固定資産税のお得な払い方|令和8年度の納税額別ベストルート

固定資産税のお得な払い方|令和8年度の納税額別ベストルート

固定資産税のお得な払い方を知らないまま、毎年コンビニや窓口で現金を納めていませんか。

実は、支払い方法を少し工夫するだけで、数百円から数千円分のポイントを取り戻せる可能性があります。

とはいえ、いざ調べてみると「クレカ払いが最強」「いやnanacoが得」「スマホ決済一択」と、サイトによって言っていることがバラバラで、結局どれが正解なのか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。

その混乱には理由があります。

お得な払い方は、あなたの納税額・お住まいの自治体・お手持ちのカードによって変わるからです。「全員に共通する最強の払い方」は、存在しません。

そこで、今回の「固定資産税をパパっと解説」では、固定資産税のお得な払い方を調べる皆さんへ向けて、以下のことがわかるように解説します。

この記事でわかること
  • 固定資産税の支払い方法7種類の仕組みと特徴
  • 納税額ごとに「どの支払いルートが最もお得か」の具体的な損得計算
  • 2026年最新のクレジットカード・スマホ決済・電子マネーのポイント還元率と「改悪」情報の正確な整理
  • eL-QR(地方税統一QRコード)が使えない自治体への対処法
  • 支払い方法の最適化にとどまらない、課税額自体を下げる節税の入口

なお、この記事に掲載している情報は、各社・各省庁の公式ページを一次情報として確認したものです。

ポイント還元率やチャージ上限などは各社の施策変更により随時変わるため、本記事の表や図解に「〇年〇月現在」の確認日を明記しています。

読者の方が実際に手続きを進める際は、各公式サイトで最新情報をご確認いただくことをおすすめします。

では、あなたの納税額に合ったベストルートを順を追って見つけましょう。

目次

1.【まず読む】固定資産税を「お得に払う」とはどういうことか

固定資産税を「お得に払う」とは、支払う税額そのものは変えずに、支払い方法の工夫でポイントや還元を受け取ることを指します。

まずは、その全体像を押さえておきましょう。

▲ 目次に戻る

1-1. 「支払い方法の最適化」と「課税額の最適化」──2つの節約軸

固定資産税の節約には、「支払い方法を工夫する」と「課税額自体を下げる」という、まったく性質の異なる2つのアプローチがあります。

多くの方が「固定資産税をお得に払いたい」と考えるとき、頭に浮かぶのはクレジットカードやスマホ決済でポイントを貯めることではないでしょうか。これは「支払い方法の最適化」と呼ばれるアプローチです。

一方で、そもそもの課税額を合法的に引き下げる「課税額の最適化」という方法も存在します。

たとえば、年間10万円の固定資産税を支払っている方が、還元率1%のクレジットカードで支払った場合、1,000円分のポイントを獲得できます。

また、リフォームによる減税措置を活用すれば、税額そのものが一定の期間にわたり半額以下になるケースもあります。どちらも「損をしない」ための有効な手段です。

ポイントは、この2つは「どちらか一方を選ぶ」ものではないという点です。支払い方法を工夫しながら、減税制度も同時に活用できます。

この記事では主に「支払い方法の最適化」を詳しく解説し、「課税額の最適化」については「6.【一段上の節約】支払い方法の最適化だけでなく「課税額自体を下げる」」で入口となる情報をお伝えします。

固定資産税の節約方法全体像:支払い最適化と課税額最適化の二段構えマップ

▲ 目次に戻る

1-2. あなたに合う戦略はどれか:納税額・自治体・カード保有状況で変わる

「最もお得な払い方」は、あなたの納税額・お住まいの自治体・お手持ちのカードという3つの条件によって変わります。一つの正解があるわけではありません。

「クレカ払いが最強」「nanacoが得」「スマホ決済一択」と、ネット上の情報がバラバラに見えるのには理由があります。

それぞれの記事が想定している読者の納税額やお手持ちのカードが異なるため、出てくる結論も変わってしまうのです。

お得な払い方を左右する条件は、大きく次の3つです。

  • 納税額の大きさ: クレジットカード直払いには手数料がかかるため、納税額が少ないほど手数料負けしやすくなります
  • 自治体のeL-QR対応状況: eL-QRとは、地方税の支払いに使える統一QRコードのことです。対応していない自治体では使える支払い方法が限られます
  • お手持ちのカード・アプリ: 還元率や月間チャージ上限はカードによって大きく異なります

イメージとしては、同じ「クレカで払う」という行動でも、年間5万円の納税者と年間20万円の納税者では、手数料と還元の損得がまったく変わります。

次章以降では、あなたの納税額に合った具体的な選択肢を順番に整理します。

固定資産税の納税額別お得な払い方判定フローチャート

▲ 目次に戻る

2. 固定資産税の支払い方法:全7種類の仕組みと特徴

固定資産税の支払い方法は大きく7つの種類があり、それぞれに「ポイントが貯まる」「手数料がかかる」「使える自治体が異なる」など特徴の違いがあります。

まずは全体像を把握しておきましょう。

固定資産税の支払い方法7種類:ポイント・手数料・手間の比較一覧(2026年5月現在)
支払い方法 ポイント獲得 手数料 使える範囲 手続きの手間
納付書払い(現金・窓口) なし なし 全自治体 やや手間(窓口に行く必要あり)
口座振替(自動引落) なし なし 多くの自治体 初回手続き後は自動
クレジットカード直接払い あり(カード次第) あり(税込40円〜) eLTAX対応自治体 スマホ・PCで完結
スマホ決済(請求書払い) チャージ時のみ なし eL-QR対応自治体 アプリで完結
電子マネー(nanaco等) チャージ時のみ なし コンビニ収納対応自治体 事前チャージが必要
eL-QR(地方税統一QR) 決済手段による 決済手段による eL-QR対応自治体 アプリで完結
コンビニ払い(バーコード) なし なし 納付書がある全自治体 コンビニに行く必要あり

