田舎の200坪の固定資産税はいくら?軽減措置の適用条件など解説

田舎の200坪の固定資産税はいくら?

田舎の200坪の土地にかかる固定資産税は、平坦で住宅が建てられていなければ3~4万円程度が目安です。

3~4万円程度と聞くと高額な印象を受けますが、荒れ地や傾斜地であれば固定資産税がかからないことも珍しくありません。

田舎の200坪の土地にかかる固定資産税の目安と、適用される軽減措置をご紹介しましょう。

目次

1. 田舎の200坪の固定資産税は、土地の形状などによって異なる

田舎の200坪の土地にかかる固定資産税は、土地の形状、住宅の有無などによって異なり、高ければ3~4万円程度、安ければかかりません。

具体的には、平坦で住宅がなければ固定資産税は3~4万円程度、荒れ地や傾斜地で住宅がなければ固定資産税は0円~5千円程度です。

平坦で住宅があれば固定資産税は5千円~1万円程度、傾斜地で住宅があれば固定資産税は0円~3千円程度となります。

田舎の200坪の土地にかかる固定資産税の目安

土地の状況 住宅の有無 固定資産税の目安
平坦(整地済み) なし 3~4万円程度
平坦(荒れ地) なし 0円~5千円程度
傾斜地(手つかず) なし 0円~3千円程度
傾斜地(一部造成済み) なし 3~4万円程度
平坦(整地済み) あり 5千円~1万円程度
傾斜地 あり 0円~3千円程度

ここでいう住宅とは、毎月一回程度以上利用する住居を指す

なお、ご紹介した固定資産税の目安は、土地のみの固定資産税のため留意してください。

建物が建てられていない田舎の200坪の土地を購入し、そのままであれば、土地のみの固定資産税を支払えば済みます。

しかし、その後に建物を建てれば、土地の固定資産税に加えて、建物の固定資産税も課されることとなります。

また、既に建物が建つ田舎の200坪の土地を購入した場合も、土地の固定資産税に加えて、建物の固定資産税も課されることとなります。

先にご紹介した固定資産税の目安は、建物の固定資産税は含まれません。

田舎の200坪の土地は、建物があれば建物の固定資産税も課される

つづいて、ご紹介した田舎の200坪の土地にかかる固定資産税の目安の詳細と、田舎の200坪の土地に適用される軽減措置をご紹介しましょう。

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1-1. 住宅がない田舎の200坪の固定資産税はいくら?

住宅が建てられていない田舎の200坪の固定資産税の目安は、平坦で整地済みであれば3~4万円程度、平坦であっても木が生い茂るなどして荒れ地であれば0円~5千円程度です。

傾斜地であれば税額は安くなり、0円~3千円程度が固定資産税の目安となります。

ただし、傾斜地であっても盛り土が行われ擁壁が施されるなどして一部が平坦になっているのであれば、固定資産税は3~4万円程度になる場合があるため注意してください。

住宅がない田舎の200坪の固定資産税は高ければ3~4万円程度、安ければかからない

固定資産税は、対象となる資産の時価を基に税額を計算し、時価が高い資産ほど税額が高くなります。

土地も固定資産税が課される対象となる資産であり、時価が高い土地は固定資産税が高くなりますが、時価が高い土地とは、いつでも建物を建てられる状態の土地です。

これを理由に、平坦で整地済みの土地は、固定資産税が高くなります。 一方、傾斜地はそのままでは建築できず、建築するためには高額な費用を要する造成や基礎工事が必要となるため、時価が低いとみなされ固定資産税が安くなります。

しかし、傾斜地であっても盛り土が行われ擁壁が施されるなどして、いつでも建物を建てることができる状態になっていれば、時価が高いとみなされ固定資産税が高くなります。

これは、田舎の土地、都会の土地を問いません。

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1-2. 住宅が建つ田舎の200坪の固定資産税はいくら?

住宅が建つ田舎の200坪の土地にかかる固定資産税の目安は、平坦であれば5千円~1万円程度、傾斜地であれば0円~3千円程度です。

ただし、傾斜地であっても盛り土が行われ擁壁が施されるなどして平坦な箇所があり、その部分に住宅が建つなどしていれば、固定資産税が5千円~1万円程度になる場合があるため注意してください。

