更地にすると固定資産税はいつから上がる?6倍の誤解と注意点

更地にすると固定資産税はいつから上がる?6倍の誤解と注意点

建物を解体して更地にすると固定資産税が6倍になると聞き、不安を感じる方が多くいらっしゃいます。

確かに住宅を解体して更地にすると多くの場合は固定資産税が上がりますが、6倍になることは稀であり、直ちに税額が上がるとも限りません。

そこで、今回の「固定資産税をパパっと解説」では、更地にすると固定資産税が6倍になるといわれる理由、更地にすると税額がいつから上がるか、更地にする前に納税通知書でチェックすべきポイント、空き家を管理する際や土地の駐車場活用で見落としやすい注意点を解説します。

目次

更地にすると固定資産税はいつから上がる?

はじめに、更地にすると固定資産税はいつから上がるのか、土地の固定資産税は「いつの状態で税額が決まるのか」をわかりやすく解説します。

更地にすることにより固定資産税が上がる時期を把握すれば、建物を解体する、解体後に土地を売却するなどの計画を立てる際に役立ちます。

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毎年1月1日に固定資産税が課されるかが決まる

固定資産税は、年度を問わず1月1日の時点で土地や建物などを所有することにより課されることが決定し、1月1日時点の土地や建物の状況によって税額が決定します。

よって、年の途中で建物を解体しても、その年度の固定資産税が上がったり下がったりすることはありません。

たとえば、令和8年3月1日に建物を解体して更地にしたとしても、その年の固定資産税は変わらないといった具合です。

ちなみに、固定資産税において1月1日を「賦課期日(ふかきじつ)」と呼びます。

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解体した時期で翌年度の固定資産税が決まる

更地にすることにより固定資産税がいつから上がるかは、建物の解体が完了した時期によって決定します。

具体的には、更地になった状態ではじめて迎えた1月1日が属する年から固定資産税が上がることとなります。

たとえば、令和8年中に建物の解体が完了し、令和9年1月1日の時点で更地であったのであれば、令和9年から固定資産税が上がるといった具合です。

一方、令和8年の暮れに建物の解体を開始し、令和9年1月1日の時点で建物が存在し、令和9年の初旬に解体が完了したのであれば、令和10年から固定資産税が上がることとなります。

その状況においては、令和9年の4月ごろに届く固定資産税の課税明細書に記されている税額はこれまでとさほど変わらず、令和10年の4月ごろに届く課税明細書に記されている税額が上がります。

住宅である建物を解体するといつから固定資産税が上がるかを説明した図解

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建物を解体後も固定資産税が課されている理由

インターネットの掲示板を見ると、「建物を解体後も固定資産税がかかっているのはなぜ?」という質問を見かけることがあります。

それは、建物を解体して更地になった状態で1月1日を迎えていないことが理由と考えられます。

固定資産税は、1月1日の時点で土地や建物などを所有することにより課されることが決定し、決定すれば、その年の4月ごろに市町村役場から納税通知書が届きます。

これを理由に、建物を解体して更地になった状態で1月1日を迎えれば、その年から建物の固定資産税がかからなくなり、その年の4月ごろに届く納税通知書には建物の固定資産税が記されなくなります。

届いた納税通知書には、土地の固定資産税額のみが記されているといった具合です。

もし、1月1日の時点で建物の解体が完了し、更地になっていたにもかかわらず建物の固定資産税が課されているのであれば、それは市町村役場の手違いの可能性があるため、資産税課に詳細を伝えつつ是正を求めるのが良いでしょう。

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更地にすると固定資産税が6倍って本当?よくある誤解

建物を解体して更地にすると固定資産税が6倍になるといわれますが、おそらくは誤解であり、6倍になることはないと考えられます。

それは、更地にするとそれまで課されていた建物の固定資産税がかからなくなることや、土地の固定資産税を計算する方法が大きく変わるためです。

ここからは、更地にすると固定資産税が6倍になるといわれる理由と、6倍になることはない理由を解説します。

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更地にすると「住宅用地の特例」の適用が外れる

更地にすると固定資産税が6倍になるといわれるのは、住宅が建つ土地を更地にすると「住宅用地の特例」などと呼ばれる軽減措置の適用が外れるためです。

固定資産税において住宅が建つ土地を住宅用地と呼び、住宅用地のうち200㎡(約60坪)までの部分を小規模住宅用地と呼びます。

そして、住宅用地には「住宅用地の特例」が適用され、適用されれば、小規模住宅用地の固定資産税を計算する際の課税標準額が減ります。

課税標準額とは、なにかしらの税金が課される状況において税率を掛け算する基となる額であり、課される税金によって意味が違うことがあれば、同じこともあります。

住宅用地の特例が適用された小規模住宅用地の固定資産税を計算する際の課税標準額は「その土地の固定資産税評価額÷6」です。土地の固定資産税評価額とは、市町村が評価したその土地の時価を指します。

難解ですが、本来の土地の固定資産税を計算する方法と、住宅用地の特例が適用された小規模住宅用地の固定資産税を計算する方法を比較すると意味がわかりやすくなります。

本来の土地の固定資産税を計算する方法
課税標準額(その土地の固定資産税評価額)×固定資産税の税率(市町村によって異なるものの主に1.4%)=本来の土地の固定資産税
住宅用地の特例適用時の小規模住宅用地の固定資産税を計算する方法
課税標準額(その土地の固定資産税評価額÷6)×固定資産税の税率(市町村によって異なるものの主に1.4%)=特例適用時の小規模住宅用地の固定資産税

住宅である建物が存在する状態では、その土地が小規模住宅用地であれば、上記の2番目の方法で固定資産税を計算します。2番目の課税標準額は「その土地の固定資産税評価額÷6」です。

一方、住宅である建物を解体して更地にすると、上記の1番目の方法で固定資産税を計算することとなります。1番目の課税標準額は「その土地の固定資産税評価額」です。

すなわち、「÷6」が消えることとなり、これを理由に「更地にすると固定資産税が6倍になる」などと言われます。

しかし、これは誤解であり、住宅を解体して更地にすると、その土地の固定資産税は「本来の土地の固定資産税を計算する方法」で計算されることはありません。

「負担調整措置適用後の商業地等」として固定資産税が計算されることとなります。その計算方法をご紹介すると、以下のとおりです。

負担調整措置適用後の商業地等の固定資産税を計算する方法
課税標準額(その土地の固定資産税評価額の70%が上限)×固定資産税の税率(市町村によって異なるものの主に1.4%)=負担調整措置適用後の商業地等の固定資産税