▲ 目次に戻る

2-1. 納付書払い(現金・窓口)

納付書払いは、ポイントや還元はありませんが、すべての自治体で使える最もシンプルな支払い方法です。

毎年4〜6月ごろに届く「納税通知書」には、納付書が同封されています。納付書とは、税額・納期・納付先が印刷された用紙のことです。

その納付書を金融機関や市区町村の窓口に持参して、現金で納めるのが「納付書払い」です。

ポイントや還元を受けることはできませんが、手数料もかかりません。「やっぱり現金が一番安心」という方には、引き続き有効な選択肢です。

ただし、窓口が開いている平日の日中に出向く必要がある点は、デメリットといえます。

▲ 目次に戻る

2-2. 口座振替(自動引落)

口座振替は、一度手続きすれば自動的に引き落とされる便利な方法ですが、ポイントは一切貯まりません。

口座振替とは、あらかじめ登録した銀行口座から、納期限に自動的に固定資産税が引き落とされる仕組みです。

「うっかり払い忘れた」という心配がなくなるのが最大のメリットですが、ポイントや還元は一切ありません。

「払い忘れゼロ」を最優先する方や、固定資産税の節約より手間の削減を重視する方に向いています。

なお、初回の登録手続きは金融機関や自治体の窓口で行う必要があります。

▲ 目次に戻る

2-3. クレジットカード直接払い(eLTAX)

クレジットカード直接払いは、条件次第でポイントを獲得できますが、必ず手数料がかかります。手数料を上回る還元率のカードを持っているかどうかが、得か損かを分けます。

クレジットカード直接払いは、「地方税お支払サイト」(2026年9月24日より「eLお支払サイト」に名称変更予定)を通じて行います。

対応カードブランドはVISA・Mastercard・JCB・AMEX・Diners Clubの5種類です。

ポイントは、カードの還元率に応じて支払い額に対して付与されますが、手数料が必ずかかります。

手数料の仕組みと損益分岐点については、本記事の「3.最もお得な支払い方法を「納税額別」で解説」で詳しく解説します。

▲ 目次に戻る

2-4. スマホ決済(請求書払い)

スマホ決済の請求書払いでは、支払い時にポイントは付きません。ポイントを狙うなら、事前のチャージ時に獲得する方法が基本戦略です。

PayPay・楽天ペイ・au PAY・d払い・ファミペイなどのスマホ決済アプリを使って、納付書のバーコードを読み取ることで支払えます。手数料はかかりません。

ただし、重要な注意点があります。請求書払いでは、どのアプリを使っても「支払い時のポイント付与はゼロ」が原則です。

ポイントを獲得するには、クレジットカードなどで事前にアプリ残高にチャージし、そのチャージ時のポイントを狙う必要があります。

つまり「スマホ決済でポイントを貯める=チャージ時に貯める」と理解しておきましょう。

注意
  • 楽天ペイの請求書払いでは、支払い時のポイント付与は対象外です。チャージ時の還元については変更が生じている可能性があるため、楽天ペイ公式サイトで最新情報をご確認ください。

▲ 目次に戻る

2-5. 電子マネー(nanaco・ファミペイ)

電子マネー払いは、コンビニでの支払いに対応しており、事前チャージ時にポイントを貯める仕組みです。

nanacoはカード残高とセンター預かり分を合わせて最大100,000円まで使えるため、高額納税者にも対応できます。

電子マネーとは、あらかじめ残高をチャージして使うデジタルのお金のことです。

固定資産税の支払いに使える主な電子マネーには、セブン-イレブンで使えるnanaco(ナナコ)と、ファミリーマートで使えるファミペイがあります。

ポイントを獲得するのは「支払い時」ではなく「チャージ時」です。クレジットカードなどで残高をチャージする際にポイントが貯まり、その残高で固定資産税を支払う、という流れになります。

nanacoの残高上限と「センター預かり」の仕組み

nanacoには、知っておくべき重要な仕組みがあります。残高の構造は次の2層になっています。

  • カード内残高: すぐに支払いに使える残高。上限は50,000円。
  • センター預かり分: クレジットカードからのチャージ分が一時的に入る別枠。上限は50,000円。

つまり、カード内残高とセンター預かり分を合わせると、1枚のnanacoで最大100,000円まで保有・使用が可能です。

ただし、センター預かり分はチャージしただけでは使えません。

セブン-イレブンのレジ・セブン銀行ATM・nanacoアプリのいずれかで「残高確認」の操作をすることで、はじめてカード内残高に移り、支払いに使えるようになります。

たとえば、年間の固定資産税が80,000円の方なら、次の手順で1枚のnanacoで支払えます。

  1. クレジットカードでnanacoに50,000円チャージ(センター預かりに入る)
  2. レジまたはATMで「残高確認」を行い、50,000円をカード内残高に移す
  3. 再度30,000円をチャージ(センター預かりに入る)
  4. レジで固定資産税を支払う際に「残高確認」を行い、センター預かり分を受け取りながら80,000円を支払う

レジでの「残高確認」は、スタッフにnanacoカードをかざして「残高確認をお願いします」と伝えるだけです。操作自体は1分もかかりません。

注意
  • クレジットカードからのチャージは1日1回・1回あたり最大30,000円・月10回までという制限があります。高額納税者は複数日に分けた計画的なチャージが必要です。

▲ 目次に戻る

ファミペイのチャージ上限

ファミペイは、ファミリーマートのレジでコンビニ払いができる電子マネー兼スマホ決済アプリです。クレジットカードからのチャージはJCBブランドのカードに限られています。