住宅が建つ田舎の200坪の固定資産税は平坦であれば5千円~1万円程度、傾斜地であれば0円~3千円程度

なお、ここでいう住宅とは、定住する住居、または、月1回程度以上利用する住居を指します。

年に数回程度しか利用しない別荘などは、ここでいう住宅には該当しません。

別荘などが建つ田舎の200坪の土地にかかる固定資産税は、住宅が建てられていない田舎の200坪の土地にかかる固定資産税が目安となります。

その理由は、軽減措置にあります。

定住する住居、または、月1回程度以上利用する住居が建つ土地には「住宅用地の特例」と呼ばれる軽減措置が適用され、固定資産税が安くなります。

一方、年に数回程度しか利用しない別荘などが建つ土地には同軽減措置が適用されず、固定資産税は安くなりません。

この項目でご紹介したのは、同軽減措置が適用された、住宅が建つ田舎の200坪の土地にかかる固定資産税の目安です。

つづいて、「住宅用地の特例」の適用条件をご紹介しましょう。

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1-3. 田舎の200坪に適用される軽減措置

田舎の200坪の土地を含め、一定の条件を満たす土地には「住宅用地の特例」と呼ばれる軽減措置が適用され、固定資産税が安くなります。

田舎の200坪の土地に同軽減措置が適用される条件は、主に二つです。

一つめの条件は、月一回程度以上利用する住居である建物が建てられていることです。

二つめの条件は、一つめの条件を満たすことを市町村役場に申告をすることです。

田舎の200坪の土地に「住宅用地の特例」が適用される主な条件
  1. 月一回程度以上利用する住居である建物が建てられている
  2. 「1」の条件を満たすことを市町村役場に申告をした

田舎の200坪の土地に「住宅用地の特例」が適用されれば、その土地に建つ住宅の床面積の10倍までの部分にかかる固定資産税が安くなります。

具体的には、200㎡までの部分の固定資産税は、同軽減措置の適用前の23.5%程度まで安くなります。

200㎡を超える床面積の10倍までの部分の固定資産税は、同軽減措置の適用前の47.5%程度まで安くなります。

たとえば、同軽減措置が適用されなければ、敷地全体の固定資産税が3万円である田舎の200坪の土地があったとしましょう。

その田舎の200坪の土地に床面積が80㎡(約24.2坪)の住宅を建て、同軽減措置が適用されたとします。

であれば、200㎡までの部分の固定資産税は2,150円程度、200㎡を超える部分の固定資産税は9,950円程度となり、合計1万2,100円程度まで固定資産税が安くなります。

田舎の200坪の土地は住宅を建てれば軽減措置が適用され、固定資産税が安くなる

なお、先に「住宅用地の特例」の適用条件をご紹介しましたが、市町村によっては「月一回程度以上」という回数が異なる場合があるため注意してください。

また、市町村によっては、申告不要で同軽減措置が適用されることがあるため、重ねて注意してください。

特に、中古住宅が建つ田舎の200坪の土地を購入した場合は、申告をせずとも既に同軽減措置が適用されている可能性があります。

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2. 田舎の200坪の固定資産税を計算する方法◆

ここからは、田舎の200坪の土地の固定資産税を計算する方法をご紹介しましょう。

田舎の200坪の土地にかかる固定資産税は、住宅が建てられていない場合と、住宅が建てられている場合によって計算方法が異なり、詳細は以下のとおりです。

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2-1. 住宅がない田舎の200坪の固定資産税の計算方法

住宅が建てられていない田舎の200坪の土地の固定資産税は、以下のように計算します。

田舎の200坪の土地(住宅なし)の固定資産税を計算する方法
課税標準額(その土地の固定資産税評価額の70%など)×固定資産税の税率(市町村によって異なるものの主に1.4%)=固定資産税

上記の式には「課税標準額」という言葉が含まれます。

課税標準額とは、なにかしらの税金が課される状況において税率を掛け算する基となる額であり、課される税金によって意味が違うことがあれば、同じこともあります。

田舎の200坪の土地を含め、住宅が建てられていない土地の固定資産税を計算する際の課税標準額は、式に記したように「その土地の固定資産税評価額の70%など」です。

土地の固定資産税評価額とは、市町村によって評価された、その土地の「適正な時価」であり、土地の売買価格より低くなるのが通例となっています。

どの程度低くなるかは物件によって異なりますが、都市部、及びその周辺に位置する土地であれば、売買価格の70%程度になるといわれます。

一方、田舎の土地は売買価格を大きく下回ることが多く、売買価格の10%程度などになることも珍しくありません。

土地の固定資産税評価額の傾向

土地の状況 固定資産税評価額の目安
都市部、およびその周辺に位置する土地 売買価格の70%程度など
田舎の土地 物件によって大きく異なり、売買価格の10%以下になることもある