すなわち、「÷6」が消えたとしても、課税標準額が最大でも固定資産税評価額の70%となるため、税額が6倍になることはないというわけです。実質、土地の固定資産税は4.2倍程度まで上がるに留まることとなります。

また、このほかにも、固定資産税が6倍まで上がることがない理由があります。

つづいて、その詳細を解説しましょう。

なお、当サイト「固定資産税をパパっと解説」では、負担調整措置をわかりやすく解説する記事を公開中です。気になる方がいらっしゃいましたら、ぜひご覧ください。

お役立ち記事
固定資産税の負担調整措置とは?(図解でわかりやすい!)

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固定資産税は土地と家屋にそれぞれ課されている

住宅である建物を解体して更地にすると固定資産税が上がりますが、上がるのは土地の固定資産税のみです。

住宅である建物を解体するまでの固定資産税は、土地の固定資産税と、建物の固定資産税の合計です。

住宅である建物を解体すると土地の固定資産税は4.2倍程度まで上がりますが、代わりに、それまで課されていた建物の固定資産税が課されなくなります。

たとえば、住宅である建物を解体するまでに課されていた土地の固定資産税が3万円、建物の固定資産税が3万円、税額の合計6万円であったとしましょう。

であれば、建物を解体すると土地の固定資産税は4.2倍である12万6,000円程度まで上がりますが、代わりに建物の固定資産税が課されなくなります。

すなわち「12万6,000円÷6万円=2.1」と計算して、固定資産税が上がるのは2.1倍というわけです。

住宅である建物を解体すると固定資産税はどれくらい上がるかを説明した図解

ただし、都市計画税も課されている場合は、もう少し倍率が高くなる可能性があるため注意してください。つづいて、その詳細を解説します。

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都市計画税も課されていたのであれば倍率が変わる

都市計画税も課されている状況で住宅である建物を解体して更地にしたのであれば、固定資産税が上がる倍率が変わります。

都市計画税とは、主に市街地に位置する建物や土地の所有者に課される税金であり、課される場合は、固定資産税と併せて課されます。

そして、固定資産税と併せて都市計画税が課されている場合は、毎年4月ごろに届く固定資産税の納税通知書に記されている税額は、それらの税額の合計となります。

戸建てを所有し、固定資産税と都市計画税が課されている状況を図解でご紹介すると以下のとおりです。

戸建ての建物と土地にそれぞれ固定資産税と都市計画税が課されていることを説明した図解

この記事の「更地にすると「住宅用地の特例」の適用が外れる」でご紹介したとおり、住宅用地には住宅用地の特例が適用されますが、適用されれば、土地の都市計画税を計算する際の課税標準額が変わります。

本来の土地の都市計画税を計算する際の課税標準額は、「その土地の固定資産税評価額」です。

これに対して、住宅用地の特例が適用された小規模住宅用地の都市計画税を計算する際の課税標準額は「その土地の固定資産税評価額÷3」となります。

しかし、家屋を解体して住宅用地の特例の適用が外れれば、課税標準額は「固定資産税評価額」となります。すなわち「÷3」が消え、土地の都市計画税が上がるというわけです。

難解ですが、本来の土地の都市計画税の計算方法と、住宅用地の特例適用時の小規模住宅用地の都市計画税の計算方法を比較すれば、その意味がわかりやすくなります。

本来の土地の都市計画税を計算する方法
課税標準額(その土地の固定資産税評価額)×都市計画税の税率(市町村によって異なるものの最高で0.3%)=本来の土地の都市計画税
住宅用地の特例適用時の小規模住宅用地の都市計画税を計算する方法
課税標準額(その土地の固定資産税評価額÷3)×都市計画税の税率(市町村によって異なるものの最高で0.3%)=特例適用後の小規模住宅用地の都市計画税

住宅である建物が存在する状態では、その土地が小規模住宅用地であれば、上記の2番目の方法で都市計画税を計算します。2番目の課税標準額は「その土地の固定資産税評価額÷3」です。

一方、建物を解体して更地にすると、上記の1番目の方法で都市計画税を計算することとなります。1番目の課税標準額は「その土地の固定資産税評価額」です。

つまり、「÷3」が消え、土地の都市計画税が上がることとなります。であれば3倍まで上がると考えがちですが、実は3倍にはなりません。

住宅である建物を解体して更地にすると、その土地の都市計画税は「本来の土地の都市計画税を計算する方法」とは異なる式で計算されることとなります。

具体的には、「負担調整措置適用後の商業地等」として都市計画税が計算されることとなり、計算方法をご紹介すると以下のとおりです。

負担調整措置適用後の商業地等の都市計画税を計算する方法
課税標準額(その土地の固定資産税評価額の70%が上限)×都市計画税の税率(市町村によって異なるものの最高で0.3%)=負担調整措置適用後の商業地等の都市計画税

ようするに、「÷3」が消えたとしても、課税標準額が最大でも固定資産税評価額の70%となるため、税額が3倍になることはないというわけです。

実質、土地の都市計画税は2.1倍程度まで上がるに留まります。

これもまた難解ですが、住宅である建物を解体して更地にすると、土地の固定資産税は4.2倍程度まで、土地の都市計画税は2.1倍程度まで、固定資産税と都市計画税を合わせると3.6倍程度まで上がるなどとお考えください。

また、この3.6倍という数値も、土地の固定資産税と都市計画税のみの倍率であり、建物に課されていた固定資産税、および都市計画税が課されなくなることを加味していません。

建物に課されていた固定資産税、および都市計画税が課されなくなることを加味すると、おそらく倍率は3.6倍より低くなります。

更地にすると土地の固定資産税は上がるが、建物の固定資産税はかからなくなることを説明した図解

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住宅用地の特例とは?わかりやすく解説

住宅である建物を解体して更地にすると固定資産税が上がるのは、「住宅用地の特例」の適用が外れるためです。

固定資産税において、1月1日の時点で住宅が建つ土地を「住宅用地」と呼び、住宅用地には同特例が適用されます。適用されれば、その土地の固定資産税を計算する際の課税標準額が減ることとなり税額が軽減されます。