チャージ上限は次の通りです。

  • JCBブランドカード(Famima Card以外): 1日あたり15,000円・月間20,000円
  • Apple Pay経由(iPhoneユーザー限定): 上記に加えてさらに月20,000円を追加可能

つまり、iPhoneユーザーは月最大40,000円、それ以外は月最大20,000円が上限となります。

注意
  • 2025年8月6日より、Famima Card以外のJCBブランドカードのチャージ上限が本人確認の有無にかかわらず一律月20,000円となりました。

    以前の「本人確認済みで月30万円まで」というルールは現在適用されません。

    年間納税額が大きい方は、支払い期日の前月から計画的にチャージしておく必要があります。

▲ 目次に戻る

WAONについての注意

WAONによるミニストップでの固定資産税収納代行については、利用できるかどうかが払込票のバーコード番号によって異なります。

また、対応状況に関する情報が情報源によって異なるため、利用前にミニストップ公式サイトまたは店舗への確認を必ず行ってください。

▲ 目次に戻る

2-6. eL-QR(地方税統一QRコード)

eL-QRは、2023年4月から始まった地方税共通の新しい納付方法で、スマホ決済やクレジットカードと組み合わせて使います。ポイント獲得の可否は、組み合わせる決済手段によって変わります。

eL-QR(イーエル・キューアール)とは、地方税の支払いに使える統一規格のQRコードのことで、令和5年(2023年)4月1日から運用が始まりました。

納付書に印刷されたeL-QRをスマホで読み取ることで、スマホ決済やクレジットカード、インターネットバンキングなど複数の方法で支払えます。eL-QR対応の金融機関であれば、全国の金融機関窓口での納付にも利用できます。

ただし、一つ大切な注意点があります。eL-QRはコンビニでは使えません。

コンビニで支払えるのは、納付書のバーコードを使った「バーコード払い」のみです。「QRコードをコンビニのレジで見せて固定資産税を払う」ということはできないため注意してください。

また、eL-QR対応状況は自治体によって異なります。対応していない自治体にお住まいの方への対処法については、本記事の「5.【自治体差に注意】eL-QRとスマホ決済が使えない自治体への対処法」で解説します。

▲ 目次に戻る

2-7. コンビニ払い(バーコード納付書)

コンビニ払いは、現金で手軽に済ませられる方法ですが、ポイントは貯まりません。nanacoやファミペイを使う場合は「電子マネー払い」として扱われ、チャージポイントを狙えます。

コンビニ払いとは、納付書に印刷されたバーコードをコンビニのレジで読み取ってもらい、支払う方法です。対応しているコンビニは、セブン-イレブン・ファミリーマート・ローソンなど主要チェーンが中心です。

ポイントは、現金で支払う場合は一切貯まりません。ただし、セブン-イレブンでnanacoを使って支払う、またはファミリーマートでファミペイを使って支払う場合は、「電子マネー払い」として扱われます。

この場合は、事前のチャージ時に貯めたポイントを活かせます。

固定資産税の支払い方法別ポイント獲得ルート比較フロー図

▲ 目次に戻る

3. 最もお得な支払い方法を「納税額別」で解説

お得な支払い方法は、納税額によって変わります。

手数料と還元率の損益分岐点は納税額ごとに異なるため、「全員に共通する最強の払い方」は存在しません。

ご自身の納税額がどの区分に当てはまるかを確認しながら読み進めてください。

納税額別・最もお得な支払いルート早見表
年間納税額 最適ルート 還元の目安 主な注意点
5万円未満 スマホ決済チャージ払い(au PAYゴールドカード等) チャージ時の還元率次第 eL-QR非対応自治体では使えない場合あり
5〜10万円 還元率0.75%以上のクレカ直払い、またはチャージルート クレカ直払いなら手数料差し引き後にプラス 手数料との損益分岐点の確認が必須
10万円超 au PAYゴールドカード(月30万円まで)+nanaco・ファミペイの組み合わせ 利用カード次第で0.5〜最大5%程度 チャージ上限・条件の確認が必要

▲ 目次に戻る

3-1. 納税額5万円未満の場合:スマホ決済のチャージルートが有力

年間の固定資産税が5万円未満の方には、スマホ決済アプリへの事前チャージルートが最も手軽でお得な選択肢です。スマホ決済の請求書払いでは、支払い時にポイントは付きません。

ポイントを獲得するには、クレジットカードで事前にアプリ残高にチャージし、そのチャージ時に発生するポイントを狙う方法が基本戦略です。

クレジットカード直払い(eLTAXの地方税お支払サイト経由)は手数料がかかるため、少額納税者には不向きです。たとえば年間30,000円の納税額でクレカ直払いをすると、手数料は206円(税込)かかります。

仮に還元率1.0%のカードを使っても獲得ポイントは300円分となり、差し引きはわずか94円です。手数料を差し引いた実質の「お得」は小さく、チャージルートの方が有利です。

▲ 目次に戻る

3-2. 納税額5〜10万円の場合:クレカ直払いvsチャージルートの損益分岐点

納税額が5〜10万円になると、クレジットカード直払いが「お得になる可能性」が生まれてきます。ただし、それはカードの還元率と手数料の大小関係で決まります。

クレジットカード直払い手数料の実額計算

クレジットカード直払いの手数料は、地方税お支払サイトを通じて納付する際に発生する「システム利用料」です。手数料は定額加算方式で、納税額が大きくなるほど実質手数料率は低くなります。

固定資産税クレジットカード直払い手数料の実額と実質手数料率(税込)
納税額 手数料(税込) 実質手数料率
10,000円 40円 0.40%
30,000円 206円 0.69%
50,000円 371円 0.74%
80,000円 618円 0.77%
100,000円 783円 0.78%
200,000円 1,608円 0.80%