たとえば、固定資産税評価額が200万円である、住宅が建てられていない田舎の200坪の土地があったとしましょう。

その田舎の200坪の土地は以下のように計算し、固定資産税は1万9,600円です。

固定資産税の計算例
課税標準額(その土地の固定資産税評価額である200万円の70%の140万円)×1.4%=1万9,600円

なお、都会の土地の多くには、固定資産税に加えて都市計画税も課されますが、田舎の土地に都市計画税が課されることはありません。

また、「総務省:固定資産税の概要」では、固定資産税のあらましをご確認いただけます。

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2-2. 住宅が建つ田舎の200坪の固定資産税の計算方法

住宅(定住、または月一回程度以上利用する住居)が建つ田舎の200坪の土地には、「住宅用地の特例」と呼ばれる軽減措置が適用されます。

同軽減措置が適用されれば、その田舎の200坪の土地に占める200㎡までの部分は「小規模住宅用地」となります。

また、200㎡を超える、その田舎の200坪の土地に建つ住居の床面積の10倍までの部分は「一般住宅用地」となります。

そして、小規模住宅用地と一般住宅用地の固定資産税、およびそれら以外の部分の固定資産税は以下のように計算します。

小規模住宅用地の固定資産税の計算方法
課税標準額(その土地の固定資産税評価額の6分の1)×固定資産税の税率(主に1.4%)=小規模住宅用地の固定資産税

一般住宅用地の固定資産税の計算方法
課税標準額(その土地の固定資産税評価額の3分の1)×固定資産税の税率(主に1.4%)=一般住宅用地の固定資産税

住宅用地以外の部分の固定資産税の計算方法
課税標準額(その土地の固定資産税評価額の70%など)×固定資産税の税率(主に1.4%)=住宅用地以外の部分の固定資産税

たとえば、床面積が80㎡の住宅が建つ、田舎の200坪の土地があったとしましょう。

であれば、その田舎の200坪の土地は、200㎡(約60坪)までの部分が小規模住宅用地、200㎡を超える660㎡(200坪)までの部分が一般住宅用地となります。

その田舎の200坪の土地の固定資産税評価額が200万円であれば以下のように計算し、固定資産税は7,900円程度です。

1㎡あたりの固定資産税評価額の計算例
200万円(土地全体の固定資産税評価額)÷660㎡(200坪)=3,030.3円(1㎡あたりの固定資産税評価額)

小規模住宅用地の固定資産税の計算例
課税標準額(3,030.3円×200㎡÷6=10万1,010円)×固定資産税の税率(主に1.4%)=1,414.14円(小規模住宅用地の固定資産税)

一般住宅用地の固定資産税の計算例
課税標準額(3,030.3円×460㎡÷3=46万4,646円)×固定資産税の税率(主に1.4%)=6,505.044円(一般住宅用地の固定資産税)

土地全体の固定資産税の計算例
1,414.14円(小規模住宅用地の固定資産税)+6,505.044円(一般住宅用地の固定資産税)=7,900円(土地全体の固定資産税)

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まとめ - 田舎の200坪に建つ建物の固定資産税はいくら?

田舎の200坪の土地にかかる固定資産税の目安をご紹介しました。

田舎の200坪の土地は、土地の形状、住宅の有無などによって固定資産税の目安が異なります。

住宅がなく、平坦であり整地済みであれば固定資産税は3~4万円程度、平坦で荒れ地であれば0円~5千円程度です。

同じく住宅がなく、手つかずの傾斜地であれば固定資産税は0円~3千円程度、一部が平坦に造成された傾斜地であれば3~4万円程度となります。

住宅が建てられた平坦な200坪であれば固定資産税は5千円~1万円程度、独立基礎などで住宅が建てられている手つかずの傾斜地であれば0円~3千円程度です。

一部が平坦に造成された傾斜地であり、造成された部分に住宅が建てられているのであれば固定資産税は5千円~1万円程度となります。

田舎の200坪の土地の固定資産税をお調べの方がいらっしゃいましたら、ぜひご参考になさってください。

ちなみに、田舎の200坪の土地に建物が建てられていれば、建物にも固定資産税が課されることとなります。

建物の固定資産税の目安は、建築費と築年数によって大きく異なります。

平屋で築浅であれば固定資産税は7~8万円程度、平屋で築古であれば2~3万円程度です。

二階建てで築浅であれば固定資産税は12~13万円程度、二階建てで築古であれば3~4万円程度となります。

いずれの目安も、一般的な建築費で建てられた平屋や二階建てに限り該当します。

田舎の200坪の土地に建つ建物の固定資産税はいくら?

階数 固定資産税の目安
平屋 築浅であれば7~8万円程度、築古であれば2~3万円程度
二階建て 築浅であれば12~13万円程度、築古であれば3~4万円程度

いずれの税額の目安も一般的な建築費で建てられた平屋や二階建てに限り該当する

ご紹介した内容が、皆様に役立てば幸いです。失礼いたします。

記事公開日:2024年12月

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