しかし、住宅である建物を解体すると、その土地は住宅用地ではなくなり特例の適用も外れ、固定資産税が上がることとなります。

住宅である建物を解体して更地にすると住宅用地の特例の適用が外れ固定資産税が上がることを説明した図解

その住宅用地ですが、実は「小規模住宅用地」と「一般住宅用地」に区分され、固定資産税が軽減される程度が異なります。つづいて、その詳細を解説します。

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小規模住宅用地と一般住宅用地の違い

固定資産税において1月1日の時点で住宅が建つ土地を住宅用地と呼び、住宅用地には「住宅用地の特例」が適用され固定資産税が軽減されます。

その住宅用地ですが、小規模住宅用地と一般住宅用地に区分され、固定資産税が軽減される具合が異なります。

小規模住宅用地とは、住宅用地のうち、その住宅用地に建つ住宅一戸あたりにつき200㎡(約60坪)までの部分です。

一方、住宅用地のうち小規模住宅用地以外の部分、すなわちその住宅用地に建つ住宅一戸あたりにつき200㎡を超える部分は、一般住宅用地に区分されます。

小規模住宅用地と一般住宅用地の区分を図解でわかりやすくご紹介すると、以下のとおりです。

小規模住宅用地と一般住宅用地の違いがわかる図解

そして、住宅用地には住宅用地の特例が適用され固定資産税が軽減されますが、小規模住宅用地は税額の軽減具合が大きく、一般住宅用地は税額の軽減具合が小さくなります。

具体的には、小規模住宅用地の固定資産税を計算する際の課税標準額はその土地の固定資産税評価額の6分の1に、一般住宅用地の固定資産税を計算する際の課税標準額はその土地の固定資産税評価額の3分の1となります。

また、都市計画税も課されている住宅用地は、住宅用地の特例が適用されることにより都市計画税も軽減されます。

具体的には、小規模住宅用地の都市計画税を計算する際の課税標準額はその土地の固定資産税評価額の3分の1に、一般住宅用地の都市計画税を計算する際の課税標準額はその土地の固定資産税評価額の3分の2となります。

小規模住宅用地と一般住宅用地の固定資産税、および都市計画税の計算方法をご紹介すると、以下のとおりです。

小規模住宅用地の固定資産税の計算方法
課税標準額(その土地の固定資産税評価額の6分の1)×固定資産税の税率(市町村によって異なるものの主に1.4%)=小規模住宅用地の固定資産税
一般住宅用地の固定資産税の計算方法
課税標準額(その土地の固定資産税評価額の3分の1)×固定資産税の税率(市町村によって異なるものの主に1.4%)=一般住宅用地の固定資産税
小規模住宅用地の都市計画税の計算方法
課税標準額(その土地の固定資産税評価額の3分の1)×都市計画税の税率(市町村によって異なるものの最高で0.3%)=小規模住宅用地の都市計画税
一般住宅用地の都市計画税の計算方法
課税標準額(その土地の固定資産税評価額の3分の2)×都市計画税の税率(市町村によって異なるものの最高で0.3%)=一般住宅用地の都市計画税

ちなみに、当サイト「固定資産税をパパっと解説」では、小規模住宅用地と一般住宅用地の違いをよりわかりやすく解説する記事を公開中です。ぜひご覧ください。

お役立ち記事
図解でわかりやすい!小規模住宅用地と一般住宅用地の違い

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住宅用地の範囲

住宅用地は小規模住宅用地と一般住宅用地に区分されますが、実は住宅用地には範囲があります。

住宅用地は、住宅が建つ土地に占める、その土地に建つ住宅の床面積の10倍までの部分です。

住宅用地、小規模住宅用地、一般住宅用地の範囲を表でまとめると、以下のとおりです。

住宅用地、小規模住宅用地、一般住宅用地の範囲

名称 部分
住宅用地 土地に占める、その土地に建つ住宅の床面積の10倍までの部分
小規模住宅用地 住宅用地のうち、住宅一戸あたりにつき200㎡までの部分
一般住宅用地 住宅用地のうち、小規模住宅用地以外の部分

住宅用地には「住宅用地の特例」が適用され固定資産税が軽減されますが、固定資産税が軽減されるのは、土地に占める住宅用地の部分に限られます。

広い土地を所有し、その一画にぽつんと家を建て、土地のすべてが住宅用地となり固定資産税が軽減されるのは不公平なため、住宅用地には限度があるのです。

なお、ここでご紹介した住宅用地の範囲は、純粋な住宅が建つ住宅用地の範囲であり、住宅と店舗、住宅と事務所などの併用住宅が建つ土地には該当しないため留意してください。

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建設予定地が住宅用地にならない理由

住宅用地の特例は、住宅用地に適用されます。住宅用地とは、年度を問わず1月1日の時点で住宅が建つ土地です。

したがって、新築を予定しつつも1月1日の時点で建物が完成していない土地は、一部例外を除き住宅用地とはならず住宅用地の特例は適用されません。

住宅が完成した状態ではじめて迎えた1月1日が属する年からその土地は住宅用地となり、住宅用地の特例が適用されることとなります。

ただし、住宅を建替えるために、住宅がない状態で1月1日を迎え、なおかつ一定の条件を満たす場合は建替え中も住宅用地となり、住宅用地の特例が適用されます。

満たすべき一定の条件は市町村によって異なりますが、東京23区では主に以下のとおりです。

  • 前年度の1月1日の時点で、その土地が住宅用地であった
  • 1月1日の時点で新築工事に着手している、または建築確認申請を1月1日までに完了し、なおかつ3月末日までに新築工事に着手している
  • 建替えを行う者が、建替え前の住宅の所有者と同一である
  • 建替えが、建替え前と同一の敷地で行われている

なお、住宅用地とは年度を問わず1月1日の時点で住宅が建つ土地を指しますが、更地に住宅を新築した場合は、完成後に速やかに市町村役場に「住宅が完成したこと」を連絡するのがお勧めです。