この表から、「手数料率は納税額が増えるほど下がる」という特徴がわかります。つまり、高額納税者ほどクレカ直払いの手数料負担は相対的に軽くなります。

▲ 目次に戻る

損益分岐点:カードの還元率と納税額の組み合わせで変わる

クレジットカード直払いで「プラス」になる還元率の目安は、納税額によって変わります。納税額が多いほど、低い還元率でも手数料を上回るポイントを獲得できます。

たとえば、納税額80,000円の場合、各還元率のカードで比較すると次のようになります。

  • 還元率0.5%のカード: 獲得ポイント400円分 ー 手数料618円 = ▲218円の損
  • 還元率1.0%のカード: 獲得ポイント800円分 ー 手数料618円 = +182円のお得
  • 還元率1.5%のカード: 獲得ポイント1,200円分 ー 手数料618円 = +582円のお得

納税額ごとの損益分岐点(この還元率以上でプラスになる目安)は、おおよそ次の通りです。

  • 30,000円の場合: 還元率0.7%以上でプラス
  • 50,000円の場合: 還元率0.75%以上でプラス
  • 100,000円の場合: 還元率0.79%以上でプラス
  • 200,000円の場合: 還元率0.81%以上でプラス

つまり、還元率0.5%前後のカードしか持っていない方は、手数料のかからないチャージルートの方が確実にお得です。

還元率1.0%以上のカードをお持ちの方なら、ポイント付与対象カードであれば、どの納税額でもクレカ直払いがプラスになります。

注意

▲ 目次に戻る

3-3. 納税額10万円超の場合:チャージ上限を踏まえた組み合わせ戦略

年間の固定資産税が10万円を超える場合、一つの手段だけでは上限に引っかかる可能性があります。複数の支払いルートを組み合わせる戦略が必要です。

▲ 目次に戻る

nanacoの残高上限と「センター預かり」の使い方

nanacoは1枚で最大100,000円まで対応できますが、「センター預かり」の仕組みを理解した上で計画的に使う必要があります。

本記事の「2-5.電子マネー(nanaco・ファミペイ)」で解説した通り、nanacoはカード内残高(上限50,000円)とセンター預かり分(上限50,000円)を合わせて最大100,000円まで使えます。センター預かり分はチャージしただけでは使えず、セブン-イレブンのレジ・セブン銀行ATM・nanacoアプリで「残高確認」の操作を行って初めてカード残高に移り、支払いに使えるようになります。

たとえば、年間の固定資産税が80,000円の方なら、次の手順で1枚のnanacoで支払えます。

  1. クレジットカードでnanacoに50,000円チャージ(センター預かりに入る)
  2. レジまたはATMで「残高確認」を行い、50,000円をカード内残高に移す
  3. 再度30,000円をチャージ(センター預かりに入る)
  4. レジで固定資産税を支払う際に「残高確認」を行い、センター預かり分を受け取りながら80,000円を支払う

レジでの「残高確認」は、スタッフにnanacoカードをかざして「残高確認をお願いします」と伝えるだけです。

注意
  • nanacoへのクレジットチャージでポイントが貯まるカードは「セブンカード・プラス」のみです(チャージ200円につき1nanacoポイント・還元率0.5%)。

▲ 目次に戻る

au PAYゴールドカード保有者は月30万円まで活用できる

au PAYゴールドカード(年会費税込11,000円)をお持ちの方は、オートチャージの月間上限が最大30万円のため、高額納税者にとって最も使い勝手のよいルートです。

au PAYゴールドカードからのオートチャージ設定をすると、チャージ額に対してポイントアップリワードが適用され、条件達成状況に応じて最大5%のPontaポイントが還元されます(月間上限1,000Pontaポイント)。

なお、年会費無料の通常au PAYカードではチャージ時のポイント付与はありません。月間チャージ上限は次の通りです。

  • au PAYゴールドカード(オートチャージ): 月最大30万円(au/UQ mobile/povo1.0契約者限定)
  • 通常au PAYカード: 月最大25万円(au回線保有者の場合)

たとえば年間納税額が200,000円の方がau PAYゴールドカードのオートチャージ(還元率1%・条件未達成時)で支払った場合、獲得できるPontaポイントは2,000ポイント(2,000円相当)です。

手数料はゼロのため、2,000円がそのまま還元額となります。

▲ 目次に戻る

ファミペイのチャージ上限とApple Pay経由の追加枠

ファミペイは月間チャージ上限が20,000円(iPhoneユーザーはApple Pay経由でさらに20,000円を追加可能)のため、高額納税者の単独利用には向きませんが、他のルートと組み合わせる補完手段として活用できます。

2025年8月6日以降、Famima Card以外のJCBブランドカードでのファミペイへのチャージ上限は、本人確認の有無にかかわらず月20,000円が一律の上限です。

iPhoneユーザーはApple Pay経由でさらに月20,000円を追加でき、合計月40,000円まで対応できます。

たとえば、年間の固定資産税が150,000円の方がau PAYゴールドカードとファミペイを組み合わせる場合、au PAYゴールドカードで120,000円・ファミペイ(Apple Pay経由)で30,000円という形で手数料ゼロで支払えます。

年間納税額別・複数ルート組み合わせ例(2026年5月現在)
年間納税額 ルート例 月間上限の目安 備考
〜10万円 nanaco1枚 上限内で対応可 センター預かりの操作が必要
〜13万円 nanaco(10万円)+ファミペイ(3万円・iPhone) 合計13万円まで 前月からのチャージ計画が必要
〜25万円 通常au PAYカード(月25万円・au回線保有者) 1か月で対応可 チャージ時ポイント付与なし
〜30万円 au PAYゴールドカード(月30万円・条件あり) 1か月で対応可 年会費11,000円・au契約者限定
30万円超 au PAYゴールドカード+nanaco+ファミペイの組み合わせ 複数月に分けて準備 計画的なチャージ管理が必要

