。

都市計画税については、小規模住宅用地の課税標準額は固定資産税評価額の1/3になります。都市計画税の税率は最大0.3%です。

なお、都市計画税は市街化区域内の土地や建物のみに課税されます。市街化調整区域や都市計画区域外に所在する土地・建物には、一部例外を除き都市計画税はかかりません。

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4-2. 一般住宅用地とは|200㎡超の部分に適用される1/3減額

一般住宅用地とは、住宅用地のうち1戸あたり200㎡を超えた部分のことです。固定資産税の課税標準額が固定資産税評価額の1/3に軽減されます。

小規模住宅用地(1/6)と比べると軽減率は低くなりますが、それでも特例がない場合に比べれば大きな節税効果があります。

たとえば、一戸建ての敷地面積が300㎡の場合、次のように2つの区分に分かれます。

  • 200㎡の部分 → 小規模住宅用地(課税標準額は評価額の1/6)
  • 100㎡の部分 → 一般住宅用地(課税標準額は評価額の1/3)

つまり、敷地が広いほど一般住宅用地の割合が増えますが、200㎡までの部分は常に小規模住宅用地として1/6の軽減が受けられます。

都市計画税については、一般住宅用地の課税標準額は固定資産税評価額の2/3になります。

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4-3. 小規模・一般の特例率を一覧で確認する

住宅用地の特例には、固定資産税と都市計画税のそれぞれに特例率が設けられています。

「小規模住宅用地」と「一般住宅用地」でどの税にどの特例率が適用されるのか、改めてひとつの表で整理しておきます。

ご自身の土地の固定資産税や都市計画税を確認するときに、この表を参照してみてください。

住宅用地の種類別・固定資産税と都市計画税の特例率一覧
区分 対象となる面積 固定資産税の課税標準額 都市計画税の課税標準額
小規模住宅用地 1戸あたり200㎡以下の部分 固定資産税評価額 × 1/6 固定資産税評価額 × 1/3
一般住宅用地 1戸あたり200㎡超の部分 固定資産税評価額 × 1/3 固定資産税評価額 × 2/3

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4-4. 特例の根拠法令|地方税法第349条の3の2

住宅用地の特例は、地方税法(固定資産税など都道府県や市町村が徴収する地方税に関することを定めた法律)の第349条の3の2「住宅用地に対する固定資産税の課税標準の特例」に基づく制度です。

この条文が、小規模住宅用地・一般住宅用地それぞれの課税標準の特例率の法的根拠となっています。

「法律に根拠がある制度である」ということを知っておくと、市区町村の窓口に問い合わせる際や、適用の誤りを確認する際にも役立ちます。

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5. 住宅用地の特例|税額の計算例

住宅用地の特例が持つ高い軽減効果は、実際の数字で計算してみると一目瞭然です。

ここでは「一戸建て」「アパート(10戸)」「店舗兼住宅」の3パターンを例に挙げ、面積や評価額の前提条件をもとに、課税標準額から最終的な税額までの計算フローを順番に紹介します。

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5-1. 一戸建て(専用住宅・敷地300㎡)の計算例

一戸建て(敷地300㎡)のケースでは、200㎡までが小規模住宅用地、残り100㎡が一般住宅用地として計算されます。

まず、前提条件を設定します。

  • 土地の敷地面積:300㎡
  • 固定資産税評価額:1,500万円
  • 固定資産税の税率:1.4%(標準税率)

300㎡の土地は、200㎡と100㎡の2つに分けて計算します。

① 小規模住宅用地(200㎡分)の計算

  • 課税標準額:1,500万円 × 200/300 × 1/6 = 約167万円
  • 固定資産税:167万円 × 1.4% = 約2万3,300円

② 一般住宅用地(100㎡分)の計算

  • 課税標準額:1,500万円 × 100/300 × 1/3 = 約167万円
  • 固定資産税:167万円 × 1.4% = 約2万3,300円

③ 合計

  • 課税標準額合計:約334万円
  • 固定資産税(年間):約4万6,600円

もし特例がまったく適用されない更地であれば、課税標準額は1,500万円(負担調整措置上限70%)の場合で1,050万円となり、固定資産税は約14万7,000円になります。

特例により、大幅な節税効果があることがわかります。

一戸建て(300㎡)の固定資産税を計算する流れ
区分 面積 固定資産税評価額 特例率 課税標準額 固定資産税(年間)
小規模住宅用地 200㎡ 1,000万円※ 1/6 約167万円 約2万3,300円
一般住宅用地 100㎡ 500万円※ 1/3 約167万円 約2万3,300円
合計 300㎡ 1,500万円 約334万円 約4万6,600円