そうすれば、その土地はスムーズに住宅用地となり、住宅が完成した状態ではじめて迎えた1月1日が属する年から住宅用地の特例が適用されることとなります。

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納税通知書から更地の固定資産税をシミュレーションする

更地にすると住宅用地の特例の適用が外れ固定資産税が高くなりますが、具体的にはいくらになるのでしょうか。

更地にした後の固定資産税は、固定資産税の納税通知書に同封されている課税明細書などがあればシミュレーションすることが可能です。

ここからは、更地にした後の固定資産税がいくらになるかシミュレーションする方法をご紹介します。

なお、ご紹介するのはあくまでシミュレーション方法であり、税額を正確に計算する方法ではないため留意してください。

土地の固定資産税には「負担調整措置」という措置が適用され、実際の税額はシミュレーション結果より多少高く、または低くなることがあります。

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納税通知書で3つのことを確認する

まずは、固定資産税の納税通知書に同封されている課税明細書を用意し、以下の3つのことを確認してください。

  1. 更地にすることを希望する土地の固定資産税評価額
  2. 都市計画税の課税状況
  3. 固定資産税と都市計画税の税率

1つめの「更地にすることを希望する土地の固定資産税評価額」とは、市町村が評価した、更地を希望する土地の時価であり、課税明細書の土地の欄に「価格」や「評価額」などの名目で記されています。

課税明細書を紛失している場合は、市町村役場の窓口にて評価証明書の交付を請求すれば、所有する土地の固定資産税評価額を確認することが可能です。

2つめの「都市計画税の課税状況」とは、更地にすることを希望する土地に都市計画税が課されているかの情報です。

更地にすることを希望する土地が市街地に位置するのであれば、多くの場合は都市計画税が課されているはずですが、必ずではありません。よって、都市計画税が課されているか否かを確認してください。

これも固定資産税の課税明細書を見れば確認できますが、市町村役場のホームページなどでも確認できます。

3つめの「固定資産税と都市計画税の税率」とは、その市町村の固定資産税と都市計画税の税率です。

固定資産税や都市計画税は市町村が課す地方税であり、市町村によって税率が異なります。多くの市町村では固定資産税の税率は1.4%、都市計画税の税率は0.3%となっています。

なお、課税明細書には「家屋」という欄があり、そこにも価格や評価額などの名目の額が記されていますが、その額は土地の固定資産税評価額ではないため注意してください。

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更地の固定資産税をシミュレーション

課税明細書で更地にすることを希望する土地の固定資産税評価額、都市計画税の課税状況、固定資産税と都市計画税の税率を確認すれば、それらを用いて更地後の税額をシミュレーションします。

シミュレーション方法は、以下のとおりです。

更地後の固定資産税のシミュレーション方法
課税標準額(土地の固定資産税評価額×70%)×固定資産税の税率(1.4%など)=更地後の固定資産税
更地後の都市計画税のシミュレーション方法
課税標準額(土地の固定資産税評価額×70%)×都市計画税の税率(0.3%など)=更地後の都市計画税

課税標準額が土地の固定資産税評価額の70%となるのは、本記事の「土地の固定資産税には「急激に上がらない仕組み」がある」にてご紹介する負担調整措置が適用されることが理由です。

たとえば、土地の固定資産税評価額が1,000万円であれば以下のように計算し、更地後の固定資産税は9万8,000円、都市計画税は2万1,000円、税額の合計は11万9,000円となります。

更地後の固定資産税のシミュレーション例
課税標準額(700万円)×固定資産税の税率(1.4%など)=9万8,000円(更地後の固定資産税)
更地後の都市計画税のシミュレーション例
課税標準額(700万円)×都市計画税の税率(0.3%など)=2万1,000円(更地後の都市計画税)
税額の合計
9万8,000円(更地後の固定資産税)+2万1,000円(更地後の都市計画税)=11万9,000円

なお、繰り返しになりますが、ここでご紹介したのはあくまでシミュレーション方法であり、税額を正確に計算する方法ではないため留意してください。

実際の税額は、シミュレーション結果より多少高い、または多少低くなることがあります。

更地にした後の正確な固定資産税額は、市町村役場の資産税課の窓口で確認することが可能です。確認する際は、マイナンバーカードなどの身分証明書の提示を求められるため注意してください。

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課税標準額と評価額が異なる理由

更地にした後の固定資産税は、固定資産税評価額、都市計画税の課税状況、税率からシミュレーションすることが可能です。

それらは固定資産税の課税明細書を見れば確認できますが、課税明細書には「課税標準額」という名目の額も記されているため注意してください。

課税標準額は、更地にした後の固定資産税をシミュレーションする場合は不要です。

固定資産税の課税明細書に記されている課税標準額は、現時点における固定資産税を計算する際のもととなる額であり、固定資産税評価額とは異なります。

  • 課税標準額=現時点における固定資産税を計算する際のもととなる額
  • 固定資産税評価額=市町村が評価した、固定資産税が課される対象となる土地や建物の時価

住宅である建物が建つ200㎡以下の土地の課税標準額は、おそらくはその土地の固定資産税評価額の6分の1前後になっているはずです。

6分の1前後になっているのは、住宅用地の特例が適用されていること、後述する「負担調整措置」という措置が適用されているためです。

なお、建物の課税標準額は、適用される特例や軽減措置がないため、固定資産税評価額と同額となっています。

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土地の固定資産税には「急激に上がらない仕組み」がある

ここまでは、住宅である建物を解体して更地にすると固定資産税が上がることをご紹介しましたが、土地を所有する方が知っておきたい軽減措置に「負担調整措置」があります。

負担調整措置とは、地価が急激に上昇しても、課税標準額、および土地の固定資産税額はゆっくりと上がるように調整される措置です。

そして、負担調整措置は、負担水準をもとに適用されます。

ここからは、固定資産税の負担調整措置をパパっと簡単に解説します。土地を所有する方は、ぜひお読みください。

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負担水準とは?