▲ 目次に戻る

4.【2026年最新】主要クレジットカードの固定資産税ポイント還元率一覧

クレジットカードのポイント付与ルールは、2025〜2026年にかけて大きく変わりました。

以前の情報をもとに選ぶと損をする可能性があるため、最新の情報を正確に把握しておくことが重要です。

▲ 目次に戻る

4-1. 直接払い(eLTAX)でポイントが付くカード・付かないカード

固定資産税を地方税お支払サイトからクレジットカードで直接払いする場合、ポイントの付き方はカードによって大きく異なります。

「普段の買い物と同じ還元率」が適用されるカードもあれば、税金払いでは還元率が大幅に下がるカードもあります。

主要クレジットカード 固定資産税ポイント還元率早見表【2026年5月現在】
カード名 年会費 直払い還元率 変更・注意点
リクルートカード 無料 1.2% 税金払いでも還元率変わらず。現状、高還元を維持する数少ないカードの一つ
Orico Card THE POINT 無料 1.0% 税金払いでも還元率変わらず【要ファクトチェック:Orico公式サイト】
三井住友カード(NL等) 無料〜 0.5% 税金直払いはポイント付与対象かつ年間100万円修行のカウント対象。固定資産税の直払いに関しては2026年3月の改定の影響なし
三井住友カード プラチナプリファード 33,000円 1.0% 税金払いも対象。ビジネスオーナーズ版は0.5%
dカード 無料 0.5% 2026年2月1日から1.0%→0.5%に引き下げ
dカード GOLD 11,000円 0.5% 同上
楽天カード(直払い) 無料 0.2% 地方税共同機構(eLTAX)経由の直払いは500円で1ポイント。通常の1.0%より大幅に低い
PayPayカード 無料 1.0% 直払いはポイント付与対象。請求書払い時は対象外

▲ 目次に戻る

4-2. 「改悪」情報の整理:主要3カードの正確な現状

改悪とは、以前よりポイント還元率が下がったり、付与対象から外れたりすることを指します。

ネット上の情報は古いものが混在しているため、2026年5月時点の正確な状況を整理します。

▲ 目次に戻る

dカード:税金払いの還元率が1.0%→0.5%に(2026年2月〜)

dカードは2026年2月1日から、固定資産税を含む税金・公共料金のポイント還元率が半減しました。

dカードは2026年2月1日から、電気・ガス・水道・地方税共同機構(eLTAX)での納税に利用した場合のポイント還元率が、100円につき1ポイント(1.0%)から200円につき1ポイント(0.5%)に半減しました。

たとえば、年間の固定資産税が80,000円の場合、以前は800円分のポイントを獲得できていたところが、現在は400円分になっています。

手数料(618円)との比較では、dカードで直払いすると差し引き218円の損となります。

dカードをお持ちで固定資産税の直払いに使っていた方は、「3.最もお得な支払い方法を「納税額別」で解説」で解説したチャージルートへの切り替えを検討してください。

▲ 目次に戻る

三井住友カード:税金直払いはポイント付与対象・修行カウントも対象

三井住友カードは、固定資産税の直払いに対するポイント付与が2026年5月現在も継続しており、年間100万円修行のカウントとしても利用できます。

三井住友カード(NL・ゴールドNL・プラチナプリファード等)での直払い還元率は通常0.5%、プラチナプリファードは1.0%です。

注意
  • 2026年3月1日より、年間100万円修行の集計対象外となる利用に「au PAY・Kyash・JAL Pay・バンドルカードへのチャージ」が追加されました。

つまり、三井住友カードで固定資産税を直払いすると、ポイントも貯まり、修行カウントにもなるという2つのメリットがあります。還元率は低め(0.5%)ですが、手数料との損益分岐点(0.41〜0.80%)を超えていれば実質プラスになります。

▲ 目次に戻る

楽天カード:直払いは0.2%に低下・楽天ペイ経由チャージルートが正解

楽天カードで固定資産税を直払いする場合の還元率は0.2%と低く、手数料負けする可能性があります。

楽天カードユーザーには、楽天キャッシュ経由の楽天ペイ請求書払い(還元率0.5%・手数料ゼロ)の方がお得です。

楽天カードで地方税お支払サイトから直接払いすると、還元率は500円で1ポイント(0.2%)に下がります。通常の楽天カード利用時の1.0%と比べると5分の1以下です。

たとえば、年間の固定資産税が80,000円の場合、楽天カード直払いで獲得できるポイントは160円分のみです。手数料618円を差し引くと、458円の損になります。

一方、次の手順を踏むとお得になります。

  1. 楽天カードから楽天キャッシュへチャージ(この時点でチャージ額の0.5%分のポイントが付与される)
  2. 楽天ペイの請求書払いで固定資産税を支払う(手数料ゼロ・支払い時のポイント付与はなし)

この方法なら手数料ゼロで実質0.5%の還元を受けられます。80,000円の税金であれば400円分のポイントが獲得できます。

注意
  • 楽天ペイ請求書払いの決済自体はポイント付与の対象外です。「楽天ペイで払えばポイントが貯まる」という認識は誤りで、あくまで「楽天キャッシュへのチャージ時」にポイントが付与されます。