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5-2. アパート(10戸・敷地600㎡)の計算例

10戸のアパートが建つ敷地600㎡のケースでは、「10戸 × 200㎡ = 2,000㎡」が小規模住宅用地の上限となるため、敷地600㎡の全体が小規模住宅用地として扱われます。

前提条件を設定します。

  • 土地の敷地面積:600㎡
  • 固定資産税評価額:3,000万円
  • 固定資産税の税率:1.4%

① 小規模住宅用地の上限の確認

  • 10戸 × 200㎡ = 2,000㎡(上限)
  • 敷地面積600㎡ < 上限2,000㎡ → 敷地全体(600㎡)が小規模住宅用地

② 計算

  • 課税標準額:3,000万円 × 1/6 = 500万円
  • 固定資産税(年間):500万円 × 1.4% = 7万円

仮に600㎡の土地に1戸の一戸建てが建てられていれば、200㎡が小規模・400㎡が一般となり税額は約11万7,000円になります。

同じ面積の土地でも、アパートを建てることで税額が大幅に抑えられることがわかります。

つまり、集合住宅を所有するオーナーにとって、戸数が多いほど小規模住宅用地として認められる面積が広がり、節税効果が大きくなるというわけです。

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5-3. 店舗兼住宅(居住割合1/2以上・敷地200㎡)の計算例

店舗兼住宅のケースでは、居住割合によって住宅用地として認められる面積が決まります。ここでは居住割合が1/2以上のケースを例にします。

前提条件を設定します。

  • 土地の敷地面積:200㎡
  • 固定資産税評価額:1,000万円
  • 居住部分の割合:1/2以上(住宅用地の率 = 1.0)
  • 固定資産税の税率:1.4%

① 住宅用地として認められる面積の計算

  • 住宅用地として認められる面積:200㎡ × 1.0 = 200㎡(敷地全体)

② 小規模・一般の区分の確認

  • 住宅用地として認められた200㎡はすべて小規模住宅用地

③ 計算

  • 課税標準額:1,000万円 × 1/6 ≒ 167万円
  • 固定資産税(年間):167万円 × 1.4% ≒ 2万3,300円

一方、もし居住割合が1/4未満で住宅用地の特例がまったく適用されない場合、課税標準額は1,000万円(負担調整措置上限70%)の場合で700万円となり、固定資産税は9万8,000円になります。

居住割合が住宅用地の特例に大きく影響することがわかります。

3パターンの税額計算例まとめ
パターン 敷地面積 評価額 課税標準額 固定資産税(年間・概算)
一戸建て(300㎡) 300㎡ 1,500万円 約334万円 約4万6,600円
アパート10戸(600㎡) 600㎡ 3,000万円 500万円 7万円
店舗兼住宅(居住割合1/2以上・200㎡) 200㎡ 1,000万円 約167万円 約2万3,300円

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6. 住宅用地の特例が外れる・縮小されるケース

住宅用地の特例は、「住宅が建っている」という状況が続く限り適用されますが、一定の事情が発生すると特例が外れたり、縮小されたりすることがあります。

特例が外れると土地の固定資産税が大幅に増えるため、空き家の放置や建替えを予定している方は特に注意が必要です。

どんなケースで特例が変わるのかを確認しておきましょう。

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6-1. 住宅を解体して更地にした場合|固定資産税は最大約4.2倍になる

住宅を解体して更地にすると、翌年から住宅用地の特例が外れ、土地の固定資産税が大幅に増えます。

「更地にすると固定資産税が6倍になる」という話を聞いたことがある人もいるかもしれません。しかし、これは正確ではありません。

更地になった土地は、固定資産税の区分上「商業地等(住宅以外の用途の土地)」に分類されます。

そして、商業地等には負担調整措置(課税標準額が急激に上がらないよう段階的に調整する仕組み)が適用されるため、課税標準額の上限は固定資産税評価額の70%となります。

小規模住宅用地(課税標準額が評価額の1/6)と比較すると、更地(課税標準額が評価額の70%)の差は次のとおりです。

  • 小規模住宅用地の課税標準額:固定資産税評価額 × 1/6 ≒ 17%
  • 更地(商業地等)の課税標準額:固定資産税評価額 × 70%(上限)