まずは、固定資産税の負担水準をパパっと簡単に解説します。

負担水準とは、「その土地の前年度の固定資産税を計算した際の課税標準額」を、「その土地の今年度の固定資産税を計算する際の本来の課税標準額」で除した数値であり、以下のように計算しつつパーセントで表します。

負担水準の計算方法
その土地の前年度の固定資産税を計算した際の課税標準額÷その土地の今年度の固定資産税を計算する際の本来の課税標準額×100=負担水準

式に含まれる「その土地の前年度の固定資産税を計算した際の課税標準額」は、前年度の固定資産税の課税明細書の土地の欄に記されています。

「その土地の今年度の固定資産税を計算する際の本来の課税標準額」は、小規模住宅用地であれば「その土地の今年度の固定資産税評価額の6分の1」です。

一方、一般住宅用地は「その土地の今年度の固定資産税評価額の3分の1」、更地は「その土地の今年度の固定資産税評価額」となります。

その土地の今年度の固定資産税を計算する際の本来の課税標準額

小規模住宅用地 その土地の今年度の固定資産税評価額の6分の1
一般住宅用地 その土地の今年度の固定資産税評価額の3分の1
更地 その土地の今年度の固定資産税評価額

たとえば、「その土地の前年度の固定資産税を計算した際の課税標準額」が1,000万円、「その土地の今年度の固定資産税を計算する際の本来の課税標準額」が1,100万円であれば「1,000万円÷1,100万円×100=91%」と計算し、負担水準は91%です。

ちなみに、当サイト「固定資産税をパパっと解説」では、負担水準を図解でわかりやすく解説する記事を公開中です。より深く負担水準を理解したい方がいらっしゃいましたら、ぜひご覧ください。

お役立ち記事
固定資産税の負担水準とは?(図解でわかりやすい)

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負担調整措置とは?

つぎに、固定資産税の負担調整措置をパパっと簡単に解説します。

負担調整措置とは、地価が上昇することにより固定資産税評価額が急激に上昇しても、課税標準額はゆっくりと上昇するように調整する措置です。

一部例外を除き、土地には申告不要で負担調整措置が適用され、地価が上昇しても課税標準額、および固定資産税はゆっくりと上がり、税負担が軽減されるように調整されます。

負担調整措置は負担水準をもとに適用され、今年度の課税標準額は以下のようになります。

土地の状況 負担水準 今年度の課税標準額
住宅用地 100%以上 その土地の今年度の固定資産税を計算する際の本来の課税標準額
100%未満 「その土地の前年度の固定資産税を計算した際の課税標準額」+「その土地の今年度の固定資産税を計算する際の本来の課税標準額の5%」
更地 70%超 その土地の今年度の固定資産税評価額の70%
70%以下60%以上 その土地の前年度の固定資産税を計算した際の課税標準額
60%未満 「その土地の前年度の固定資産税を計算した際の課税標準額」+「その土地の今年度の固定資産税評価額の5%」

上記には例外がある

さて、上記は極めて難解ですが、以下のようにお考えになればパパっと簡単に理解できます。

土地の状況 負担水準 今年度の土地の固定資産税
住宅が建つ土地 100%以上 前の年と同額、または多少下がる
100%未満 地価が上がっているため前年より税額が高くなるが、多少高くなる程度に抑えられる
更地 70%超 前の年より多少下がる
60%以上70%以下 前の年と同額
60%未満 地価が上がっているため前年より税額が高くなるが、多少高くなる程度に抑えられる

負担調整措置の詳細は、当サイト「固定資産税をパパっと解説」にて公開中の記事にてよりわかりやすく解説しています。ぜひご覧ください。

お役立ち記事
固定資産税の負担調整措置とは?(図解でわかりやすい!)

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地価上昇時に更地にすると固定資産税がより高くなったと感じやすい

地価が上昇している状況で住宅である建物を解体すると、固定資産税がより上がったと感じやすくなることがあるため留意してください。

これまでに本記事でご紹介したとおり、住宅である建物を解体すると住宅用地の特例の適用が外れ、固定資産税が上がります。

そのタイミングで地価が上昇し、負担水準が100%未満の状況となれば、固定資産税が上がる具合が通常時より多くなります。

更地にすることを希望する土地の負担水準は、一部の市町村を除き、固定資産税の課税明細書に記されています。

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更地にしても住宅用地の特例が適用される状況

これまでにご紹介したとおり、住宅である建物を解体して更地にすると「住宅用地の特例」の適用が外れ、土地の固定資産税が上がることとなります。

しかし、市町村によっては、建替え中など一定の条件を満たせば、更地の状態が一時的であれば住宅用地の特例が引き続き適用されます。

ここからは、更地にしても住宅用地の特例が適用される状況をご紹介します。

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建替え中であれば更地でも住宅用地の特例が適用されることがある

住宅である建物を解体し、更地の状況で1月1日を迎えると、その土地には住宅用地の特例が適用されません。

しかし、一部の市町村では、建替え中など一定の条件を満たせば、1月1日時点で更地であっても引き続き住宅用地の特例が適用されます。

満たすべき条件は市町村によって異なりますが、おおむね以下のとおりです。

  • 前年の1月1日時点で、その土地が住宅用地であった
  • その年の1月1日時点で、建替え後の住宅の建築工事に着手している(少なくとも基礎工事の「水盛り・遣り方」などに入っている)
  • 建替えが、建替え前と同一の敷地、または建替え前の土地を含む敷地で行われている
  • 建替え前と建替え後の土地の所有者が、同一、または配偶者・直系血族、建替え前の土地の共有所有者、相続人などである
  • 建替え前と建替え後の建物の所有者が、同一、または配偶者・直系血族、建替え前の建物の共有所有者、相続人などである
  • 建替えを開始する前に、市町村役場に建替えをすることを届け出ている

建替え中も引き続き住宅用地の特例が適用されるか、適用される場合の満たすべき条件の詳細は、市町村役場に問い合わせることにより確認できます。

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災害により更地となれば住宅用地の特例が適用されることがある

災害を理由に住宅を建替えるために一時的に更地になった場合は、一部の市町村では、一定の条件を満たせば建替え中も住宅用地の特例が適用されます。

満たすべき条件は市町村によって異なり、また例外が設けられることも珍しくはありませんが、おおむね以下のとおりです。

  • 建物を解体した日が属する年の1月1日時点で、その土地が住宅用地であった
  • 建物を解体した日が属する年の翌年の1月1日時点で、住宅の建替えに着手している
  • 建替えが、建替え前と同一の敷地で行われている
  • 建替え前と建替え後の土地の所有者が原則として同一である
  • 建替え前と建替え後の建物の所有者が原則として同一である
  • 建替えを開始する前に、市町村役場に建替えをすることを届け出ている

