位置指定道路の固定資産税はいくら?非課税の条件など解説

位置指定道路の固定資産税はいくら?

位置指定道路の固定資産税は概ね非課税であり、課税されたとしても税額が安くなるのが通例です。

固定資産税がかからない位置指定道路の条件や、課税される場合に税額がいくらになるか目安をご紹介しましょう。

目次

1. 非課税の条件

まずは、固定資産税がかからない位置指定道路の条件をご紹介しましょう。

その前に、位置指定道路は私道であることを留意してください。

道路には国や地方自治体が所有しつつ維持管理する公道と、個人や企業などが所有しつつ維持管理する私道があり、位置指定道路は私道です。

そして、私道には、固定資産税がかかる私道とかからない私道があり、その基準は市区町村によって異なります。

つまり、市区町村が規定する固定資産税がかからない基準を満たす私道に該当する位置指定道路であれば課税されないというわけです。

固定資産税がかからない位置指定道路の条件

先にご紹介したとおり固定資産税が非課税となる私道の条件は市区町村によって異なりますが、以下のいずれかの条件などを満たす、立て札を置くなどして一般人の通行を禁止したり、自動車や植木などが置かれていない私道です。

固定資産税が非課税となる私道の主な条件

  • 幅が1.8メートル以上である、始点と終点が異なる公道に接続された通り抜けできる私道
  • 幅が4メートル以上であり、始点と終点が同一の道路に接続されているコの字型の私道
  • 幅が4メートル以上である行き止まりの私道

上記などの条件を満たす私道であれば、固定資産税がかかりません。

よって、その位置指定道路が上記などの条件を満たすのであれば固定資産税はかからないとお考えください。

位置指定道路の認定基準は市区町村によって異なりますが、幅4メートル以上であり、アスファルトで舗装されつつ側溝や縁石が設置されているなどが主な条件です。

そのため、立て札を置きつつ一般人の通行を禁止するなどしていない限り、大抵の位置指定道路は固定資産税が非課税となります。

固定資産税が非課税となる私道の条件や位置指定道路の認定基準は市区町村によって異なるため、全ての位置指定道路が非課税になると断言することはできませんが、多くの場合は課税されません。

各市区町村の固定資産税がかからない私道の条件は、その市区町村のホームページ内に設置されている検索窓に「固定資産税 私道」などと入力しつつ検索することによりご確認いただけます。

また、各市町村の位置指定道路の認定基準は、その市区町村のホームページ内に設置されている検索窓に「位置指定道路 認定基準」などと入力しつつ検索することにより確認することが可能です。

余談ですが、大阪市の固定資産税がかからない私道の条件は「大阪市|私有道路の評価などについて」にて、位置指定道路の認定基準は「大阪市|大阪市道路位置指定基準」にてご確認いただけます。

固定資産税が非課税となる私道の主な条件

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2. 税額はいくら?

位置指定道路には、おおむね固定資産税がかかりません。

しかし、市区町村が規定した固定資産税が非課税となる私道の条件に合致しない位置指定道路は課税されることとなります。

そこで気になるのが固定資産税かいくらになるかですが、安くなるのが通例です。

具体的には、その位置指定道路の1㎡あたりの固定資産税は、その位置指定道路が接する宅地(建物が建っている土地)の1㎡あたりの固定資産税の10分の3から10分の1程度になります。

位置指定道路の固定資産税の目安

たとえば、その位置指定道路が接する宅地の固定資産税が1㎡あたり1,000円の場合は、その位置指定道路の1㎡あたりの固定資産税は300円から100円といった具合です。

そして、その位置指定道路の面積が10㎡の場合は「300円から100円×10㎡=3,000円から1,000円」、20㎡の場合は「300円から100円×20㎡=6,000円から3,000円」などと乗算すれば固定資産税が計算できます。

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2-1. 注意点

固定資産税がかかる場合における位置指定道路の1㎡あたりの固定資産税は、接する宅地の1㎡あたりの固定資産税の10分の3から10分の1程度です。

ここで気になるが、その位置指定道路が接する宅地の固定資産税の調べ方ですが、その宅地が所在する地域を管轄する市区町村役場で固定資産課税台帳を閲覧することにより確認できます。

固定資産課税台帳とは、所有する不動産の固定資産税などが記された台帳であり、その写しである「固定資産課税台帳登録事項証明書」などの交付を請求しつつ内容を閲覧します。

また、その位置指定道路が接する宅地の固定資産税は納税通知書にも記されています。

ただし、納税通知書に記されている宅地の固定資産税は、本来の固定資産税の6分の1、または3分の1に減額されているため注意してください。

これは、住宅が建つ宅地の固定資産税は200㎡までの部分が6分の1に、200㎡を超える部分は3分の1に減額されることが理由です。

住宅が建つ土地には「住宅用地の特例」という固定資産税の減税措置が適用され、200㎡までの部分の税額が6分の1に、200㎡を超える部分は3分の1に減額されます。

位置指定道路は主に不動産業者などが建売を売るために建設した私道であり、位置指定道路に接する宅地にはほぼ必ず住宅が建ち、住宅用地の特例が適用されています。

よって、納税通知書から宅地の固定資産税を調べつつ位置指定道路の固定資産税を計算したいと希望する場合は、納税通知書に記されている宅地の固定資産税を6倍、または3倍しつつご計算ください。

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まとめ - 非課税にするには申請が必要

位置指定道路の固定資産税がいくらか、非課税になる条件などをご紹介しました。

位置指定道路は私道です。

そして、市区町村によって基準が異なりますが、固定資産税がかかる私道、かからない私道、かかるとしても税額が安くなる私道があります。

幅が4メートル以上であり始点と終点が同一の道路に接続されているコの字型の私道や袋路状道路(行き止まり道路)などは概ね非課税であり、課税されたとしても税額が大幅に安くなります。

位置指定道路の認定基準は市区町村によって異なるものの概ね幅が4メートル以上などであるため、固定資産税が非課税、または大幅に安くなる私道の条件を満たします。

よって、位置指定道路は固定資産税が概ね非課税であり、課税されたとしても税額が大幅に安くなるのが通例です。

位置指定道路の固定資産税がいくらになるかお調べの方がいらっしゃいましたら、ぜひご参考になさってください。

なお、私道には固定資産税がかかる私道、かからない私道、かかるとしても税額が安くなる私道があるとご紹介しましたが、非課税や税額を安くするためには申請が必要です。

そのため、位置指定道路の固定資産税を非課税に、または安くする際も申請が必要であり、未申請の場合は非課税などにはならないため注意してください。

申請方法は、その位置指定道路が所在する市区町村によって異なり、市区町村役場のホームページ内に設けられている検索窓に「私道 固定資産税 申請」などと入力しつつ検索することにより確認することが可能です。

ご紹介した内容が、位置指定道路の固定資産税がいくらになるかお調べになる皆様に役立てば幸いです。失礼いたします。

記事公開日:2021年5月

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