つまり、70% ÷ (1/6)=最大約4.2倍が固定資産税の増加の上限になります。

都市計画税については、小規模住宅用地(1/3)と商業地等(70%)の比較で最大約2.1倍になります。

固定資産税・都市計画税を合算した実際の税負担の増加は平均3.6倍程度というのが実態です(参考「朝来市:住宅・空き家解体後の固定資産税について」)。

なお、住宅の解体によって建物にかかる固定資産税はなくなります。そのため、「土地の税額増加分」と「建物の税額がなくなる分」を加味した実際の負担変化は、建物の評価額によって異なるため留意してください。

住宅を解体して更地にすると固定資産税の課税標準額が最大約4.2倍になる仕組みのフロー図

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6-2. 特定空家等として勧告された場合

住宅が建っていても、「特定空家等(そのまま放置すれば倒壊など保安上の危険が生じる恐れのある空き家や、衛生上・景観上有害となる空き家)」として市区町村長から「勧告」を受けると、住宅用地の特例が除外されます。

特定空家等に指定されただけでは特例は外れません。特例が外れるのは、市区町村長による「勧告(行政が所有者に対して正式に改善を求める法的な処分)」を受けた段階からです。

つまり、市区町村から「助言」や「指導」の段階では、特例はまだ外れません。勧告という行政処分が行われて初めて、特例が除外される仕組みです。

具体的には、勧告を受けると、翌年の1月1日(賦課期日)以降から特例が除外されます。

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6-3. 管理不全空家等に勧告された場合|2023年空き家法改正で追加

2023年(令和5年)12月の空き家法(空家等対策の推進に関する特別措置法)改正により、「管理不全空家等」という新たな区分が設けられ、こちらも勧告を受けると住宅用地の特例が除外されるようになりました。

改正前は「特定空家等(危険性の高い空き家)」に勧告された場合のみが特例除外の対象でした。

しかし改正後は、特定空家等になる前段階の「管理不全空家等(適切な管理が行われておらず、そのまま放置すれば特定空家等になる恐れのある空き家)」も、勧告を受けると特例除外の対象になりました。

特定空家等と管理不全空家等の違い
区分 状態の目安 特例除外のタイミング
特定空家等 倒壊の危険・衛生上有害・景観を損なうなど、危険性が高い空き家 市区町村長の「勧告」を受けた後
管理不全空家等 放置すれば特定空家等になる恐れのある空き家(草木の繁茂・外壁劣化など) 市区町村長の「勧告」を受けた後

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6-4. 建替え中の土地|申告すれば特例が継続される

住宅の建替えのために一時的に家屋がない状態になっても、一定の要件をすべて満たし市区町村に申告すれば、1年に限り特例が継続されます。

固定資産税は毎年1月1日(賦課期日)の現況で課税が決まり、建替え中に1月1日を迎えた場合、原則として住宅が建っていないため特例は外れます。

しかし、以下の要件をすべて満たす場合は、例外として特例継続の申告ができます。

建替え中の土地に特例が継続される5つの要件
# 要件
前年の1月1日時点で住宅用地として課税されていたこと
1月1日時点で建築確認申請が受け付けられているなど、建替えが着手されている状態にあること
翌年の1月1日までに住宅が完成する予定であること
建替え前と同一の敷地であること
建替え前後の土地・建物の所有者が原則として同一であること(配偶者・直系血族への移転は可)

なお、この特例継続は、自動的に適用されるものではないため注意してください。

必要な資料を添付のうえ、市区町村の固定資産税担当窓口に「建替特例適用申告書」を提出することにより特例が継続されます。

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6-5. 特例は適用されているのに課税標準額が1/6より高い場合|負担調整措置の影響

住宅用地の特例が正しく適用されているにもかかわらず、課税標準額が固定資産税評価額の1/6より高い場合があります。これは「負担調整措置」の影響です。

住宅用地においても、課税標準額は「固定資産税評価額 × 1/6」がそのまま適用されるわけではありません(参考「大阪市・税負担の調整措置」)。

前年度の課税標準額が「本来の課税標準額(評価額×1/6)」の100%に達していない場合は、次のような計算で段階的に引き上げられます。

  • 今年度の課税標準額 = 前年度課税標準額 +(本来の課税標準額 × 5%)

ただし、この計算結果が本来の課税標準額を上回った場合は本来の課税標準額が、本来の課税標準額の20%を下回った場合は20%相当額が課税標準額となります。

イメージとしては、「本来の課税標準額には届いていないけれど、毎年少しずつ本来の額に近づいていく」という仕組みです。

地価が大きく変動した年の翌年や、不動産を新たに取得して最初の課税を受けるケースなどで、この調整が働くことがあります。

納税通知書の課税標準額と「評価額÷6」の計算結果が一致しない場合は、まず市区町村の固定資産税担当窓口に確認することをおすすめします。

ちなみに、当サイト「固定資産税をパパっと解説」では、負担調整措置をわかりやすく解説する記事を公開中です。ぜひご覧ください。

お役立ち記事
固定資産税の負担調整措置とは?(図解でわかりやすい!)