災害を理由に住宅を建替え中も引き続き住宅用地の特例が適用される正確な条件は、市町村役場に問い合わせることにより確認できます。

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特定空家と管理不全空家の注意点

破損や腐朽が進み放置すると倒壊するおそれがある空き家や、腐食が進むなどして周辺の衛生・景観・生活環境を脅かす空き家を「特定空家等」と呼びます。

また、適切な管理が行われていないため、このまま放置すれば特定空家等に該当するおそれがあると市町村長が認めた空き家を「管理不全空家」と呼びます。

そして、所有する空き家が管理不全空家となれば、市町村長から適切な措置をとるように指導されることとなります。さらに、指導を無視すると、市町村長から必要な措置を取るように勧告を受けることとなります。

勧告を受け、1月1日が経過するとその空き家が建つ土地から住宅用地の特例の適用が外れ、その1月1日が属する年から固定資産税が上がることとなるため注意してください。

空き家の固定資産税は、当サイト「固定資産税をパパっと解説」にて公開中の記事にてわかりやすく解説中です。興味のある方がいらっしゃいましたら、ぜひご覧ください。

お役立ち記事
空き家の固定資産税が6倍になるのはいつから?

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解体する?解体しない?土地付き・老朽化した戸建ての活用方法

老朽化した戸建てを所有すると、どのように処分するか悩みます。

老朽化した戸建ては、建物を残したまま売りに出す、建物をリフォームして賃貸する、建物を解体して更地にして売りに出す、建物を解体して月極の駐車場として収入を得るなどの活用方法や処分方法があります。

ここからは、老朽化した戸建てを所有し、活用方法や処分方法を調べる方へ向けて、選択肢と注意点を解説します。

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建物を残したまま売却する

老朽化した戸建ては、建物をそのままにして売りに出すことができます。

もちろん、立地条件が良い場所に建つのであれば、解体して更地にした方が売れやすくなりますが、買主によってはそのまま購入し、自ら費用を負担しつつ解体することを惜しまない方もいらっしゃいます。

よって、老朽化した戸建てを所有しつつ処分を希望する場合は、まずはそのままで売りに出すことを検討するのが良いでしょう。もし、そのままの状態で売却できれば、解体費用を節約できます。

そのままで売れなければ、建物を解体し、解体費用を回収できる値段を設定して再度売りに出せばよいのです。

ただし、売り急ぐ場合はこの限りではありません。売り急ぐ場合は不動産業者に相談し、解体した方が良いかアドバイスを受けてください。

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建物を解体して売却する

市街地に位置する、駅やバス停に近い、大通りに面しているなど立地条件が良い場所に建つ老朽化した戸建ては、建物を解体して更地にした方が高く売れる可能性があります。

それは、物件の購入を検討する買主の印象が良くなるからです。よって、その条件に該当する老朽化した戸建てを所有し、売却を希望する場合は、建物の解体をご検討ください。

ただし、建物を解体して更地になった状態で1月1日を迎えると、その1月1日が属する年から固定資産税が上がるため注意が必要です。

なお、建物を解体して更地になった状態で1月1日を迎えると、その年から固定資産税が上がりますが、多くの場合は、物件代金決済時に買主からその年のその日までの固定資産税が日割りで清算されます。

ちなみに、建物の解体費用の目安は、木造の戸建てであれば以下のとおりです。

木造の戸建ての解体費用の目安

延べ床面積 解体費用
約66㎡(約20坪) 60万~100万円
約83㎡(約25坪) 75万~125万円
約99㎡(約30坪) 90万~150万円
約116㎡(約35坪) 105万~175万円
約132㎡(約40坪) 120万~200万円

各費用は目安であり、正確な額ではない

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建物を解体せずリフォームして賃貸する

立地条件が良い場所に位置する老朽化した戸建てを所有し、処分方法に迷う場合は、リフォームをして賃貸をするという活用方法があります。

リフォームは主に水回りを中心に行い、予算に余裕があれば屋根や外壁の再塗装もご検討ください。

ただし、賃貸する場合は、最寄りの不動産屋に相談し、どの程度の家賃収入を得ることができるかアドバイスを受けてください。得ることができる家賃収入が低ければ、売却を検討した方が無難です。

居住用の賃貸物件は、原則として貸主が修繕費用を負担しなければなりません。よって、得ることができる家賃収入が低ければ、賃貸しているだけで赤字になるため注意が必要です。

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建物を解体して駐車場として活用する

駐車場の需要が高い市街地に位置する老朽化した戸建てを所有する場合は、更地にして駐車場経営を行いつつ賃料を得るという活用方法があります。

駐車場経営には、初期費用が安く済む、管理の手間が比較的かからないなどのメリットがあります。

ただし、戸建てを解体して駐車場とすれば、住宅用地の特例の適用が外れ、土地の固定資産税が上がるため注意してください。その土地に都市計画税も課されているのであれば、上がる税額が大きくなります。

また、その他にも注意点があり、詳細は本記事の「更地にして駐車場経営をする際の落とし穴」にてご確認いただけます。

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空き家のままでも固定資産税が上がらないようにする方法

空き家を放置して特定空家となり市町村長から勧告を受ければ、住宅用地の特例の適用が外れ固定資産税が上がることとなります。

これを回避するためには、空き家を解体して更地にする、更地にして売却をするなどの方法が有効ですが、空き家を所有したままでも回避することが可能です。

それは、定期的に見回り草刈りをする、道路に飛び出す枝を切る、雨漏りがあれば修繕するなどして空き家を管理することです。管理をするのは費用がかかり面倒ですが、思い入れがある空き家を所有し、売却するのが惜しいと感じる場合は、ぜひご検討ください。

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更地にして駐車場経営をする際の落とし穴

住宅を解体して駐車場経営をすれば、賃料を得ることができます。

一方、住宅を解体して駐車場経営をすれば、住宅用地の特例の適用が外れ、土地にかかる固定資産税や都市計画税が上がることとなります。

さらに、新たに設置した駐車場の設備に対して固定資産税がかかる可能性があるなど、見落としやすい点があるため注意が必要です。ここからは、住宅を解体して駐車場経営をする際の落とし穴を解説します。