▲ 目次に戻る

4-3. 電子マネーチャージで使えるカードの整理

電子マネーへのチャージ時にポイントを獲得する方法は、直払いの手数料を気にする必要がない点が魅力です。

ただし、チャージできるカードや上限は電子マネーごとに大きく異なります。

▲ 目次に戻る

nanacoチャージ対応カードと還元率

nanaco・au PAY・ファミペイ チャージ対応カードと還元率一覧【2026年5月現在】
電子マネー チャージ対応カード(新規) チャージ時還元率 月間チャージ上限 利用場所
nanaco セブンカード・プラス(直接チャージ)、その他MasterCard・JCB・AMEX(Apple Pay経由のみ・Visa不可) セブンカード・プラスは0.5%。他カードはカード会社次第(nanacoチャージをポイント対象外とするカードも多い) カード残高5万円+センター預かり5万円=計10万円まで セブン-イレブン
au PAY au PAYゴールドカード(オートチャージ・最大5%・月間上限1,000P)、au PAYカード(チャージ時ポイント付与なし) ゴールドカードは最大5%(月間1,000P上限・au回線保有者限定)。通常カードは0% ゴールドカード:月30万円、通常カード:月25万円(au回線保有者) eL-QR対応自治体
ファミペイ JCBブランドカード(Famima Card以外・月2万円) カード会社次第 月2万円(iPhone+Apple Pay経由で+2万円・計4万円) ファミリーマート

▲ 目次に戻る

現時点での「お得なチャージルート」まとめ

チャージルートのお得度を整理すると、次の通りです。

  • ポイント還元率の高さ重視: au PAYゴールドカードのオートチャージ(条件達成で最大5%・ただし月間上限1,000P・au/UQ mobile/povo1.0契約者限定)
  • 手軽さと安定性重視: セブンカード・プラス→nanaco(還元率0.5%・手数料ゼロ・コンビニ払い)
  • 楽天カード保有者: 楽天カード→楽天キャッシュ(0.5%)→楽天ペイ請求書払い(手数料ゼロ)
注意
  • ポイント付与ルールはカード会社が随時変更することがあります。本記事の情報は2026年5月時点のものです。

    実際のご利用前に各カード会社の公式サイトで最新情報を必ずご確認ください。

▲ 目次に戻る

5.【自治体差に注意】eL-QRとスマホ決済が使えない自治体への対処法

eL-QRとスマホ決済が使えるかどうかは、お住まいの自治体によって異なります。

納付書が届いたら、まずeL-QRが印刷されているかどうかを確認することが、支払い方法選びの出発点です。

▲ 目次に戻る

5-1. eL-QR非対応自治体の見分け方と代替手段

納付書にeL-QRが印刷されているかどうかで、使える支払い方法が大きく変わります。まず届いた納付書を確認し、印刷されているマークと番号の種類を把握することが出発点です。

納付書には、次の3種類の目印が印刷されている場合があります。

  • eLマーク: 「地方税お支払サイト」に対応している納付書に印刷されるマーク
  • eL番号(納付書番号): 地方税お支払サイトにログインして手続きする際に入力する番号
  • eL-QR: スマホアプリで読み取るための2次元バーコード(QRコード)。eLマークと一緒に印刷される

この3つの印刷状況によって、使える支払い方法は次のように変わります。

納付書の印刷状況別・使える支払い方法一覧
納付書の状態 地方税お支払サイト(クレカ等) スマホ決済アプリ 金融機関窓口(eL-QR対応)
eLマーク+eL-QR+eL番号 可能 可能 可能
eLマーク+eL番号のみ(eL-QRなし) 可能 不可 不可
eLマーク・eL-QRともになし 不可 不可 従来の窓口納付のみ

つまり、スマホ決済アプリを使うにはeL-QRが必須です。eL番号だけではスマホ決済アプリは使えません。

▲ 目次に戻る

eL-QRが印刷されているかどうかの見分け方

届いた納付書の右側または上部に、正方形の2次元バーコード(QRコード)と「eL」の文字が印刷されているかどうかをご確認ください。

  • eL-QRが印刷されている: スマホ決済・クレカ直払い・インターネットバンキングなどが利用可能
  • eLマーク・eL番号のみ印刷されている(eL-QRなし): 地方税お支払サイト経由のクレカ払い・インターネットバンキング・ペイジー払い(ATMやインターネットバンキングから税金を支払える電子決済サービス)は利用可能。スマホ決済アプリは不可
  • eLマーク・eL-QRともになし: コンビニ払い・金融機関窓口での現金払いが中心

なお、eL-QRとコンビニ払い用のバーコードは別物です。「QRコードがない=コンビニで払えない」ではありません。

コンビニ払いは従来のバーコードがあれば利用できます。以下はeL-QRとコンビニ払い用のバーコードのイメージです。

eL-QRとコンビニ払い用のバーコードの違いのイメージ

▲ 目次に戻る

eL-QR非対応の場合に使える代替手段

納付書にeL-QRが印刷されていない場合、次の支払い方法が利用できます。

  • 地方税お支払サイト経由のクレカ直払い: eLマーク+eL番号があれば利用可能。手数料はかかるが、ポイント還元が狙える(還元率0.75%以上のカードでプラスになる、詳細は「3-2.納税額5〜10万円の場合:クレカ直払いvsチャージルートの損益分岐点」参照)
  • コンビニ払い(電子マネー): nanacoやファミペイを使えばチャージ時のポイントを狙える。eL-QRがなくても利用可能
  • 口座振替(自動引落): ポイントは付かないが、確実に納付できる

▲ 目次に戻る

5-2. コンビニ払いとeL-QRの違い:バーコードとQRコードは別物

コンビニ払いはeL-QRがなくても利用できます。eL-QRとコンビニ払い用バーコードは別の仕組みであり、混同しないことが重要です。

eL-QRが印刷されていれば、地方税お支払サイトからの直接読み込みでクレジットカード納付が可能です。一方、eL-QRが印刷されていない納付書(住民税など)では、従来のバーコード読み込みとなり、利用できる決済アプリが限られます。

