みんな大きらいな固定資産税 なんのために払う?

みんな大きらいな固定資産税 なんのために払う?

「なんで払うの?」と思ったことはありませんか? 4月になると届く、あの固定資産税の封筒です。

納税通知書を見て、「こんなに払うの?」「このお金は何に使われているの?」と疑問に思ったことがある方も多いのではないでしょうか。

そこで、今回の「固定資産税をパパっと解説」では、固定資産税の使い道や、税額が高すぎると感じたときの対処法などを解説します。

目次

1. 固定資産税は何に使われている?

固定資産税は何に使われている?

固定資産税の納税通知書を見て、「結局、このお金は何に使われているんだろう」と疑問に思ったことはありませんか。

実は、固定資産税は私たちの身近な行政サービスを支えるために使われています。毎日利用する道路や、お子さんが通う学校、休日に訪れる公園など、暮らしに欠かせない施設やサービスの財源の一つです。

たとえば、次のようなことに活用されています。

  • 道路:道路の舗装や補修
  • 学校:小中学校などの施設の維持・整備
  • 公園:公園の整備や遊具の設置
  • 福祉:介護サービスや高齢者・子育て支援
  • 消防:消防車や消防署の運営

このように、固定資産税は特別な目的のためだけに使われる税金ではありません。私たちが日常生活の中で利用している、さまざまな公共サービスを支える大切な財源となっています。

固定資産税は「使いみち」が法律で決められていない

少し意外に感じるかもしれませんが、固定資産税は、法律で使いみちが細かく決められている税金ではありません。

このような税金は「普通税」と呼ばれます。普通税とは、市区町村が地域の状況や必要性に応じて、使いみちを決められる税金のことです(出典:総務省 固定資産税の概要と歴史)。

そのため、先ほど挙げた道路や学校、公園などへの支出も、「法律で固定資産税を使うと決められているから」ではありません。市区町村が地域に必要な行政サービスを維持・充実させるために、予算を配分した結果として使われています。

一方で、税金の中には、使いみちがあらかじめ決められているものもあります。たとえば、都市計画税は都市計画事業や土地区画整理事業などに充てることを目的とした「目的税」です。

固定資産税は目的税ではなく普通税であるため、市区町村は地域の実情に合わせて、必要な行政サービスへ柔軟に財源を配分できます。

固定資産税は市区町村にとってどれくらい重要な財源?

固定資産税がどれほど重要な税金なのか、数字で確認してみましょう。

2024年度(令和6年度)の全国の固定資産税収は、9兆9,911億円でした。これは、同年度の市区町村税収23兆9,500億円の約41.7%を占めています(出典:総務省 国税・地方税の税収内訳令和6年度決算額)。

つまり、市区町村の税収のおよそ4割は固定資産税によるものです。道路や学校、公園、福祉、消防など、地域の行政サービスを支えるうえで、固定資産税は欠かせない財源の一つとなっています。

固定資産税が使われる公共サービスのイメージ図(道路・学校・公園・福祉・消防)

「自分が住んでいる市区町村では、税金がどのように使われているのだろう?」と思った方は、市区町村のホームページを見てみましょう。

税金全体がどの分野に使われているのかを、円グラフやイラストでわかりやすく公表している自治体が多くあります。

ちなみに、当サイト「固定資産税をパパっと解説」では、固定資産税のお得な払い方を解説する記事を公開中です。ぜひご覧ください。

お役立ち記事
固定資産税のお得な払い方|令和8年度の納税額別ベストルート

この章のまとめ
項目 内容
主な使いみち 道路・学校・公園・福祉・消防など、身近な公共サービス
使いみちは決まっている? 普通税のため、法律で細かく決められていない。市区町村が地域の実情に応じて予算を配分する
税収の規模(2024年度) 9兆9,911億円(市区町村税収の約41.7%)
もっと知りたいときは お住まいの市区町村ホームページで「予算の使いみち」などを確認する

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2. 大阪市では、固定資産税はこんなことに使われている

固定資産税はこんなことに使われている(大阪市)

前の章では、固定資産税は使いみちが法律で細かく決められていない「普通税」であり、市区町村が地域の実情に応じて予算を配分していることを解説しました。

では実際に、固定資産税はどのような行政サービスを支えているのでしょうか。

ここでは一例として、大阪市を見てみましょう。

大阪市の公式ホームページによると、固定資産税は大阪市税収の約半分を占める重要な財源です。その税収は、市民の暮らしを支えるさまざまな行政サービスに活用されています(出典:大阪市 固定資産税)。