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舗装や設備が償却資産となり、固定資産税がかかることがある

駐車場経営は、土地を舗装したり設備を設置しなくともできますが、多くの場合は、舗装して設備を設置した方が賃料を高く設定できます。

しかし、土地を舗装する、設備を設置するなどすると、それらは償却資産となり、新たに固定資産税が課されることとなる場合があるため注意してください。

償却資産とは、建物と土地を除く事業用の資産であり、年度を問わず1月1日の時点で償却資産を所有するのであれば、一部例外を除き市町村役場への申告が必要となり、やはり一部例外を除き固定資産税が課されることとなります。

駐車場経営で償却資産の対象となる資産は市町村によって多少異なりますが、主に以下のとおりです。

駐車場経営で償却資産となる可能性が高い資産

項目 具体例
アスファルト舗装 月極駐車場などの舗装
コンクリート舗装 駐車場入り口付近などの舗装
白線・区画線 駐車マスのライン
車止め・車止めポール コンクリートやポールの車止め
フェンス 金属フェンスやネットフェンス
ブロック塀 四方に設置するコンクリートブロック塀
外灯 ポールライト、照明
側溝・排水設備 U字溝、屋外排水設備
看板 駐車場名看板、料金看板
管理設備 ゲート、精算機、無人管理装置

そして、償却資産の固定資産税は、所有する償却資産の時価の合計を課税標準額として、課税標準額に固定資産税の税率(市町村によって異なるものの主に1.4%)を掛けて税額を計算します。

ただし、所有する償却資産の時価の合計が150万円未満であり、課税標準額も150万円未満となる場合は、免税点未満となり固定資産税はかからないため留意してください。

償却資産にかかる固定資産税の免税点とは、所有する償却資産の時価の合計、ならびに税額を計算する際の課税標準額が150万円未満であれば、所有する償却資産には固定資産税がかからないという制度です。

先に「償却資産を所有すると一部例外を除き固定資産税が課される」とご紹介しましたが、この状況における一部例外とは、主に免税点未満となる場合です。

なお、年度を問わず1月1日の時点で償却資産を所有すると、免税点未満であるか否かにかかわらず、一部の市町村を除き、その1月1日が属する年の1月31日までに市町村役場に申告をする必要があるため注意してください。

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運営会社に任せても固定資産税がかかることがある

駐車場経営は、運営会社に任せることもできます。

運営会社に経営を任せれば、契約内容によっては運営会社が土地を舗装し、設備を設置してくれます。つまり、償却資産を設置してくれるというわけです。

その状況において、償却資産の所有者が運営会社であれば、その償却資産の固定資産税を払う必要はありません。自らが負担するのは、土地の固定資産税や都市計画税のみです。

しかし、償却資産の所有者が自らとなるのであれば、免税点未満になる場合などを除き、その償却資産にも固定資産税がかかるため注意してください。

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市町村役場に確認するときの質問例

住宅を解体して駐車場経営をすると、その土地に適用されていた「住宅用地の特例」が適用されなくなり、土地に対する固定資産税や都市計画税が上がります。

また、自らで舗装を施し設備を設置して駐車場経営をすると償却資産を所有することとなり、償却資産に対しても固定資産税がかかりますが、申告方法が複雑で、償却資産の定義も市町村によって異なる場合があります。

よって、駐車場経営を希望する場合は、可能であれば市町村役場に出向き、資産税課などで詳細を確認するのが賢明です。

出向く際は、経営を予定する駐車場の図面、設備の種類と数、各設備の取得費がわかる書類などを持参し、以下のことなどをお問い合わせください。

  • 住宅を解体して駐車場経営を行うと、住宅用地の特例はいつの年度から適用されなくなり、いつから、どれくらい固定資産税や都市計画税が上がりますか?
  • 設置を予定する設備は、償却資産に該当しますか?
  • 償却資産に該当する場合は、どのように申告をすべきですか?
  • 所有する償却資産の時価が150万円未満であり、免税点に満たない場合も申告が必要ですか?
  • 駐車場運営会社が設備を設置しつつ所有する場合、償却資産の申告は誰が行う必要がありますか?

上記のことを含め、わからないことや不安なことがあればすべて質問し、回答をメモに取り、駐車場経営を開始するかご検討ください。

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よくある質問

ここからは、不動産賃貸業を営み、固定資産税の支払いに追われる筆者が、インターネットで見かけることが多い「住宅を解体した後の固定資産税に関するよくある質問とその答え」をまとめます。

ぜひ参考になさってください。

更地は必ず固定資産税が6倍になる?
6倍にはなりません。住宅である建物を解体して更地にすると固定資産税は4.2倍程度、都市計画税は2.1倍程度、固定資産税と都市計画税の合計は3.6倍程度まで上がるに留まります。

更地になると固定資産税が6倍になるといわれるのは、「住宅用地の特例の適用が外れ課税標準額が固定資産税評価額になる」という理由からですが、これは勘違いです。

更地になると、その土地は固定資産税において商業地等として扱われることとなります。商業地等となれば、その土地の固定資産税を計算する際の課税標準額は固定資産税評価額の70%が上限です。
建物を解体したのに納税通知書が届く理由
固定資産税は、年度を問わず1月1日の時点で建物や土地、償却資産を所有することにより課されます。

これを理由に、1月2日以降に建物を解体すると、その年は固定資産税がかかることとなり、建物の税額が記された納税通知書が届きます。

もし、1月1日の時点で解体が完了していたにもかかわらず建物の税額が記された納税通知書が届いた場合は、手違いの可能性があるため市町村役場にご連絡ください。
建物の工事中でも住宅用地になる?
原則として、建物の工事中、すなわち建物が完成していない状態では、その土地は住宅用地にはなりません。住宅用地とは、年度を問わず1月1日の時点で住宅が建つ土地です。

これを理由に、土地が住宅用地となるためには、その土地に建つ住宅が完成した状態で1月1日を迎える必要があります。

ただし、市町村によっては、一定の条件を満たすのであれば、1月1日の時点で工事中であっても住宅用地となる場合があります。詳細は、本記事の「更地にしても住宅用地の特例が適用される状況」にてご確認ください。
土地を売却した年の固定資産税は誰が払う?
土地を売却した年の1月1日時点の所有者が払うこととなります。1月1日に土地が引き渡されることは稀ですから、売主が払うのが通例です。