この2つの違いを整理すると次のようになります。

eL-QRとコンビニ払い用バーコードの違い一覧
項目 eL-QR(2次元バーコード) コンビニ払い用バーコード(1次元)
見た目 正方形のQRコード+「eL」マーク 細い縦縞のバーコード
読み取り方法 スマホアプリで読み取る コンビニのレジで読み取ってもらう
使える場所 自宅・スマホのみ(コンビニ不可) コンビニ店頭のみ
使える支払い方法 スマホ決済・クレカ・ネットバンキング等 現金・電子マネー(nanaco・ファミペイ等)
ポイント獲得 決済手段による 電子マネーのチャージ時のみ

ポイントは、「eL-QRをコンビニのレジで見せても支払えない」という点です。

eL-QRはスマホアプリで読み取って自宅から払うためのコードであり、コンビニのレジに持参するものではありません。

また、コンビニ払い用バーコードがある納付書であれば、電子マネー(nanaco・ファミペイ)を使ってコンビニで支払うことは引き続き可能です。

横浜市の公式サイトには「金融機関やコンビニエンスストア等の窓口でアプリを提示しての納付はできません」と明記されており、eL-QRを使ったスマホ決済はあくまで自宅・スマホからの手続きになります。

▲ 目次に戻る

6.【一段上の節約】支払い方法の最適化だけでなく「課税額自体を下げる」

固定資産税の節約は、支払い方法の工夫だけではありません。

課税額そのものを合法的に引き下げる方法を知っておくと、毎年の税負担を大きく変えられる可能性があります。

▲ 目次に戻る

6-1. 住宅用地の特例:更地にすると税額が大きく上がる理由

自宅が建っている土地と、建物を取り壊した更地では、固定資産税の計算方法が異なります。建物を撤去すると、土地の税負担が大きく増える可能性があります。

まず、固定資産税の計算に使われる「評価額」について簡単に説明します。

評価額(ひょうかがく)とは、市区町村が土地や建物の価値を独自の基準で算出した金額のことです。実際の売却価格とは異なり、この評価額をもとに固定資産税が計算されます。

次に、固定資産税における「住宅用地」について簡単に説明します。

固定資産税における住宅用地とは、その年の1月1日の時点で住宅である家屋が建つ土地であり、200㎡までの部分が小規模住宅用地に、200㎡を超える部分が一般住宅用地に区分されます。

住宅用地は小規模住宅用地と一般住宅用地に区分されることを解説した図解

そして、住宅用地には「住宅用地の特例」と呼ばれる制度が適用されます。

住宅用地の特例とは、住宅が建っている土地に対して、課税の計算のもとになる金額(課税標準額)を大幅に引き下げる仕組みのことです。

課税標準額とは、評価額に一定の割合をかけて算出される、税額計算の基礎となる金額です。

具体的には、小規模住宅用地(200㎡以下の部分)では課税標準額が評価額の6分の1、一般住宅用地(200㎡超の部分)では3分の1になります。

一方、建物を取り壊して更地(さらち)にすると、この特例が適用されなくなります。更地は「商業地等」として扱われ、課税標準額は評価額の70%が上限となります。

注意
  • 「更地にすると固定資産税が6倍になる」と説明されることがありますが、正確ではありません。更地には「負担調整措置」(ふたんちょうせいそち)と呼ばれる経過的な軽減措置が適用されます。

    負担調整措置とは、評価額が変わったときに税額の急激な増加を段階的に抑える仕組みのことです。

    そのため、実際の税負担の増え幅は物件の状況によって異なります。「税額が大きく増える可能性がある」という認識で、実際の増加額は市区町村の窓口や専門家に確認することをおすすめします。

つまり、老朽化した建物の解体を検討している方は、取り壊し前に必ず固定資産税への影響を確認することが重要です。

▲ 目次に戻る

6-2. リフォーム減税(省エネ・耐震・バリアフリー・長期優良)の概要

一定の要件を満たすリフォームを行うと、固定資産税が工事完了の翌年度に大幅に軽減される措置があります。いずれの制度も適用期限は令和13(2031)年3月31日まで延長されています。

固定資産税には、住宅のリフォームに対する減税制度が設けられています。対象となる主な工事は次の4種類です。

  • 耐震改修工事: 現行の耐震基準に適合するよう改修した場合。翌年度の固定資産税(床面積120㎡相当分まで)が2分の1に軽減(税額が半分になる)
  • 省エネ改修工事: 窓や断熱材などの省エネ改修を行った場合。翌年度の固定資産税(床面積120㎡相当分まで)が3分の2に軽減(税額が3分の2になる)
  • バリアフリー改修工事: 段差解消や手すり設置などのバリアフリー工事を行った場合。翌年度の固定資産税(床面積100㎡相当分まで)が3分の2に軽減(税額が3分の2になる)
  • 長期優良住宅化リフォーム: 耐震改修または省エネ改修を行い、認定長期優良住宅に該当することとなった場合。翌年度の固定資産税(床面積120㎡相当分まで)が3分の1に軽減(税額が3分の1になる)

4種類のうち最も軽減効果が大きいのは長期優良住宅化リフォームです。

たとえば年間の固定資産税(建物分)が12万円の場合、長期優良住宅化リフォームが適用されると翌年度の税額は4万円(3分の1)になります。

これらの減税を受けるには、工事完了後に市区町村へ申告する必要があります。申告期限は工事完了後3か月以内が一般的ですが、自治体によって異なります。

申告を忘れると減税が受けられなくなるため、工事を依頼した業者にも減税制度の対象かどうかを事前に確認しておくことをおすすめします。

なお、令和8年度税制改正により、対象住宅の床面積要件の下限が50㎡から40㎡に緩和されました。以前は対象外だった小規模な住宅も、新たに適用対象となる可能性があります。