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7. 住宅用地の特例が正しく適用されているか確認する方法

住宅用地の特例が正しく適用されているかどうかは、毎年届く「納税通知書」と「課税明細書」を見れば確認できます。

特例が正しく適用されていない場合や、適用区分が変わっているケースもあるため、年に一度は内容を確認する習慣をつけることをおすすめします。

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7-1. 固定資産税の納税通知書(課税明細書)の見方

毎年4〜5月ごろに届く固定資産税の納税通知書には、「課税明細書(各不動産の課税内容の詳細が記載された書類)」が同封されています。この課税明細書が、特例の適用状況を確認する際の基本資料になります。

課税明細書には、土地について次の項目が記載されています。

  • 所在・地番:土地の場所を示す情報
  • 地目(土地の利用状況に基づく区分のこと。「宅地」「田」「山林」など):「宅地」となっているか確認する
  • 価格(固定資産税評価額):課税計算の基礎となる金額
  • 課税標準額:特例率や負担調整措置を適用した後の計算基礎となる金額
  • 軽減税額:特例が適用されている場合に軽減された税額の記載

ポイントは、「価格」と「課税標準額」の比率を確認することです。

住宅用地の特例が適用されている場合、課税標準額は価格(固定資産税評価額)より大幅に低い金額になります。

たとえば、固定資産税評価額が1,200万円の土地(200㎡以下の小規模住宅用地)であれば、課税標準額は本則で1,200万円 × 1/6 = 200万円程度が目安です。

課税明細書の課税標準額がこれよりもはるかに高い場合は、特例が正しく適用されていない可能性があります。

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7-2. 特例の適用区分が誤っている・申告が必要なケース

住宅用地の特例は、多くの場合は市区町村が現況を把握して自動的に適用されますが、申告が必要なケースがあります。申告を怠ると、特例が受けられないまま課税が続いてしまう可能性があります。

申告が必要かどうか確認すべき主なケースは、次のとおりです。

  • 住宅を新築・増築した:市区町村が現況を把握していない場合がある
  • 相続や売買で土地・建物を取得した:前所有者との状況の変化が反映されていないことがある
  • 用途変更があった(専用住宅を店舗兼住宅に変えたなど):居住割合が変わると住宅用地の率も変わる
  • 建替えのために家屋を取り壊した:申告しないと翌年度から特例が外れる(「6-4.建替え中の土地|申告すれば特例が継続される」参照)

なお、申告の手続き方法や提出書類は市区町村によって異なります。「ご自身のケースで申告が必要かどうか」迷った場合は、市区町村の固定資産税担当窓口に問い合わせることをおすすめします。

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7-3. 納税通知書の内容に疑問・不服がある場合の対応

納税通知書の内容に疑問を感じた場合は、まず市区町村の税務担当窓口に問い合わせるのが最初のステップです。

問い合わせの結果、課税誤りが判明した場合は、市区町村が課税内容を修正し、過剰に納付した税額は還付されます。

一方、問い合わせをしても納得できない場合は、正式な不服申し立て制度があります。

税額の内容(課税標準額・特例の適用区分など)に不服がある場合は、審査請求(行政の決定に対して正式に不服を申し立てる手続き)を行うことができます。請求は、納税通知書を受け取った日の翌日から数えて3か月以内に市区町村に対して行う必要があります。

なお、土地の価格(固定資産税評価額そのもの)に不服がある場合は、市区町村長への審査請求ではなく、固定資産評価審査委員会(固定資産の評価額に関する不服を審査する専門の機関)への審査申し出が必要です。窓口が異なるため注意してください。

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まとめ|住宅用地の特例のポイントと確認事項

住宅用地の特例とは、住宅が建っている土地の固定資産税を大幅に軽減する制度です。この記事で解説した内容を、最後にポイントとして整理します。

① 特例の基本:住宅が建っていれば土地の課税標準額が大幅に下がる

住宅用地の特例が適用されると、固定資産税の計算の基礎となる課税標準額が、固定資産税評価額の1/6(小規模住宅用地)または1/3(一般住宅用地)まで引き下げられます。

  • 小規模住宅用地(1戸あたり200㎡以下の部分):課税標準額が固定資産税評価額の1/6
  • 一般住宅用地(200㎡を超えた部分):課税標準額が固定資産税評価額の1/3
  • アパートなど集合住宅の場合は「戸数 × 200㎡」まで小規模住宅用地として認められる