ただし、一般には、物件代金の決済時に、その年のその日以降の固定資産税が、買主から売主に清算されます。これは、不動産業者の配慮で行われるものであり、必ず清算されるわけではないため留意してください。

清算されない場合は、不動産業者に「固定資産税は清算されませんか?」と質問するのが良いでしょう。
更地を駐車場にすると固定資産税は増える?
更地を駐車場にすると、固定資産税は増える場合と増えない場合があります。自らが使用する駐車場とし、ただ単に車を置くのであれば固定資産税は増えません。

一方、自らが使用する駐車場とし、建物を建築して建物内に駐車するのであれば固定資産税は増えます。

また、駐車場を設置して駐車場経営を行い、舗装して精算機を置くなどすれば、一部例外を除き固定資産税は増えます。
更地の固定資産税を下げる方法はある?
建物を建てずに、更地の固定資産税を下げるのは極めて困難です。

下げるためには、現状の地目を宅地以外に変更する必要があります。具体的には、木をジャングルのように茂らせて現状の地目を雑種地にするなどが有効ですが、茂らせるためには十数年以上の年数がかかることが予想されます。
1月1日直前に建物を解体すると固定資産税はどうなる?
1月1日の時点で解体が完了していれば、翌年から住宅用地の特例の適用が外れ固定資産税が上がることとなります。一方、1月1日の時点で解体が完了していなければ、翌年も住宅用地の特例が適用され固定資産税は一部例外を除き上がりません。1月1日の時点で解体が完了しているかの判断は、登記の状況に左右されず現状判断です。

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まとめ - 更地にする前の最終チェック

更地にすると固定資産税が6倍になるといわれる理由、更地にすると税額がいつから上がるか、更地にする前に納税通知書でチェックすべきポイント、空き家を管理する際の注意点、駐車場活用で見落としやすい落とし穴などを解説しました。

更地にすると固定資産税が6倍になるといわれるのは、住宅である建物を解体すると「住宅用地の特例」の適用が外れることが理由ですが、6倍になることはありません。

「住宅用地の特例」の適用が外れても、固定資産税は4.2倍程度まで、都市計画税は2.1倍程度まで、税額の合計は3.6倍程度まで上がるに留まります。

更地にした後の固定資産税額は、課税明細書に記されているその土地の固定資産税評価額などを用いてシミュレーションすることが可能です。

建物を解体せずに空き家とする場合は、定期的に見回りをして草刈りをする、立木を伐採するなどして適切に管理してください。

管理を怠ると管理不全空家や特定空家等となり、市町村長から勧告を受けると共に固定資産税が上がることとなります。

更地にして駐車場経営をする場合は、土地の固定資産税が上がると共に、舗装や精算機、フェンスなどに新たに固定資産税が課される可能性があるため注意が必要です。

最後に、更地にする前の10のチェック事項をご紹介します。

1月1日時点の土地の状態を確認した(住宅があるか更地か)
住宅である建物の解体が1月1日より前に完了すれば、翌年から固定資産税が上がることとなります。
解体完了予定日が翌年度の税額に与える影響を整理した(年末年始をまたぐか)
住宅である建物の解体が年末年始をまたぎ1月2日以降に完了したのであれば、その年の固定資産税は上がりません。その年の翌年から上がることとなります。
納税通知書(課税明細書)で、土地や建物の「固定資産税評価額」「課税標準額」「税額」を確認した
住宅である建物を解体する前に固定資産税の課税明細書を確認し、土地と建物の固定資産税評価額や課税標準額を把握すれば、更地になった後の固定資産税をシミュレーションできます。
土地が住宅用地として扱われているか、課税明細書で確認した(特例の適用の有無)
住宅である建物を解体するとその土地から住宅用地の特例の適用が外れますが、そもそも住宅用地の特例が適用されているか念のために確認してください。
都市計画税の課税状況を確認した(市街化区域か、課税明細書に記載があるか)
建物や土地に都市計画税が課されている状況において、住宅である建物を解体して更地にすると、税額が上がる倍率がやや多くなったり、やや低くなったりすることがあります。
建替えの予定がある場合、住宅用地の特例が継続される要件と申告の要否を確認した
一部の市町村では、一定の条件を満たしつつ1月1日をまたいで建替えをして、なおかつそのことを市町村役場に申告をすれば、途切れることなく住宅用地の特例が適用され、固定資産税が上がりません。
解体後に必要となる滅失登記に必要となる書類の入手経路を確認した
建物を解体した後は、その建物が存在しなくなったことを証明する解体証明書などの書類を法務局に提出し、建物の滅失登記を行う必要があります。

解体証明書は解体業者から入手でき、滅失登記は自分で行うことができますが、手続きが複雑なため注意が必要です。難しいと感じる場合は、司法書士に報酬を払いつつ手続きの代行を依頼することが可能です。
空き家を残す場合、管理不全空家等・特定空家等の勧告リスクを避けるための管理計画を立てた
住宅である建物を解体せず空き家として残す場合は、管理不全空家等や特定空家等とならないように、点検や修繕などを定期的に施す必要があります。
駐車場経営をする場合、舗装・照明・精算機などが償却資産に当たるかを確認した
建物を解体し、舗装をして精算機を設置するなどして駐車場経営を行う場合は、一部の市町村を除き舗装や設備が償却資産となり、多くの場合は申告を行いつつ固定資産税を納めなければなりません。

申告方法は複雑なため、予め準備を整えておくのが賢明です。
市町村に確認した内容(担当課・担当者・確認日・回答)をメモし、判断材料として保管した
更地にした後の固定資産税に関することで払拭できない不安がある場合は、市町村役場の資産税課で詳細を確認するのがお勧めです。確認した後は回答などをメモし、更地にするか否かの判断材料として活用できるように保管してください。

本記事の内容が、住宅を解体して更地にすると固定資産税がどれくらい上がるか、いつから上がるか案ずる皆様に役立てば幸いです。最後までご購読いただき、ありがとうございました。

記事公開日:2026年3月

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