具体的には、次のような分野です。

  • 清掃:ごみ収集や資源ごみの回収
  • 住宅:市営住宅の維持・管理
  • 学校:小中学校などの教育施設の運営
  • 公園:公園の整備や維持管理
  • 福祉:高齢者や子育て世帯への支援
  • 消防:消防車や消防署の運営
  • 道路:道路の舗装や補修、通学路の整備
  • 上下水道:水道管の整備や下水処理

このように、固定資産税は私たちの生活と深く関わっています。

毎週のごみ収集、安全に通学するための道路整備、公園の維持管理、高齢者や子育て世帯への支援など、日常生活で当たり前に利用している多くの行政サービスは、固定資産税を含む市税によって支えられています。

住んでいる街によって使いみちは異なる

ここまで大阪市を例にご紹介しましたが、固定資産税の使いみちは全国共通ではありません。

固定資産税は普通税であるため、市区町村は地域の実情に応じて予算を配分しています。そのため、高齢化への対応を重視する自治体もあれば、道路整備や子育て支援、防災対策などに重点を置く自治体もあります。

つまり、大阪市で重視されている分野と、皆さんがお住まいの市区町村で重視されている分野は異なる場合があります。

「自分の街では固定資産税がどのように使われているのだろう」と思った方は、市区町村のホームページを確認してみましょう。

「予算の概要」や「税金の使いみち」といったページでは、税金がどの分野にどれくらい使われているのかを、グラフや表を使ってわかりやすく公表している自治体が多くあります。

自分が納めた税金が地域の暮らしにどのように役立っているのかを知ることで、固定資産税をより身近に感じられるでしょう。

この章のまとめ
項目 内容
大阪市の例 固定資産税は大阪市税収の約半分を占める重要な財源
主な使いみち 清掃・住宅・学校・公園・福祉・消防・道路・上下水道など
身近な例 ごみ収集、通学路の整備、公園の維持管理、高齢者・子育て世帯への支援など
注意点 固定資産税の使いみちは、市区町村ごとに異なる
もっと知りたいときは お住まいの市区町村ホームページで「予算の概要」や「税金の使いみち」を確認する

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3. いくら払う?固定資産税の計算方法をサクッと解説

固定資産税の計算方法をサクッと解説

「この税額は、どうやって決まっているんだろう?」

固定資産税の納税通知書を見て、そんな疑問を持ったことはありませんか。

固定資産税の計算は、一見すると複雑そうですが、大まかな流れは3つのステップで理解できます。

ここでは、細かい計算方法は省き、全体の流れだけをわかりやすく解説します。

ステップ1:まず、土地や家屋の「時価」が決まる

最初に、市区町村が土地や家屋の時価を評価します。

ここでいう時価とは、市区町村が評価した、建物や土地の価格のことです。

評価方法は、土地と家屋で異なります。

  • 土地:周辺の売買価格などを参考に評価します。
  • 家屋:現在、同じ建物をその場所に建てた場合の建築費を基準に、築年数による価値の減少などを反映して評価します。

この評価額は、原則として3年に1回見直されます。この見直しを「評価替え」と呼びます。

ステップ2:住宅が建っている土地は税負担が軽くなる

住宅が建っている土地には、税負担を軽くする特例が適用されます。

たとえば、原則として、住宅1戸につき200平方メートルまでの土地は、「小規模住宅用地」として、課税標準額(税額を計算するもととなる額)が評価額の6分の1になります。