② 注意点:特例が外れるケースを把握しておく

住宅用地の特例は、一定の事情が発生すると外れることがあります。特に注意が必要な3つのケースを覚えておいてください。

  1. 住宅を解体して更地にした場合:翌年から特例が外れ、土地の固定資産税は最大約4.2倍になる(「6倍になる」は誤りです)
  2. 特定空家等・管理不全空家等として勧告を受けた場合:住宅が建っていても特例が除外される(2023年空き家法改正で管理不全空家等も対象に追加)
  3. 建替えのために住宅を取り壊した場合:1月1日時点で住宅がなければ原則特例が外れる。ただし要件を満たし市区町村に申告すれば1年に限り特例が継続される

③ 確認方法:年に一度、課税明細書をチェックする

毎年届く固定資産税の納税通知書に同封されている課税明細書で、「価格(固定資産税評価額)」と「課税標準額」の比率を確認します。

たとえば、固定資産税評価額が1,000万円の小規模住宅用地であれば、課税標準額は約167万円程度が目安です。

課税標準額が評価額に近い金額になっている場合は、特例が正しく適用されていない可能性があるため、市区町村の固定資産税担当窓口に問い合わせることをおすすめします。

住宅用地の特例は、知っているだけで毎年の固定資産税の負担が大きく変わる制度です。

「自分の土地に特例が適用されているか」「適用区分は正しいか」を一度確認してみることが、不必要な税負担を防ぐ第一歩です。

本記事の内容が、住宅用地の特例を調べる皆様に役立てば幸いです。最後に、住宅用地の特例に関するよくある質問とその答えをまとめます。

住宅用地の特例とは何ですか?
住宅用地の特例とは、住宅が建っている土地の固定資産税を大幅に軽減する制度です。土地の課税標準額(税額の計算基礎となる金額)が、小規模住宅用地(200㎡以下)では固定資産税評価額の1/6に、それを超える一般住宅用地では1/3に引き下げられます。根拠法令は地方税法第349条の3の2です。
小規模住宅用地と一般住宅用地の違いは何ですか?
1戸あたり200㎡以下の部分を小規模住宅用地、200㎡を超えた部分を一般住宅用地といいます。小規模住宅用地の固定資産税の課税標準額は固定資産税評価額の1/6、一般住宅用地は1/3となります。たとえば300㎡の一戸建て敷地なら、200㎡分が小規模、残り100㎡分が一般住宅用地として扱われます。
住宅を解体して更地にすると固定資産税は何倍になりますか?
「6倍になる」といわれることがありますが、正確ではありません。更地は固定資産税の区分上「商業地等」として扱われ、負担調整措置により課税標準額の上限は固定資産税評価額の70%となります。小規模住宅用地(評価額の1/6)との比較では、固定資産税は最大約4.2倍、都市計画税は最大約2.1倍となります。固定資産税・都市計画税を合算した実際の増加は平均3.6倍程度です。
空き家を放置すると固定資産税の特例は外れますか?
空き家があるだけでは特例は外れません。市区町村長から「特定空家等」または「管理不全空家等」として「勧告」という行政処分を受けた場合に、住宅用地の特例が除外されます。助言・指導の段階では特例は継続します。なお、管理不全空家等は2023年(令和5年)12月の空き家法改正で新たに加わった区分です。
住宅用地の特例が正しく適用されているか確認する方法は?
毎年届く固定資産税の納税通知書に同封されている課税明細書で確認できます。課税明細書に記載されている「価格(固定資産税評価額)」と「課税標準額」を比べてください。住宅用地の特例が適用されていれば、課税標準額は固定資産税評価額より大幅に低い金額になっています。疑問がある場合は、市区町村の固定資産税担当窓口に問い合わせてください。
著者・監修情報
固定資産税をパパっと解説(koteishisanzei-papatto.com)編集部。固定資産税に関する情報を図解を交えてわかりやすく解説することを心がけて記事を作成しています。作成にあたっては、総務省 固定資産評価基準、一般社団法人 資産評価システム研究センター、国土交通省などの公的機関の情報、および信頼性が極めて高い専門サイトの情報を参照しています。
参考資料・参考サイト
e-Gov:地方税法総務省:固定資産評価基準 第1章 土地一般財団法人 資産評価システム研究センター:令和8年度 固定資産税のしおり
注意点
本記事の内容は令和8年5月時点のものです。最新の情報は市町村役場のホームページや窓口、総務省、国土交通省の公式サイトなどにてご確認ください。

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