住宅用地の特例とは?

住宅用地の特例とは、住宅が建つ土地にかかる固定資産税が減額される特例です。
住宅用地の特例を図解でわかりやすく簡単にご説明しましょう。
目次
- 1. 住宅用地の特例とは?
- 1-1. あらためてわかりやすく解説
- 2. より正確な住宅用地の特例の意味
- まとめ - 住宅用地の特例は特定の空き家には適用されない
1. 住宅用地の特例とは?
それでは、住宅用地の特例をわかりやすくご説明しましょう。
その前に、不動産を所有すると固定資産税がかかることを理解してください。
不動産を所有すると固定資産税がかかることをご存じの方は、次の項目である「1-1. あらためてわかりやすく解説」まで読み飛ばしていただいて構いません。
土地や建物などの不動産を所有すると、固定資産税という税金が課せられます。
固定資産税とは、1月1日の時点で不動産などを所有する方に課せられる税金です。
一定の額を超える所得に対して課せられる所得税が国に治める国税であるのに対し、固定資産税はその不動産が所在する地域を管轄する市町村に収める地方税となっています。
1月1日の時点で土地を所有する方はその土地に対して、1月1日の時点で建物を所有する方はその建物に対して固定資産税が課せられ、納税しなければなりません。
なお、一戸建てを所有する方は、その建物とその建物が建つ土地を所有していますが、その両方に固定資産税が課せられることを留意してください。
また、マンションを所有する方は、一戸部分とそのマンションが建つ敷地を戸数などで割った面積の土地を所有し、その両方に固定資産税が課せられることとなります。
固定資産税は1月1日の時点で不動産などを所有する方に課せられる税金であり、所有するひとつの不動産につきひとつずつ課税され、不動産を所有する限り毎年納税し続けなければなりません。

つづいて、住宅用地の特例をわかりやすくご説明しましょう。
1-1. あらためてわかりやすく解説
住宅用地の特例とは、住宅が建つ土地にかかる固定資産税が安くなる特例です。
先にご紹介しましたが、一戸建てを所有する方は、その建物とその建物が建つ土地を所有し、両方に固定資産税が課せられます。
加えて、マンションを所有する方は、一戸部分とそのマンションが建つ敷地を戸数などで割った面積の土地を所有し、両方に固定資産税がかかります。
しかし、固定資産税は決して安くはないため、建物と土地の両方にかかると納税が大変です。
たとえば、新築であれば建物部分の固定資産税が15万円以上などに、土地部分の固定資産税は10万円以上などと高額になることがあり、その場合は毎年合計25万円以上などを納税しなければなりません。
そこで適用されるのが住宅用地の特例であり、住宅用地の特例とは、住宅が建つ土地にかかる固定資産税が6分の1や3分の1などに減額される特例です。

住宅用地の特例が適用されれば土地部分にかかる固定資産税が安くなり、いくぶんか納税が楽になります。
なお、住宅がない更地や、倉庫などの住宅ではない建物が建つ土地には住宅用地の特例は適用されません。
住宅用地の特例は、専ら人が居住するために使用される建物が建つ土地のみに適用されます。
また、この記事の「1. 住宅用地の特例とは?」にて、マンションを所有する場合は一戸部分とそのマンションが建つ敷地を戸数などで割った面積の土地を所有するとご説明しましたが、そのマンションが建つ敷地を戸数などで割った面積の土地にかかる固定資産税にも住宅用地の特例が適用されます。
住宅用地の特例は、住宅の所有者の負担を軽減するための特例です。
2. より正確な住宅用地の特例の意味
住宅用地の特例とは、住宅が建つ土地にかかる固定資産税が減税される特例です。
ここから、もう少し詳しく住宅用地の特例をご説明しましょう。
この記事の「1-1. あらためてわかりやすく解説」にて、住宅用地の特例は住宅が建つ土地に適用されるとご紹介しましたが、正確には住宅用地に適用されます。
住宅用地とは、専ら人が居住するために使用される建物、すなわち住宅が建つ土地です。
しかし、住宅が建つ土地の全ての部分が住宅用地になるとは限りません。
住宅用地になるのは、その土地に建つ住宅の総床面積の10倍までの部分です。
たとえば、総床面積が100㎡の住宅が建つ300㎡の土地は、その全ての部分が住宅用地となります。
一方、総床面積が100㎡の住宅が建つ1,500㎡の土地は、その住宅の総床面積の10倍である1,000㎡までの部分が住宅用地です。
住宅用地とならない残りの500㎡の部分には住宅用地の特例が適用されず、固定資産税は軽減されません。

そして、住宅用地となった部分に建つ住宅の戸数の1戸につき200㎡までの部分が小規模住宅用地に、それ以外の部分は一般住宅用地に区分けされます。
例を挙げると、住宅用地に一戸建てが建つ場合は、その住宅用地の20㎡までの部分が小規模住宅用地に区分けされます。
また、住宅用地に戸数が10であるマンションなどの集合住宅が建つ場合は、2,000㎡までの部分が小規模住宅用地です。
住宅用地のうち小規模住宅用地に区分けされた部分の固定資産税は6分の1などに、一般住宅用地に区分けされた部分の固定資産税は3分の1などに軽減されます。
これが正確な住宅用地の特例の意味です。

なお、住宅用地の特例は、地方税法の第三百四十九条の第三項の第二号である「住宅用地に対する固定資産税の課税標準の特例」によって適用されます。
住宅用地の特例をより正確に把握されたい方がいらっしゃいましたら、地方税法をご確認ください。
まとめ - 住宅用地の特例は特定の空き家には適用されない
住宅用地の特例をわかりやすく簡単に図解でご説明しました。
住宅用地の特例とは、住宅が建つ土地、すなわち住宅用地に適用される特例であり、同特例が適用されれば住宅が建つ土地にかかる固定資産税が減額されます。
具体的には、住宅用地のうちの小規模住宅用地の部分の固定資産税は6分の1などに、一般住宅用地の部分は6分の1などに軽減されます。
住宅用地の特例をお調べの方がいらっしゃいましたら、是非ご参考になさってください。
なお、住宅用地の特例とは住宅が建つ土地の固定資産税が減額される特例ですが、長らく空き家が建つ土地には適用されない場合があるため注意してください。
住宅用地の特例が適用されない空き家を「特定空家等」と呼び、長らく空き家で倒壊などが懸念される空き家が特定空家等であり、特定空家に指定される主な条件は以下のとおりです。
- 倒壊などの虞がある
- 衛生上有害となる虞がある
- 適切な管理が行われず、著しく景観を損なっている
- その周辺の生活環境を守るために放置することが望ましくない
ご紹介した内容が、住宅用地の特例をお調べになる皆様に役立てば幸いです。失礼いたします。
記事公開日:2021年6月
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