つまり、住宅が建っている土地は、そのままの評価額で税額を計算するのではなく、税負担を軽くする仕組みが用意されているのです。

ステップ3:課税標準額に税率をかけて税額が決まる

最後に、ステップ2で決まった課税標準額に税率をかけると、固定資産税額が決まります。

固定資産税の標準税率は1.4%です。ただし、市区町村によっては条例で異なる税率を定めている場合があります。

  • 課税標準額 × 1.4%(標準税率)= 固定資産税額

この3つのステップを知っておくだけでも、「なぜこの税額になったのか」が理解しやすくなります。

実際に計算してみましょう

言葉だけではイメージしにくいので、シンプルな例で確認してみましょう。

項目 金額
課税標準額 1,000万円
税率 1.4%
固定資産税額 14万円

この例では、課税標準額1,000万円に標準税率1.4%を掛けるため、固定資産税額は14万円になります。

固定資産税の税額が決まるまでの3ステップを示したフローチャート

「自分の納税通知書の税額は合っているのだろうか」と不安な方は、納税通知書と一緒に届く課税明細書を確認してみましょう。

課税明細書には、固定資産の評価額や課税標準額、住宅用地の特例などが記載されています。これらを確認すると、税額がどのように計算されたのかを把握しやすくなります。

課税明細書の見方や、「税額が間違っているかもしれない」と感じた場合の確認方法については、次の章で詳しく解説します。

ちなみに、当サイト「固定資産税をパパっと解説」では、住宅や土地の売買価格から固定資産税をシミュレーションできるツールを公開中です。

試算できるのはあくまで税額の目安ですが、これから住宅の購入を予定する方がいらっしゃいましたら、ぜひお試しください。

お役立ちツール
固定資産税をパパっとシミュレーション|売買価格から税額を試算

この章のまとめ
ステップ 内容
ステップ1 市区町村が、土地や家屋の時価を評価する
ステップ2 住宅が建っている土地は、住宅用地の特例により課税標準額が軽減される
ステップ3 課税標準額 × 税率(標準税率1.4%)で固定資産税額が決まる
計算例 課税標準額1,000万円の場合、固定資産税額は14万円(標準税率の場合)
疑問があるときは 課税明細書で評価額や課税標準額、特例の適用状況などを確認できる(詳しくは次章で解説)

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4. 固定資産税が「おかしい」と感じたときの対処法

固定資産税が「おかしい」と感じたときの対処法

前の章では、固定資産税の税額が決まる流れを解説しました。

その仕組みを知ると、「うちの固定資産税は高すぎるのでは?」と感じる方もいるかもしれません。

そんなときは、すぐに「間違っている」と判断するのではなく、順番に確認していくことが大切です。

ここでは、固定資産税に疑問を感じたときの確認方法を、4つのステップで解説します。

まずは「課税明細書」を確認する

固定資産税の税額に疑問を感じたら、最初に確認したいのが課税明細書です。

課税明細書は、納税通知書と一緒に送られてくる書類で、土地や家屋の面積(地積・床面積)、評価額、課税標準額、税額の計算に必要な情報などが記載されています。

まずは、次の項目を確認してみましょう。

  • 土地や家屋の面積:登記内容と大きな違いがないか
  • 評価額・課税標準額:税額の計算に使われている金額に不自然な点がないか
  • 特例や軽減措置:住宅用地の特例などが適用されているか

「なんとなく高い気がする」と感じるだけでは、本当に税額がおかしいのかは判断できません。

まずは課税明細書を確認し、記載内容に誤りや見落としがないかをチェックすることが、疑問を解消する第一歩です。

固定資産税に疑問があるときはどうすればいい?

課税明細書を確認しても内容がよくわからない、あるいは「やはりおかしい気がする」と感じる場合は、まずお住まいの市区町村の担当窓口に相談してみましょう。

いきなり不服申立ての手続きをする必要はありません。

窓口では、土地や家屋がどのような基準で評価されたのか、なぜその税額になったのかについて説明を受けられます。電話で相談できる市区町村も多いため、疑問があれば早めに問い合わせると安心です。

納得できない場合は「審査の申出」ができる

担当窓口に相談しても納得できない場合は、「審査の申出」という制度を利用できます。

審査の申出とは、固定資産課税台帳に登録された価格(評価額)に不服がある場合に、市区町村に設置された固定資産評価審査委員会へ審査を求めることができる制度です(出典:資産評価システム研究センター 令和8年度 固定資産税のしおり)。

審査の結果、価格(評価額)が修正されれば、それに応じて課税標準額や税額が見直される場合があります。

ただし、土地には税負担を急激に増やさないための調整措置があるため、価格(評価額)が変更されても、固定資産税額が変わらないケースもあります。

なお、価格(評価額)そのものではなく、税額の計算方法や課税手続きに疑問がある場合は、「審査の申出」の対象ではありません。この場合は、「審査請求」など別の手続きとなるため、まずは担当窓口で確認するとスムーズです。

審査の申出には期限がある

「審査の申出」は、いつでもできるわけではありません。

原則として、納税通知書の交付を受けた日の翌日から3か月以内に行う必要があります。

この期限を過ぎると、その年度の価格(評価額)については、原則として審査の申出ができなくなります。

固定資産税に疑問を感じたら、「あとで確認しよう」と後回しにせず、できるだけ早く課税明細書を確認し、必要に応じて市区町村へ相談しましょう。

固定資産税の税額に疑問を感じたときの対処法を3ステップで示した図解

「審査の申出をするほどではないけれど、評価額が適正なのか気になる」という方は、縦覧制度を利用する方法もあります。

縦覧制度とは、毎年4月ごろの一定期間に、同じ市区町村内にある他の土地や家屋の価格(評価額)と、自分の土地や家屋の価格(評価額)を比較できる制度です。

周辺の土地や家屋と比べて、自分の価格(評価額)が適正かどうかを確認できるため、疑問があるときの参考になります(参考:東京都主税局 <縦覧のお知らせ>固定資産税にかかる土地・家屋の価格などがご覧になれます(23区内))。