各制度には工事費用などの細かい要件があります。詳しい内容と最新情報は、お住まいの市区町村の窓口または国土交通省・総務省の公式サイトでご確認ください。

▲ 目次に戻る

6-3. 課税明細書の見直し:評価額に誤りがある場合の対処法

固定資産税の評価額は市区町村が計算して決定します。まれに計算に誤りが含まれる場合があり、確認・申し出を行うことで税額が下がるケースがあります。

課税明細書(かぜいめいさいしょ)とは、毎年4〜6月ごろに届く納税通知書に同封される書類で、土地・建物ごとの評価額や課税標準額が記載されたものです。

評価額が実態と異なる場合として、次のようなケースが考えられます。

  • 建物の一部を取り壊したのに、固定資産台帳に反映されていない
  • 増改築の内容が正しく記録されていない
  • 土地の形状・利用状況(たとえば法令上の利用制限がある土地)が適切に評価されていない

評価額に疑問を感じた場合は、まず市区町村の固定資産税担当窓口に問い合わせて、「固定資産課税台帳」の閲覧を申し出てみましょう。

固定資産課税台帳とは、市区町村が管理する土地・建物の評価情報をまとめた帳簿のことです。

また、評価額に納得できない場合は、「固定資産評価審査委員会(こていしさんひょうかしんさいいんかい)」に審査の申し出ができます。

固定資産評価審査委員会とは、固定資産税の評価に異議がある場合に審査を行う行政機関のことです。

申出期限は原則として納税通知書を受け取った日から3か月以内です。

▲ 目次に戻る

まとめ - よくある質問

固定資産税のお得な払い方は、「自分の納税額」「お住まいの自治体のeL-QR対応状況」「お手持ちのカード・アプリ」の3つの条件によって変わります。

全員に共通する「最強の払い方」は存在しません。本記事で解説した内容を3つのポイントで整理します。

  • 納税額5万円未満: スマホ決済アプリへのチャージルートが手軽でお得。手数料ゼロでポイントを獲得できる
  • 納税額5〜10万円: クレカ直払いの手数料(実質0.41〜0.80%)とお手持ちのカードの還元率を比較して選ぶ。還元率が手数料を上回るカードならプラスになる
  • 納税額10万円超: au PAYゴールドカード・nanaco・ファミペイなどを組み合わせた複数ルート戦略が有効

また、支払い方法の最適化だけでなく、リフォーム減税・評価額の見直しによって課税額そのものを下げる方法も存在します。

そして、本記事に掲載した情報は2026年5月時点のものです。ポイント付与ルールやカード改悪情報は随時変わるため、実際の支払い前に各公式サイトで最新情報をご確認ください。

最後に、固定資産税のお得な払い方に関して、読者の方からよく寄せられる疑問をまとめました。本記事で解説しきれなかった細かい点も含めて、一問一答形式でお答えします。

クレジットカードで固定資産税を払うと分割払いにできますか?
地方税お支払サイトでのクレジットカード払いは、原則として一括払いのみです。ただし、支払い後にカード会社のサービスで「あとからリボ」「あとから分割」に変更できる場合があります。対応状況はカード会社により異なるため、ご利用のカード会社にご確認ください。
ポイント還元を受けるなら固定資産税は一括払いと分割払い(4期分)、どちらがお得ですか?
クレジットカードで直払いする場合は、1年分を1回でまとめて払う方が有利です。手数料は支払い1回ごとに最初の1万円まで37円(税抜)が固定でかかるため、4回に分けると手数料の固定費が4回分かかります。スマホ決済や電子マネーは手数料ゼロのため、どちらでも差はありません。
固定資産税は口座振替にすると割引はありますか?
口座振替にしても固定資産税の税額は変わらず、割引制度は原則ありません。一部の自治体では全期前納(1年分を一括で納める方法)に対して報奨金制度を設けている場合がありますが、廃止した自治体も多くあります。詳細はお住まいの市区町村にご確認ください。
固定資産税は年4回に分けて払う場合と一括(全期)前納、どちらがお得ですか?
支払う税額は基本的に変わりません。ただし、クレジットカードで直払いする場合は1回払いにまとめた方が手数料を節約できます。一部の自治体では全期前納に対して報奨金(わずかな減額)を設けている場合があります。詳細はお住まいの市区町村にご確認ください。
固定資産税をふるさと納税で節税することはできますか?
ふるさと納税で固定資産税そのものを減らすことはできません。ふるさと納税は所得税・住民税からの控除が対象であり、固定資産税は控除対象に含まれていないためです。ただし、ふるさと納税で住民税の控除を受けることで、家計全体の税負担を抑えることは可能です。
著者・監修情報
固定資産税をパパっと解説(koteishisanzei-papatto.com)編集部。固定資産税に関する情報を図解を交えてわかりやすく解説することを心がけながら記事を作成しています。作成にあたっては、総務省 固定資産評価基準、一般社団法人 資産評価システム研究センター、国土交通省などの公的機関の情報、および信頼性が極めて高い専門サイトの情報を参照しています。
参考資料/参考サイト
地方税お支払サイト電子マネー nanaco 【公式サイト】クレジットカードの三井住友カードauのクレジットカード|au PAY カードファミリーマート公式サイトPayPay - QRコードで支払うキャッシュレス決済のスマホアプリ【公式】クレジットカードなら、楽天カード楽天ペイ - 街もネットも簡単お支払い!期間限定ポイント使える!
注意点
本記事の内容は令和8年5月時点のものです。最新の情報は市町村役場のホームページや窓口、総務省、国土交通省の公式サイトなどにてご確認ください。

▲ 目次に戻る

こちらの記事もオススメです