この章のまとめ
ステップ 内容
ステップ1 課税明細書で、土地や家屋の面積、評価額、課税標準額、特例・軽減措置の適用状況を確認する
ステップ2 疑問があれば、市区町村の担当窓口に相談する
ステップ3 価格(評価額)に納得できない場合は、「審査の申出」により固定資産評価審査委員会へ審査を求められる(審査の申出は、原則として納税通知書の交付を受けた日の翌日から3か月以内に行う)
気軽に利用できる制度 縦覧制度で、周辺の土地や家屋の価格(評価額)と比較できる

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まとめ - 固定資産税と上手に付き合うために

ここまで、固定資産税が何に使われているのか、税額が決まる仕組み、そして「税額がおかしいかもしれない」と感じたときの確認方法について解説してきました。

最後に、この記事のポイントを振り返ります。

固定資産税は、暮らしを支える大切な財源

固定資産税は、ただ支払うだけの税金ではありません。

道路や学校、公園、消防、福祉など、私たちが毎日利用している身近な行政サービスを支える大切な財源の一つです。

また、固定資産税は使いみちが法律で細かく決められていない「普通税」です。そのため、市区町村は地域の実情に応じて予算を配分し、住民の暮らしに必要な行政サービスへ活用しています。

「自分が納めた固定資産税は、どのように使われているのだろう」と気になった方は、一度お住まいの市区町村のホームページを確認してみてください。

予算の使いみちや税金の配分を見ることで、固定資産税が地域の暮らしを支える重要な役割を担っていることが、よりイメージしやすくなるでしょう。

税額に納得できないときは、確認・相談できる制度がある

固定資産税の仕組みを理解したうえで、「やはり税額が高いのでは?」と感じることもあるかもしれません。

そのような場合は、一人で悩まず、次の順番で確認してみましょう。

  • 課税明細書で、面積や評価額、課税標準額、特例・軽減措置の適用状況を確認する
  • 疑問があれば、市区町村の担当窓口へ相談する
  • 価格(評価額)に納得できない場合は、審査の申出を利用する
  • 審査の申出は、原則として納税通知書の交付を受けた日の翌日から3か月以内に行う

こうした制度を知っておくだけでも、固定資産税に疑問を感じたときに、落ち着いて対応しやすくなります。

この記事を読んでも疑問が残る場合は、お住まいの市区町村の担当窓口へ相談してみてください。

土地や家屋の状況に応じて、評価や税額の考え方について説明を受けられます。また、納付方法についても、口座振替やスマートフォン決済など、利用できる方法を案内してもらえることがあります。

固定資産税は毎年納める税金だからこそ、仕組みを知っておくことが、安心して納税する第一歩になります。

記事のまとめ
項目 内容
固定資産税の使いみち 道路・学校・公園・福祉・消防など、身近な行政サービスを支える財源の一つ
使いみちの決め方 固定資産税は普通税のため、市区町村が地域の実情に応じて予算を配分する
税額の決まり方 市区町村が評価した建物や土地の時価をもとに課税標準額を決め、税率(標準税率1.4%)を掛けて算出する
疑問を感じたときの対処法 課税明細書を確認 → 市区町村へ相談 → 必要に応じて審査の申出(原則3か月以内)
困ったときの相談先 お住まいの市区町村の担当窓口
著者・監修情報
固定資産税をパパっと解説(koteishisanzei-papatto.com)編集部。固定資産税に関する情報を図解を交えてわかりやすく解説することを心がけて記事を作成しています。作成にあたっては、総務省、一般財団法人 資産評価システム研究センター、国土交通省などの公的機関の情報、および信頼性が極めて高い専門サイトの情報を参照しています。
参考資料・参考サイト
総務省 固定資産税の概要と歴史総務省 国税・地方税の税収内訳令和6年度決算額東京都主税局 <縦覧のお知らせ>固定資産税にかかる土地・家屋の価格などがご覧になれます(23区内)大阪市 固定資産税資産評価システム研究センター 令和8年度 固定資産税のしおり
注意点
本記事の内容は令和8年8月時点のものです。最新の情報は市区町村役場のホームページや窓口、総務省、国土交通省の公式サイトなどにてご確認ください。

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